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騎士団時代!
第96話 三顧の礼? 後編
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リースがヴォーネスに旅立った1カ月後、オーレリアが訪ねてきた。
「いらっしゃい」
「やっと、やっと会えた~」
自分の顔を見るなり挨拶よりも先に喜びを表現していた。
「何度も足を運んでくれたみたいで申し訳なかった」
「あ、いえ私はこの国の第1王女オーレリア・ヴェンダルです。後ろに居るのが第6騎士団の騎士団長を務めるレオニダスです。以後よろしくお願いします」
オーレリアの後ろには、ガッチリとした体つきの壮年男性がいた。
「これはご丁寧に、自分は秋津直人ですよろしくお願いします。外ではあれなので、上がってください、あ、ここで履き物は脱いでくださいね」
2人を家上げリビングに招いた。
「そちらに座っててください、今お茶を用意します。」
来客用のお茶が残っていてよかった。
「この家は使徒様がいた世界の家なんですか?」
オーレリアとレオニダスがソファーに腰掛けたのはいいが、落ち着いているレオニダスとは対照的に、オーレリアは落ち着かず辺りをキョロキョロ見渡していた。
「そうですよ」
「この国の建築物とか全然違いますね~」
お茶を用意し2人の前に並べ、自分も2人の前に座った。
「でしょうね、さて本日の用件はなんでしょうか?」
「はい、実は私が率いる第6騎士団に入ってもらえないかと思いまして」
ヒスイからの報告通りだった。
「それは何故ですか?」
「昨年ヴォーネスと休戦協定を結んだのですが、国境近くにあるエスティアとペンジェンに兵を集めていると聞き、私の方でも急ぎ軍備を整えているのですが、秋津様にも力になっていただきたく……」
自分を説得させるには材料が弱い気がした。
「そうですか、ではこちらがつかんでいる情報を渡しましょう。ヴォーネスは既に、エスティアに1万の兵と軍艦5隻が駐留しています。次に対岸にあるペンジェンに1万の兵と中型の軍船が30艘、その先あるオリーヴァに2万の兵が集まりつつあります。そして来年の春には同盟国のトライベッカに攻める予定みたいですよ」
リースは本当に優秀だ、僅か1カ月で様々な情報を集めこっちに流してくれた。
「ずいぶん詳しいですね……、もしかして今まで会えなかったのはヴォーネスに偵察に行っていたのですか?」
目の前に居たし近くに居たとは言えなかった。
「そう思ってもらっていいですよ」
リースに精霊を付けて正解だった。
重要な事があればその日の夜にヒスイ経由で情報が伝わってくるし、そうでない情報も週1まとめて情報が伝わってきた。
「すごいですね、是非第6騎士団に加わってほしいのですが……」
どこぞの軍師のような偉人ではない自分に会う為3度も足を運んでくれたし、彼女の為にも力になってもいいかなとは思った。
「いいですよ、ただし条件があります。」
「本当ですか!?その条件とは?」
「まず1つめ、どんなに長くても20年です。2つめ自分にはやりたい事があるので騎士団の訓練等に参加するのは週で4日間残り3日は自由にさせてください」
20年も騎士団に居るとは思っていないが、20年後にはオダマキ大陸に渡っておきたいと思っているし、物作り時間を完全に奪われるのは正直嫌だった。
「わかりました、それ位なら大丈夫です」
「1つ質問ですが、騎士団に入ったら宿舎で生活ですか?」
「そうですね、出来たらそうしていただけると……」
ん~集団行動苦手ため気が進まなかった。
「それでは追加で、週の4日間この時は宿舎で寝泊まりします。ですが、それ以外は冒険者として活動するかもしれないので自由にさせてください」
自分でもかなりわがままを言っているつもりだった。
「その条件で良いならのみます」
王女の表情が話を始めるときに比べ明るい表情になっていた。
「成立ですね、3日以内に王城に行きます」
「わかりました、周囲の者には伝えておきます」
「お願いします」
「忙しい中お時間を頂きありがとうございました」
オーレリアが立ち上がり帰る仕草を見せたので、玄関まで見送った。
結局レオニダス団長は一言も発しなかったな、只の護衛だったのか?
オスカーとチェルシーには伝えておかないとだ、この後報告に行くことにした。
「いらっしゃい」
「やっと、やっと会えた~」
自分の顔を見るなり挨拶よりも先に喜びを表現していた。
「何度も足を運んでくれたみたいで申し訳なかった」
「あ、いえ私はこの国の第1王女オーレリア・ヴェンダルです。後ろに居るのが第6騎士団の騎士団長を務めるレオニダスです。以後よろしくお願いします」
オーレリアの後ろには、ガッチリとした体つきの壮年男性がいた。
「これはご丁寧に、自分は秋津直人ですよろしくお願いします。外ではあれなので、上がってください、あ、ここで履き物は脱いでくださいね」
2人を家上げリビングに招いた。
「そちらに座っててください、今お茶を用意します。」
来客用のお茶が残っていてよかった。
「この家は使徒様がいた世界の家なんですか?」
オーレリアとレオニダスがソファーに腰掛けたのはいいが、落ち着いているレオニダスとは対照的に、オーレリアは落ち着かず辺りをキョロキョロ見渡していた。
「そうですよ」
「この国の建築物とか全然違いますね~」
お茶を用意し2人の前に並べ、自分も2人の前に座った。
「でしょうね、さて本日の用件はなんでしょうか?」
「はい、実は私が率いる第6騎士団に入ってもらえないかと思いまして」
ヒスイからの報告通りだった。
「それは何故ですか?」
「昨年ヴォーネスと休戦協定を結んだのですが、国境近くにあるエスティアとペンジェンに兵を集めていると聞き、私の方でも急ぎ軍備を整えているのですが、秋津様にも力になっていただきたく……」
自分を説得させるには材料が弱い気がした。
「そうですか、ではこちらがつかんでいる情報を渡しましょう。ヴォーネスは既に、エスティアに1万の兵と軍艦5隻が駐留しています。次に対岸にあるペンジェンに1万の兵と中型の軍船が30艘、その先あるオリーヴァに2万の兵が集まりつつあります。そして来年の春には同盟国のトライベッカに攻める予定みたいですよ」
リースは本当に優秀だ、僅か1カ月で様々な情報を集めこっちに流してくれた。
「ずいぶん詳しいですね……、もしかして今まで会えなかったのはヴォーネスに偵察に行っていたのですか?」
目の前に居たし近くに居たとは言えなかった。
「そう思ってもらっていいですよ」
リースに精霊を付けて正解だった。
重要な事があればその日の夜にヒスイ経由で情報が伝わってくるし、そうでない情報も週1まとめて情報が伝わってきた。
「すごいですね、是非第6騎士団に加わってほしいのですが……」
どこぞの軍師のような偉人ではない自分に会う為3度も足を運んでくれたし、彼女の為にも力になってもいいかなとは思った。
「いいですよ、ただし条件があります。」
「本当ですか!?その条件とは?」
「まず1つめ、どんなに長くても20年です。2つめ自分にはやりたい事があるので騎士団の訓練等に参加するのは週で4日間残り3日は自由にさせてください」
20年も騎士団に居るとは思っていないが、20年後にはオダマキ大陸に渡っておきたいと思っているし、物作り時間を完全に奪われるのは正直嫌だった。
「わかりました、それ位なら大丈夫です」
「1つ質問ですが、騎士団に入ったら宿舎で生活ですか?」
「そうですね、出来たらそうしていただけると……」
ん~集団行動苦手ため気が進まなかった。
「それでは追加で、週の4日間この時は宿舎で寝泊まりします。ですが、それ以外は冒険者として活動するかもしれないので自由にさせてください」
自分でもかなりわがままを言っているつもりだった。
「その条件で良いならのみます」
王女の表情が話を始めるときに比べ明るい表情になっていた。
「成立ですね、3日以内に王城に行きます」
「わかりました、周囲の者には伝えておきます」
「お願いします」
「忙しい中お時間を頂きありがとうございました」
オーレリアが立ち上がり帰る仕草を見せたので、玄関まで見送った。
結局レオニダス団長は一言も発しなかったな、只の護衛だったのか?
オスカーとチェルシーには伝えておかないとだ、この後報告に行くことにした。
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