【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明

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王都ヴェンダル

第73話 王都ヴェンダル

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 侯爵一行を抜きしばらくすると、所々に風車があり、辺り一面の畑になった。
 畑には何かが成っていた。近寄ると枝豆が枯れている?

『何を育てているの?』
『大豆だよ、このあたりは麦と大豆を交互に育てているみたい』

 大豆か、豆腐に味噌とか醤油とかあるのかな?

 そんなことを思いながら歩いていると、前方に大きな城壁が見えてきた。

 これまで見てきたどの街の城壁より立派な城壁だった。そして城壁越しに立派な城がみえた。

『あれが?』
『うん、ヴェンダル王国王都ヴェンダルだね~』

 王都へ入るための検問の列の後ろに並びのんびり周囲を見ていると、並ばずに王都に入っていく馬車が非常に多かった。

『並ばないで通り抜ける馬車ってなに?』
『この国の貴族達のだよ』
『なんかあるんかね』
『なにかって……、君が参加する武術会も王都で行われる収穫祭の催物の1つなんだよ~』
『あぁお祭りがあるから国内から貴族が集まっているって事?』
『そんな感じ』
『ヒスイって何でも知っているよね』
『そりゃ君がいつか王都に行くって分かっていたから、事前に色々情報を集めておいたのさ』

 ヒスイさん立派です。

『ありがとう』
『いえいえ、それに合わせて王都内にある学園でも学園祭をやるみたいよ、3日後から1週間収穫祭があって終わり次第3日間の学園祭だって~』
『へぇ、一般の人も見られるのかな?』
『大丈夫みたい、色々出し物があって毎年人気があるみたいだよ』

 生前は母校を含めて様々な大学の学園祭に行ったが結構楽しかった。
 
 久々に学園祭を見て回ろうと思った。

 色々な事を考えていると目の前に門番と思しき兵士がいた。

「身分を証明する物を見せてほしい」

 アイテムボックスから冒険者カードをだし提示した。

「これは……」

 裏面を見たりと色々確認していた。そして最後にグローブを外し変色する事も確認していた。

「本物のようですね……、失礼しました!今後は並ばずに左にある扉より中に入ってください!」

 ん?なんで?と疑問が湧いた。

「中に入っていいんですよね?」
「もちろんです!今夜泊る予定の場所があれば教えてもらえると助かります!」
「王都は初めてなので、決めていませんね」
「そうでしたか、この時期宿は埋まっているかもしれませんが……」

 まじか、ゆっくりしようと思っていたのに……、どうしようと不安になった。

「教えてくれてありがとうございます。」
「いえ!お気をつけて!」

 門番と別れ王都の中に入った。

 通りには人がいっぱいいた。

『まだ収穫祭始まってないよね?』
『うん、3日後からだね』

 3日後からお祭りなのにこの賑わい、祭り当日はどんな状態になるのだか、どうするか宿がないなら王都内に拠点を作りたいと思った。

 とりあえず今は、冒険者ギルドに行きアマネからの手紙を届けよう、冒険者ギルドを探そうとしたが直ぐに見つかった。門前にあったのだ。

 冒険者ギルドに入ると、外同様に中も冒険者達で混み合っていた。

 依頼掲示板を見ると依頼票がびっしり貼られていた。

 さすがは王都なのだろうか?

 受付の所にも数名並んでいたので、後ろに並びながら様子を見ていると、学生さんと思しき制服を着た男女が数名いた。

『あれが王都内にある学園の制服?』
『そうだね~学園で冒険者としての授業があるみたいだからね~』
『へぇ~』

 自分の前に並んでいる人達は、依頼側の人らしく、物探しや採集依頼の話をしていた。

 やっと自分の番が来た。

「本日はどのようなご用件でしょうか?」

 アマネから預かった手紙と冒険者カードを提示した。

「ぇ?」

 ぇ?受付嬢が自分の冒険者カードと、手紙の裏面等を確認してから質問してきた。

「こちらはトザズトアのギルドマスターアマネ様からのですか?」
「そうですね、ここのマスターへとの事で」

 受付嬢が何か考える素振りを見せた後、自分に冒険者カードを返し、近くにいる職員を呼び寄せていた。

「ついてきてもらってもよろしいですか?」
「はい」

 その後、3階にある一室に案内された。
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