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第7章 学園生活 不穏な夏休み編
第163話 セレス農場の今
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ハイウェン風穴洞手前の休憩所でゆっくり休みはじめたところ。
『そうですね、ところでラミナ』
「ん?」
『倉庫に色々溜まっとるで』
「倉庫?農場?」
私の中の倉庫というと、セレスのやっている農場しか思い当たらなかった。
『せやで』
カバンからセレスから貰ったカードを取り出し魔素を流してセレスの農場に飛んだ。
飛んだ先は、1週間前と結構変わっていた。
子ども達が農場のお手伝いをしたり、麦だけだったのが変わって、リンゴやミカン、桃、ブドウなどの果物成っている果樹園スペースが出来ていたり、多種多様の野菜等が植えられていた。
素人の私でも分かる。絶対に季節を無視して作られてる!
「……、季節ガン無視だよね?」
『うちらがおるからなぁ』
そうだよね、成長促進ができるし、魔素が満ちてるから無限に促進だよね、そんなことに感心していると後ろから声をかけられた。
「おんや、お嬢ちゃんラミナちゃんかえ?」
後ろを振り向くと一人のお婆さんが居た。
「え?そうですけど……?」
「ほっほ、ようきなすったなぁ~、こっちおいで」
えっと、誰だろうか?
お婆さんの後についていくと、1件の見慣れない建築仕様の家に案内され、縁側には子ども達がいっぱい居て果物を口にしていた。
「桜ばあちゃん、後ろの人は~?」
このお婆さんは“桜”という名なのかな?
「この農園の主じゃよ」
子ども達に尋ねられたお婆さんがとんでもないことを言った。
「ぇ?違いますよ!ここセレスの農場でしょ!?」
「そのセレス嬢が、あんたが主だといっとったよ」
契約してるからかな?
「もしかして、セレスと契約してるから?」
「そう聞いとるよ」
私がこの場所を借りているからそうなるって事なのかな?
「そうなんだ……、ラミナです。よろしくお願いします。えっと……、皆さんは?」
『ロシナティスの孤児院の院長さんと子ども達ですね』
わかってた。精霊達が先に説明を挟むと思っていた。
「町の孤児院の者達だよ、私は院長をしている桜と申します。セレス嬢に農園を手伝ってくれって言われてね、対価は好きなだけ農園の物を食べて良いって事で本当に助かってるんじゃよ」
あぁ、なるほど、早速セレスが働きかけてくれてるんだ。
「あぁ、そういうことなんですね、手伝ってくれてありがとうございます」
「いんや、他にも何人かスラムに住んでる者達も働いてな、好きなだけ食べれる上に賃金もいただいとる。感謝しても感謝しきれん」
「いやいや……」
私と桜の話を聞いていた子ども達が周りに集まってきた。
「お姉ちゃんが僕らの雇い主なの!?」
「そうじゃ」
「お姉ちゃんありがとう!」
「いやいや……、こちらこそ手伝ってくれてありがとう」
「ここで働くとなぁ、病気が良くなったりすると言う噂もあるんじゃよ」
それは多分水の精霊達がそこら中に居るからというのと、ダンジョン内限定じゃないかな……。
ダンジョンの外に出たら戻る仕様だったはず……。
「そうなんですね……、ところでセレスは?」
『パン屋でウェイトレスしとるで』
「今頃パンの楽園の方で働いてるんじゃないですかねぇ」
パンの楽園?
パン屋の名前の事?
「パンの楽園……?」
『ラックとセレスが働いているパン屋の店名だな』
「えぇ、商業ギルドの側にあるお店です」
そんな名前になったんだ。
「繁盛してるんですかね?」
『行列が出来るお店だよ~』
「そりゃもう、大変繁盛してますよ、特にここで採れた野菜を挟んだサンドイッチと、ファイティングボアのお肉を甘だれ煮からめて挟んだパンが人気でしてなぁ」
「セレちゃんがね~時々差し入れしてくれるんだよ~」
「はぁ……、皆さんはいつまでここに居るんですか?」
「外はそろそろ夜になる頃なんで帰るところですよ」
そうだよね、ダンジョン内は真っ昼間だけど、現実世界は夜になった所だ。
「あっ、そうなんですね、話こんじゃってすいません」
「いんや、あなたには一度直接会ってお礼を言いたかったですからなぁ」
「はぁ」
「それに、こっちにおいで」
桜の後に付いていくと、ラミナ用と書かれた小さな倉庫に案内された。
何で私用の倉庫……?
「こっちの木箱を持って行きなされ」
「うん?」
『セレスが作ったマジックコンテナですよ、そこにあるコンテナに入れた物が、こっちのコンテナで取り出せる仕様になってるんです』
また便利な物を作った物だ……。
「はぁ~、ありがとうございます」
「いんや、セレス嬢からの伝言じゃ、“世界中に散らばる珍しい果物とか野菜の種とか苗を入れて”だそうじゃ」
なるほど、農場で育てる品種を増やすためだね、ここまで力を尽くしてくれているし、セレスの要望には応えたい。
「ありがとうございます。じゃあコンテナ一つ貰っていきますね」
『あ、農場に来てるんだ、忙しくてそっち行けないけど、また遊びに来てね!』
セレスから突然話しかけてきたが、忙しそうで終わってしまった。
『仕事大変そうだけど頑張ってね』
『ありがとう!』
私の返事に対して元気なお礼が帰ってきた。
「それじゃあ、私はそろそろ戻りますね」
「えぇ、また遊びに来てくださいね」
「お姉ちゃんまたね!」
「うん、皆も元気でね」
再び来たときと同様にカードに魔素を流してハイウェン桟道の休憩スペースに戻ってきた。
「コンテナって、マジックバッグと同じ使い方?」
『えぇ、コンテナを外に出した状態で、念じた物が手元に現れますよ』
「ん?コンテナの中に手を入れなくても良いの?」
『大丈夫や』
コンテナを床に置いて、リンゴと念じてみたら手元にリンゴが現れた。
マジックバッグみたいに手を中に入れなくて済むだけでも便利仕様!
手元に現れたリンゴを一口食べてみると、甘みが広がって美味しい!
「美味しい!」
『めっちゃうまいわ~!このリンゴ、あかあかしてて、見た目からしてジューシーやんか。かじった瞬間に、シャキッとした食感がたまらんねん。甘さもちょうどええし、食べたら元気出るわ。こんなん、おかわり決定やで!』
最近はミントが食レポ担当なのかな?
前はまん丸だった気がしたけど。
『自分たちが育てた物がこんなに美味しいとは思いませんでしたね』
『だね~、ほっぺが落ちそ~』
『あぁ、桃とかブドウを食べるのが楽しみだな』
確かに他の果物を食べるのがすごく楽しみだ。
『そうですね、ところでラミナ』
「ん?」
『倉庫に色々溜まっとるで』
「倉庫?農場?」
私の中の倉庫というと、セレスのやっている農場しか思い当たらなかった。
『せやで』
カバンからセレスから貰ったカードを取り出し魔素を流してセレスの農場に飛んだ。
飛んだ先は、1週間前と結構変わっていた。
子ども達が農場のお手伝いをしたり、麦だけだったのが変わって、リンゴやミカン、桃、ブドウなどの果物成っている果樹園スペースが出来ていたり、多種多様の野菜等が植えられていた。
素人の私でも分かる。絶対に季節を無視して作られてる!
「……、季節ガン無視だよね?」
『うちらがおるからなぁ』
そうだよね、成長促進ができるし、魔素が満ちてるから無限に促進だよね、そんなことに感心していると後ろから声をかけられた。
「おんや、お嬢ちゃんラミナちゃんかえ?」
後ろを振り向くと一人のお婆さんが居た。
「え?そうですけど……?」
「ほっほ、ようきなすったなぁ~、こっちおいで」
えっと、誰だろうか?
お婆さんの後についていくと、1件の見慣れない建築仕様の家に案内され、縁側には子ども達がいっぱい居て果物を口にしていた。
「桜ばあちゃん、後ろの人は~?」
このお婆さんは“桜”という名なのかな?
「この農園の主じゃよ」
子ども達に尋ねられたお婆さんがとんでもないことを言った。
「ぇ?違いますよ!ここセレスの農場でしょ!?」
「そのセレス嬢が、あんたが主だといっとったよ」
契約してるからかな?
「もしかして、セレスと契約してるから?」
「そう聞いとるよ」
私がこの場所を借りているからそうなるって事なのかな?
「そうなんだ……、ラミナです。よろしくお願いします。えっと……、皆さんは?」
『ロシナティスの孤児院の院長さんと子ども達ですね』
わかってた。精霊達が先に説明を挟むと思っていた。
「町の孤児院の者達だよ、私は院長をしている桜と申します。セレス嬢に農園を手伝ってくれって言われてね、対価は好きなだけ農園の物を食べて良いって事で本当に助かってるんじゃよ」
あぁ、なるほど、早速セレスが働きかけてくれてるんだ。
「あぁ、そういうことなんですね、手伝ってくれてありがとうございます」
「いんや、他にも何人かスラムに住んでる者達も働いてな、好きなだけ食べれる上に賃金もいただいとる。感謝しても感謝しきれん」
「いやいや……」
私と桜の話を聞いていた子ども達が周りに集まってきた。
「お姉ちゃんが僕らの雇い主なの!?」
「そうじゃ」
「お姉ちゃんありがとう!」
「いやいや……、こちらこそ手伝ってくれてありがとう」
「ここで働くとなぁ、病気が良くなったりすると言う噂もあるんじゃよ」
それは多分水の精霊達がそこら中に居るからというのと、ダンジョン内限定じゃないかな……。
ダンジョンの外に出たら戻る仕様だったはず……。
「そうなんですね……、ところでセレスは?」
『パン屋でウェイトレスしとるで』
「今頃パンの楽園の方で働いてるんじゃないですかねぇ」
パンの楽園?
パン屋の名前の事?
「パンの楽園……?」
『ラックとセレスが働いているパン屋の店名だな』
「えぇ、商業ギルドの側にあるお店です」
そんな名前になったんだ。
「繁盛してるんですかね?」
『行列が出来るお店だよ~』
「そりゃもう、大変繁盛してますよ、特にここで採れた野菜を挟んだサンドイッチと、ファイティングボアのお肉を甘だれ煮からめて挟んだパンが人気でしてなぁ」
「セレちゃんがね~時々差し入れしてくれるんだよ~」
「はぁ……、皆さんはいつまでここに居るんですか?」
「外はそろそろ夜になる頃なんで帰るところですよ」
そうだよね、ダンジョン内は真っ昼間だけど、現実世界は夜になった所だ。
「あっ、そうなんですね、話こんじゃってすいません」
「いんや、あなたには一度直接会ってお礼を言いたかったですからなぁ」
「はぁ」
「それに、こっちにおいで」
桜の後に付いていくと、ラミナ用と書かれた小さな倉庫に案内された。
何で私用の倉庫……?
「こっちの木箱を持って行きなされ」
「うん?」
『セレスが作ったマジックコンテナですよ、そこにあるコンテナに入れた物が、こっちのコンテナで取り出せる仕様になってるんです』
また便利な物を作った物だ……。
「はぁ~、ありがとうございます」
「いんや、セレス嬢からの伝言じゃ、“世界中に散らばる珍しい果物とか野菜の種とか苗を入れて”だそうじゃ」
なるほど、農場で育てる品種を増やすためだね、ここまで力を尽くしてくれているし、セレスの要望には応えたい。
「ありがとうございます。じゃあコンテナ一つ貰っていきますね」
『あ、農場に来てるんだ、忙しくてそっち行けないけど、また遊びに来てね!』
セレスから突然話しかけてきたが、忙しそうで終わってしまった。
『仕事大変そうだけど頑張ってね』
『ありがとう!』
私の返事に対して元気なお礼が帰ってきた。
「それじゃあ、私はそろそろ戻りますね」
「えぇ、また遊びに来てくださいね」
「お姉ちゃんまたね!」
「うん、皆も元気でね」
再び来たときと同様にカードに魔素を流してハイウェン桟道の休憩スペースに戻ってきた。
「コンテナって、マジックバッグと同じ使い方?」
『えぇ、コンテナを外に出した状態で、念じた物が手元に現れますよ』
「ん?コンテナの中に手を入れなくても良いの?」
『大丈夫や』
コンテナを床に置いて、リンゴと念じてみたら手元にリンゴが現れた。
マジックバッグみたいに手を中に入れなくて済むだけでも便利仕様!
手元に現れたリンゴを一口食べてみると、甘みが広がって美味しい!
「美味しい!」
『めっちゃうまいわ~!このリンゴ、あかあかしてて、見た目からしてジューシーやんか。かじった瞬間に、シャキッとした食感がたまらんねん。甘さもちょうどええし、食べたら元気出るわ。こんなん、おかわり決定やで!』
最近はミントが食レポ担当なのかな?
前はまん丸だった気がしたけど。
『自分たちが育てた物がこんなに美味しいとは思いませんでしたね』
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