貴族令嬢を助けたら断罪されました。人間のカテゴリから外れた俺は、無能の敵対者をざまぁ無双する~

うし。

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第一章 ダンジョンコアを手に入れました!?

第47話 尻穴は守られる②

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 俺が転移で戻ると、暴力要員だったうちの一人がうめいていた。

 「そうか、ご苦労」

 俺はバルガスを労うと、アイテムボックスから剣を16本取り出だし放り投げる。
 そうそう、ダンジョン内に宝箱が設置できるのだが、ダンジョンが吸収した装備やアイテムはコピーされて宝箱からランダムで出現させることができた。
 最初は1本の剣でもランダムではあるが何回も出現するために、かなりお得と言えるだろう。

 まあ、実際にはダンジョンポイントになる前のポイント……わかりにくいが、俺が手に入れる前のポイントが使われて作られているようではあるんだけどな。
 諸々が裏で処理をされてポイントと表示されているというわけだ。

 「その剣を拾って、ここの敵を倒して外に出ることができるなら助けてやろう」

 俺がそういうと一人の男が剣を拾い……、

 「死ねぇ!」

 いや、やると思ったよ。
 お前は剣を持ち、俺は素手だもんな?

 「グヘらっ」

 しかしその剣は俺に届くことはなく、バルガスがその男を殴り吹き飛ばす。
 
 ゴキリッ

 そしてバルガスは瞬時にその吹き飛んだ男に追いつくと、首を絞めてゴキリと首の骨をへし折った。

 「まさか、この状況で俺を倒せると思うとか……。なぁバルガス。俺もお前も舐められたもんだな?」
 「はい。ですから、示しをつけるためにもっておきました」

 コイツはマジで才能があるよ。
 ただ、ミスをしてはいけないから一応忠告もしておくか。

 「雰囲気で察しろ。俺に舐めた態度や行動をとっていても、俺が許しているならそれは殺したり処罰を与える必要はない」
 「もちろん、わかっております」

 ……B級凄すぎない?
 俺の心の機微きびまで理解できるの?
 レイリーは眷属だからわかって当然と思って対応していたが、今日会ってボコった相手が有能すぎる件。
 まあ有能なのは問題ないか。

 「よし、それじゃ一人減ってしまったが、協力してこのダンジョンを抜けても構わない。頑張れよ」
 「ちょ、ちょっと待っておくれ! あちきたちは剣なんて持ったことありゃあしません。戦えるわけがないでしょう?」

 いや、言語理解よ。
 ちゃんと仕事をしなさいよ。
 『あちき・・・ とか わちき・・・』という一人称なら、『ありんす』とか「ござりんす」とか語尾に付けろよ……。
 まあ気になるけど気にしたら負けなのか?

 「戦えるわけがないと言われてもな。お前たちが生き残るにはここから抜け出すしかない。まあ、俺を倒してみればどうなるかわからんが……。先ほどの男がしたように全員で俺を倒しにきてみるか?」

 俺の言葉にバルガスが一歩前に出る。
 俺が相手をする前にお前がするってか?

 「なんであたしはこっちなの!? さっき移動した四人は元孤児でしょ! あたしも孤児院出身よ!」

 今度は一人だけ残した元孤児の女か。

 「いや、お前は真っ黒じゃん。そうだな、冥途の土産に教えておいてやるか。ここに残っているお前らは、スキル・解析によって俺の判断の基準値で死罪が確定している。だから生き残るには力を示せ」

 孤児院の院長なんて、もう諦めたのか反応自体が少なくなってしまっている。
 こんな小物が町の人たちの善意の寄付なんかをのうのうと流用していたのかと思うと反吐が出る。
 悪党なら悪党らしく気概を示せよ!

 「あ、あちきは何でもします! いくらでもお相手しますから、どうかどうか!」
 「わ、わたしも!」

 娼館で働いていた女たちが俺に群がる。
 これはあれか?
 女の武器を使っているのか?
 そう考えれば、この戦闘方法もかなり強力に思える。
 さすが別の世界で戦ってきた海千山千の猛者だな。
 まあほとんどが梅毒でチェックメイトされていたけど。
 自分の力を示したとも言えなくもないか……。

 しかしまあ、自分たちは戦えないと言われれば戦闘要員だった男たちと比べて、剣も持ったことがない連中に、いきなりゴブリンと戦えというのも無茶な気がしてくる。
 でもこいつらは、こいつらが強者だった時に、弱者を許さず食い物にしてきた連中だ。
 
 「ボス。ボスの魔法で既に隷属化しているのなら、更生させることもできるのではないですか? それにあっしが汚れ仕事を引き受けるとして、一人では足りないように思います」

 ふむ。
 俺が表でルーナやヒナと行動をしている時に、裏社会の出来事を持ち込むわけにもいかないか。
 ただまだ隷属化まではできていないんだよな。
 俺の契約魔法のレベルが低いから、今はまだ俺たちのことがしゃべれない程度の魔法でしかない。

 「そうだな……。それなら俺が親や恋人を殺せと言った時に殺せるやつ、どんな理不尽な命令でも従うことができるやつだけは助けてやろう。なんでも出来るんだろう?」
 「あちきは出来るよ。お願いします。助けてください!」
 「わたしも!」
 「お、俺も!」

 どさくさに紛れて男が一人手をあげる。

 「お前はバルガスのケツの穴が舐められるか?」
 「ボ、ボス!?」

 俺の一言でどさくさに紛れて声を上げた男は、苦い顔をして引き下がる。
 お前の覚悟しょっぼいな、おい。

 「お前は?」

 俺は女性で一人だけ群がって来ていなかった元孤児の女にも一応聞いてみる。

 「あ、あたしは……あたしも何でも言うことを聞きます……」
 「なら後でバルガスの尻穴でも舐めておけ」
 「ボ、ボス!」
 「ははは、冗談だ。お前でも尻を隠すんだな」

 尻穴と言われて、自分の尻穴を必死で隠したバルガスの行動が面白くてつい冗談を言ってしまったが、ご褒美のつもりだったんだがな。
 まあ、嫌ならやめさせておこうか。



 その後、無事に院長たちはダンジョン内で命を落とし俺のポイントとなってくれた。
 ちなみに、誰も二階層まで辿り着けなかったので、バルガスが殺した男を二階層で処理をしてボーナスポイントになってもらった。
 残った女性十人はと言うと、エレナたちと混ぜるつもりはないので、今いる三階層の一角でとりあえずは生活をしてもらうことにする。
 たまにゴブリンに近くを徘徊させて脅すことも忘れない。

 領主まで手を伸ばしたかったが、養う人数が増えすぎてしまったので、俺はバルガスと共に必要な食材や寝具を求めて街へ繰り出すことになるのだった。

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