13 / 91
王都マバダザ
第13話 ザックの手術
しおりを挟む
翌朝、ザックの手術の日になった。
人工呼吸器はあるので、ザックに人手が必要という事と伝えた結果、鍛冶ギルドからザックが信用する1人のドワーフの女性が手伝ってくれることになった。
彼女に呼吸器の使い方を伝えた後、部屋全体をイメージし光魔法の浄化を発動し、清潔な空間を作った。
今回の手術法は、頸椎前方到達法で、首の前方からやる手法だ。
「大丈夫ですか?」
「あぁ何時でも構わん」
ザックの家の中にちょうどいい高さの机があったのでそれを手術台として使う事になった。ザックは上半身裸になり手術台の上に横になっていた。
型崩れしないマスクをザックにつけ、その上にガーゼをかぶせた。
「それじゃあ、説明した通りこれから麻酔をします」
「あぁ」
ロナン草で作った麻酔代わりの物を手にして用法用量を思い浮かべる。製薬スキルのせいか直ぐに頭に浮かんだ。思い浮かんだ通りにガーゼに2滴たらした。
30分程で全身にいきわたるらしく、スマホでタイマーセットした。
30分後、ザックに触れて全身麻酔状態になっているか確認し、手術本番だ。
目を閉じ、頭の中に浮かぶ顕微鏡で覗いているようなイメージを頼りに、首の前方を切除し、食道や気管を避け、頸動脈等の血管を傷つけないように慎重に避け頸椎に到着、ここからが一番神経を使うところだ、医療用のドリルを使い頸椎に穴をあける、神経などに傷をつけないように脊髄の方に進んだ、脊髄を圧迫している椎間板削り、脊髄への圧迫しなくなったのを確認、ここで動作確認とかできればいいのになと思っていると、頭の中にこの状態での動作異常がないようなイメージが浮かんだ。他の部位も問題なく動かせているようでこれで大丈夫そうな感じがあった。
最後に穴をあけた頸椎にあらかじめ作っていたセラミックス製の人工骨を埋め、本来ならここでチタン製の板を当てたりするがそのような物は持ち込んでいないので、そのまま終わり、最後に異物を体内に残したりしていないか確認したうえで切除した部分を縫合し、持ち込んだ傷薬を塗ってみた。
薬を塗ると切除跡が綺麗に消えたのでそのまま抜糸しておしまい。
久々に神経を使う手術をしたせいか疲れた。
あとはザックの麻酔が切れるのを待ちかな、食道や気道はもちろんだが、血管や硬膜等の損傷は避けられたし、術後の手術による合併症と移植した骨が取れて落ちたりしない事を祈りつつ経過をみないとだ。
1時間後、ザックが目を覚ました。
「気分はどうです?」
「まだボーっとするが大丈夫だ」
「そうですか、明日からしばらく自分がご飯とか作って経過観察するんで、激しい運動は避けてくださいね」
「あぁ、すまないな」
手術は今の所成功と言って良い感じだった。
◇◇◇◇◇◇
2週間後
移植した翌日には、人工骨と穴をあけた頸椎が良く分からい位ガッチリくっついた事が確認できた。本来なら骨組織がなじまないとかあるはずだが、穴をあけた形跡がないくらいにガッツリくっ付いていた。術後の後遺症とかもなく経過は良好だった。
3週間後
本来なら事務作業とかがOKとなるような時期だが、ザックは問題なく左手動かせるようになったことがうれしいらしく、鍛冶仕事をしていた。
触診でチェックした結果的には問題ないはずだが念には念を入れてもう少し安静にしてほしいなとか思いつつも、都度経過チェックをしていた。
人工呼吸器はあるので、ザックに人手が必要という事と伝えた結果、鍛冶ギルドからザックが信用する1人のドワーフの女性が手伝ってくれることになった。
彼女に呼吸器の使い方を伝えた後、部屋全体をイメージし光魔法の浄化を発動し、清潔な空間を作った。
今回の手術法は、頸椎前方到達法で、首の前方からやる手法だ。
「大丈夫ですか?」
「あぁ何時でも構わん」
ザックの家の中にちょうどいい高さの机があったのでそれを手術台として使う事になった。ザックは上半身裸になり手術台の上に横になっていた。
型崩れしないマスクをザックにつけ、その上にガーゼをかぶせた。
「それじゃあ、説明した通りこれから麻酔をします」
「あぁ」
ロナン草で作った麻酔代わりの物を手にして用法用量を思い浮かべる。製薬スキルのせいか直ぐに頭に浮かんだ。思い浮かんだ通りにガーゼに2滴たらした。
30分程で全身にいきわたるらしく、スマホでタイマーセットした。
30分後、ザックに触れて全身麻酔状態になっているか確認し、手術本番だ。
目を閉じ、頭の中に浮かぶ顕微鏡で覗いているようなイメージを頼りに、首の前方を切除し、食道や気管を避け、頸動脈等の血管を傷つけないように慎重に避け頸椎に到着、ここからが一番神経を使うところだ、医療用のドリルを使い頸椎に穴をあける、神経などに傷をつけないように脊髄の方に進んだ、脊髄を圧迫している椎間板削り、脊髄への圧迫しなくなったのを確認、ここで動作確認とかできればいいのになと思っていると、頭の中にこの状態での動作異常がないようなイメージが浮かんだ。他の部位も問題なく動かせているようでこれで大丈夫そうな感じがあった。
最後に穴をあけた頸椎にあらかじめ作っていたセラミックス製の人工骨を埋め、本来ならここでチタン製の板を当てたりするがそのような物は持ち込んでいないので、そのまま終わり、最後に異物を体内に残したりしていないか確認したうえで切除した部分を縫合し、持ち込んだ傷薬を塗ってみた。
薬を塗ると切除跡が綺麗に消えたのでそのまま抜糸しておしまい。
久々に神経を使う手術をしたせいか疲れた。
あとはザックの麻酔が切れるのを待ちかな、食道や気道はもちろんだが、血管や硬膜等の損傷は避けられたし、術後の手術による合併症と移植した骨が取れて落ちたりしない事を祈りつつ経過をみないとだ。
1時間後、ザックが目を覚ました。
「気分はどうです?」
「まだボーっとするが大丈夫だ」
「そうですか、明日からしばらく自分がご飯とか作って経過観察するんで、激しい運動は避けてくださいね」
「あぁ、すまないな」
手術は今の所成功と言って良い感じだった。
◇◇◇◇◇◇
2週間後
移植した翌日には、人工骨と穴をあけた頸椎が良く分からい位ガッチリくっついた事が確認できた。本来なら骨組織がなじまないとかあるはずだが、穴をあけた形跡がないくらいにガッツリくっ付いていた。術後の後遺症とかもなく経過は良好だった。
3週間後
本来なら事務作業とかがOKとなるような時期だが、ザックは問題なく左手動かせるようになったことがうれしいらしく、鍛冶仕事をしていた。
触診でチェックした結果的には問題ないはずだが念には念を入れてもう少し安静にしてほしいなとか思いつつも、都度経過チェックをしていた。
21
お気に入りに追加
666
あなたにおすすめの小説

剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~
島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!!
神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!?
これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる