121 / 195
VSヴォーネス共和国(クラリス教団)
第121話 エスティアの街 住民の健康チェック
しおりを挟む
思っていた以上に、クラリス教団の兵達はテキパキと準備を進め昼過ぎには全軍街の周辺から居なくなっていた。
教会に戻り、教会裏の小さな広場でテントを張り、軽く腹ごしらえをして少し休むことにした。
どれだけたっただろうか?
教会の表の方が騒がしく目が覚めた。
『街の人達が君の創った像を見てざわついてる感じだね~あれだけの像とかないからね~』
ふと、像を作りまくって商売すればいいんじゃない?とか邪な考えが頭をよぎった。
『まぁ見ただけで安らぎとか得られるならざわつくか』
『うん~』
テントを張っていた場所から教会の表の方に行くと多くの人達が居て、領主のウォルスやリコリスとヴィンザーの親子も来ていた。
「ナット君これは君が立て直したのかい?」
最初に声をかけてきたのは領主のウォルスだった。
「そうですよ、祈り位ならできるようになっているでしょ?」
「そうだな、それよりも中の像だ、教会に入った途端、安心できる空気に包まれる」
やっぱり像が原因だった。
「そりゃ、そうなれるように作りましたからね……」
「そうか、他の教会の像とは全く異なる見た目だが何か意図はあるのかね?」
「特にないですよ、単に付与効果と合致するようにしただけですから」
「そうか……」
教会に入った事はあるが、どんなポーズだったかなんて覚えていなかった。
「エスティアから兵士たちは居なくなりましたよね?」
「あぁ、それは確認した。あとは君が所属する騎士団の到着次第この街はヴェンダル王国領になるな」
第1目標は達成した。
あとはオーレリアやイヴァンが到着次第今後のことを決めればいいかな?
とりあえず今は炊き出しをはじめよう。
「昨日同様に炊き出し行うのですが手伝ってくれません?」
「あぁ構わない、連日の炊き出しで食材は大丈夫なのか?」
持ち込みの野菜を大量にコピーしてあるから問題はなかった。
「大丈夫ですよ」
そう言いながら、大量の食材を出していった。
「これだけあればいいでしょう?」
「これだけの食材市民を代表して感謝する。本当に君は御使いなのだな」
リースが使徒だって紹介していたと思ったが、信じてもらえてなかったのか?
それとも使徒と御使いは意味違うのだろうか?
教会周辺に居た人たちが炊き出しの準備をしていった。
しばらくすると準備が整い炊き出しが始まった。
昨夜は領主邸に行ったり教会建て直しをしていたためか、街の人の様子を全く見ていなかったが、外傷がある人が多かった。
街の人の健康チェックするかなと思い、辺りを見回すと、片足を失ったヴィンザーが近くに居たので彼からはじめようと思った。
「ヴィンザーさん、ちょっといいですか?」
「ん?」
炊き出しの手伝い側に居たヴィンザーの元に寄った。
「教会まで付き合ってもらえませんか?」
「あぁ、構わん」
そういって、教会の中までヴィンザーと共に移動した。
教会の中には誰もおらず2人きりだった。
「どうした?」
「失った足戻したいと思いませんか?」
「!?」
言葉に出さないが、すごく驚いた態度を見せた。
「出来るのか?」
「出来るから呼んだんですよ」
「いくらだ……?」
「いらないですよ。ヴィンザーさん以外にも、この後街の人全員をチェックするつもりです。長い間医師が不在だったんでしょ?その対価として、街にすむ人全員を健康な状態に戻していく予定です」
「いいのか?」
「構いませんよ」
構わないから提案しているのに、疑い深いな、ただで失った足を治しますよといえば当然の反応か?
「わかった、頼む」
「義足を外してもらって良いです?」
椅子もテーブルもない教会だったので、急ぎ生前リビングで使っていた椅子をだした。
ヴィンザーは椅子に座り義足をはずした。
切断部分に触れ、神の手を発動させると、じわりじわりとゆっくりだが足が生えてきた。
「これは……」
「感触はどうですか?」
ヴィンザーは踏み込んだり、飛び跳ねたり色々して調子を確かめていた。
「問題ない、感謝する」
「それならよかったです。ヴィンザーさんにこの後の事任せても良いですか?順番にこちらに通してくれればいいので」
「承知した」
ヴィンザーは少しおぼつかない足取りで教会を出て行った。
どれだけ長い時間足を失っていたのか分からないが、リハビリ無で歩けることには驚いた。
その後は1人1人街の人達の健康状態をチェックしていった。怪我だけではなく病気もすべて治していったため気づいた人は自分に対して感謝していた。
殆どの者が栄養面に問題あったり、クラリス教団の兵士達の暴行などでの怪我をしている者が多かったが、像の効果で自分が診ている前で傷が治っていく状態を目にした。
包丁で指を切ったくらいなら、教会に入って数秒で傷が完治するな、リウマチなんかの進行性の病の場合はどうなるのかが気になった。
教会に戻り、教会裏の小さな広場でテントを張り、軽く腹ごしらえをして少し休むことにした。
どれだけたっただろうか?
教会の表の方が騒がしく目が覚めた。
『街の人達が君の創った像を見てざわついてる感じだね~あれだけの像とかないからね~』
ふと、像を作りまくって商売すればいいんじゃない?とか邪な考えが頭をよぎった。
『まぁ見ただけで安らぎとか得られるならざわつくか』
『うん~』
テントを張っていた場所から教会の表の方に行くと多くの人達が居て、領主のウォルスやリコリスとヴィンザーの親子も来ていた。
「ナット君これは君が立て直したのかい?」
最初に声をかけてきたのは領主のウォルスだった。
「そうですよ、祈り位ならできるようになっているでしょ?」
「そうだな、それよりも中の像だ、教会に入った途端、安心できる空気に包まれる」
やっぱり像が原因だった。
「そりゃ、そうなれるように作りましたからね……」
「そうか、他の教会の像とは全く異なる見た目だが何か意図はあるのかね?」
「特にないですよ、単に付与効果と合致するようにしただけですから」
「そうか……」
教会に入った事はあるが、どんなポーズだったかなんて覚えていなかった。
「エスティアから兵士たちは居なくなりましたよね?」
「あぁ、それは確認した。あとは君が所属する騎士団の到着次第この街はヴェンダル王国領になるな」
第1目標は達成した。
あとはオーレリアやイヴァンが到着次第今後のことを決めればいいかな?
とりあえず今は炊き出しをはじめよう。
「昨日同様に炊き出し行うのですが手伝ってくれません?」
「あぁ構わない、連日の炊き出しで食材は大丈夫なのか?」
持ち込みの野菜を大量にコピーしてあるから問題はなかった。
「大丈夫ですよ」
そう言いながら、大量の食材を出していった。
「これだけあればいいでしょう?」
「これだけの食材市民を代表して感謝する。本当に君は御使いなのだな」
リースが使徒だって紹介していたと思ったが、信じてもらえてなかったのか?
それとも使徒と御使いは意味違うのだろうか?
教会周辺に居た人たちが炊き出しの準備をしていった。
しばらくすると準備が整い炊き出しが始まった。
昨夜は領主邸に行ったり教会建て直しをしていたためか、街の人の様子を全く見ていなかったが、外傷がある人が多かった。
街の人の健康チェックするかなと思い、辺りを見回すと、片足を失ったヴィンザーが近くに居たので彼からはじめようと思った。
「ヴィンザーさん、ちょっといいですか?」
「ん?」
炊き出しの手伝い側に居たヴィンザーの元に寄った。
「教会まで付き合ってもらえませんか?」
「あぁ、構わん」
そういって、教会の中までヴィンザーと共に移動した。
教会の中には誰もおらず2人きりだった。
「どうした?」
「失った足戻したいと思いませんか?」
「!?」
言葉に出さないが、すごく驚いた態度を見せた。
「出来るのか?」
「出来るから呼んだんですよ」
「いくらだ……?」
「いらないですよ。ヴィンザーさん以外にも、この後街の人全員をチェックするつもりです。長い間医師が不在だったんでしょ?その対価として、街にすむ人全員を健康な状態に戻していく予定です」
「いいのか?」
「構いませんよ」
構わないから提案しているのに、疑い深いな、ただで失った足を治しますよといえば当然の反応か?
「わかった、頼む」
「義足を外してもらって良いです?」
椅子もテーブルもない教会だったので、急ぎ生前リビングで使っていた椅子をだした。
ヴィンザーは椅子に座り義足をはずした。
切断部分に触れ、神の手を発動させると、じわりじわりとゆっくりだが足が生えてきた。
「これは……」
「感触はどうですか?」
ヴィンザーは踏み込んだり、飛び跳ねたり色々して調子を確かめていた。
「問題ない、感謝する」
「それならよかったです。ヴィンザーさんにこの後の事任せても良いですか?順番にこちらに通してくれればいいので」
「承知した」
ヴィンザーは少しおぼつかない足取りで教会を出て行った。
どれだけ長い時間足を失っていたのか分からないが、リハビリ無で歩けることには驚いた。
その後は1人1人街の人達の健康状態をチェックしていった。怪我だけではなく病気もすべて治していったため気づいた人は自分に対して感謝していた。
殆どの者が栄養面に問題あったり、クラリス教団の兵士達の暴行などでの怪我をしている者が多かったが、像の効果で自分が診ている前で傷が治っていく状態を目にした。
包丁で指を切ったくらいなら、教会に入って数秒で傷が完治するな、リウマチなんかの進行性の病の場合はどうなるのかが気になった。
17
お気に入りに追加
2,896
あなたにおすすめの小説
そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜
Open
ファンタジー
就活浪人生に片足を突っ込みかけている大学生、本田望結のもとに怪しげなスカウトメールが届く。やけになっていた望結は指定された教会に行ってみると・・・
神様の世界でも異世界転生が流行っていて沢山問題が発生しているから解決するために異世界に行って転生者の体の一部を回収してこい?しかも給料も発生する?
月給30万円、昇給あり。衣食住、必要経費は全負担、残業代は別途支給。etc...etc...
新卒の私にとって魅力的な待遇に即決したけど・・・
とにかくやりたい放題の転生者。
何度も聞いた「俺なんかやっちゃいました?」
「俺は静かに暮らしたいのに・・・」
「まさか・・・手加減でもしているのか・・・?」
「これぐらい出来て普通じゃないのか・・・」
そんな転生者を担ぎ上げる異世界の住民達。
そして転生者に秒で惚れていく異世界の女性達によって形成されるハーレムの数々。
もういい加減にしてくれ!!!
小説家になろうでも掲載しております
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる