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第4章 学園生活 友人の難病編

第31話 サバイバル学習2

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足元は、白い石畳、目の前には城壁があった。

「あれは、遺跡じゃないのか?」
『ゴーレムは正門と中ですから大丈夫ですよ』
「ゴーレムは、正門と中に居るから大丈夫だそうです」
「そうか、一応見てくる」

 ジョーイはそう言うと、羽ばたき飛んだ。

「飛べるのってうらやましいですよね~」
「だね~私も飛びたい」

 本心からそう思う、村に居た頃から空を飛ぶ鳥を見て自由がうらやましくなった。

「ですよね~」
 
 2人でそんな話をしていると、ジョーイが降りて来た。

「精霊の言う通り、中にはうようよ居たが、ここなら大丈夫だろう」

 精霊の言う事、信じてなかったのかな?

「さっさと解体しよう」

 3人が、解体用のナイフを取り出しているのを見て思った。

 ナイフとか、解体に使えそうなものを持ってきてない。

「ごめん……、解体に使えそうなもの持ってきてない……」
「ぇ……、刃物持ってきてないんですか?」
「うん……、ごめん……」
『私にお任せください』

 アクアがそう言うと、私の腕に停まった。

「なにするの?」
『手の平を上に向けて開いてくださいね』

 アクアの言う通りにすると、手のひらにガラスのナイフみたいなものが現れた。

 しばらくすると、冷たい……、氷のナイフだ。

「あれ?ナイフ持ってるじゃないですか」
「うん、精霊さんが出してくれた……」
「ナイフを、現地調達出来るとか、うらやましいですね」
「しゃべってないで、手を動かそうぜ」
「「ごめん」」

 ジョーイの注意に、私と、ミアンは謝った。

 柄の部分が冷たく、作業しづらかった為、柄の部分にタオルを巻いて作業をした。

 私とミアンは、初解体と言う事で、ジョーイに教わりながら、毛を毟ったり、臓器を取り出し土の中に埋めたりしていた。

 最後の1羽を裁いて、あともう少しと言う時。

『狼達がこっちに向かってきてんで』
「狼がこっちに向かってきているみたい」
「わかった、俺が相手する、さっさと済ませてくれよ」

 急ぎ捌続けていると、狼たちの姿が見えた。

 10や20と言う数ではなくもっといた。

『風下におった奴らだけやけどな』
「多いな……」
「ですねぇ」
「ボクあんまり戦力には……」

 クロードの場合は、見た目的にも丸ッとしている事から運動タイプじゃないのが良く分かる。

「いいよ、ラミナ、精霊達に加勢を頼めるか?」
『えぇで~、森の中の奴らは、ウチに任せとき』
『では、私は外に居る者達を相手しましょうか、ラミナ、3人に少し下がるように言ってください』
「3人とも下がってだって」
「あぁ」
「はい」

 ミアン、ジョーイ、クロードが下がった瞬間、周囲に冷たい風が流れ始めた。

「寒くないか……?」
「そうですね……」

 2人が寒そうにしているが、クロードは普段通りにしていた。

『ふふふ、遠慮なく行けるのはいいですね~こちらは終わりましたよ』
『うちもOK』
「終わったみたい」
「は?何も起きてねぇじゃねぇか」
「そうですね、でも、狼さんこっちに向かってこないですね」
『凍ついていますからね~』

 入学試験の時の強化版ね、遠慮なく凍らせたって事ね。

「凍ってるから近寄っても大丈夫みたいです」
「まじかよ、何の素振りも見せてねぇのに……」
「精霊魔法の強みですね~」

 次の瞬間。

「なっ……」

 ミニブラックバードのように、ポンポンと森の中から10体程の狼の死体が飛んできた。

 さすがに、私も驚いた。

「これどうするんです……?5日分の食料は確保出来ましたけど、こんなに裁いていたら日が暮れますよ……」

 既に日が落ち始めている。

 これから30以上の狼解体とかはやりたくなかった。

「一部放棄するしかねぇだろ、とりあえず人数分の牙を集めようぜ」

 ジョーイの言葉に同意するしかなかった。

 4体の死体から牙を抜いた。

「今日は、ココ拠点にするのかな?」

 クロードの言葉に、ミアンが考える素振りを見せた。

『遺跡の中で休めばええやん』
「精霊さんが、遺跡の中で休めばって……」
「クロエ先生が、近寄るなって言っていましたけど……」

 すでに城壁が見えている位置に居るけど。

「さっき中を見たら、かなりのゴーレムが居たぞ」

 クロエ先生が説明しているとき、ゴーレムは地の精霊と言っていたけど。

「ゴーレムは地の精霊だから、私がいれば大丈夫みたいだけど……」
『そうですね』

 というか、ノームにここに来るように呼ぶことは出来ないのかな?

『そんなんで済むならもう来とるよ、うちらが、なんぼ呼んでも反応がないねん』

 ミントが私の思考を読んだらしく答えた。

 ノームと契約するなら、どうやっても中に行かなきゃいけないって事ね……。

「ミアン、どうする?」
「いいの~?先生が近寄るなって言っていたけど~」
「ゴーレムが居る遺跡に近寄るなって事は、危害を加えるからだろ、攻撃してこないならいいんじゃねぇの?」
「ホーンラビットの課題の件もありますし、中に入りましょうか」

 城壁沿いに正門へ向かっていると、膝丈サイズのゴーレムが2体空から降って来た。

「なっ」

 すぐさま弓を構え矢を番えるジョーイ、

『たぶん迎え役だから、攻撃せんといて』
「迎えに来た子だって」

 私がそう言うと、2体のゴーレムが、ウンウンとばかりに2度頷いた。

 目があるわけでもない、口があるわけでもない、ただ岩が人状に繋がっているだけのゴーレムだった。
 
「ついて行けばいいんですか?」

 ミアンがそう尋ねると、再びウンウンとばかりに2度頷いた。

「なんか可愛いですね」
「そうか?ただの岩がくっついた塊じゃね?」

 サイズ的には可愛いと思うが、ジョーイの言う通り岩の塊と言うのも同意できる。

 2体のゴーレムの後について行くと、正門には2mを越えるゴーレムが2体いた。

 2体の大型ゴーレムもこちらを見ると、通っていいよとばかりに、ジェスチャーしていた。
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