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第4章 学園生活 友人の難病編
第87話 サウススペルンへ
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ヴィッシュと共に錬金科の職員室に戻ってきた。
「そういえば、治癒院ってどんな所なんですか?」
サウススペルンに行く前に疑問に思っていたことをヴィッシュに聞いてみた。
「治癒院は、病気やケガで苦しむ人たちが訪れる場ですね、特に出産前の女性が多く利用されています」
出産前の女性?
「なんでですか?」
「そうですね、出産時は、子供の成長具合等で母子共に命を落とすこともありますし、子の方が命を落とす確率が結構高いんですよ、特に子どもの5人に1人は命を落としますからね、これでも結構改善された方なんですよ」
「へぇ……」
私も運良く生きているって事なんだろうか。
「帝都にはないんですか?」
「帝都にもありますが、他の都市に比べて利用率が低いですね」
「あれ?そうなんですか?」
「えぇ、出産は産婆がいますし、医師も結構いますからね」
治癒院には医師がいない?
「治癒院には医師はいないんですか?」
「いるところもありますが、基本居ないと思っていただいて結構ですよ」
医師が居ないとなると、だれが病人・怪我人の対応をするのだろうか?
「ぇ、誰がやっているんですか?」
「主に錬金科の卒業生ですね、下手な医師よりは役に立っていると思いますよ」
「へぇ……」
医師の存在って一体……。
「治癒院での仕事は主に訪れた患者さんの病気やケガを診断し適切な薬を処方すること、そして先ほどお話ししたように、出産の手助けなんですよ」
「へぇ……」
どんな病やケガで苦しんでいる人がいるか見学すれば良いのだろうか?
「そういえば、医師ってどうやってなるんですかね?」
「ん~主に自称でしょうか?医師の中には一族で代々なる方も居ますが、師に認められて医師となる方も居ますね、特に医師を名乗る条件があるというわけではないというのが現実ですね」
「へぇ……」
自称って……、卒業生の人たちはなんて名乗っているのだろうか?
薬師?
「卒業生はなんて名乗っているんですか?」
「治癒師や薬師と名乗っている方が多いですよ、先ほどの話に出てきた治癒院で働いている方は皆治癒師と名乗っていますね」
「なるほど……、なんか医師を名乗る人とぶつかりそうですね……」
「あぁ。それなら昔から衝突していますよ、ですが、治癒院の子らは結果を出していますからね、そういう意味では医師の居ない町も結構多いんですよ」
医師より治癒師を頼るようになった結果、医師と名乗る者たちが追い詰められていると言うことだろうか……。
トラブルに巻き込まれませんように……。
そんなことを思っていると、職員室の扉が開いてイリーナが入ってきた。
「すいません、お待たせしました」
あまり待たされた感じはしなかった。
「大丈夫です」
「そっか、それじゃあ行きましょうか」
「はい」
イリーナと共に、職員室を後にしようとしたとき。
「行ってらっしゃい、ラミナ君に救える命はたくさんあるはずですよ、その目で見て感じてきてください」
「ぇ?」
思わず振り返ってヴィッシュを見た。
「本来は、錬金科の1年時にやることですが、君は特別です」
治癒院に行く事は私にとって何か+になると言うことだろうか?
「戻ってくるのはいつでも構いません、クロエ君と学長の方には私から伝えておきます」
「はぁ……」
なんか、火の日には帰ってくるつもりで居たけど、なかなか帰れない状況になるのだろうか……?
「ささ、馬車の時間があるので行きますよ」
「あっ、はい」
イリーナに手を引かれるように職員室を後にした。
その後は何事もなく、船、馬車と乗り継ぎ昼前にはサウススペルンへ到着した。
「そういえば、治癒院ってどんな所なんですか?」
サウススペルンに行く前に疑問に思っていたことをヴィッシュに聞いてみた。
「治癒院は、病気やケガで苦しむ人たちが訪れる場ですね、特に出産前の女性が多く利用されています」
出産前の女性?
「なんでですか?」
「そうですね、出産時は、子供の成長具合等で母子共に命を落とすこともありますし、子の方が命を落とす確率が結構高いんですよ、特に子どもの5人に1人は命を落としますからね、これでも結構改善された方なんですよ」
「へぇ……」
私も運良く生きているって事なんだろうか。
「帝都にはないんですか?」
「帝都にもありますが、他の都市に比べて利用率が低いですね」
「あれ?そうなんですか?」
「えぇ、出産は産婆がいますし、医師も結構いますからね」
治癒院には医師がいない?
「治癒院には医師はいないんですか?」
「いるところもありますが、基本居ないと思っていただいて結構ですよ」
医師が居ないとなると、だれが病人・怪我人の対応をするのだろうか?
「ぇ、誰がやっているんですか?」
「主に錬金科の卒業生ですね、下手な医師よりは役に立っていると思いますよ」
「へぇ……」
医師の存在って一体……。
「治癒院での仕事は主に訪れた患者さんの病気やケガを診断し適切な薬を処方すること、そして先ほどお話ししたように、出産の手助けなんですよ」
「へぇ……」
どんな病やケガで苦しんでいる人がいるか見学すれば良いのだろうか?
「そういえば、医師ってどうやってなるんですかね?」
「ん~主に自称でしょうか?医師の中には一族で代々なる方も居ますが、師に認められて医師となる方も居ますね、特に医師を名乗る条件があるというわけではないというのが現実ですね」
「へぇ……」
自称って……、卒業生の人たちはなんて名乗っているのだろうか?
薬師?
「卒業生はなんて名乗っているんですか?」
「治癒師や薬師と名乗っている方が多いですよ、先ほどの話に出てきた治癒院で働いている方は皆治癒師と名乗っていますね」
「なるほど……、なんか医師を名乗る人とぶつかりそうですね……」
「あぁ。それなら昔から衝突していますよ、ですが、治癒院の子らは結果を出していますからね、そういう意味では医師の居ない町も結構多いんですよ」
医師より治癒師を頼るようになった結果、医師と名乗る者たちが追い詰められていると言うことだろうか……。
トラブルに巻き込まれませんように……。
そんなことを思っていると、職員室の扉が開いてイリーナが入ってきた。
「すいません、お待たせしました」
あまり待たされた感じはしなかった。
「大丈夫です」
「そっか、それじゃあ行きましょうか」
「はい」
イリーナと共に、職員室を後にしようとしたとき。
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「ぇ?」
思わず振り返ってヴィッシュを見た。
「本来は、錬金科の1年時にやることですが、君は特別です」
治癒院に行く事は私にとって何か+になると言うことだろうか?
「戻ってくるのはいつでも構いません、クロエ君と学長の方には私から伝えておきます」
「はぁ……」
なんか、火の日には帰ってくるつもりで居たけど、なかなか帰れない状況になるのだろうか……?
「ささ、馬車の時間があるので行きますよ」
「あっ、はい」
イリーナに手を引かれるように職員室を後にした。
その後は何事もなく、船、馬車と乗り継ぎ昼前にはサウススペルンへ到着した。
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