58 / 91
願いを叶える薬
第58話 役に立ってない知識
しおりを挟む
ライさんが取り出したものは大量の本だった。
タイトルを見ると心理学や社会学、環境学等から、専門科目の代謝栄養学、病理学、疾病論、微生物学、薬理学等、そして極めつけは基礎看護学等の看護師になる為に専門学校や大学で使う教科書だった。
「これって読めたんです?」
一番最初に思ったのはそこだった。たしか書かれたものとかそう言うものは、言語理解を持っていない限り、この世界の人は読めなかったはずだ。
「そこは問題なかったかな、精霊達が訳してくれたからね」
精霊って便利すぎじゃない?
ユキの言葉を訳して伝えたりとか……。
「精霊って何者なんですか……?ユキの言葉も伝わるんですよね?」
「そうだね、この世界の真実を知る者というべきなのかね?だからこの本が伝えたいことも分かるようだよ」
そういうものなのかな?
「そうでしたか、もしかしてこの教科書全部目を通して頭に入ってます?」
「もちろんだよ」
たぶん後は実技なんだろうな。
病院実習とか経て国家試験だったはずだし。
「そうですか、もし病気やけがの人がいたら、本人の同意がとれるなら診察や手術に立ち会ってみますか?」
「ほぉそれは是非立ち会わせてほしい」
「この本ってライさんだけが読んでるんです?」
「いや、リオスも孫のロアナもモアナも読んでいるよ。それだけじゃなくハイエルフの里の者の大半は読んでいるんじゃないかな?この本を貰えなかった者達は持っている者達から借りて自分たちで書き写して本を作ったからね」
まさかの、看護師としての知識を蓄えた集団がいたとは……。
「ハイエルフの方々はこの本を元になにかやったりは?」
「日々の生活に役に立ててる位かね?」
もったいない……、これだけ勉強すれば色々な病に対する最低限の知識はえられるだろうし、この本で得た知識を活かせばいいのに。
というかどんな生活をしているのかが気になった。
というか、彼等は知識を持っていても実際に見たりしていないからなのかな?
創造神ユスチナ様がこの世界に来るとき、医療については、殆ど所で各臓器がどのような働きをしているのかがまだ不明と言っていたが。彼等にとっては本の中の出来事であって現実でないとでも思っているのか……?
それとも、殆ど所といってたから一部の地域ではって意味合いもあるのか……?
「1つ聞いていいです?亡くなった人とかを解剖したりして本の中身を確認したりはしなかったんですか?」
「そんなことは死者への冒涜だからせんよ、我々は死んだら森に返すだけだからね」
彼等にとってはどうでもいい知識扱いなのか!?
精霊は本の中身が真実だとは言わなかったのかな?ただ訳しただけ……?
まぁそれでも応急手当とか衛生学とかは役立てていると信じたい。
「えっと、一応その本の中身は真実だと思いますよ、自分が居た時代より少し前なので古い知識もあるかもしれませんが……、これからこんなところに患者が来るかわかりませんが実践を交えて医学を教えていきますよ」
「ほぉ助かる。それでは私は怪我人や病人がここに来るようにすればいいかな?」
「どうやって……?」
「君たちをここに導いたようにするのさ」
「なるほど……とりあえず、診療所に案内しますね」
「あぁ」
ドライアドの木を後にし自宅のあるところまで戻ってきた。
「こりゃ~ジルがからんでるだろう」
「そうですね、ジルさんの拘り設計ですね、知り合いなんです?」
「そりゃな、昔聖女様とドワイライフ王国病院で会い、そこでジルとも出会ったからな」
まぁ2人とも聖女様とつながりがあるしそこまで不自然な事じゃないか。
「なるほど、一応1階が診察室や手術室、病室なんかがありますね、2階はマバダザに居た頃はドワーフ達のたまり場になってましたね、3階は自宅ですが……、ライさんはどこかに住むんです?」
「そうだな、大木の幹に穴があるのはしっているかい?」
「えぇ大人2~3人暮らせるようなスペースがあるところがありましたが」
「そこに住もうかと思ってるよ」
「なるほど……」
「それじゃあ私は住めるようにしてこよう。また明日ドライアドの木でまってるよ」
「はぁ……」
その後ライさんは大木のある方へ歩いて行った。
しばらくは、来た患者さんの対応をしつつ暇なときにドライアドの木に魔素を与え続ける生活をすればいい感じかな?
ドライアドの実を手に入れたら帝国かな……。
タイトルを見ると心理学や社会学、環境学等から、専門科目の代謝栄養学、病理学、疾病論、微生物学、薬理学等、そして極めつけは基礎看護学等の看護師になる為に専門学校や大学で使う教科書だった。
「これって読めたんです?」
一番最初に思ったのはそこだった。たしか書かれたものとかそう言うものは、言語理解を持っていない限り、この世界の人は読めなかったはずだ。
「そこは問題なかったかな、精霊達が訳してくれたからね」
精霊って便利すぎじゃない?
ユキの言葉を訳して伝えたりとか……。
「精霊って何者なんですか……?ユキの言葉も伝わるんですよね?」
「そうだね、この世界の真実を知る者というべきなのかね?だからこの本が伝えたいことも分かるようだよ」
そういうものなのかな?
「そうでしたか、もしかしてこの教科書全部目を通して頭に入ってます?」
「もちろんだよ」
たぶん後は実技なんだろうな。
病院実習とか経て国家試験だったはずだし。
「そうですか、もし病気やけがの人がいたら、本人の同意がとれるなら診察や手術に立ち会ってみますか?」
「ほぉそれは是非立ち会わせてほしい」
「この本ってライさんだけが読んでるんです?」
「いや、リオスも孫のロアナもモアナも読んでいるよ。それだけじゃなくハイエルフの里の者の大半は読んでいるんじゃないかな?この本を貰えなかった者達は持っている者達から借りて自分たちで書き写して本を作ったからね」
まさかの、看護師としての知識を蓄えた集団がいたとは……。
「ハイエルフの方々はこの本を元になにかやったりは?」
「日々の生活に役に立ててる位かね?」
もったいない……、これだけ勉強すれば色々な病に対する最低限の知識はえられるだろうし、この本で得た知識を活かせばいいのに。
というかどんな生活をしているのかが気になった。
というか、彼等は知識を持っていても実際に見たりしていないからなのかな?
創造神ユスチナ様がこの世界に来るとき、医療については、殆ど所で各臓器がどのような働きをしているのかがまだ不明と言っていたが。彼等にとっては本の中の出来事であって現実でないとでも思っているのか……?
それとも、殆ど所といってたから一部の地域ではって意味合いもあるのか……?
「1つ聞いていいです?亡くなった人とかを解剖したりして本の中身を確認したりはしなかったんですか?」
「そんなことは死者への冒涜だからせんよ、我々は死んだら森に返すだけだからね」
彼等にとってはどうでもいい知識扱いなのか!?
精霊は本の中身が真実だとは言わなかったのかな?ただ訳しただけ……?
まぁそれでも応急手当とか衛生学とかは役立てていると信じたい。
「えっと、一応その本の中身は真実だと思いますよ、自分が居た時代より少し前なので古い知識もあるかもしれませんが……、これからこんなところに患者が来るかわかりませんが実践を交えて医学を教えていきますよ」
「ほぉ助かる。それでは私は怪我人や病人がここに来るようにすればいいかな?」
「どうやって……?」
「君たちをここに導いたようにするのさ」
「なるほど……とりあえず、診療所に案内しますね」
「あぁ」
ドライアドの木を後にし自宅のあるところまで戻ってきた。
「こりゃ~ジルがからんでるだろう」
「そうですね、ジルさんの拘り設計ですね、知り合いなんです?」
「そりゃな、昔聖女様とドワイライフ王国病院で会い、そこでジルとも出会ったからな」
まぁ2人とも聖女様とつながりがあるしそこまで不自然な事じゃないか。
「なるほど、一応1階が診察室や手術室、病室なんかがありますね、2階はマバダザに居た頃はドワーフ達のたまり場になってましたね、3階は自宅ですが……、ライさんはどこかに住むんです?」
「そうだな、大木の幹に穴があるのはしっているかい?」
「えぇ大人2~3人暮らせるようなスペースがあるところがありましたが」
「そこに住もうかと思ってるよ」
「なるほど……」
「それじゃあ私は住めるようにしてこよう。また明日ドライアドの木でまってるよ」
「はぁ……」
その後ライさんは大木のある方へ歩いて行った。
しばらくは、来た患者さんの対応をしつつ暇なときにドライアドの木に魔素を与え続ける生活をすればいい感じかな?
ドライアドの実を手に入れたら帝国かな……。
15
お気に入りに追加
664
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる