6 / 263
第2章 村での生活
第6話 ウンディーネ
しおりを挟む
翌朝
目を開けると、ミントが目の前に居た。
「ミント、おはよ~」
『おはよさん。』
体を起こし、身支度を整え、机の上に置かれている朝食を食べ、スタミナポーションを飲んだ。
「おばあちゃんはもう畑に?」
『せやで。』
「じゃあ手伝ってくる」
『何を手伝うん?』
「病気になってないかチェックとか?」
『うちらがおるから、病気にならへんし、そもそも、種撒いたら収穫までほっといても大丈夫やで。』
「そうなの?」
『せやで、だから地下水路にいこか。』
「じゃあおばあちゃんに一言言ってくる」
『せやな。』
家を出て畑にいる祖母を見つけた。
「おばあちゃん~、手伝わなくて大丈夫~?」
「大丈夫だよ~。」
「おばあちゃんが昨日言ってた地下水路に行ってきていい~?」
「いいよ、いっといで~。」
「ありがとう!行ってくる!」
『瓶もってかな。』
「あっ、そうだね。」
昨日買った瓶をカゴに入れ、地下水路へ向かった。
村長宅の裏にある洞穴まで来ると、水色の光の玉が一杯飛び交っていた。
『奥におるね。』
「水の大精霊?」
『せや。』
奥に進むと水の精霊達の密度が濃くなってきた。
『アオイ、久しぶりやな。』
『そうですね。』
ミントと同じくらいの大きさの青い女性が居た。
ミントは普通の人の姿だったが、青い女性は下半身が魚の姿だった。おまけに手には三つ叉の槍を持っていた。
「えっと、はじめまして、ラミナと言います。」
『はじめまして、ラミナ。私は水の大精霊です。あなたのご先祖さまにはアオイの名を頂いていましたが、新たな名前を貰えますか?』
「契約してもらえるのですか?」
『もちろんです。その為にここでずっと待っていたのですから。』
私が精霊使いを授かるのを知っていた?
「私が精霊使いを貰えるのを知っていたんですか?」
『えぇ、知っていましたよ。』
そうなの!?
ミントの方を見ると。
『せやな、あんたが生まれた時に決まってたな。』
「そうなんだ……」
青や水を連想させて可愛い名……、なにかあるだろうか?
必死に頭を回転させるも思いつかないが、ただ1つ頭の中に浮かぶ単語があった。
これがどんな意味があるのか分からなかった。
「意味が分からないのですが、アクアはどうでしょうか?なんか頭の中に浮かんだんです。」
『それって、アヴェーニュ地方でよく使われたり、魔法詠唱でも使われる水って意味やね。』
『そうですね、ラミナ、ありがとうございます。私の名はアクア。』
「アヴェーニュ地方って?」
『リタの故郷がある場所ですね、ここからとても近い場所ですよ。』
先祖がヒントをくれたという事だろうか?
「そうなんだ。」
『契約も終わったし、水汲んで帰ろか。』
『そうですね。』
カゴを降ろし、瓶を取り出し、水路の水を汲んだ。
水を汲んで自宅に向かっていると。
『水を何に使うんですか?』
『ポーション作りや。』
『なるほど、私がいるならどこの水でも変わらないですよ。』
「そうなの?」
『せやな、アクアがそれぞれのポーションに適切な水に変えてくれるからな。』
「そうなんだ。」
『それくらいは出来ますよ。』
『せやで、アクアなら、水を油にする事なんかも出来んで。』
「そうなの!?」
『そうですね、ただ大きく変化させる場合は相応の魔素を消費することになりますが……。』
「ミントも何かできるの?」
『彼女は、違う植物に変えたりできますね。』
それはそれですごいと思う。
『せやなぁ、今のラミナの魔素じゃ無理やけどなぁ~。』
「そうなんだ。」
種から収穫できるまで成長させることが出来るようになったら出来るのだろうか?
『体内魔素の保有量増やすために何かやってますか?』
『麦の実を成長させてん。』
『なるほど、それはもったいないんじゃないですか?』
「なんで?」
『いえ、悪い事じゃないのですが、もしラミナさえ良ければ、私達に分けてもらってもいいですか?』
「ぇ?」
『私達は頂いた魔素をある程度貯蓄できますので、いざと言うときに力を貸せるのですよ。』
『せやな~。』
「そうなんだ、それでもいいよ。」
『ミント、交互に頂くというのはどうですか?』
『ええで~、今夜はアクアが貰ってや。』
『ありがとうございます。』
なんというか、アクアは真面目なタイプで、ミントは明るいタイプなんだろうか?
帰宅後は、残っている薬草でポーション作りを始めた。
水を注ぐ際、アクアが注ぎ口で何かをしていたが、何をしているのかさっぱり分からなかった。
「入れる瓶がないね。」
『せやなぁ~。』
『マジックポーションもありますし、魔法の練習でもしてみては?』
「魔法?」
アクアから思わぬ提案をされた。
目を開けると、ミントが目の前に居た。
「ミント、おはよ~」
『おはよさん。』
体を起こし、身支度を整え、机の上に置かれている朝食を食べ、スタミナポーションを飲んだ。
「おばあちゃんはもう畑に?」
『せやで。』
「じゃあ手伝ってくる」
『何を手伝うん?』
「病気になってないかチェックとか?」
『うちらがおるから、病気にならへんし、そもそも、種撒いたら収穫までほっといても大丈夫やで。』
「そうなの?」
『せやで、だから地下水路にいこか。』
「じゃあおばあちゃんに一言言ってくる」
『せやな。』
家を出て畑にいる祖母を見つけた。
「おばあちゃん~、手伝わなくて大丈夫~?」
「大丈夫だよ~。」
「おばあちゃんが昨日言ってた地下水路に行ってきていい~?」
「いいよ、いっといで~。」
「ありがとう!行ってくる!」
『瓶もってかな。』
「あっ、そうだね。」
昨日買った瓶をカゴに入れ、地下水路へ向かった。
村長宅の裏にある洞穴まで来ると、水色の光の玉が一杯飛び交っていた。
『奥におるね。』
「水の大精霊?」
『せや。』
奥に進むと水の精霊達の密度が濃くなってきた。
『アオイ、久しぶりやな。』
『そうですね。』
ミントと同じくらいの大きさの青い女性が居た。
ミントは普通の人の姿だったが、青い女性は下半身が魚の姿だった。おまけに手には三つ叉の槍を持っていた。
「えっと、はじめまして、ラミナと言います。」
『はじめまして、ラミナ。私は水の大精霊です。あなたのご先祖さまにはアオイの名を頂いていましたが、新たな名前を貰えますか?』
「契約してもらえるのですか?」
『もちろんです。その為にここでずっと待っていたのですから。』
私が精霊使いを授かるのを知っていた?
「私が精霊使いを貰えるのを知っていたんですか?」
『えぇ、知っていましたよ。』
そうなの!?
ミントの方を見ると。
『せやな、あんたが生まれた時に決まってたな。』
「そうなんだ……」
青や水を連想させて可愛い名……、なにかあるだろうか?
必死に頭を回転させるも思いつかないが、ただ1つ頭の中に浮かぶ単語があった。
これがどんな意味があるのか分からなかった。
「意味が分からないのですが、アクアはどうでしょうか?なんか頭の中に浮かんだんです。」
『それって、アヴェーニュ地方でよく使われたり、魔法詠唱でも使われる水って意味やね。』
『そうですね、ラミナ、ありがとうございます。私の名はアクア。』
「アヴェーニュ地方って?」
『リタの故郷がある場所ですね、ここからとても近い場所ですよ。』
先祖がヒントをくれたという事だろうか?
「そうなんだ。」
『契約も終わったし、水汲んで帰ろか。』
『そうですね。』
カゴを降ろし、瓶を取り出し、水路の水を汲んだ。
水を汲んで自宅に向かっていると。
『水を何に使うんですか?』
『ポーション作りや。』
『なるほど、私がいるならどこの水でも変わらないですよ。』
「そうなの?」
『せやな、アクアがそれぞれのポーションに適切な水に変えてくれるからな。』
「そうなんだ。」
『それくらいは出来ますよ。』
『せやで、アクアなら、水を油にする事なんかも出来んで。』
「そうなの!?」
『そうですね、ただ大きく変化させる場合は相応の魔素を消費することになりますが……。』
「ミントも何かできるの?」
『彼女は、違う植物に変えたりできますね。』
それはそれですごいと思う。
『せやなぁ、今のラミナの魔素じゃ無理やけどなぁ~。』
「そうなんだ。」
種から収穫できるまで成長させることが出来るようになったら出来るのだろうか?
『体内魔素の保有量増やすために何かやってますか?』
『麦の実を成長させてん。』
『なるほど、それはもったいないんじゃないですか?』
「なんで?」
『いえ、悪い事じゃないのですが、もしラミナさえ良ければ、私達に分けてもらってもいいですか?』
「ぇ?」
『私達は頂いた魔素をある程度貯蓄できますので、いざと言うときに力を貸せるのですよ。』
『せやな~。』
「そうなんだ、それでもいいよ。」
『ミント、交互に頂くというのはどうですか?』
『ええで~、今夜はアクアが貰ってや。』
『ありがとうございます。』
なんというか、アクアは真面目なタイプで、ミントは明るいタイプなんだろうか?
帰宅後は、残っている薬草でポーション作りを始めた。
水を注ぐ際、アクアが注ぎ口で何かをしていたが、何をしているのかさっぱり分からなかった。
「入れる瓶がないね。」
『せやなぁ~。』
『マジックポーションもありますし、魔法の練習でもしてみては?』
「魔法?」
アクアから思わぬ提案をされた。
219
お気に入りに追加
664
あなたにおすすめの小説
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
魔王復活!
大好き丸
ファンタジー
世界を恐怖に陥れた最悪の魔王ヴァルタゼア。
勇者一行は魔王城ヘルキャッスルの罠を掻い潜り、
遂に魔王との戦いの火蓋が切って落とされた。
長き戦いの末、辛くも勝利した勇者一行に魔王は言い放つ。
「この体が滅びようと我が魂は不滅!」
魔王は復活を誓い、人類に恐怖を与え消滅したのだった。
それから時は流れ―。
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
異世界で魔法使いとなった俺はネットでお買い物して世界を救う
馬宿
ファンタジー
30歳働き盛り、独身、そろそろ身を固めたいものだが相手もいない
そんな俺が電車の中で疲れすぎて死んじゃった!?
そしてらとある世界の守護者になる為に第2の人生を歩まなくてはいけなくなった!?
農家育ちの素人童貞の俺が世界を守る為に選ばれた!?
10個も願いがかなえられるらしい!
だったら異世界でもネットサーフィンして、お買い物して、農業やって、のんびり暮らしたいものだ
異世界なら何でもありでしょ?
ならのんびり生きたいな
小説家になろう!にも掲載しています
何分、書きなれていないので、ご指摘あれば是非ご意見お願いいたします
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる