5 / 6
騎士団長の息子現る!
しおりを挟む
湯浴みから戻った俺は自室でまったりして今後の事を考えていた。
病気になった設定にして……学園を何ヶ月も欠席、その後にそれを理由にこちらが一方的に悪いという事で婚約破棄をしてもらう。
女性としてはかなり風聞の痛手を被るし結婚はもう諦めるしかないだろうが、むしろ俺からすればそれの方が渡りに船だ。
初夜なんて迎える事は必要がない。
まず侍女たちを落とし、その後は町へ繰り出して町娘たちとも遊ばなければならないのだから!
使命感にも似た何かに俺は燃え、先の展開を考えまくる。
昼食をとり、さらに思考を巡らす。
父親に学園を長期欠席する事を伝えなければいけないが、すぐに婚約破棄の話をしてもトラブルになるかもしれない。
男爵令嬢の話をすればそちらに手を回すだろうし、それによって公爵家が没落ルートに行く可能性もある。
俺の百合ハーレム化計画のためには没落してはその夢は絶対に達成されない。寧ろ知識チートや料理チートを使って我が世の春を築きたい。
コンコンッ
「お嬢様、お客人がいらしてます。前触れがなかったために少しお待ちいただく事も可能ですが……。アレックス様が来られています」
ドアがノックされたと思ったらロザリーがそんな事を言って来た。
アレックス……。馬鹿第一王子の取り巻きで騎士団長の息子。昨日のあの場面にも後ろに控えていた。
アイツが一体なんの用なんだ? 腐っても伯爵家の跡取りなので合わないわけにはいかないだろう。
しかしどうしよう。曲がりなりにも体調不良で学園を欠席している。まあ皆、俺が王子にされた事と男爵令嬢ごときに面子を潰された事で休んでると思っているだろうが……。
少し悩んだのちに、この部屋に来てもらう事にした。当然2人きりになる事はないのでドアを開けてロザリーにも控えていてもらうつもりだ。
「この部屋へお連れしてもらえる? 体調不良で休んでいるのにその初日に自分の家の中とはいえ、歩いて面会に行くのはおかしいわ」
「はい、わかりました」
「オリビア嬢。体調は如何かな。欠席したと聞いてね。お見舞いに来たよ」
「まあ、アレックス様。嬉しいですわ。今朝、起きるとどうも体調が優れませんで学園の方は休ませていただきましたの」
「そうか。何か無理がたたったのかもしれないな。精のつくものも持って来ている。夜にでもご家族と食べてほしい」
いや、体調が悪いって言ってんのに精のつくものってなんなん? 体を鍛えすぎて脳ミソまで筋肉なの?
騎士団長の息子だけあってコイツの体は凄いんだよね。もう筋肉モッリモリ。
いや待てよ、精がつけばロザリーともっと天国に行けるのでは?
グッジョブだったよアレックス! でももう帰ってくれないかな。
「ありがとうございます。優しいのですね」
「……ッ。オリビア嬢。俺は……! 昨日はすまなかった。あの男爵令嬢の振る舞いは淑女としては良くないものだったのに、俺は注意する事もできずに」
えぇぇ~? まとも……な事を言っている? あれ? そう言えば騎士団長の息子なんて完全に攻略対象っぽいのに、攻略対象ではなかったような?
「アレックス様。良いのです。お気遣いくださってありがとうございます」
「オリビア嬢……!」
アレックスは急に立ち上がり俺に近寄ると手を握ってきた!
ひぃぃ。どしたん。どうしたん。
しかも手を握られた時に彼の後ろになぜか薔薇のエフェクトが起きていた。
そのエフェクトヒロインが攻略者と会話する時にでるゲームの仕様ですやん。
えぇ? いったいどういう事? お。落ち着け俺。まずは手を握られている事が問題だ。男爵令嬢の行いが良くないものだと分かっていて、第一王子の婚約者の手を取るのは良いと思ってるのか?
やんわりともう片方の手で俺はアレックスの手を自分の手からふりほどく。
「あ、ああ。すまない。気持ちが高ぶってしまって」
だから薔薇ぁ。何でそこでそのエフェクト出てくるのん?
「いえ、私の事を気遣っての事うれしいですわ」
「そ、そうか。今日はこれで失礼する。早く体調を戻して学園に戻ってほしい」
顔を赤らめてアレックスがそんな事を言う。ははんっ。俺は察しが良いからね。鈍感ではない。コイツ、俺の容姿があまりにも綺麗だから見惚れたな。
だが断るっ!!
「はい。お気をつけてお帰りになって下さい」
ふぅ~。まあ社交辞令を言うくらいは俺にだってできるのだ。
病気になった設定にして……学園を何ヶ月も欠席、その後にそれを理由にこちらが一方的に悪いという事で婚約破棄をしてもらう。
女性としてはかなり風聞の痛手を被るし結婚はもう諦めるしかないだろうが、むしろ俺からすればそれの方が渡りに船だ。
初夜なんて迎える事は必要がない。
まず侍女たちを落とし、その後は町へ繰り出して町娘たちとも遊ばなければならないのだから!
使命感にも似た何かに俺は燃え、先の展開を考えまくる。
昼食をとり、さらに思考を巡らす。
父親に学園を長期欠席する事を伝えなければいけないが、すぐに婚約破棄の話をしてもトラブルになるかもしれない。
男爵令嬢の話をすればそちらに手を回すだろうし、それによって公爵家が没落ルートに行く可能性もある。
俺の百合ハーレム化計画のためには没落してはその夢は絶対に達成されない。寧ろ知識チートや料理チートを使って我が世の春を築きたい。
コンコンッ
「お嬢様、お客人がいらしてます。前触れがなかったために少しお待ちいただく事も可能ですが……。アレックス様が来られています」
ドアがノックされたと思ったらロザリーがそんな事を言って来た。
アレックス……。馬鹿第一王子の取り巻きで騎士団長の息子。昨日のあの場面にも後ろに控えていた。
アイツが一体なんの用なんだ? 腐っても伯爵家の跡取りなので合わないわけにはいかないだろう。
しかしどうしよう。曲がりなりにも体調不良で学園を欠席している。まあ皆、俺が王子にされた事と男爵令嬢ごときに面子を潰された事で休んでると思っているだろうが……。
少し悩んだのちに、この部屋に来てもらう事にした。当然2人きりになる事はないのでドアを開けてロザリーにも控えていてもらうつもりだ。
「この部屋へお連れしてもらえる? 体調不良で休んでいるのにその初日に自分の家の中とはいえ、歩いて面会に行くのはおかしいわ」
「はい、わかりました」
「オリビア嬢。体調は如何かな。欠席したと聞いてね。お見舞いに来たよ」
「まあ、アレックス様。嬉しいですわ。今朝、起きるとどうも体調が優れませんで学園の方は休ませていただきましたの」
「そうか。何か無理がたたったのかもしれないな。精のつくものも持って来ている。夜にでもご家族と食べてほしい」
いや、体調が悪いって言ってんのに精のつくものってなんなん? 体を鍛えすぎて脳ミソまで筋肉なの?
騎士団長の息子だけあってコイツの体は凄いんだよね。もう筋肉モッリモリ。
いや待てよ、精がつけばロザリーともっと天国に行けるのでは?
グッジョブだったよアレックス! でももう帰ってくれないかな。
「ありがとうございます。優しいのですね」
「……ッ。オリビア嬢。俺は……! 昨日はすまなかった。あの男爵令嬢の振る舞いは淑女としては良くないものだったのに、俺は注意する事もできずに」
えぇぇ~? まとも……な事を言っている? あれ? そう言えば騎士団長の息子なんて完全に攻略対象っぽいのに、攻略対象ではなかったような?
「アレックス様。良いのです。お気遣いくださってありがとうございます」
「オリビア嬢……!」
アレックスは急に立ち上がり俺に近寄ると手を握ってきた!
ひぃぃ。どしたん。どうしたん。
しかも手を握られた時に彼の後ろになぜか薔薇のエフェクトが起きていた。
そのエフェクトヒロインが攻略者と会話する時にでるゲームの仕様ですやん。
えぇ? いったいどういう事? お。落ち着け俺。まずは手を握られている事が問題だ。男爵令嬢の行いが良くないものだと分かっていて、第一王子の婚約者の手を取るのは良いと思ってるのか?
やんわりともう片方の手で俺はアレックスの手を自分の手からふりほどく。
「あ、ああ。すまない。気持ちが高ぶってしまって」
だから薔薇ぁ。何でそこでそのエフェクト出てくるのん?
「いえ、私の事を気遣っての事うれしいですわ」
「そ、そうか。今日はこれで失礼する。早く体調を戻して学園に戻ってほしい」
顔を赤らめてアレックスがそんな事を言う。ははんっ。俺は察しが良いからね。鈍感ではない。コイツ、俺の容姿があまりにも綺麗だから見惚れたな。
だが断るっ!!
「はい。お気をつけてお帰りになって下さい」
ふぅ~。まあ社交辞令を言うくらいは俺にだってできるのだ。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説

死亡エンドしかない悪役令嬢に転生したので、どのルートを選ぶのかヒロインに聞こうと思います
真理亜
恋愛
「ねぇ、どのルートなの?」
そう問われた私は困惑するしかなかった。この人が言うにはこの世界は乙女ゲームとやらの世界で、この人は悪役令嬢で私がヒロインなんだそうだ。
「はぁっ!?」
全然意味分かんないですけど!? この人なに言ってんの!?

悪役令嬢なのに、完落ち攻略対象者から追いかけられる乙女ゲーム……っていうか、罰ゲーム!
待鳥園子
恋愛
とある乙女ゲームの悪役令嬢に生まれ変わったレイラは、前世で幼馴染だったヒロインクロエと協力して、攻略条件が難し過ぎる騎士団長エンドを迎えることに成功した。
最難易度な隠しヒーローの攻略条件には、主要ヒーロー三人の好感度MAX状態であることも含まれていた。
そして、クリアした後でサポートキャラを使って、三人のヒーローの好感度を自分から悪役令嬢レイラに移したことを明かしたヒロインクロエ。
え。待ってよ! 乙女ゲームが終わったら好感度MAXの攻略対象者三人に私が追いかけられるなんて、そんなの全然聞いてないんだけどー!?
前世からちゃっかりした幼馴染に貧乏くじ引かされ続けている悪役令嬢が、好感度関係なく恋に落ちた系王子様と幸せになるはずの、逆ハーレムだけど逆ハーレムじゃないラブコメ。
※全十一話。一万五千字程度の短編です。

婚約破棄された悪役令嬢は王子様に溺愛される
白雪みなと
恋愛
「彼女ができたから婚約破棄させてくれ」正式な結婚まであと二年というある日、婚約破棄から告げられたのは婚約破棄だった。だけど、なぜか数時間後に王子から溺愛されて!?

【完結】異世界転生した先は断罪イベント五秒前!
春風悠里
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら、まさかの悪役令嬢で断罪イベント直前!
さて、どうやって切り抜けようか?
(全6話で完結)
※一般的なざまぁではありません
※他サイト様にも掲載中
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

盲目のラスボス令嬢に転生しましたが幼馴染のヤンデレに溺愛されてるので幸せです
斎藤樹
恋愛
事故で盲目となってしまったローナだったが、その時の衝撃によって自分の前世を思い出した。
思い出してみてわかったのは、自分が転生してしまったここが乙女ゲームの世界だということ。
さらに転生した人物は、"ラスボス令嬢"と呼ばれた性悪な登場人物、ローナ・リーヴェ。
彼女に待ち受けるのは、嫉妬に狂った末に起こる"断罪劇"。
そんなの絶対に嫌!
というかそもそも私は、ローナが性悪になる原因の王太子との婚約破棄なんかどうだっていい!
私が好きなのは、幼馴染の彼なのだから。
ということで、どうやら既にローナの事を悪く思ってない幼馴染と甘酸っぱい青春を始めようと思ったのだけどーー
あ、あれ?なんでまだ王子様との婚約が破棄されてないの?
ゲームじゃ兄との関係って最悪じゃなかったっけ?
この年下男子が出てくるのだいぶ先じゃなかった?
なんかやけにこの人、私に構ってくるような……というか。
なんか……幼馴染、ヤンデる…………?
「カクヨム」様にて同名義で投稿しております。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。

深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる