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✿トマとマト(トマトの受粉BL/メリバ/♡?)
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僕はめしべのトマ。
あと数日で、おしべのマトと自家受粉する予定。
自家受粉って言うのはね、おしべの先端の袋の中に溜まった花粉が十分に成熟した時、やくが破れて中に入っていた花粉がびゅびゅっと外に飛び出して、めしべの柱頭にぶっかけられて受粉するんだよ。そうすると種子ができるんだ! 僕達の子供だよ!
僕達トマトのおしべはめしべより短いんだけど、成長と共におしべがめしべよりおっきくなるんだ!
だからマトも昔はもっと小さくて可愛かったのに、最近では僕とちょっとしか違わなくて、すごくおっきくて立派なやくを支える棒状の部分になって男らしいんだ。
先輩が言うにはあと2、3日でマトのやくはパンパンになって花粉が飛び出るみたい。
「俺 もう少しでトマより背が高くなる!」
「ほんとだ! マトずいぶん大きくなったね」
「やくの中に花粉もどんどん溜まってきたし、そろそろトマと受粉出来そう。ずいぶん待たせてごめんね」
「ごめんなんてそんな! 僕達がここまで成長する間にたくさんお話できたし、思い出もたくさん出来たの嬉しかったよ」
「早く、受粉して一つになりたいな」
「うん。赤ちゃん楽しみだね!」
「トマ、愛してるよ」
「うん、僕も愛してる」
この時の僕はまだ、自分達の子供を見る事が出来ると信じて疑う事は無かった。
その日はそよそよと心地の良い風が吹くよく晴れた日だった。
「もうマトのがすっかり大きくなっちゃったね」
「…っ…うん。もう、そろそろ出そうっ…」
「えっ!ほんとに?」
「ん、もっとお話っ…してたいんだけど…そろそろヤバそう」
「いいよ。マト、いっぱい僕にかけて?」
「っ…!イクよ、トマっ…んっ!!」
その日、僕の柱頭に花粉をたっぷりかけてくれたマトは花糸だけになってしまった。
花柱を通してマトの花粉が僕の子房に入って受粉が成功した。
「マト、僕キミの花粉で赤ちゃん出来たよ」
「…………」
その日からマトは話す事も出来ず、徐々に枯れ果てていった。それと共に僕の子房が膨らみ、タネが出来た。
「僕達の赤ちゃんだと思ってたけど、もしかしたら僕達は一つになっただけなのかも知れないね」
「…………」
「ねぇマト、愛してるよ。」
緑色の小さなトマトは暖かな陽射しに包まれて、数日で真っ赤に実り収穫されて美味しく食べてもらえた。
─────これは、僕とマトの幸せな物語。
あと数日で、おしべのマトと自家受粉する予定。
自家受粉って言うのはね、おしべの先端の袋の中に溜まった花粉が十分に成熟した時、やくが破れて中に入っていた花粉がびゅびゅっと外に飛び出して、めしべの柱頭にぶっかけられて受粉するんだよ。そうすると種子ができるんだ! 僕達の子供だよ!
僕達トマトのおしべはめしべより短いんだけど、成長と共におしべがめしべよりおっきくなるんだ!
だからマトも昔はもっと小さくて可愛かったのに、最近では僕とちょっとしか違わなくて、すごくおっきくて立派なやくを支える棒状の部分になって男らしいんだ。
先輩が言うにはあと2、3日でマトのやくはパンパンになって花粉が飛び出るみたい。
「俺 もう少しでトマより背が高くなる!」
「ほんとだ! マトずいぶん大きくなったね」
「やくの中に花粉もどんどん溜まってきたし、そろそろトマと受粉出来そう。ずいぶん待たせてごめんね」
「ごめんなんてそんな! 僕達がここまで成長する間にたくさんお話できたし、思い出もたくさん出来たの嬉しかったよ」
「早く、受粉して一つになりたいな」
「うん。赤ちゃん楽しみだね!」
「トマ、愛してるよ」
「うん、僕も愛してる」
この時の僕はまだ、自分達の子供を見る事が出来ると信じて疑う事は無かった。
その日はそよそよと心地の良い風が吹くよく晴れた日だった。
「もうマトのがすっかり大きくなっちゃったね」
「…っ…うん。もう、そろそろ出そうっ…」
「えっ!ほんとに?」
「ん、もっとお話っ…してたいんだけど…そろそろヤバそう」
「いいよ。マト、いっぱい僕にかけて?」
「っ…!イクよ、トマっ…んっ!!」
その日、僕の柱頭に花粉をたっぷりかけてくれたマトは花糸だけになってしまった。
花柱を通してマトの花粉が僕の子房に入って受粉が成功した。
「マト、僕キミの花粉で赤ちゃん出来たよ」
「…………」
その日からマトは話す事も出来ず、徐々に枯れ果てていった。それと共に僕の子房が膨らみ、タネが出来た。
「僕達の赤ちゃんだと思ってたけど、もしかしたら僕達は一つになっただけなのかも知れないね」
「…………」
「ねぇマト、愛してるよ。」
緑色の小さなトマトは暖かな陽射しに包まれて、数日で真っ赤に実り収穫されて美味しく食べてもらえた。
─────これは、僕とマトの幸せな物語。
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