【完結】医療現場の恋物語 ~脈アリ?脈ナシ?マイペース先生と強気看護師のドキドキ恋路~

川原源明

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お友達編

第11話 初恋相手の娘

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あれはいくつの時だったろうか?
小学校上がって直ぐの頃だったと思う。
両親が共働きになったためか、
学校が終わった後、お隣の春夏冬(あきなし)さん宅で、
両親が帰ってくるまで過ごしていた。
その時に、いつも夕方に仕事から帰ってくる、
早苗さんに宿題を見てもらったり、
遊んでもらったりしたのを覚えている。
自分は、いつも優しくて、おしとやかなお姉さんに恋心を抱いていた。

ただ、そんな時も長く続かず、その年の秋頃には、お姉さんが結婚の為、千葉に行ったと、おばさんが言っていた。あの時は凄くショックだった。

時は経って、自分が、高校2年か3年の夏休みに夏期講習から帰ってくると、3人の娘さんをつれて帰省している。早苗さんと会い、バイトとして子守やらない?って言われ
3人の娘さん達をつれて近所を散歩したり、小学校の遊具で遊んだり、裏手の海岸で砂遊びをしたりとしてた。その時一番なついてたのが、一番下の女の子だった。
上の二人の娘さんは、もう大きかったためか。懐いてくれるまで、ちょっと時間がかかったけども、一番下の子だけは初めて会ってすぐに

「にいちゃん、にいちゃん!肩車して!」

とか言ってきたのを覚えてる。
当時幼稚園年長か、小学生1年生位だろうか?
ちょっと、重!って思いながら肩車をして、庭で遊んであげたりしていたな。
上2人が宿題をしたりしている為、下の子は、ほんとうに暇そうにしていることが多かった。
その為か、よく家を抜け出して、自分の家の前にきて、

「にいちゃん!あそぼ!」

と、玄関先で叫んでたりしてたな。
1度、下の子が、小学校で遊んでる時に、一緒にいた、早苗さんやおばさんが一瞬目を離した瞬間に木に登り木から降りれなくなった事件があって。
おまけに、枝が折れて木から落ちた。下の子を運良くキャッチしたものの、枝で手の甲がざっくり切れて血が止まんなかった事があったな…
あの年の、夏休みはすごく楽しかった。あのおかげか、子どもと遊ぶのは好きになったな。受験勉強で、疲れた心が凄く癒されたし。
凄く懐かしい、お盆の思い出だ

◇◇◇◇◇◇

「そっか、自分ら昔会ってるんだね?」
「はい、私も昨日、先生に腕を絡めた時、手の傷を見て何となく思い出しました。先輩に、鹿児島出身ってのは聞いてましたし、お母さんに、秋津直人って人知ってる?って聞いたら、昔お盆で帰省した時の思い出とかを教えてくれました。先生は私の初恋相手なんですよ、えへへ」

またもや、破壊力抜群の、照れてる顔
あの時の面影なんてなくなって、ほんとうに可愛くなったな
そっか、自分の初恋相手の娘さんの初恋相手が自分なのか……
なんというか…運命ってやつなのかな?

「もしかして、から揚げって……」
「はい、お母さんの案です、先生が、昔これが好きだって言ってたのを覚えてました。だから、思い出すきっかけになるかなって」

なるほどね……

「そうだね、きっかけになったね、早苗さん他にも何か言ってた?」
「そうですね~近いうちに連れてきなさいって言ってました。お母さんも会いたがってました。」

ダメじゃない?行くときはなんというか、
娘さんをくださいとかで、結婚のあいさつの時だと思うんだけど……
遊びに行ってもいいものなんだろうか?
相手がいいって言ってるんだから良んだろうけども、なんか緊張しそうだな……
一応早苗さんは、自分の初恋相手でもあるし……

「そうだね、機会があれば行くよ」
「はい!是非遊びに来てください!」

懐かしい気持ちになってると。南船橋に到着したようだ。
ふと、

「東京駅で乗り換えなんてしたっけ?」

って聞いたら

「ボーっとして歩いてるから覚えてないんですよ」

と突っ込まれた。ボーっとしてたかな?
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