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第10章 世界へ ポートリタ編
第233話 スターダストフラワー
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手術の2日後、経過良好と言うことで、クロット退院することになった。
「先生……、このたびは本当に助かりました」
クロットが深々と頭を下げた。
「いえいえ、無事退院出来て良かったです」
「これも先生のおかげです。そういえば宿の女将に聞いたのですが、先生は私に用があったとか」
すっかり忘れていた。スターダストフラワーを売って貰うために宿に行ったんだった。
「そうだった。スターダストフラワーを譲って貰いたくて……」
「よろしいですよ、用途はエクス系のポーションの為ですかな?」
「そうです、そうです」
「ふむ、エクスヒールポーション、エクスマジックポーションも使う人が居ないと聞きますが、必要なのですかな?」
「ぇ?そうなんですか?」
それは知らなかった。
「えぇ、回復量はハイポーションの5~10本分ですからなぁ、ただし値段は10倍以上しますからなぁ」
あぁ、コスパが悪いのか、ドラゴンブラッドルートとスターダストフラワーを考えたら、そんな値段でも仕方がない気がする。
そうなるとよっぽどのことがなければ、ハイポーション10本持った方がいいってことかな?
「あ~そうなんですね」
周囲を見渡し誰も居ないこと確認してから伝えた。
「欠損治療に使おうかと思っているんです」
「ほぉ……、こりゃまた……」
「ハイポーションだと、肘から先の治療でハイだと数百と言うレベルになりそうだったので」
「なるほど、しかし先生、骨はどうするのですかな?ヒールポーションじゃ治らないと聞いておりますが」
「そこは考えがあります」
ここは詳しいことは話さなかった。
「ほぉ」
クロックは考えるそぶりを見せた。
「わかりました。こちらを」
そういうと、クロットは粉末が入った小瓶を私に差し出した。
「これは?」
「スターダストフラワーの花びらの粉末です。エクスヒールポーションの素材ならこれで十分だと思います」
『せやな、十分や、それだけでも20本分くらいにはなるで』
「ぇ……」
その小瓶の粉末だけでそんな量のエクスヒールポーションが作れるの?
「えっと、お代は……?」
「いりません」
「ぇ?これエクスヒールポーション20本分位ありますよね?」
「ほぉ、この量でそんなに作れますか、先生は薬師としての腕前も一流なのですな」
「ぇ?どういうこと?」
「スターダスタフラワーの粉末の使用量は、薬師の腕次第なんですよ、この量で1本しか作れない者もおります。ですが腕の良い薬師ならばこれだけあれば10本以上作れるそうです」
それって、さっきの値段にも関わってくるのでは……?
「あっ、そうなんですか?」
「えぇ、それでお代の代わりと言ってはなんですが、友人の手の治療を頼めますかな?」
「ぇ?」
「その友人は、その昔、キラーピラニーに手首を食われましてな」
「手首から先がないと……」
「えぇ」
「あの~、申し訳ないんだけど、まだ構想段階で実際に出来るかわからないんですけど……」
「構いません、元は諦めているものです。手が治ればよし、治らなければ仕方ないものです」
「ん……、それでいいなら、良いですよ、えっとポーションとか作るので来週でもいいですか?」
エクスヒールポーション自体初めて作るからどれくらい時間かかるのかがわからない。
「構いません、こちらも友人をポートリタに連れてくるのにそれくらいはかかりますからな」
と言うことはレリッシュ大陸にいるって事かな?
「わかりました。それならまた来週にここで」
「わかりました。それでは先生、本当にありがとうございました」
クロットは再び頭を深々と下げて治癒院を出て行った。
「先生……、このたびは本当に助かりました」
クロットが深々と頭を下げた。
「いえいえ、無事退院出来て良かったです」
「これも先生のおかげです。そういえば宿の女将に聞いたのですが、先生は私に用があったとか」
すっかり忘れていた。スターダストフラワーを売って貰うために宿に行ったんだった。
「そうだった。スターダストフラワーを譲って貰いたくて……」
「よろしいですよ、用途はエクス系のポーションの為ですかな?」
「そうです、そうです」
「ふむ、エクスヒールポーション、エクスマジックポーションも使う人が居ないと聞きますが、必要なのですかな?」
「ぇ?そうなんですか?」
それは知らなかった。
「えぇ、回復量はハイポーションの5~10本分ですからなぁ、ただし値段は10倍以上しますからなぁ」
あぁ、コスパが悪いのか、ドラゴンブラッドルートとスターダストフラワーを考えたら、そんな値段でも仕方がない気がする。
そうなるとよっぽどのことがなければ、ハイポーション10本持った方がいいってことかな?
「あ~そうなんですね」
周囲を見渡し誰も居ないこと確認してから伝えた。
「欠損治療に使おうかと思っているんです」
「ほぉ……、こりゃまた……」
「ハイポーションだと、肘から先の治療でハイだと数百と言うレベルになりそうだったので」
「なるほど、しかし先生、骨はどうするのですかな?ヒールポーションじゃ治らないと聞いておりますが」
「そこは考えがあります」
ここは詳しいことは話さなかった。
「ほぉ」
クロックは考えるそぶりを見せた。
「わかりました。こちらを」
そういうと、クロットは粉末が入った小瓶を私に差し出した。
「これは?」
「スターダストフラワーの花びらの粉末です。エクスヒールポーションの素材ならこれで十分だと思います」
『せやな、十分や、それだけでも20本分くらいにはなるで』
「ぇ……」
その小瓶の粉末だけでそんな量のエクスヒールポーションが作れるの?
「えっと、お代は……?」
「いりません」
「ぇ?これエクスヒールポーション20本分位ありますよね?」
「ほぉ、この量でそんなに作れますか、先生は薬師としての腕前も一流なのですな」
「ぇ?どういうこと?」
「スターダスタフラワーの粉末の使用量は、薬師の腕次第なんですよ、この量で1本しか作れない者もおります。ですが腕の良い薬師ならばこれだけあれば10本以上作れるそうです」
それって、さっきの値段にも関わってくるのでは……?
「あっ、そうなんですか?」
「えぇ、それでお代の代わりと言ってはなんですが、友人の手の治療を頼めますかな?」
「ぇ?」
「その友人は、その昔、キラーピラニーに手首を食われましてな」
「手首から先がないと……」
「えぇ」
「あの~、申し訳ないんだけど、まだ構想段階で実際に出来るかわからないんですけど……」
「構いません、元は諦めているものです。手が治ればよし、治らなければ仕方ないものです」
「ん……、それでいいなら、良いですよ、えっとポーションとか作るので来週でもいいですか?」
エクスヒールポーション自体初めて作るからどれくらい時間かかるのかがわからない。
「構いません、こちらも友人をポートリタに連れてくるのにそれくらいはかかりますからな」
と言うことはレリッシュ大陸にいるって事かな?
「わかりました。それならまた来週にここで」
「わかりました。それでは先生、本当にありがとうございました」
クロットは再び頭を深々と下げて治癒院を出て行った。
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