SS置き場 (ツイノベ /ネタ書き/短編)

紫陽さらり

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甘いジュース(幼なじみ/しょた/甘々/ハピエン)

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ついさっき俺は、幼稚園からの親友に告白した。

愛翔あいと、あのさ、男の俺にこんな事言われても気持ち悪いかも知れないけど…オレさ、愛翔の事…好き……なんだ」

 この部屋の持ち主は オレに言われた言葉を理解しているのかいないのか 良く分からない顔で無言のままオレの顔を見つめている。

 とても整った綺麗な顔に無言で見つめられ続けるのは、なんともむず痒い気持ちになる。

悠久ゆうく、何かの勝負に負けたの?誰?けーちゃんたち?」

 オレには永遠とも思える間の沈黙の後、淡々と的外れな事を言われたオレは このまま無かったことにしてしまおうかと逡巡してしまう

「…え?あー、うーんまぁ…そんな感じ」

 気持ち悪いと嫌われてしまうくらいなら オレの告白など冗談で済ませてしまった方が良い。

 もしここで、本当に愛してるんだ などと言って嫌われてしまったら、「気持ち悪い」と避けられてしまったら...そんなの、死んだ方がましだ。

「…そうなんだ。ホントだったら良かったのに」

 表情は何一つ変わらないまま、淋しそうな声色でポツリと呟く声をオレの耳は逃さなかった。

「えっ?!」
「ん?…悠久飲み物おかわりいる?俺もらってくるよ」
「いらない。オレ、それより愛翔が欲しい」

 グラスを持って立ち上がりかけていた愛翔の腕を掴んで抱きしめた。

「ッ!え、ゆーく、え?どうしたの?」
「ごめんあーちゃん。さっきのウソ。オレ本当に好きなんだ。こういう事したいって意味で」

 柔らかい頬に唇を押し付けてもう一度ぎゅっと抱き締めた

「え、え?…ちゅって…え?ゆーくぅ?!」

 愛翔の酷く混乱した声が耳元で聞こえてくる。
 ああ、オレ今一番好きな人を抱きしめてるんだ。

「あーちゃんを愛してるんだよ。愛翔はオレの事好き?」

 ゆっくりと体を離して覗き込むように目を合わせると、珍しく真っ赤な顔でうるうると涙を浮かべた愛翔の可愛い顔があった。

「…ッ…うんッ!だ、大好きッ!ゆーく!ぁ、ああ ぁぃあ愛、愛して……る」
「えへへ。嬉しい。あーちゃん可愛い」

 初めてのキスは甘いジュースの味がした。
 
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