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第一章 ダンジョンコアを手に入れました!?
第20話 朝霧の雫
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新たに取得できるようになっていたスキルの鑑定を5万ポイントで、アイテムボックスを10万ポイントで取得した俺は、最初から所持している言語理解と合わせて異世界三種の神器と言える3つのスキルを手に入れることに成功した。
まあ、鑑定とアイテムボックスに関しては条件反射で覚えてしまったが後悔はしていない。
次の日。
俺はルーナとヒナを誘い、バジュラを連れてギルドのクエストボード前までやって来た。
「常時依頼以外に出来そうなクエストがあればいいが」
俺はそう言いながら、俺たちが受けることのできるクエストが貼られた掲示板からクエストを探す。
「ん? 朝露の雫草の採集ってクエストがあるな。たしか資料室で見た薬草の一種だったか?」
「だね。花弁に溜まった朝露が、ある病気の特効薬になると書かれていたような気がする」
「ならこれにするか。あとは移動中にカイフー草やゴブリン討伐の常時依頼をこなす感じかな。念のためにもう一度資料室で確認してからいこうか」
「わかったわ」
「にいに だっこ!」
「ん? ああいいぞ」
「ヒナ! キョウジに甘えすぎよ」
「まぁ、動き回られて心配するより良いし、手間でもないから大丈夫だぞ」
「わーい!」
「もうっ」
ルーナたちの父親がダンジョンで亡くなったのがいつなのかはわからないが、ヒナの年齢で全く甘えることができていなかったのなら、その反動で俺に甘えているのかもしれない。
俺はヒナを抱っこすると、ギルド2階の資料室へと向かう。
しかしスカーフを巻いているだけなのに、バジュラが一切気にされることがないのは楽でいい。
いや、一切気にされていない訳ではないか。
たまに撫でたそうな視線はバジュラに向いている。
「あ、これかな。花がない状態だと見分けがつきにくいけど、必要なのは朝露を含んだ花だから花が咲いていればわかるよね?」
「花の形は結構独特だから大丈夫とは思うが……。まあ、スキルで鑑定を覚えたからそれっぽいのがあれば鑑定すれば確実だな」
「え? そうなの? それなら似たような花を探せば後は大丈夫そうね。でもキョウジって魔法やスキルをそんな簡単に覚えるなんてアヤシイ」
「ハハハ……」
ダンジョンマスターであることはまだルーナたちに話していないから、たしかにこんなに簡単に魔法やスキルが使えるようになるのはおかしいのか?
この世界のスキルや魔法が使えるようになるやり方を全て知っている訳ではないから誤魔化すしかない。
剣と魔法の世界なら何年もかけて習得する以外にもスキルスクロールやオーブでも覚えられそうだが……。
「ヒナもさがしゅよ!」
「おう。期待してるぞ~。よし、確認も終わったし行くか」
「もう誤魔化して! しょうがないわね」
俺たちは資料室を出て朝露の雫草を探しに出発する。
町を出たあたりからヒナは俺から降りて、茂みに入って遊んだり何かを捕まえたりしながらついてきている。
バジュラはそれにナイト気取りで尻尾を振り振りしながらついて行くのが可愛らしい。
俺はというと、新しく覚えた鑑定スキルで目に見えるものを片っ端から鑑定していた。
どうやら鑑定スキルはほぼ魔力を使うことなく使用できるようでかなり便利そうだ。
まあ現段階だと鑑定をしても、『雑草。道端に良く生えている』と名前さえでない草なんかが多いが、これは名前がついてないのかそれとも使用して熟練度が上がれば名前も出るのかは謎である。
しばらく進んでいるとカイフー草を発見する。
鑑定をしてみると、『カイフー草。ポーションの原料となる』となっているので雑草には名前がついてないだけなのかもしれない。
「ないな」
「ないわね……」
がるるるっ
「ん? 敵か? ヒナ、こっちに」
「うんっ!」
バジュラが急に警戒をして唸り始めたのでヒナを呼び寄せて警戒する。
「グギャギャ」
どうやらゴブリンが三体ほどいるようだ。
がるぅ!
小さな白い幼獣……バジュラが三体のゴブリンに向かって行く。
アイツ助けた時にゴブリンにやられていたのに大丈夫か?
バジュラを助けた時は5体のゴブリンだったからか?
敵の数が増えれば増えるほど対応は難しくはなるが、バジュラなら逃げられそうなものなのにあの時はゴブリン負けていた。
俺はそう思いながらもいつでも助けに入れるように動く。
バジュラは最初にゴブリンの足に噛みつくと、残りの二体が攻撃をしてきた瞬間に離し、別のもう一体を爪で攻撃。
その後すぐに三体目にも噛みついて動きを抑止すると、そのまま動きが遅くなったゴブリンに噛みついて仕留めていく。
「お、おお……完勝じゃないか」
「ばじゅらすごい!」
「私より絶対強いわね」
ヒナがバジュラを褒めたのを聞いたのか、バジュラは獲物を見せようとゴブリンの一体の首に噛みつくと引きづってヒナの元へ来ようとしていた。
うーん、グロい。
俺はその個体の魔石を取り出し、常時クエストのために片耳を切り取る。
他の二体のゴブリンも同様にするために倒されたゴブリンの元へと移動する。
バジュラはその間にヒナとルーナに撫でられて満足しているようだった。
まあ、鑑定とアイテムボックスに関しては条件反射で覚えてしまったが後悔はしていない。
次の日。
俺はルーナとヒナを誘い、バジュラを連れてギルドのクエストボード前までやって来た。
「常時依頼以外に出来そうなクエストがあればいいが」
俺はそう言いながら、俺たちが受けることのできるクエストが貼られた掲示板からクエストを探す。
「ん? 朝露の雫草の採集ってクエストがあるな。たしか資料室で見た薬草の一種だったか?」
「だね。花弁に溜まった朝露が、ある病気の特効薬になると書かれていたような気がする」
「ならこれにするか。あとは移動中にカイフー草やゴブリン討伐の常時依頼をこなす感じかな。念のためにもう一度資料室で確認してからいこうか」
「わかったわ」
「にいに だっこ!」
「ん? ああいいぞ」
「ヒナ! キョウジに甘えすぎよ」
「まぁ、動き回られて心配するより良いし、手間でもないから大丈夫だぞ」
「わーい!」
「もうっ」
ルーナたちの父親がダンジョンで亡くなったのがいつなのかはわからないが、ヒナの年齢で全く甘えることができていなかったのなら、その反動で俺に甘えているのかもしれない。
俺はヒナを抱っこすると、ギルド2階の資料室へと向かう。
しかしスカーフを巻いているだけなのに、バジュラが一切気にされることがないのは楽でいい。
いや、一切気にされていない訳ではないか。
たまに撫でたそうな視線はバジュラに向いている。
「あ、これかな。花がない状態だと見分けがつきにくいけど、必要なのは朝露を含んだ花だから花が咲いていればわかるよね?」
「花の形は結構独特だから大丈夫とは思うが……。まあ、スキルで鑑定を覚えたからそれっぽいのがあれば鑑定すれば確実だな」
「え? そうなの? それなら似たような花を探せば後は大丈夫そうね。でもキョウジって魔法やスキルをそんな簡単に覚えるなんてアヤシイ」
「ハハハ……」
ダンジョンマスターであることはまだルーナたちに話していないから、たしかにこんなに簡単に魔法やスキルが使えるようになるのはおかしいのか?
この世界のスキルや魔法が使えるようになるやり方を全て知っている訳ではないから誤魔化すしかない。
剣と魔法の世界なら何年もかけて習得する以外にもスキルスクロールやオーブでも覚えられそうだが……。
「ヒナもさがしゅよ!」
「おう。期待してるぞ~。よし、確認も終わったし行くか」
「もう誤魔化して! しょうがないわね」
俺たちは資料室を出て朝露の雫草を探しに出発する。
町を出たあたりからヒナは俺から降りて、茂みに入って遊んだり何かを捕まえたりしながらついてきている。
バジュラはそれにナイト気取りで尻尾を振り振りしながらついて行くのが可愛らしい。
俺はというと、新しく覚えた鑑定スキルで目に見えるものを片っ端から鑑定していた。
どうやら鑑定スキルはほぼ魔力を使うことなく使用できるようでかなり便利そうだ。
まあ現段階だと鑑定をしても、『雑草。道端に良く生えている』と名前さえでない草なんかが多いが、これは名前がついてないのかそれとも使用して熟練度が上がれば名前も出るのかは謎である。
しばらく進んでいるとカイフー草を発見する。
鑑定をしてみると、『カイフー草。ポーションの原料となる』となっているので雑草には名前がついてないだけなのかもしれない。
「ないな」
「ないわね……」
がるるるっ
「ん? 敵か? ヒナ、こっちに」
「うんっ!」
バジュラが急に警戒をして唸り始めたのでヒナを呼び寄せて警戒する。
「グギャギャ」
どうやらゴブリンが三体ほどいるようだ。
がるぅ!
小さな白い幼獣……バジュラが三体のゴブリンに向かって行く。
アイツ助けた時にゴブリンにやられていたのに大丈夫か?
バジュラを助けた時は5体のゴブリンだったからか?
敵の数が増えれば増えるほど対応は難しくはなるが、バジュラなら逃げられそうなものなのにあの時はゴブリン負けていた。
俺はそう思いながらもいつでも助けに入れるように動く。
バジュラは最初にゴブリンの足に噛みつくと、残りの二体が攻撃をしてきた瞬間に離し、別のもう一体を爪で攻撃。
その後すぐに三体目にも噛みついて動きを抑止すると、そのまま動きが遅くなったゴブリンに噛みついて仕留めていく。
「お、おお……完勝じゃないか」
「ばじゅらすごい!」
「私より絶対強いわね」
ヒナがバジュラを褒めたのを聞いたのか、バジュラは獲物を見せようとゴブリンの一体の首に噛みつくと引きづってヒナの元へ来ようとしていた。
うーん、グロい。
俺はその個体の魔石を取り出し、常時クエストのために片耳を切り取る。
他の二体のゴブリンも同様にするために倒されたゴブリンの元へと移動する。
バジュラはその間にヒナとルーナに撫でられて満足しているようだった。
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