SS置き場 (ツイノベ /ネタ書き/短編)

紫陽さらり

文字の大きさ
上 下
19 / 31

甘いジュース(幼なじみ/しょた/甘々/ハピエン)

しおりを挟む
ついさっき俺は、幼稚園からの親友に告白した。

愛翔あいと、あのさ、男の俺にこんな事言われても気持ち悪いかも知れないけど…オレさ、愛翔の事…好き……なんだ」

 この部屋の持ち主は オレに言われた言葉を理解しているのかいないのか 良く分からない顔で無言のままオレの顔を見つめている。

 とても整った綺麗な顔に無言で見つめられ続けるのは、なんともむず痒い気持ちになる。

悠久ゆうく、何かの勝負に負けたの?誰?けーちゃんたち?」

 オレには永遠とも思える間の沈黙の後、淡々と的外れな事を言われたオレは このまま無かったことにしてしまおうかと逡巡してしまう

「…え?あー、うーんまぁ…そんな感じ」

 気持ち悪いと嫌われてしまうくらいなら オレの告白など冗談で済ませてしまった方が良い。

 もしここで、本当に愛してるんだ などと言って嫌われてしまったら、「気持ち悪い」と避けられてしまったら...そんなの、死んだ方がましだ。

「…そうなんだ。ホントだったら良かったのに」

 表情は何一つ変わらないまま、淋しそうな声色でポツリと呟く声をオレの耳は逃さなかった。

「えっ?!」
「ん?…悠久飲み物おかわりいる?俺もらってくるよ」
「いらない。オレ、それより愛翔が欲しい」

 グラスを持って立ち上がりかけていた愛翔の腕を掴んで抱きしめた。

「ッ!え、ゆーく、え?どうしたの?」
「ごめんあーちゃん。さっきのウソ。オレ本当に好きなんだ。こういう事したいって意味で」

 柔らかい頬に唇を押し付けてもう一度ぎゅっと抱き締めた

「え、え?…ちゅって…え?ゆーくぅ?!」

 愛翔の酷く混乱した声が耳元で聞こえてくる。
 ああ、オレ今一番好きな人を抱きしめてるんだ。

「あーちゃんを愛してるんだよ。愛翔はオレの事好き?」

 ゆっくりと体を離して覗き込むように目を合わせると、珍しく真っ赤な顔でうるうると涙を浮かべた愛翔の可愛い顔があった。

「…ッ…うんッ!だ、大好きッ!ゆーく!ぁ、ああ ぁぃあ愛、愛して……る」
「えへへ。嬉しい。あーちゃん可愛い」

 初めてのキスは甘いジュースの味がした。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

上司と俺のSM関係

雫@更新予定あり
BL
タイトルの通りです。

営業活動

むちむちボディ
BL
取引先の社長と秘密の関係になる話です。

美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない

すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。 実の親子による禁断の関係です。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

ヤクザに囚われて

BL
友達の借金のカタに売られてなんやかんやされちゃうお話です

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!

処理中です...