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第2章 村での生活

第6話 ウンディーネ

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翌朝

 目を開けると、ミントが目の前に居た。

「ミント、おはよ~」
『おはよさん。』

 体を起こし、身支度を整え、机の上に置かれている朝食を食べ、スタミナポーションを飲んだ。

「おばあちゃんはもう畑に?」
『せやで。』
「じゃあ手伝ってくる」
『何を手伝うん?』
「病気になってないかチェックとか?」
『うちらがおるから、病気にならへんし、そもそも、種撒いたら収穫までほっといても大丈夫やで。』
「そうなの?」
『せやで、だから地下水路にいこか。』
「じゃあおばあちゃんに一言言ってくる」
『せやな。』

 家を出て畑にいる祖母を見つけた。

「おばあちゃん~、手伝わなくて大丈夫~?」
「大丈夫だよ~。」
「おばあちゃんが昨日言ってた地下水路に行ってきていい~?」
「いいよ、いっといで~。」
「ありがとう!行ってくる!」
『瓶もってかな。』
「あっ、そうだね。」

 昨日買った瓶をカゴに入れ、地下水路へ向かった。

 村長宅の裏にある洞穴まで来ると、水色の光の玉が一杯飛び交っていた。

『奥におるね。』
「水の大精霊?」
『せや。』

 奥に進むと水の精霊達の密度が濃くなってきた。

『アオイ、久しぶりやな。』
『そうですね。』

 ミントと同じくらいの大きさの青い女性が居た。

 ミントは普通の人の姿だったが、青い女性は下半身が魚の姿だった。おまけに手には三つ叉の槍を持っていた。

「えっと、はじめまして、ラミナと言います。」
『はじめまして、ラミナ。私は水の大精霊です。あなたのご先祖さまにはアオイの名を頂いていましたが、新たな名前を貰えますか?』
「契約してもらえるのですか?」
『もちろんです。その為にここでずっと待っていたのですから。』

 私が精霊使いを授かるのを知っていた?

「私が精霊使いを貰えるのを知っていたんですか?」
『えぇ、知っていましたよ。』

 そうなの!?
 ミントの方を見ると。

『せやな、あんたが生まれた時に決まってたな。』
「そうなんだ……」

 青や水を連想させて可愛い名……、なにかあるだろうか?

 必死に頭を回転させるも思いつかないが、ただ1つ頭の中に浮かぶ単語があった。

 これがどんな意味があるのか分からなかった。

「意味が分からないのですが、アクアはどうでしょうか?なんか頭の中に浮かんだんです。」
『それって、アヴェーニュ地方でよく使われたり、魔法詠唱でも使われる水って意味やね。』
『そうですね、ラミナ、ありがとうございます。私の名はアクア。』
「アヴェーニュ地方って?」
『リタの故郷がある場所ですね、ここからとても近い場所ですよ。』

 先祖がヒントをくれたという事だろうか?

「そうなんだ。」
『契約も終わったし、水汲んで帰ろか。』
『そうですね。』

 カゴを降ろし、瓶を取り出し、水路の水を汲んだ。

 水を汲んで自宅に向かっていると。

『水を何に使うんですか?』
『ポーション作りや。』
『なるほど、私がいるならどこの水でも変わらないですよ。』
「そうなの?」
『せやな、アクアがそれぞれのポーションに適切な水に変えてくれるからな。』
「そうなんだ。」
『それくらいは出来ますよ。』
『せやで、アクアなら、水を油にする事なんかも出来んで。』
「そうなの!?」
『そうですね、ただ大きく変化させる場合は相応の魔素を消費することになりますが……。』
「ミントも何かできるの?」
『彼女は、違う植物に変えたりできますね。』

 それはそれですごいと思う。

『せやなぁ、今のラミナの魔素じゃ無理やけどなぁ~。』
「そうなんだ。」

 種から収穫できるまで成長させることが出来るようになったら出来るのだろうか?

『体内魔素の保有量増やすために何かやってますか?』
『麦の実を成長させてん。』
『なるほど、それはもったいないんじゃないですか?』
「なんで?」
『いえ、悪い事じゃないのですが、もしラミナさえ良ければ、私達に分けてもらってもいいですか?』
「ぇ?」
『私達は頂いた魔素をある程度貯蓄できますので、いざと言うときに力を貸せるのですよ。』
『せやな~。』
「そうなんだ、それでもいいよ。」
『ミント、交互に頂くというのはどうですか?』
『ええで~、今夜はアクアが貰ってや。』
『ありがとうございます。』

 なんというか、アクアは真面目なタイプで、ミントは明るいタイプなんだろうか?

 帰宅後は、残っている薬草でポーション作りを始めた。

 水を注ぐ際、アクアが注ぎ口で何かをしていたが、何をしているのかさっぱり分からなかった。

「入れる瓶がないね。」
『せやなぁ~。』
『マジックポーションもありますし、魔法の練習でもしてみては?』
「魔法?」

 アクアから思わぬ提案をされた。

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