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第10章 世界へ ポートリタ編
第212話 極寒の海
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シーサーペント騒動から2週間の時がながれた。
船内全体が夕べ位から寒くなってきていた。
「なんか寒い」
『アイスミスト海と呼ばれている海域に入りましたからね』
『暖めてやろうか?』
「うん、フゥもお願い」
『はいはい~』
グレンとフゥに私の周り暖めて貰いつつ、甲板にでてみた。
アイスミスト海と言われるだけあって、霧が濃く数m先で見えなくなっている。
「ここって、見張りの意味ないよね」
『ありませんね、なので魔素探知出来る魔道具なんかで船の周辺を探っているんですよ』
「へぇ」
相変わらず操船する人が居ない。
「こんな状況でも舵を取る人居ないんだね」
『海流に乗ってれば基本安全な航路やからな』
『そういうことだ、氷山なんかも海流にはじかれるからな』
「魔物位なんだ」
『そうですね、お昼過ぎから夕方位には航路1荒れる海になるので、用心した方が良いですよ』
航路1?
どんなに荒れるんだろうか?
数日前に嵐に遭遇し、あの時も荒れに荒れていたけども。
「この前の嵐より?」
『あれとは比じゃねぇな』
『北側を流れる海流と、南側からくる海流と、今乗っている海流の3つがぶつかるポイントなんです』
「はぁ」
この前の嵐の荒れ具合とは比じゃないと言われてもピンと来なかった。
「この辺りって、何か魚釣れる?」
『食用はアイスフィン・トラウトとかグレイシャル・カープですかね、フロストギル・ピクシーも居ますが、小さくて食用に向きません』
「餌は?」
『何でも食べるので、パンの切れ端で良いと思いますよ』
「じゃあちょっと、釣りしよっか」
甲板から釣り糸を垂らすと、これまた面白い位に釣れる釣れる。
「なんか入れ食いなんだけど!」
『この辺りは餌となる物が少ないですからね』
『とりあえず落ちてきた物は食べてやろうって精神だったりするからな』
「はぁ~」
『巨大な船の下にいれば、大型のフロストシャーク等に襲われないので、トラウトとカープがいっぱい集まってるんですよ』
「それで入れ食い状態なのか」
大きな船体の影に隠れている魚取り放題!
『えぇ』
この入れ食い状態を楽しんでいると、“ドーン、ドーン”とドラが2回なった。
「なに?」
『もうじき荒れた海域に入るというお知らせですね』
「ぇ~、じゃあ船内に戻った方が良い?」
『そうなりますね』
まだまだ釣れそうなのに、残念と思いながら片付けて客室に戻った。
客室に戻ると、ミアン、イリーナ、ライラとハンモックの準備をしていた。
「何してるの?」
「あっ、帰ってきた」
「これから嵐が来るので、ベッドでは無くハンモックを使ってくださいって、お達しがきたんですよ」
船室にあったベッドや一部の家具が無くなっていた。
「ラミナ、私達の荷物をそのカバンに収納してくれる?」
「はいはい」
床に置いてある3人の荷物をカバンに収納し、私も自分の分のハンモックを準備した。
そして2時間後、想像以上に荒れていた。
前後左右、どちらから波が来ているのか分らないレベルで船が揺れる揺れる。
“時々垂直になってない!?”って思える事も多々ある。
たしかに、以前の嵐とは比になら無いレベルだけども。
「これいつまで続くの?」
『早くて3日、遅くても1週間以内にはといったところでしょうか?』
この嵐でまともに進めない可能性があると、というかリタは、流れ着いたって言っていたけどこの荒波と極寒の海を乗り越えたのかな?
「リタは流れ着いたって言ってたけど、この海越えたの?」
『えぇ、海中をですがね』
アクアとグレンが居れば、呼吸と寒さは関係ないだろうけど、海中はどういう状況なんだろうか?
「海中って、キラーウェールとか?」
『いえ、海に落ちてしばらくした後、近くに居たリビアタンに拾って貰ったんですよ。そして一番最初に見えた陸地に流れ着いたって事です』
だよね、生身でこの海は死しか見えない気がする。
その後、5日間まともな食事が取れないまま荒れた海域を通過した。
荒れた海域を抜けると、暖かくなってきた。
5日間3食リンゴと水いう質素な食事をしていた為、ちょっと違うものを口にしたい気分だった。
「なんか波無くなったね」
『荒れた海域を抜けましたからね』
ハンモックから降り、3人を見ると、ミアンは比較的元気そうだったが、イリーナとライラはげっそりしていた。
「なんだろう、この差……」
若さ?
『酔っても、私とホープがつきっきりですからね』
酔っても直ぐに解消していたって事ね。
ミアンと一緒に、イリーナとライラをハンモックから下ろし、カバンに入っているベッドをセットして2人を寝かせた。
「ラミナは元気だね~」
「ミアンもね、何か食べる?」
「うん」
鞄からそれぞれの荷物を出した後、マジックコンテナをだしてパンと適当な果物をだして2人で食べた。
船内全体が夕べ位から寒くなってきていた。
「なんか寒い」
『アイスミスト海と呼ばれている海域に入りましたからね』
『暖めてやろうか?』
「うん、フゥもお願い」
『はいはい~』
グレンとフゥに私の周り暖めて貰いつつ、甲板にでてみた。
アイスミスト海と言われるだけあって、霧が濃く数m先で見えなくなっている。
「ここって、見張りの意味ないよね」
『ありませんね、なので魔素探知出来る魔道具なんかで船の周辺を探っているんですよ』
「へぇ」
相変わらず操船する人が居ない。
「こんな状況でも舵を取る人居ないんだね」
『海流に乗ってれば基本安全な航路やからな』
『そういうことだ、氷山なんかも海流にはじかれるからな』
「魔物位なんだ」
『そうですね、お昼過ぎから夕方位には航路1荒れる海になるので、用心した方が良いですよ』
航路1?
どんなに荒れるんだろうか?
数日前に嵐に遭遇し、あの時も荒れに荒れていたけども。
「この前の嵐より?」
『あれとは比じゃねぇな』
『北側を流れる海流と、南側からくる海流と、今乗っている海流の3つがぶつかるポイントなんです』
「はぁ」
この前の嵐の荒れ具合とは比じゃないと言われてもピンと来なかった。
「この辺りって、何か魚釣れる?」
『食用はアイスフィン・トラウトとかグレイシャル・カープですかね、フロストギル・ピクシーも居ますが、小さくて食用に向きません』
「餌は?」
『何でも食べるので、パンの切れ端で良いと思いますよ』
「じゃあちょっと、釣りしよっか」
甲板から釣り糸を垂らすと、これまた面白い位に釣れる釣れる。
「なんか入れ食いなんだけど!」
『この辺りは餌となる物が少ないですからね』
『とりあえず落ちてきた物は食べてやろうって精神だったりするからな』
「はぁ~」
『巨大な船の下にいれば、大型のフロストシャーク等に襲われないので、トラウトとカープがいっぱい集まってるんですよ』
「それで入れ食い状態なのか」
大きな船体の影に隠れている魚取り放題!
『えぇ』
この入れ食い状態を楽しんでいると、“ドーン、ドーン”とドラが2回なった。
「なに?」
『もうじき荒れた海域に入るというお知らせですね』
「ぇ~、じゃあ船内に戻った方が良い?」
『そうなりますね』
まだまだ釣れそうなのに、残念と思いながら片付けて客室に戻った。
客室に戻ると、ミアン、イリーナ、ライラとハンモックの準備をしていた。
「何してるの?」
「あっ、帰ってきた」
「これから嵐が来るので、ベッドでは無くハンモックを使ってくださいって、お達しがきたんですよ」
船室にあったベッドや一部の家具が無くなっていた。
「ラミナ、私達の荷物をそのカバンに収納してくれる?」
「はいはい」
床に置いてある3人の荷物をカバンに収納し、私も自分の分のハンモックを準備した。
そして2時間後、想像以上に荒れていた。
前後左右、どちらから波が来ているのか分らないレベルで船が揺れる揺れる。
“時々垂直になってない!?”って思える事も多々ある。
たしかに、以前の嵐とは比になら無いレベルだけども。
「これいつまで続くの?」
『早くて3日、遅くても1週間以内にはといったところでしょうか?』
この嵐でまともに進めない可能性があると、というかリタは、流れ着いたって言っていたけどこの荒波と極寒の海を乗り越えたのかな?
「リタは流れ着いたって言ってたけど、この海越えたの?」
『えぇ、海中をですがね』
アクアとグレンが居れば、呼吸と寒さは関係ないだろうけど、海中はどういう状況なんだろうか?
「海中って、キラーウェールとか?」
『いえ、海に落ちてしばらくした後、近くに居たリビアタンに拾って貰ったんですよ。そして一番最初に見えた陸地に流れ着いたって事です』
だよね、生身でこの海は死しか見えない気がする。
その後、5日間まともな食事が取れないまま荒れた海域を通過した。
荒れた海域を抜けると、暖かくなってきた。
5日間3食リンゴと水いう質素な食事をしていた為、ちょっと違うものを口にしたい気分だった。
「なんか波無くなったね」
『荒れた海域を抜けましたからね』
ハンモックから降り、3人を見ると、ミアンは比較的元気そうだったが、イリーナとライラはげっそりしていた。
「なんだろう、この差……」
若さ?
『酔っても、私とホープがつきっきりですからね』
酔っても直ぐに解消していたって事ね。
ミアンと一緒に、イリーナとライラをハンモックから下ろし、カバンに入っているベッドをセットして2人を寝かせた。
「ラミナは元気だね~」
「ミアンもね、何か食べる?」
「うん」
鞄からそれぞれの荷物を出した後、マジックコンテナをだしてパンと適当な果物をだして2人で食べた。
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