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第一章 ダンジョンコアを手に入れました!?
第14話 猫の習性
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次の日、俺は冒険者ギルドのクエストをルーナと一緒にするためにナンナ家を訪れる。
今日は前回に冒険者ギルドに行くのが遅かったせいか、クエストが少なかったので30分ほど早めにナンナ家へと向かった。
たった30分しか早めていないのは、ナンナ家の朝の忙しさを知っているのでそれの邪魔をしてはいけないと配慮したからだ。
そうそう、歯車の設定の所で時刻もわかることが判明して、さらにすぐに見えるようにしたいと考えただけで俺の視界には時間が半透明で歯車の上の場所に表示されるようになった。
まだまだダンジョンコアの能力が使いこなせてはいないが、便利機能は沢山ありそうだ。
コンコンッ
「ルーナ来たぞ~」
ガチャリ
俺はノックをすると一度声をかけてドアを開ける。
「にぃに~。ヒナもいくぅ~」
ドアを開けた瞬間にヒナがトテトテとやってきて俺の足に縋りついた。
「こら、ヒナ! 私たちはお仕事に行くんだから。ダメでしょ」
「え~。だめじゃないもーん」
俺の足にしがみついて後ろのルーナの方を向いているヒナを見ると、猫耳がピコピコと動いていてとても可愛らしい。
そんなモフモフに抗えるはずもなく俺はヒナの頭をナデナデする。
「えへへ~」
ヒナは頭をなでられてシッポを振りながら嬉しがっている。
俺は撫でたい。
ヒナは頭を撫でられるのが好き。
なんてありがたいんだ!
猫獣人なら顎下も撫でたら喜ぶか?
ただ、ヒナは耳とシッポ以外は普通の人間と大差がないから、すべすべの顎下を撫でても喜ばないかもしれない。
「ヒナはナンナさんの護衛はどうしたんだー?」
俺はヒナが冒険者ギルドに来ると言うのを、ナンナさんの護衛をさせるということで回避をしたはずなのだが、ナンナさんは既に家にいないようでヒナがついて行かなかった理由を聞いた。
「えっとね~、おかーしゃんのとこテキでない!」
まあそうだよな……と俺は思う。
むしろヒナがいるのに暴漢が出るような場所にはナンナさんが行かないだろうし、農園も遠くが見渡せるので近づく前に不審者か知り合いかはわかるのだ。
俺は少し考えてヒナは自分が守れば良いかと考えた。
そう、俺は既に魔法が使えるようになっていて一気に強くなっている。
それに猫獣人であれば、人族よりも運動神経などが高い可能性もあるのだ。
「じゃあヒナも一緒に行くか?」
「あい!」
「ちょっと、キョウジ!?」
俺はルーナの非難の目線に少しだけたじろぐが、ヒナは自分が守ると説明する。
「難しいクエストを選ばなければ大丈夫だし、実は新しく魔法も使えるようになったんだ。だから安全に気を付ければ大丈夫だと思う」
「まほう!? すごい! みちぇてー!」
「うーん? それなら? でも危険な所はダメだよ」
「わかってる」
俺はヒナの手を引くと、ルーナと一緒に冒険者ギルドへと向かうのだった。
俺たちはギルドに入りクエストが貼られている掲示板の前で良さそうなものを探す。
「金額は安いけど、町での引っ越しの手伝いとかあるな? これなら安全かな?」
「そうだね。町の中なら安全だろうし」
「えぇ~。ヒナ、テキたおす! それにまほうをみせてくれるって、にいにいっちゃ!」
俺はヒナに魔法を見せる約束はしていないが、たしかにヒナは魔法が見たいと言っていたなと思いだす。
「うーん、ならゴブリン退治か? というかヒナはグロ耐性あるのか?」
「ぐりょ?」
「いや、魔獣だと殺すことになるから、バーンってすると汚い花火が咲いちゃう」
「?」
ヒナが可愛らしく首を横にコテっと傾けるのをみて俺はナデナデする。
「えへへ」
「ほらヒナ、キョウジに迷惑をかけないの。町の中でするお手伝いにしなさい」
「えぇ~。きちゃないはなびみりゅ!」
ヒナが汚い花火を見たいと床に座ってイヤイヤする。
いや、意味を理解してる!? ほんとに汚い花火が見たいの!?
「ならゴブリン退治にするか? クエスト達成は右耳を5つ単位か」
俺はクエストの内容を確認すると、ゴブリン退治のクエストをボードから剥がした。
魔法を覚える前であれば、ルーナを危険に晒すことを避けてゴブリン退治を選ぶことはなかった。
まして今回はヒナもいる。
ただ、昨日の魔法の練習で試した感じでは魔法が使えるだけで圧倒的に強くなっているという感覚があった。
今までであれば敵の前まで移動する必要があったが、今なら遠距離から攻撃することも可能なのだ。
魔法を使えない人だってこの世界にいるし、ゴブリン討伐は低ランク。
それらを考えると、魔法が使えるだけでルーナもヒナも守ることができると考えた。
「キョウジ!? ほんとに大丈夫かな?」
俺は正直、この世界の常識がまだ十分にわかっていない。
ただ、普通に魔物がいて魔法がある世界だ。
そしてヒナは猫獣人でもある。
現代日本人の感覚なら、幼い子供がゴブリンの爆散を見ればトラウマものかもしれないが、この世界ではそうではない可能性も大きかった。
それに見たいと言ってヒナが後で悔やんだとしても、それはヒナの人生における勉強にもなるだろう。
そして危険なことに手を出さなくなったり、こちらの冒険について来ず、家の手伝いをするようになるのであれば、それはそれで好都合にも思えた。
俺は相変わらず誰も並んでいないルシオラの受付へ向かうと、ゴブリンのクエストを取り出して渡す。
「おはよう。これを頼む」
ルシオラはゴブリン退治のクエストの紙を受け取ると……、眉を上げた。
「これは常時依頼ですね。用紙のこの場所に常時依頼と書かれてあるクエストは、受付へ持ってくる必要はありません。達成後に指定品を持って受付へ来て常時クエストの話をして、その証拠品もしくは素材を納品をすれば達成です。これは貼りなおしておいてください」
俺はルシオラにゴブリン討伐の用紙を突き返されてそれを受け取る。
「そうだったのか。教えてくれてありがとう。でもこの前は薬草採集のクエストは普通に受け取ってもらえたぞ?」
煽ったわけでもなく普通にお礼を言う俺に、ルシオラはもう一度眉をあげるがその後の質問を聞いて返答する。
「ああ……。それは薬草の集まりが悪い時に常時依頼と並行して少しだけ高い料金を払うクエストですね」
「なるほどな、ありがとう。じゃあコレは貼り直して行ってくるよ」
「お気をつけてって、その子もつれていくの?」
「あ? ああ。まあ大丈夫だ。気を付けるよ。それじゃ」
俺は一度振り向いて答えると、手を振りながらクエストボードにゴブリン退治の常時依頼を貼り直しにいく。
その後、ルーナとヒナと共にゴブリン退治へと向かうのだった。
今日は前回に冒険者ギルドに行くのが遅かったせいか、クエストが少なかったので30分ほど早めにナンナ家へと向かった。
たった30分しか早めていないのは、ナンナ家の朝の忙しさを知っているのでそれの邪魔をしてはいけないと配慮したからだ。
そうそう、歯車の設定の所で時刻もわかることが判明して、さらにすぐに見えるようにしたいと考えただけで俺の視界には時間が半透明で歯車の上の場所に表示されるようになった。
まだまだダンジョンコアの能力が使いこなせてはいないが、便利機能は沢山ありそうだ。
コンコンッ
「ルーナ来たぞ~」
ガチャリ
俺はノックをすると一度声をかけてドアを開ける。
「にぃに~。ヒナもいくぅ~」
ドアを開けた瞬間にヒナがトテトテとやってきて俺の足に縋りついた。
「こら、ヒナ! 私たちはお仕事に行くんだから。ダメでしょ」
「え~。だめじゃないもーん」
俺の足にしがみついて後ろのルーナの方を向いているヒナを見ると、猫耳がピコピコと動いていてとても可愛らしい。
そんなモフモフに抗えるはずもなく俺はヒナの頭をナデナデする。
「えへへ~」
ヒナは頭をなでられてシッポを振りながら嬉しがっている。
俺は撫でたい。
ヒナは頭を撫でられるのが好き。
なんてありがたいんだ!
猫獣人なら顎下も撫でたら喜ぶか?
ただ、ヒナは耳とシッポ以外は普通の人間と大差がないから、すべすべの顎下を撫でても喜ばないかもしれない。
「ヒナはナンナさんの護衛はどうしたんだー?」
俺はヒナが冒険者ギルドに来ると言うのを、ナンナさんの護衛をさせるということで回避をしたはずなのだが、ナンナさんは既に家にいないようでヒナがついて行かなかった理由を聞いた。
「えっとね~、おかーしゃんのとこテキでない!」
まあそうだよな……と俺は思う。
むしろヒナがいるのに暴漢が出るような場所にはナンナさんが行かないだろうし、農園も遠くが見渡せるので近づく前に不審者か知り合いかはわかるのだ。
俺は少し考えてヒナは自分が守れば良いかと考えた。
そう、俺は既に魔法が使えるようになっていて一気に強くなっている。
それに猫獣人であれば、人族よりも運動神経などが高い可能性もあるのだ。
「じゃあヒナも一緒に行くか?」
「あい!」
「ちょっと、キョウジ!?」
俺はルーナの非難の目線に少しだけたじろぐが、ヒナは自分が守ると説明する。
「難しいクエストを選ばなければ大丈夫だし、実は新しく魔法も使えるようになったんだ。だから安全に気を付ければ大丈夫だと思う」
「まほう!? すごい! みちぇてー!」
「うーん? それなら? でも危険な所はダメだよ」
「わかってる」
俺はヒナの手を引くと、ルーナと一緒に冒険者ギルドへと向かうのだった。
俺たちはギルドに入りクエストが貼られている掲示板の前で良さそうなものを探す。
「金額は安いけど、町での引っ越しの手伝いとかあるな? これなら安全かな?」
「そうだね。町の中なら安全だろうし」
「えぇ~。ヒナ、テキたおす! それにまほうをみせてくれるって、にいにいっちゃ!」
俺はヒナに魔法を見せる約束はしていないが、たしかにヒナは魔法が見たいと言っていたなと思いだす。
「うーん、ならゴブリン退治か? というかヒナはグロ耐性あるのか?」
「ぐりょ?」
「いや、魔獣だと殺すことになるから、バーンってすると汚い花火が咲いちゃう」
「?」
ヒナが可愛らしく首を横にコテっと傾けるのをみて俺はナデナデする。
「えへへ」
「ほらヒナ、キョウジに迷惑をかけないの。町の中でするお手伝いにしなさい」
「えぇ~。きちゃないはなびみりゅ!」
ヒナが汚い花火を見たいと床に座ってイヤイヤする。
いや、意味を理解してる!? ほんとに汚い花火が見たいの!?
「ならゴブリン退治にするか? クエスト達成は右耳を5つ単位か」
俺はクエストの内容を確認すると、ゴブリン退治のクエストをボードから剥がした。
魔法を覚える前であれば、ルーナを危険に晒すことを避けてゴブリン退治を選ぶことはなかった。
まして今回はヒナもいる。
ただ、昨日の魔法の練習で試した感じでは魔法が使えるだけで圧倒的に強くなっているという感覚があった。
今までであれば敵の前まで移動する必要があったが、今なら遠距離から攻撃することも可能なのだ。
魔法を使えない人だってこの世界にいるし、ゴブリン討伐は低ランク。
それらを考えると、魔法が使えるだけでルーナもヒナも守ることができると考えた。
「キョウジ!? ほんとに大丈夫かな?」
俺は正直、この世界の常識がまだ十分にわかっていない。
ただ、普通に魔物がいて魔法がある世界だ。
そしてヒナは猫獣人でもある。
現代日本人の感覚なら、幼い子供がゴブリンの爆散を見ればトラウマものかもしれないが、この世界ではそうではない可能性も大きかった。
それに見たいと言ってヒナが後で悔やんだとしても、それはヒナの人生における勉強にもなるだろう。
そして危険なことに手を出さなくなったり、こちらの冒険について来ず、家の手伝いをするようになるのであれば、それはそれで好都合にも思えた。
俺は相変わらず誰も並んでいないルシオラの受付へ向かうと、ゴブリンのクエストを取り出して渡す。
「おはよう。これを頼む」
ルシオラはゴブリン退治のクエストの紙を受け取ると……、眉を上げた。
「これは常時依頼ですね。用紙のこの場所に常時依頼と書かれてあるクエストは、受付へ持ってくる必要はありません。達成後に指定品を持って受付へ来て常時クエストの話をして、その証拠品もしくは素材を納品をすれば達成です。これは貼りなおしておいてください」
俺はルシオラにゴブリン討伐の用紙を突き返されてそれを受け取る。
「そうだったのか。教えてくれてありがとう。でもこの前は薬草採集のクエストは普通に受け取ってもらえたぞ?」
煽ったわけでもなく普通にお礼を言う俺に、ルシオラはもう一度眉をあげるがその後の質問を聞いて返答する。
「ああ……。それは薬草の集まりが悪い時に常時依頼と並行して少しだけ高い料金を払うクエストですね」
「なるほどな、ありがとう。じゃあコレは貼り直して行ってくるよ」
「お気をつけてって、その子もつれていくの?」
「あ? ああ。まあ大丈夫だ。気を付けるよ。それじゃ」
俺は一度振り向いて答えると、手を振りながらクエストボードにゴブリン退治の常時依頼を貼り直しにいく。
その後、ルーナとヒナと共にゴブリン退治へと向かうのだった。
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