42 / 91
放浪の旅の始まり
第42話 異端審問官
しおりを挟む
カイルの胃摘出手術から2週間たったある日の事
午前中の診療中に診療所入り口の扉がバタン!と大きな音を立てて開いた。
「兄ちゃん!兄ちゃんいるか!?」
この声は孤児院の子だな?
「すいません、アンさんちょっと行ってきていいですか?」
「良いよ行っておいで」
診察室から廊下に出ると、思っていた通り孤児院にいる男の子が居た。
「急にどうした何かあった?」
「兄ちゃん!これを!院長先生から兄ちゃんに急ぎこれを渡せって」
そう手渡されたのは封筒にも入っていない1枚の羊皮紙だった。そしてそこには“マバダザに異端審問官が向かっています。急ぎ逃げなさい”と書かれていた。
ついに来たか。
「ありがとう、院長先生にも伝言ありがとうと伝えてくれる?」
「うん!兄ちゃんも気を付けろよ!」
それだけ言うと男の子は診療所を出ていった。
この街に向かっていると書かれているあたり、まだ到着していないが時間の問題とみて間違いないだろう。午前中の診察だけ終わらせたら急ぎ逃げる準備をしなければ。
受付前の待合で待っている人達から。
「大丈夫?」
等心配してくれる声を聞いた。
「事情は後で話しますよ」
とだけ伝えた。急ぎ診察室に向かい、常連のアンさんに話をした。
「大丈夫だったかい?」
「ん~あまり大丈夫じゃないかもです。孤児院の院長先生から異端審問官が来たから逃げなさいと」
「そうかい、となるとこの国を出るのかい?」
「そうなりますね、なので1年分の薬をお渡しします」
「そんなに?」
「えぇ、いつ戻ってこれるかわかりませんし……」
「そうかい、なら受け取ろうかねぇマジックバックあるからいくらでも詰めるけど、お代はいつものしか持ってきてないよ?」
「お代は今日の分だけで大丈夫です」
「そうかい本当にすまないねぇ」
「いえいえ」
そう伝え、リウマチの進行を遅らせる軟膏と痛み止めを大量に渡し、この世界でも作れるリウマチの進行を遅らせる薬のレシピを渡した。
「先生これは薬のレシピかい?」
「えぇ、薬が切れた後、薬を作れる人にその薬を作ってもらえるように依頼してください、それが自分に出来る精いっぱいの事だと思うので」
「先生、公開されている物を除いて、製薬のレシピは秘伝中の秘伝と言われていますよ。そんなに簡単に他人に渡してはダメですよ」
「そう言われても緊急時ですから……」
「そうさね、分かった誰にも見せず自分で作るとするよ、先生今までありがとうね」
「いえいえ、アンさんもお元気で」
そう言うといつもの大銀貨1枚をだして診察室を後にしていった。
その後も常連さんには当面の間の薬と製薬レシピを渡すとアンさんと同じような事を言われながら午前中の診療を終わらせた。
自宅にある物、診療所エリアにあるもの、そしてドワーフ達が集まる場所にあるものすべてアイテムボックスにしまえるものはしまい、外にでて診療所の建物をアイテムボックスにいれ、建物を受け取った時にジルさんから貰った魔石を出すと、建物が建っていた位置にある穴が魔石から出てきた土砂によって完全に塞がった。
道を歩いている人達は凄く驚いていたが、今は周囲を気にしている場合ではない。
「ユキ、自分の姿を変えるか消してくれる?」
「キュッキュ!」
自分の姿が変わったり消えたりしているのが分からないが、ユキが肯定したのを見ると多分やってくれているはずだ。
さて次はどうするか、ザックかジルの所に一言言いに行くべきだろう。
鍛冶ギルドか、建築ギルドかザック宅だな……。一番近いのは建築ギルドだな。
急ぎジルが居るであろう建築ギルドに向かった。途中すれ違う人々を見る限りどうも自分の姿が消えているらしく何度もぶつかりそうになった。
建築ギルドの戸を開けると、顔見知りのドワーフ達ばかりが居た。
中に居た人皆が、戸が開いたのに誰も居ない事に不思議に思っている様子だった。
「ユキ、幻影解除」
「キュッキュ!」
ユキが幻影解除してくれたと思われるタイミングで近くにいたドワーフの子が話しかけてきた。
「あれ兄ちゃんとユキちゃんじゃないか、こんな時間にどうした?親方にようか?」
「うん、急ぎでジルさんにつないでほしい!」
「わかったちょっと待ってってくれ」
そう言うと奥へ駆けこんでいった。そしてすぐさま戻って来た。
「こっち来てくれ、親方があってくれると」
「あぁ」
案内してくれるドワーフの後について行くと一つの部屋に通された。
「昼間っからここに来るとか珍しいな、何かあったのか?」
部屋に入るなりジルさんがそう聞いてきた。
「孤児院の院長から異端審問官がこの街に向かっているから逃げろと」
「なるほど、診療所は片づけたか?」
「えぇ、穴も塞ぎました」
「ならよい、おまえさんはザック宅に迎え、ワシはザックの所に行ってくる」
それだけ言うと、ジルさんは消えるように部屋を出て言った。
結局ザック宅に行くのかと思いながら向かうと、すでにザックがいた。
「入れ事情は聞いている」
あれ?おかしい、ジルが建築ギルドから鍛冶ギルドにいって事情を説明してザックがここにいる……、もしかしてジルさんのスキルが関係しているのかな?
久々のザック宅に入ると。
「こっちだ」
案内してくれたのは窓のない部屋だった。
「これからわしらも異端審問官の位置や狙いを探るからしばらくここに居てくれ、廊下に出てもいいが決して明かりを灯すなよ」
「わかりました」
その後、廊下のカーテンから漏れる外の明かりをみていると、夕方、夜となったのにもかかわらずザックが戻ってくる気配がなかった。
仕方なく案内された窓のない部屋にベッドを出しユキと共に眠りについた。
午前中の診療中に診療所入り口の扉がバタン!と大きな音を立てて開いた。
「兄ちゃん!兄ちゃんいるか!?」
この声は孤児院の子だな?
「すいません、アンさんちょっと行ってきていいですか?」
「良いよ行っておいで」
診察室から廊下に出ると、思っていた通り孤児院にいる男の子が居た。
「急にどうした何かあった?」
「兄ちゃん!これを!院長先生から兄ちゃんに急ぎこれを渡せって」
そう手渡されたのは封筒にも入っていない1枚の羊皮紙だった。そしてそこには“マバダザに異端審問官が向かっています。急ぎ逃げなさい”と書かれていた。
ついに来たか。
「ありがとう、院長先生にも伝言ありがとうと伝えてくれる?」
「うん!兄ちゃんも気を付けろよ!」
それだけ言うと男の子は診療所を出ていった。
この街に向かっていると書かれているあたり、まだ到着していないが時間の問題とみて間違いないだろう。午前中の診察だけ終わらせたら急ぎ逃げる準備をしなければ。
受付前の待合で待っている人達から。
「大丈夫?」
等心配してくれる声を聞いた。
「事情は後で話しますよ」
とだけ伝えた。急ぎ診察室に向かい、常連のアンさんに話をした。
「大丈夫だったかい?」
「ん~あまり大丈夫じゃないかもです。孤児院の院長先生から異端審問官が来たから逃げなさいと」
「そうかい、となるとこの国を出るのかい?」
「そうなりますね、なので1年分の薬をお渡しします」
「そんなに?」
「えぇ、いつ戻ってこれるかわかりませんし……」
「そうかい、なら受け取ろうかねぇマジックバックあるからいくらでも詰めるけど、お代はいつものしか持ってきてないよ?」
「お代は今日の分だけで大丈夫です」
「そうかい本当にすまないねぇ」
「いえいえ」
そう伝え、リウマチの進行を遅らせる軟膏と痛み止めを大量に渡し、この世界でも作れるリウマチの進行を遅らせる薬のレシピを渡した。
「先生これは薬のレシピかい?」
「えぇ、薬が切れた後、薬を作れる人にその薬を作ってもらえるように依頼してください、それが自分に出来る精いっぱいの事だと思うので」
「先生、公開されている物を除いて、製薬のレシピは秘伝中の秘伝と言われていますよ。そんなに簡単に他人に渡してはダメですよ」
「そう言われても緊急時ですから……」
「そうさね、分かった誰にも見せず自分で作るとするよ、先生今までありがとうね」
「いえいえ、アンさんもお元気で」
そう言うといつもの大銀貨1枚をだして診察室を後にしていった。
その後も常連さんには当面の間の薬と製薬レシピを渡すとアンさんと同じような事を言われながら午前中の診療を終わらせた。
自宅にある物、診療所エリアにあるもの、そしてドワーフ達が集まる場所にあるものすべてアイテムボックスにしまえるものはしまい、外にでて診療所の建物をアイテムボックスにいれ、建物を受け取った時にジルさんから貰った魔石を出すと、建物が建っていた位置にある穴が魔石から出てきた土砂によって完全に塞がった。
道を歩いている人達は凄く驚いていたが、今は周囲を気にしている場合ではない。
「ユキ、自分の姿を変えるか消してくれる?」
「キュッキュ!」
自分の姿が変わったり消えたりしているのが分からないが、ユキが肯定したのを見ると多分やってくれているはずだ。
さて次はどうするか、ザックかジルの所に一言言いに行くべきだろう。
鍛冶ギルドか、建築ギルドかザック宅だな……。一番近いのは建築ギルドだな。
急ぎジルが居るであろう建築ギルドに向かった。途中すれ違う人々を見る限りどうも自分の姿が消えているらしく何度もぶつかりそうになった。
建築ギルドの戸を開けると、顔見知りのドワーフ達ばかりが居た。
中に居た人皆が、戸が開いたのに誰も居ない事に不思議に思っている様子だった。
「ユキ、幻影解除」
「キュッキュ!」
ユキが幻影解除してくれたと思われるタイミングで近くにいたドワーフの子が話しかけてきた。
「あれ兄ちゃんとユキちゃんじゃないか、こんな時間にどうした?親方にようか?」
「うん、急ぎでジルさんにつないでほしい!」
「わかったちょっと待ってってくれ」
そう言うと奥へ駆けこんでいった。そしてすぐさま戻って来た。
「こっち来てくれ、親方があってくれると」
「あぁ」
案内してくれるドワーフの後について行くと一つの部屋に通された。
「昼間っからここに来るとか珍しいな、何かあったのか?」
部屋に入るなりジルさんがそう聞いてきた。
「孤児院の院長から異端審問官がこの街に向かっているから逃げろと」
「なるほど、診療所は片づけたか?」
「えぇ、穴も塞ぎました」
「ならよい、おまえさんはザック宅に迎え、ワシはザックの所に行ってくる」
それだけ言うと、ジルさんは消えるように部屋を出て言った。
結局ザック宅に行くのかと思いながら向かうと、すでにザックがいた。
「入れ事情は聞いている」
あれ?おかしい、ジルが建築ギルドから鍛冶ギルドにいって事情を説明してザックがここにいる……、もしかしてジルさんのスキルが関係しているのかな?
久々のザック宅に入ると。
「こっちだ」
案内してくれたのは窓のない部屋だった。
「これからわしらも異端審問官の位置や狙いを探るからしばらくここに居てくれ、廊下に出てもいいが決して明かりを灯すなよ」
「わかりました」
その後、廊下のカーテンから漏れる外の明かりをみていると、夕方、夜となったのにもかかわらずザックが戻ってくる気配がなかった。
仕方なく案内された窓のない部屋にベッドを出しユキと共に眠りについた。
15
お気に入りに追加
663
あなたにおすすめの小説
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
【完結】道真様は異世界に飛んでも満喫〜ご祭神の転生スローライフはワックワクドッキドキ!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
学問の神、天神こと菅原道真公。
元は人間で、様々な逸話を持ち……京都や九州に祀られている社がある存在だが。
ひょんなことから、神であるのに異世界へ転生してしまった!?
しかも、人間ではなく……世界樹の精霊に!?
さらに、転生は自分だけでなく社の一角にあった梅の木も!
転生を仕掛けたのは、やはり異世界の神。世界樹の存続に必要な『石』の回収をして欲しいとの願いだった。それ以外は好きに過ごしていいとのこと。
であれば……と、道真と梅は名を変えて、異世界でのスローライフを目指すことにした!!
使命は忘れずに。けど、ドッキドキわくわくの異世界スローライフを目指す天神様だった道真公の生活がスタートとなる!!
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
[完]異世界銭湯
三園 七詩
ファンタジー
下町で昔ながらの薪で沸かす銭湯を経営する一家が住んでいた。
しかし近くにスーパー銭湯が出来てから客足が激減…このままでは店を畳むしかない、そう思っていた。
暗い気持ちで目覚め、いつもの習慣のように準備をしようと外に出ると…そこは見慣れた下町ではなく見たことも無い場所に銭湯は建っていた…
伝説の魔術師の弟子になれたけど、収納魔法だけで満足です
カタナヅキ
ファンタジー
※弟子「究極魔法とかいいので収納魔法だけ教えて」師匠「Σ(゚Д゚)エー」
数十年前に異世界から召喚された人間が存在した。その人間は世界中のあらゆる魔法を習得し、伝説の魔術師と謳われた。だが、彼は全ての魔法を覚えた途端に人々の前から姿を消す。
ある日に一人の少年が山奥に暮らす老人の元に尋ねた。この老人こそが伝説の魔術師その人であり、少年は彼に弟子入りを志願する。老人は寿命を終える前に自分が覚えた魔法を少年に託し、伝説の魔術師の称号を彼に受け継いでほしいと思った。
「よし、収納魔法はちゃんと覚えたな?では、次の魔法を……」
「あ、そういうのいいんで」
「えっ!?」
異空間に物体を取り込む「収納魔法」を覚えると、魔術師の弟子は師の元から離れて旅立つ――
――後にこの少年は「収納魔導士」なる渾名を付けられることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる