SS置き場 (ツイノベ /ネタ書き/短編)

紫陽さらり

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一日の始まり(甘々/両思い)

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  眠る君を見つめていたら、なんだか少しだけ触れたくなって、君の額にかかる前髪を一束だけ指先で払った。

 ほんの少し触れたら、もっと触れたくなって…少しだけ、少しだけって顔を寄せた。

 まだ、目を開けないで。

 まだ、起きないでね。

  君の額に僕の髪が触れた瞬間、身動ぎした君の鼻と僕の鼻先が擦れて、それだけで心臓が飛び出すんじゃないかと思うほどドキッとした。

  ドキドキしながら、もう少し、もう少しだけって僕はどんどん欲張りになって……

  ゆっくりと君の唇に重なるように、僕の唇を微かに触れ合わせた。恥ずかしくて、幸せで、もどかしい。

「…ん……?」

 目を開けた君はにっこり笑って、僕を見つめながら当たり前のようにしっとりと口を塞いで「おはよう」と言った。

 今日もまた、幸せな1日の始まりだ。
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