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第7章 学園生活 不穏な夏休み編
第172話 VSネッシアン
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川が近づいてくると、木々の頭からネッシアンの頭とおぼしき物が見えた。
「でっか!」
あれ?
見えている?
「ねぇ、ネッシアンの姿見えるんだけどなんで?」
『彼が私達と似たような存在だからです』
『俺等と同じように実体はねぇんだよ、だが俺等の姿をはっきりと見えるだろ?』
「精霊の一種ってこと?」
『ちょっと違いますね、人の恐怖心が作り出した者。そして、上流の湖周辺の村々では水神様としてあがめられていたんです』
「神様……?」
『えぇ、本来存在する魔物ではありません、以前お話しした。あやかしと呼ばれる存在です』
どこかで聞いたことがあるけど、どこで聞いたんだっけ?
さらに進むと、一部の騎士達が地の子が操っているマッドゴーレムに剣を向けていた。
近づくにつれ、その大きさがよく分かる。胴体の直径だけで大人の身長と同等サイズだ。
「ゴーレムは味方だ!手を出すな!」
近くに居る馬上の女性が叫んだ。
まん丸達が味方だと分かった?
彼女の占星術のおかげなのだろうか?
『今叫んだ女性が第2騎士団長のリリアンです』
「了解、全員戦闘準備!」
『おう!』
『はい!』
『OK』
『はいさ!』
私が指示を出すと精霊達のスイッチが入った。
馬上で指揮している女性を追い抜きざまに。
「助太刀します!」
と一言相手に聞こえるように叫んだ。
「っじゃみんなお願いね、ルナは気をつけて!」
『っしゃ!行くぜ!』
グレンはそう言うと、周囲に巨大な火球を複数展開して射出させていた。
『ボクも負けないよ!』
フゥの周囲にも何かが展開されたのが分かるが、空間がゆがんで見えるだけで何が展開されたのが分からなかった。
グレンとフゥの攻撃がネッシアンの胴体や首近くに着弾、首は半分近く切れたのだが、すぐに回復していく。
『えぇ~固すぎない!?』
『それだけ魔素を持っている事だろうが』
『グレンはあんまりダメージだせてないじゃん!』
『相手が水なんだから仕方ねーだろうが!』
『2人とも喧嘩しないの~』
属性相性か~、水ならどうなんだろうか?
『ミント、私達はサポートに回りましょう!』
『ええで!』
アクアがヒーリングレイン、ミントは蛇の近くにある植物を操り、足止めしたり騎士達をネッシアンからの攻撃から守ったりし始めた。
私はどうしよう、水系魔法はアクアから色々学んでいるけど、強力な魔法は大規模浸水させたり、巨大な水流を生み出し全てを壊したりするもの魔法ばかりで味方が居るような状況で使う魔法じゃ無い。
一つだけこの状況下でも使えそうな魔法はある。
これをやると自分が倒れる心配があるけど、周りに人がいるなら大丈夫かな?
術者の魔素量に応じて範囲が広がり、範囲内の水蒸気等の全ての水の力を借りる魔法だ、やってみよう。
「深淵より呼び覚ませ、我が内なる力よ、結晶の槍、氷の刃、魔素の海を渡りて、敵を貫け、我が全ての魔素を喰らい、その威力を増すが如し、終わりなき冷徹なる水の流れよ、永遠にクリスタル・マリナー!」
『ラミナ!』
詠唱途中でアクアが叫んだけど、何も返すことが出来なかった。
体内の魔素がごっそり持って行かれているせいか体の力が抜けていく。
私を中心に存在する水蒸気や、ルナの足下のある川からあふれ出た水という水全ての水が大小の氷の刃や槍に姿を変えていく、そして刃の形になった者達からネッシアンへ射出されていった。
私はネッシアンがどうなったのか分からないまま、体中全ての力が抜けきり意識が暗転した。
「でっか!」
あれ?
見えている?
「ねぇ、ネッシアンの姿見えるんだけどなんで?」
『彼が私達と似たような存在だからです』
『俺等と同じように実体はねぇんだよ、だが俺等の姿をはっきりと見えるだろ?』
「精霊の一種ってこと?」
『ちょっと違いますね、人の恐怖心が作り出した者。そして、上流の湖周辺の村々では水神様としてあがめられていたんです』
「神様……?」
『えぇ、本来存在する魔物ではありません、以前お話しした。あやかしと呼ばれる存在です』
どこかで聞いたことがあるけど、どこで聞いたんだっけ?
さらに進むと、一部の騎士達が地の子が操っているマッドゴーレムに剣を向けていた。
近づくにつれ、その大きさがよく分かる。胴体の直径だけで大人の身長と同等サイズだ。
「ゴーレムは味方だ!手を出すな!」
近くに居る馬上の女性が叫んだ。
まん丸達が味方だと分かった?
彼女の占星術のおかげなのだろうか?
『今叫んだ女性が第2騎士団長のリリアンです』
「了解、全員戦闘準備!」
『おう!』
『はい!』
『OK』
『はいさ!』
私が指示を出すと精霊達のスイッチが入った。
馬上で指揮している女性を追い抜きざまに。
「助太刀します!」
と一言相手に聞こえるように叫んだ。
「っじゃみんなお願いね、ルナは気をつけて!」
『っしゃ!行くぜ!』
グレンはそう言うと、周囲に巨大な火球を複数展開して射出させていた。
『ボクも負けないよ!』
フゥの周囲にも何かが展開されたのが分かるが、空間がゆがんで見えるだけで何が展開されたのが分からなかった。
グレンとフゥの攻撃がネッシアンの胴体や首近くに着弾、首は半分近く切れたのだが、すぐに回復していく。
『えぇ~固すぎない!?』
『それだけ魔素を持っている事だろうが』
『グレンはあんまりダメージだせてないじゃん!』
『相手が水なんだから仕方ねーだろうが!』
『2人とも喧嘩しないの~』
属性相性か~、水ならどうなんだろうか?
『ミント、私達はサポートに回りましょう!』
『ええで!』
アクアがヒーリングレイン、ミントは蛇の近くにある植物を操り、足止めしたり騎士達をネッシアンからの攻撃から守ったりし始めた。
私はどうしよう、水系魔法はアクアから色々学んでいるけど、強力な魔法は大規模浸水させたり、巨大な水流を生み出し全てを壊したりするもの魔法ばかりで味方が居るような状況で使う魔法じゃ無い。
一つだけこの状況下でも使えそうな魔法はある。
これをやると自分が倒れる心配があるけど、周りに人がいるなら大丈夫かな?
術者の魔素量に応じて範囲が広がり、範囲内の水蒸気等の全ての水の力を借りる魔法だ、やってみよう。
「深淵より呼び覚ませ、我が内なる力よ、結晶の槍、氷の刃、魔素の海を渡りて、敵を貫け、我が全ての魔素を喰らい、その威力を増すが如し、終わりなき冷徹なる水の流れよ、永遠にクリスタル・マリナー!」
『ラミナ!』
詠唱途中でアクアが叫んだけど、何も返すことが出来なかった。
体内の魔素がごっそり持って行かれているせいか体の力が抜けていく。
私を中心に存在する水蒸気や、ルナの足下のある川からあふれ出た水という水全ての水が大小の氷の刃や槍に姿を変えていく、そして刃の形になった者達からネッシアンへ射出されていった。
私はネッシアンがどうなったのか分からないまま、体中全ての力が抜けきり意識が暗転した。
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