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第10章 世界へ ポートリタ編

第213話 魔大陸

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 荒れた海域を抜けて早3週間、時々魔物の襲撃騒動があった物の比較的平和な航海が続いていた。

 甲板でミアンと一緒に釣りをしていると、遙か遠くに陸地が見えた。

「あれ?陸が見えてきた」
「ほんとだ、あれが魔大陸かな」
「ぇ?そうなの?」
『そうですよ、このまま魔大陸の最南端にあるポートリタまで大陸沿いを航行することになります』

 最南端にポートリタがあるとしていまはどの辺りなんだろうか?
 
「精霊さん何か言った?」
「あれが魔大陸みたい、このままポートリタまで大陸沿いを航行するんだって」
「へぇ、スカイドラゴンとかワイバーンみたいな飛行するドラゴン対策かな?」
『ミアンの言うとおりだよ!あいつら自分らより何倍も大きいリビアタンですら襲うからね~、おまけに魔大陸周辺はシードラゴンの縄張りなんだよ』

 陸だけじゃなく海にもって事ね

「リビアタンが用心してこの辺りを南下してるから、海流もこの辺りを流れてるって事かな?」
『そういうことだな』

 結構森に覆われている。噴煙を上げている山もある。

「結構自然豊かなのかな?」
「人が住んでるのはポートリタだけって言われているからね~」

 それは以前から聞いていることだった。

「自然しかないと」
『そうですね、各地のダンジョンも常にスタンピードを起こしていますし、魔物だらけの大陸なんですよ』
「何でそんなところに人があつまるんだか……」
「ドラゴン素材をゲットして一攫千金を夢見て行く人が多いみたいだね」
「ドラゴン素材ね」

 以前から聞いているドラゴンステーキには興味あるし、血は長寿の秘薬と言われていることも知っている。

 そういえば、ファラは元気だろうか?

「そういえば、私達が入学したときに居たファラ先輩ってポートリタに行ったって聞いてるんだけど、何か知ってる?」
「あれ?知らないの?」
「うん?」
「ドラゴンブレイカーって言われるほどの有名人だよ」

 知らなかった。私があまり周囲に興味を持たないからなのかな?

 ファラには年に数回手紙を送っていたけど、帰ってきたことが一度も無いし、精霊達も何も言ってなかった。

「そうなんだ……」
「うん、2年目には守備隊の隊長になっているんだって」
『あれだけ思いがこもった手甲してればそうなるだろうな』
「へぇ……、すごいね」
「大地を殴って飛び散った土砂でスカイドラゴンを落としたり、1発殴ったらドラゴンの骨が粉々になったりするみたい」
「ドラゴンブレイカー……」

 骨が粉々ね……、だからこそ、ドラゴンブレイカーって呼ばれているのかな?

「単身で結構やってるみたいだよ」
「へぇ」

 ともあれ無事なら良かった。

「ラミナはもう少し時事に興味持った方が良いよ」

 時事に詳しくなったところで自分に何か影響があるわけでもないし、どうも興味が持てない。

 授業の予習復習にポーション作りと、実技の練習でいっぱい、いっぱいなんだけども。

「そっか……、努力するよ……」

 口ではそういった物の、これからも興味の無いままだと思っている。

 そんな会話をミアンと交わしていた。

 そして4日後、魔大陸の最南端とおぼしき場所が見えてきた。

そこには凄く巨大な城壁がそびえ立っていた。

「でっか……」
『壁だけで厚さ50m、高さ100mあるんだよ~』

 作者とおぼしき、まん丸からのコメントが飛んできた。

「全部ドラゴン対策と」

 壁の上に登るのが大変そうなんだけども。

『そういうこと~、今は飛べるドラゴンの行動範囲外なんだけど、当時は近くにスカイドラゴンの巣とか合ったからね~』
「ん?行動範囲があるの?」
『スカイドラゴンやワイバーンなんかの飛行系は行動範囲があるな』
『彼らは体内の魔素を使って飛行しているので、一日に飛べる距離が決まっているんですよ』
「なるほどね、魔素切れなんて起こしたら他のドラゴンや魔物の餌食と……」
『そういうこと~!』

 同じドラゴン種でも、種が違えば敵とか嫌すぎる。
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