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第6章 学園生活 キラベルサバイバル学習編
第123話 ヒーリングレイン
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キラベル火山が噴火すると、溶岩はこちらに流れてくることはなかったが、小さな噴石がキラベルの町中に降り注いだ。
『また地震が来そうだな』
「ぇ?」
『来るよ~』
グレンの言葉に“ぇ?”と思っていると、遠くの方でまん丸が叫んで返していた。
まん丸の言葉の通りに、最初の揺れと同等かそれ以上の揺れがキラベルを襲った。
まん丸が建ててくれた建物だから、倒壊する心配はなさそうだけど、救助にあたっている人たちが心配になった。
『生きている方の救助はあらかた済みましたし怪我の治療は一段落すると思いますよ』
怪我の治療が終わったら今度は住む場所の再建だろうか?
そんなことを思っていると、拠点前でゾッフが冒険者達を集めていた。
どうしたんだろう?
そんなことを思いながら揺れが収まると、私もゾッフの元に駆け寄ってみた。
「ゾッフさん何かあったんですか?」
「あぁ、明るくなってきたし、この先の村に救助部隊派遣と言ったところだな」
「ヒーラーとかは足りています?」
「いや、全然だな」
私自身もヒールポーション系は既に使い切っている。
『ラミナ、ヒーリングレインの詠唱内容を覚えていますか?』
「うん」
ヒーリングレイン、水系回復魔法の最上位の魔法だ、術者の魔素次第ではかなり広範囲になること、継続的に回復する事から戦闘中に使うと便利って昔アクアから教わった。
『今持てる魔素全部使うつもりで唱えてください、それだけでも多くの村人を助けることが出来ます』
「分かった」
私は体内の魔素に意識を集中し、詠唱内容を思い出しながら口にした。
「大気に住まう水の精霊よ、大地を潤す雨よ、この地に癒しの恵みを降り注げ。疲れし魂を包み込み、痛みを和らげる優しき滴となれ。ヒーリングレイン!」
そう唱えると、私の体内からごっそりと何かが抜ける感覚と軽いめまいに襲われ、私の頭上を中心に白く透き通った雲が現れどんどん広がりはじめ、やがてはキラベル地方全域を包みこみ、パラパラと雨を降らせ始めた。
「こいつは……」
ゾッフをはじめ、その場にいた冒険者が驚きの声を上げていた。
「嬢ちゃん魔素は大丈夫か?」
「たぶん、これ以上魔法使ったら倒れると思います……」
今の時点で、立っているのも少し辛い感じがある。
「そうか、十分!各自村に急げ!怪我人は雨がなんとかしてくれるはずだ!」
「「「っは!」」」
冒険者達は返事をすると、駆け足でキラベルを去っていった。
思う、これ最初から使えば良かったのでは?
「アクア、これ最初から使えば良かったんじゃないかな?」
『ダメですよ、開放骨折しているのに傷口だけ塞がったらどうなると思います?』
また傷口広げないとダメって奴かな……?
「また傷つけないとダメとか?」
『えぇ、本来は長引く戦いのさなかで使う魔法ですからね、対象の症状がわからない時に使う魔法ではないんですよ』
「ぇ、それじゃあ、他の村の人の状況が分からない今使って良かったの?」
『えぇ、一応近くにある4つの村の状況は把握しています。死者2名出ていますが既に救助は終わっていますよ』
それは冒険者が向かう意味があったのだろうか?
『それよりもだ』
「うん?」
『そのうち2つの村は、この辺りを離れたオーク達に襲われる可能性が高いんだよ』
いやいやいや、もっと早く言おうか!
結構大事な事じゃん!
「ゾッフさん!」
「なんだ」
「精霊曰く、この先の村の救助は終わっているそうなんですが、この地を離れたオーク達に襲われる可能性が高いって……」
「ふむ、この雨はいつまで降る?」
『今日の夕方まで降り続けると思いますよ』
そんなに?
まだ朝の6時過ぎだよ?
「精霊曰く夕方までって」
「なら先の派遣部隊だけで十分だと思うが念のため応援を出しておこうか」
ゾッフはそう言うと町中に戻っていった。
大丈夫なのかな?
そんなことを思いながら、治療拠点にもどり作業を再開させた。
『また地震が来そうだな』
「ぇ?」
『来るよ~』
グレンの言葉に“ぇ?”と思っていると、遠くの方でまん丸が叫んで返していた。
まん丸の言葉の通りに、最初の揺れと同等かそれ以上の揺れがキラベルを襲った。
まん丸が建ててくれた建物だから、倒壊する心配はなさそうだけど、救助にあたっている人たちが心配になった。
『生きている方の救助はあらかた済みましたし怪我の治療は一段落すると思いますよ』
怪我の治療が終わったら今度は住む場所の再建だろうか?
そんなことを思っていると、拠点前でゾッフが冒険者達を集めていた。
どうしたんだろう?
そんなことを思いながら揺れが収まると、私もゾッフの元に駆け寄ってみた。
「ゾッフさん何かあったんですか?」
「あぁ、明るくなってきたし、この先の村に救助部隊派遣と言ったところだな」
「ヒーラーとかは足りています?」
「いや、全然だな」
私自身もヒールポーション系は既に使い切っている。
『ラミナ、ヒーリングレインの詠唱内容を覚えていますか?』
「うん」
ヒーリングレイン、水系回復魔法の最上位の魔法だ、術者の魔素次第ではかなり広範囲になること、継続的に回復する事から戦闘中に使うと便利って昔アクアから教わった。
『今持てる魔素全部使うつもりで唱えてください、それだけでも多くの村人を助けることが出来ます』
「分かった」
私は体内の魔素に意識を集中し、詠唱内容を思い出しながら口にした。
「大気に住まう水の精霊よ、大地を潤す雨よ、この地に癒しの恵みを降り注げ。疲れし魂を包み込み、痛みを和らげる優しき滴となれ。ヒーリングレイン!」
そう唱えると、私の体内からごっそりと何かが抜ける感覚と軽いめまいに襲われ、私の頭上を中心に白く透き通った雲が現れどんどん広がりはじめ、やがてはキラベル地方全域を包みこみ、パラパラと雨を降らせ始めた。
「こいつは……」
ゾッフをはじめ、その場にいた冒険者が驚きの声を上げていた。
「嬢ちゃん魔素は大丈夫か?」
「たぶん、これ以上魔法使ったら倒れると思います……」
今の時点で、立っているのも少し辛い感じがある。
「そうか、十分!各自村に急げ!怪我人は雨がなんとかしてくれるはずだ!」
「「「っは!」」」
冒険者達は返事をすると、駆け足でキラベルを去っていった。
思う、これ最初から使えば良かったのでは?
「アクア、これ最初から使えば良かったんじゃないかな?」
『ダメですよ、開放骨折しているのに傷口だけ塞がったらどうなると思います?』
また傷口広げないとダメって奴かな……?
「また傷つけないとダメとか?」
『えぇ、本来は長引く戦いのさなかで使う魔法ですからね、対象の症状がわからない時に使う魔法ではないんですよ』
「ぇ、それじゃあ、他の村の人の状況が分からない今使って良かったの?」
『えぇ、一応近くにある4つの村の状況は把握しています。死者2名出ていますが既に救助は終わっていますよ』
それは冒険者が向かう意味があったのだろうか?
『それよりもだ』
「うん?」
『そのうち2つの村は、この辺りを離れたオーク達に襲われる可能性が高いんだよ』
いやいやいや、もっと早く言おうか!
結構大事な事じゃん!
「ゾッフさん!」
「なんだ」
「精霊曰く、この先の村の救助は終わっているそうなんですが、この地を離れたオーク達に襲われる可能性が高いって……」
「ふむ、この雨はいつまで降る?」
『今日の夕方まで降り続けると思いますよ』
そんなに?
まだ朝の6時過ぎだよ?
「精霊曰く夕方までって」
「なら先の派遣部隊だけで十分だと思うが念のため応援を出しておこうか」
ゾッフはそう言うと町中に戻っていった。
大丈夫なのかな?
そんなことを思いながら、治療拠点にもどり作業を再開させた。
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