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願いを叶える薬
第59話 ドライアドとドライアドの実
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半年後、季節は秋から冬になり春を迎えた。
オリビに来た翌日にライさんと出会い、ライさんからはこの世界の薬学、自分からは自分の居た時代の医学を教えあい、更にライさんが精霊に依頼し、病人や怪我人が道なき道をあるき診療所に来るようになっていた。
自分が診察をしながら診断の仕方をライさんに伝え、ライさんはその診断と症状をもとに適切な薬を処方していた。
一方ユキはこの半年で凄く成長した。子狐だったのが成長した猫サイズにまで大きくなった。ライさんいわくフォックス種は生まれて半年後に第1次成長期があるのだとか、その後2次3次と続くらしいが。これから10年程は人の15歳位らしい。
そしてドライアドの木の方は青々とした葉を沢山つけ所々蕾がついていた。暇なときはユキと一緒に木の根元で昼寝したりこっちから大量に魔素を流し込んでみたりと色々試した結果が今の成果につながった。ライさん曰く、もうじき蕾も開花するだろうと言っていた。
◇◇◇◇◇◇
今日も午前中の診療を終えてドライアドの木の下で、ユキとライさんに対しての脳医学の講義をしていた。
「と言った感じですね、脳挫傷とかで脳が傷付くと場所によって違う症状がでるんですよ」
「同じ診断名でも症状が違うんだな」
「キュィ~」
「そうですね、今日はここら辺にしましょうか」
「ところで誠明君、心はどこにあるのだ?」
なんか懐かしい話だ。
医学生時代に、心臓移植したらドナーの記憶が蘇ったなんて話があったって話をして心はどこにあるの?みたいな話を皆で話をした記憶があった。
「そうですね、自分の立場からすれば脳にあると思いますけど」
「そうか、心は心臓ではないのだな」
「と思うんですが、以前お話した移植手術の話を覚えていますか?」
「あぁ」
「心臓移植をした患者さんに、ドナーの記憶が蘇ったなんて実話もあったんですよね」
「それでは記憶は心臓に?」
「どうなんでしょうね、もしかしたら心臓にも記憶が宿るのかもしれませんね」
「そうか」
「とりあえず今日はもう夕暮れだし帰りましょうか」
「あぁ」
「キュィ~」
家に帰ろうとすると。
「お」「ッキュ!」
ユキとライさんが何かに反応し、ドライアドの木の上を見上げた。
「ん?どうしたんです?」
「上を見てみなさい」
ん?と思いながら上を見上げると、椿の花みたいな形状で花びらが透けた薄い青色をしていた。
「花びら透き通ってません?」
「透き通っているな、誠明君は青系が好きなんだな」
確かにすべての色の中からと言われたら青系が好きだけども……。
「もしかして色が人によって違うんです?」
「そうだな、ドライアド達がやると濃い黄色い花になるが、聖女様は薄いピンク色だったな」
「そうなんですね」
「もうすぐ君らとはお別れだな」
「ぇ?そうなんです?」
「あぁ、3日後位には花が散り直ぐに黄色い実を付けるからな」
そっか、そろそろここでの生活が終わりか。
次の目的地はゼッフェルト帝国か、教会の権力外なのは良いけどどうなるかな……。
「キュ?」
ユキが自分の周囲をキョロキョロと何かを追うように見ていた。
「ん?どうした」
「ほぉユキ君はドライアドに気に入られたな」
「どういうことです?」
「あの花からドライアドが落ちてきたから花が咲いた事に気づいたんだが、そのドライアドがユキ君の周りを飛び回っているんだよ」
ぇ?魔素を大量に注ぎ込んだ自分じゃなくてユキに……?
「自分じゃなくてユキにですか?」
「あぁ君には水の精霊がくっついてるからかもしれないね」
「その子自分に何もしてくれていないと思うのですが……」
「どうだろうなぁ、おそらく君が気づかないところで力を貸していると思うよ、そうだね例えば旅の途中雨に降られてないとかなんかも精霊の力だったりするからね、それに月の雫を作るときにもおそらく力になってくれるはずだよ」
言われてみれば思い当たる節はある。マバダザからオリビの町まで雨に困らされたことが無かった。とくにロッジさん達の居る集落から先山を越えたら雨季だと言ってたのに、ぬかるみとかに困ったが、雨にあうことなくカッチョイスの町に着いた。
「言われてみれば……」
正直何かをやってくれても気づかないし、何かやってくれているならお礼をしなくてもいいのだろうか?
「1つ、精霊に何かお礼をしなくてもいいんですかね?」
「お礼か、君についてきている子は君の魔素を貰っているからずっとそばに居る事が出来るんだが、それがお礼になっているみたいだよ」
「はぁ、そんなんでいいのか」
「まぁ彼はそれで納得しているみたいだよ」
それでいいならいいんだけども。
「もしかしてユキを気に入ったドライアドの子もユキについてくるんですかね?」
「かもしれないね、ユキ君なら見ることも出来るし声を聴くことも出来るだろうからね」
「そうなの?」
ユキの方を見た。
「キュッキュ!」
「そうなんだ、一緒に来るって?」
「キュッキュ!」
どうやらついてくるらしい。
「ドライアドってどんなことに?」
「そうだね、今まで君が気づかなかった薬草なんかを見落とさずに済むんじゃないかな?」
たしかにこれから帝国に行くとなれば道中薬草集めするのもありだし。
「それに傷んだ野菜や果物を教えてくれるよ」
「日常生活で役に立ちそうですね」
「そりゃね精霊達はみんなそういうもんだ」
「そういえば自分についている水の精霊はユキとやりとりできるんです?」
「出来ないだろうね、おそらく声も聞こえないし、姿も見ることが出来ないんじゃないかな?」
「そうなの?」
ユキの方を見ると頷いていた。
「そっか」
「彼は君に興味があっても、ユキ君には興味がないようだからね、本人が声を伝えたいとか姿を見せたいとか思わない限り見ることも声を聞くことも出来ないよ」
「自分に興味あるのに姿も声も聞かせてくれないんですかね……」
「どうなんだろうね、その必要がないからじゃないかな?」
「そうですか……」
まぁいいか、特に何かあるわけでもないし
「んじゃ戻りましょうか」
「あぁ」
そして5日後の朝方、ユキがドライアドの実を咥えて持ってきた。
オリビに来た翌日にライさんと出会い、ライさんからはこの世界の薬学、自分からは自分の居た時代の医学を教えあい、更にライさんが精霊に依頼し、病人や怪我人が道なき道をあるき診療所に来るようになっていた。
自分が診察をしながら診断の仕方をライさんに伝え、ライさんはその診断と症状をもとに適切な薬を処方していた。
一方ユキはこの半年で凄く成長した。子狐だったのが成長した猫サイズにまで大きくなった。ライさんいわくフォックス種は生まれて半年後に第1次成長期があるのだとか、その後2次3次と続くらしいが。これから10年程は人の15歳位らしい。
そしてドライアドの木の方は青々とした葉を沢山つけ所々蕾がついていた。暇なときはユキと一緒に木の根元で昼寝したりこっちから大量に魔素を流し込んでみたりと色々試した結果が今の成果につながった。ライさん曰く、もうじき蕾も開花するだろうと言っていた。
◇◇◇◇◇◇
今日も午前中の診療を終えてドライアドの木の下で、ユキとライさんに対しての脳医学の講義をしていた。
「と言った感じですね、脳挫傷とかで脳が傷付くと場所によって違う症状がでるんですよ」
「同じ診断名でも症状が違うんだな」
「キュィ~」
「そうですね、今日はここら辺にしましょうか」
「ところで誠明君、心はどこにあるのだ?」
なんか懐かしい話だ。
医学生時代に、心臓移植したらドナーの記憶が蘇ったなんて話があったって話をして心はどこにあるの?みたいな話を皆で話をした記憶があった。
「そうですね、自分の立場からすれば脳にあると思いますけど」
「そうか、心は心臓ではないのだな」
「と思うんですが、以前お話した移植手術の話を覚えていますか?」
「あぁ」
「心臓移植をした患者さんに、ドナーの記憶が蘇ったなんて実話もあったんですよね」
「それでは記憶は心臓に?」
「どうなんでしょうね、もしかしたら心臓にも記憶が宿るのかもしれませんね」
「そうか」
「とりあえず今日はもう夕暮れだし帰りましょうか」
「あぁ」
「キュィ~」
家に帰ろうとすると。
「お」「ッキュ!」
ユキとライさんが何かに反応し、ドライアドの木の上を見上げた。
「ん?どうしたんです?」
「上を見てみなさい」
ん?と思いながら上を見上げると、椿の花みたいな形状で花びらが透けた薄い青色をしていた。
「花びら透き通ってません?」
「透き通っているな、誠明君は青系が好きなんだな」
確かにすべての色の中からと言われたら青系が好きだけども……。
「もしかして色が人によって違うんです?」
「そうだな、ドライアド達がやると濃い黄色い花になるが、聖女様は薄いピンク色だったな」
「そうなんですね」
「もうすぐ君らとはお別れだな」
「ぇ?そうなんです?」
「あぁ、3日後位には花が散り直ぐに黄色い実を付けるからな」
そっか、そろそろここでの生活が終わりか。
次の目的地はゼッフェルト帝国か、教会の権力外なのは良いけどどうなるかな……。
「キュ?」
ユキが自分の周囲をキョロキョロと何かを追うように見ていた。
「ん?どうした」
「ほぉユキ君はドライアドに気に入られたな」
「どういうことです?」
「あの花からドライアドが落ちてきたから花が咲いた事に気づいたんだが、そのドライアドがユキ君の周りを飛び回っているんだよ」
ぇ?魔素を大量に注ぎ込んだ自分じゃなくてユキに……?
「自分じゃなくてユキにですか?」
「あぁ君には水の精霊がくっついてるからかもしれないね」
「その子自分に何もしてくれていないと思うのですが……」
「どうだろうなぁ、おそらく君が気づかないところで力を貸していると思うよ、そうだね例えば旅の途中雨に降られてないとかなんかも精霊の力だったりするからね、それに月の雫を作るときにもおそらく力になってくれるはずだよ」
言われてみれば思い当たる節はある。マバダザからオリビの町まで雨に困らされたことが無かった。とくにロッジさん達の居る集落から先山を越えたら雨季だと言ってたのに、ぬかるみとかに困ったが、雨にあうことなくカッチョイスの町に着いた。
「言われてみれば……」
正直何かをやってくれても気づかないし、何かやってくれているならお礼をしなくてもいいのだろうか?
「1つ、精霊に何かお礼をしなくてもいいんですかね?」
「お礼か、君についてきている子は君の魔素を貰っているからずっとそばに居る事が出来るんだが、それがお礼になっているみたいだよ」
「はぁ、そんなんでいいのか」
「まぁ彼はそれで納得しているみたいだよ」
それでいいならいいんだけども。
「もしかしてユキを気に入ったドライアドの子もユキについてくるんですかね?」
「かもしれないね、ユキ君なら見ることも出来るし声を聴くことも出来るだろうからね」
「そうなの?」
ユキの方を見た。
「キュッキュ!」
「そうなんだ、一緒に来るって?」
「キュッキュ!」
どうやらついてくるらしい。
「ドライアドってどんなことに?」
「そうだね、今まで君が気づかなかった薬草なんかを見落とさずに済むんじゃないかな?」
たしかにこれから帝国に行くとなれば道中薬草集めするのもありだし。
「それに傷んだ野菜や果物を教えてくれるよ」
「日常生活で役に立ちそうですね」
「そりゃね精霊達はみんなそういうもんだ」
「そういえば自分についている水の精霊はユキとやりとりできるんです?」
「出来ないだろうね、おそらく声も聞こえないし、姿も見ることが出来ないんじゃないかな?」
「そうなの?」
ユキの方を見ると頷いていた。
「そっか」
「彼は君に興味があっても、ユキ君には興味がないようだからね、本人が声を伝えたいとか姿を見せたいとか思わない限り見ることも声を聞くことも出来ないよ」
「自分に興味あるのに姿も声も聞かせてくれないんですかね……」
「どうなんだろうね、その必要がないからじゃないかな?」
「そうですか……」
まぁいいか、特に何かあるわけでもないし
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「あぁ」
そして5日後の朝方、ユキがドライアドの実を咥えて持ってきた。
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