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第一章 ダンジョンコアを手に入れました!?
第16話 猫なの? 犬なの!?
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子トラを助けたその後は周囲を少し探索して、俺はさらにゴブリンを10体ほど倒していた。
その間にルーナとヒナは安全になった場所でカイフー草を採集する。
子トラは姉妹の護衛のつもりか二人の近くで周囲を警戒していた。
っていうか、野生動物があんなにも懐くものなのか?
俺やルーナの話していることも理解している感じがあるし、何よりヒナに対しては自分の主人かのように付き従っている。
「あれが狼なら実はフェンリルでしたってありえそうだが、見た感じ狼ではないんだよなぁ」
しかも敵が5体とは言え、ゴブリンに負けていた。
そもそも小さいからと言って幼獣だとは限らないが……。
「おいで ばじゅら!」
んん? ばじゅら? 子トラの名前を決めたのか?
それにしてもバジュラなんてどこぞの神の武器のような名前だ。
獣幼女と戯れる子トラ。
かわもふ×かわもふ――っとヤバイ。
エモかわすぎて意識を失いかけていた……ありだな!
「そう言えば、その子トラ……バジュラは匂いで薬草が分かったりしないのか?」
「どうなんだろ。 試してみる?」
俺の声を聞いたルーナが、カイフー草の匂いを嗅がせて探させてみましょうかという話をする。
「そうだな。やってみよう。ヒナ! バジュラを連れて来てくれ!」
バジュラと遊んでいて少し離れていたヒナを俺は呼び寄せる。
「にぃに、なに~?」
ヒナが俺の傍に来たことによって、自然とバジュラもその後について来ている。
「カイフー草の匂いをバジュラに嗅がせて、探せないかと思ってな」
俺はそう言うとバジュラの鼻先にカイフー草を持って行って匂いを嗅がせた。
くんくん
バジュラはそんな感じでカイフー草の匂いを嗅ぐと声をあげた。
「ぅにゃぁ゛ー」
おお、バジュラよ。
お前はそんな声なのか?
少しダミ声ではあるがネコみたいな声でバジュラは鳴いて移動をすると、一度こちらを振り返ってついてこい! とでもいうかのような動きをする。
「トラもライオンもネコ科だから鳴き声なんてこんなものなのかもな」
「ばじゅらついてこいっちぇ」
「行きましょ、キョウジ」
「ああ」
俺たちは、バジュラの後を追う。
バジュラは時々茂みや地面をクンクンすると、移動していく。
「にゃーん」
移動を停止したバジュラが今度はダミ声ではない声で鳴いたのでその地面を見ると、そこにはカイフー草が茂っていた。
「キョウジ、カイフー草がたくさん! これって凄くない!?」
「お、おお。見つけられるもんなんだな」
「ばじゅらちゅごい!」
俺とルーナが茂っているカイフー草を採る間、ヒナはバジュラを撫でて労をねぎらっている。
そこからはバジュラの案内の元、俺たちはカイフー草を採集しまくるのだった。
たまにバジュラが警戒をした声を発するのだが、その声からしばらくするとゴブリンやウサギを発見する。
ゴブリンは倒してウサギはルーナ曰く、美味しいということだったので倒した後は血抜きをして持ち帰ることにした。
「まだ昼を少し過ぎたくらいだが、これ以上は持てないし帰ろうか」
俺はカイフー草やウサギで、これ以上は何かがあった時に戦闘に支障をきたすと言うほどの荷物を抱えると、ルーナとヒナに話しかけた。
「前回も多く採集できたけど、バジュラのお陰でさらに短時間でこんなに薬草が取れるなんて」
「ばじゅらやったね!」
「わふぅ」
バジュラ、お前そこは『にゃー』じゃないのかよ!?
ドヤっぽい犬のような声を出したバジュラに俺は心の中で突っ込んだ。
ちなみに、ゴブリンの死体なんかをダンジョンコアに吸収すればポイントになるだろうと思って、この間から色々なものを俺が死にかけた時と同じようにコアルームに入れようとはしているのだが、コアルームに死体や物を送ることはなぜかできなかった。
それさえできれば幾らでもダンジョンポイントが増やせるのだが、何か条件があるのかもしれない。
俺たちは朝に歩いた道を1時間30分ほどかけて戻ると、先にナンナ家へ行ってウサギをおく。
「おにく~ おにっく~ にっくにく~♪」
「にゃ~♪」
ウサギ肉が食べられることが嬉しいのか、ヒナが歌いバジュラが相槌を打つ。
町に入る時に門番はいるのだが、バジュラを見せても特に何も言われる事はなかった。
飼い犬や飼い猫も時々見かけるので、もしかしたらそのせいなのかもしれない。
そう言えば、良くある異世界物で、俺は飼い犬や飼い猫を飼っている一般家庭の話があるものを読んだ事がなかったなと気付く。
地球上の歴史だと犬は約15000年以上前から、日本だと縄文時代にはすでに狩猟のパートナーとして飼われていたはずだ。
猫も5000年ほど前からミアキスという豹のような大型肉食獣が起源だとされていて、そこから住む環境を求めて細分化され、リビアヤマネコという種がイエネコの始まりだと言われている。
ネズミから穀物を守るために飼われることが多くなったイエネコだが、中世ヨーロッパでは魔女の使いとして迫害をされて多くが殺されることとなる。
その後はネズミなどを媒体としたペストが大流行し、ヨーロッパの人口の3分の1が死ぬと言う結末は、迫害された猫の呪いだったのかもしれない。
「バジュラは何の登録もしなくても飼えるのか?」
門番には特に何も言われなかったので大丈夫な気もするが、気になったために俺はルーナに問いかける。
「どうなのかな? ネズミの駆除のためにネコを飼っている人からは町長の許可がいると言う話を聞いたような。あ、でも犬は冒険者ギルドだったかな?」
狩りやクエストにつれていく場合は冒険者ギルドなのか?
「それなら一度冒険者ギルドで聞いてみようか。どの道ゴブリンと薬草の常時依頼の達成報告に行く必要があるしな」
「ええ、そうね」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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本当にお願いします……。
その間にルーナとヒナは安全になった場所でカイフー草を採集する。
子トラは姉妹の護衛のつもりか二人の近くで周囲を警戒していた。
っていうか、野生動物があんなにも懐くものなのか?
俺やルーナの話していることも理解している感じがあるし、何よりヒナに対しては自分の主人かのように付き従っている。
「あれが狼なら実はフェンリルでしたってありえそうだが、見た感じ狼ではないんだよなぁ」
しかも敵が5体とは言え、ゴブリンに負けていた。
そもそも小さいからと言って幼獣だとは限らないが……。
「おいで ばじゅら!」
んん? ばじゅら? 子トラの名前を決めたのか?
それにしてもバジュラなんてどこぞの神の武器のような名前だ。
獣幼女と戯れる子トラ。
かわもふ×かわもふ――っとヤバイ。
エモかわすぎて意識を失いかけていた……ありだな!
「そう言えば、その子トラ……バジュラは匂いで薬草が分かったりしないのか?」
「どうなんだろ。 試してみる?」
俺の声を聞いたルーナが、カイフー草の匂いを嗅がせて探させてみましょうかという話をする。
「そうだな。やってみよう。ヒナ! バジュラを連れて来てくれ!」
バジュラと遊んでいて少し離れていたヒナを俺は呼び寄せる。
「にぃに、なに~?」
ヒナが俺の傍に来たことによって、自然とバジュラもその後について来ている。
「カイフー草の匂いをバジュラに嗅がせて、探せないかと思ってな」
俺はそう言うとバジュラの鼻先にカイフー草を持って行って匂いを嗅がせた。
くんくん
バジュラはそんな感じでカイフー草の匂いを嗅ぐと声をあげた。
「ぅにゃぁ゛ー」
おお、バジュラよ。
お前はそんな声なのか?
少しダミ声ではあるがネコみたいな声でバジュラは鳴いて移動をすると、一度こちらを振り返ってついてこい! とでもいうかのような動きをする。
「トラもライオンもネコ科だから鳴き声なんてこんなものなのかもな」
「ばじゅらついてこいっちぇ」
「行きましょ、キョウジ」
「ああ」
俺たちは、バジュラの後を追う。
バジュラは時々茂みや地面をクンクンすると、移動していく。
「にゃーん」
移動を停止したバジュラが今度はダミ声ではない声で鳴いたのでその地面を見ると、そこにはカイフー草が茂っていた。
「キョウジ、カイフー草がたくさん! これって凄くない!?」
「お、おお。見つけられるもんなんだな」
「ばじゅらちゅごい!」
俺とルーナが茂っているカイフー草を採る間、ヒナはバジュラを撫でて労をねぎらっている。
そこからはバジュラの案内の元、俺たちはカイフー草を採集しまくるのだった。
たまにバジュラが警戒をした声を発するのだが、その声からしばらくするとゴブリンやウサギを発見する。
ゴブリンは倒してウサギはルーナ曰く、美味しいということだったので倒した後は血抜きをして持ち帰ることにした。
「まだ昼を少し過ぎたくらいだが、これ以上は持てないし帰ろうか」
俺はカイフー草やウサギで、これ以上は何かがあった時に戦闘に支障をきたすと言うほどの荷物を抱えると、ルーナとヒナに話しかけた。
「前回も多く採集できたけど、バジュラのお陰でさらに短時間でこんなに薬草が取れるなんて」
「ばじゅらやったね!」
「わふぅ」
バジュラ、お前そこは『にゃー』じゃないのかよ!?
ドヤっぽい犬のような声を出したバジュラに俺は心の中で突っ込んだ。
ちなみに、ゴブリンの死体なんかをダンジョンコアに吸収すればポイントになるだろうと思って、この間から色々なものを俺が死にかけた時と同じようにコアルームに入れようとはしているのだが、コアルームに死体や物を送ることはなぜかできなかった。
それさえできれば幾らでもダンジョンポイントが増やせるのだが、何か条件があるのかもしれない。
俺たちは朝に歩いた道を1時間30分ほどかけて戻ると、先にナンナ家へ行ってウサギをおく。
「おにく~ おにっく~ にっくにく~♪」
「にゃ~♪」
ウサギ肉が食べられることが嬉しいのか、ヒナが歌いバジュラが相槌を打つ。
町に入る時に門番はいるのだが、バジュラを見せても特に何も言われる事はなかった。
飼い犬や飼い猫も時々見かけるので、もしかしたらそのせいなのかもしれない。
そう言えば、良くある異世界物で、俺は飼い犬や飼い猫を飼っている一般家庭の話があるものを読んだ事がなかったなと気付く。
地球上の歴史だと犬は約15000年以上前から、日本だと縄文時代にはすでに狩猟のパートナーとして飼われていたはずだ。
猫も5000年ほど前からミアキスという豹のような大型肉食獣が起源だとされていて、そこから住む環境を求めて細分化され、リビアヤマネコという種がイエネコの始まりだと言われている。
ネズミから穀物を守るために飼われることが多くなったイエネコだが、中世ヨーロッパでは魔女の使いとして迫害をされて多くが殺されることとなる。
その後はネズミなどを媒体としたペストが大流行し、ヨーロッパの人口の3分の1が死ぬと言う結末は、迫害された猫の呪いだったのかもしれない。
「バジュラは何の登録もしなくても飼えるのか?」
門番には特に何も言われなかったので大丈夫な気もするが、気になったために俺はルーナに問いかける。
「どうなのかな? ネズミの駆除のためにネコを飼っている人からは町長の許可がいると言う話を聞いたような。あ、でも犬は冒険者ギルドだったかな?」
狩りやクエストにつれていく場合は冒険者ギルドなのか?
「それなら一度冒険者ギルドで聞いてみようか。どの道ゴブリンと薬草の常時依頼の達成報告に行く必要があるしな」
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