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冒険者時代
第43話 陰謀?
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孤児院を後にし、宿屋に戻ってきた。
さて、このまま侯爵に会いに行くとするか。
『ヒスイ、侯爵たちが泊まってる部屋まで案内して』
『はいはい~』
いつものように、ふよふよっと目の前を飛びながら案内し、3階のとある扉の前まで来た。
『グアーラもいてお食事中かな~』
ならちょうどいいかもしれない、クリフトとサンディの件も含めて伝えるか、扉をノックししばらく待っていると、メイドさんが扉を開けてくれた。
「ナット様お待ちしておりました。」
待ってたのか、メイドに案内されるがままついて行くとヒスイの言ってた通り皆で食事をしていた。
「ずいぶん遅い帰りだな、なにかあったか?」
グアーラの問いに何かはあったなと思っていると。
「ナット君もすわりなさい、一緒に夕食をたべようじゃないか」
先ほど孤児院で少し食べてるけど、頂くか……
「ありがたく頂きます。」
メイドさんが椅子を引いてくれたのでそちらに座り一緒に食事を頂くことになった。
「遅かったが何かあったのかい?」
侯爵が質問してきたので孤児院であった事をすべて話した。グアーラもいるので、クリフトとサンディの件、鬼人族の誘拐事件があった事、それに対応した2人が殺人で冒険者ギルドに手配されていること等を話した。
5人が自分の話を静かに聞いていた。すると侯爵から応えがあった。
「その事件は知っている。報告書には、1か月ほど前冒険者の2人が8人の一般市民を殺害したと書かれていた。それに孤児院に居る子どもに関する報告も受けているが、一度も鬼人族の子どもが預けられていると報告は受けていない」
なんか一気にきな臭くなってきたぞ、一般市民って……、やはりだれかが裏で糸を引いているって事だろうか?
「いえ、それはあり得ません全員が武装していました。」
「君は現場に居たのかい?」
「いえ、お嬢さんを治した力の一部で記憶を見ることができます。クリフトの記憶を見ました。」
「ふむ、もし可能であれば私にもその記憶を見せてもらう事ができるかな?」
ヒスイに見せるのは可能ということを知っているが……
『出来るよ、私の時と同じようにやればいいけど、記憶を持つ本人が居ないと無理じゃないかな』
「ヒスイ曰く、可能だそうです。ただし、記憶を持つ本人が居る必要があるそうです。」
「ふむ、ならこの後、孤児院に行くとしようか、リーアとミーナは留守番で頼む。」
「わかりました」「はい」
リーアとミーナはそれぞれ返事をした。
「クライ、俺も行っていいか?」
「あぁ、構わないよ」
その後、さっさと食事を終わらせ、3人で歩いて孤児院に向かった。
孤児院に着くと、ランタンに照らし出される侯爵が懐かしいものを見るような表情だった。
「ここに来るのは久しぶりだな」
「来たことあるんですか?」
「あぁ、シスターミランダは私と同じ学園に通っていたからね、ミランダがここで働き始めた頃何度か足を運んだことがある」
「そうなんですか」
侯爵とシスターミランダの関係には多少なり驚いた。その後侯爵自身が孤児院の扉をノックし、しばらくすると夕方に自分を案内した男の子がでてきて侯爵とグアーラの顔を見た後自分を見た。
「なんだ、またあんたかよ、今度は何の用だ?」
少年の問いに対して、侯爵自身が答えた。
「こんばんは、ミランダを呼んでくれないだろうか?」
「また院長先生かよ、待ってなすぐに呼んできてやるよ。」
侯爵の顔をしらないんだろうな、とか思っていると。
「おかしい、補助金を多く出しているはずなんだがこの寂れようは何だ?ナット君が先程夕食が一切れのパンとスープと言っていたが……」
「事実ですよ。」
「そうか……」
侯爵は、しばらく何かを考える素振りを見せていた。
奥からシスターミランダがきた。
「ミランダ、久しぶりだね」
「クライかい?今はクライ様かね?」
「よせ、私とお前の仲じゃないか、昔のように接してくれ」
「そうだね、まぁ中に入りな、ナット様も一緒なんだね」
様付けで呼ばれてる事に対して不思議に思ったのか、侯爵とグアーラが2人そろってこっちを見た。
「なに?」
「「いや……」」
シスターミランダについて行くと、夕食を食べたところに通された。自分ら3人と向かい合うように、シスターミランダが座った。
「クライ今夜はどうしたんだい?」
「あぁ、実は……」
侯爵は、自分から聞かされた話をシスターミランダに話した。
「あの時の記憶を見るですか……、本当にそんなことが?」
「わからん、ナット君、君の事を話しても?」
侯爵が同意を求めてきたので、一瞬何のことをと思ったが、おそらくは使徒であること話してもいいかという事だと思った。
「いいですよ」
「ミランダは信じないかもしれんが、彼は使徒なのだ」
侯爵の打ち明けに対して、シスターミランダの反応は意外なものだった。
「やっぱりそうでしたか」
やっぱり?
「やっぱりとは?」
意外な反応に対して侯爵が不思議に思ったのか直ぐに質問していた。
「いえね、ナット様は精霊と共に行動をしていますよね、それに子たちの健康状態をチェックされていましたよね」
「しましたね」
「あの時、昔の怪我で普通に歩けなかった子が居ました。ナット様のチェックを受けた後普通に歩けるようになっていましたし、走る事も可能になっていました。それに、クリフトの件も同様です。普通の人は触れただけで相手を治す事なんてできないんですよ。それらを踏まえて考えられる答えは、ネア様の使いであること」
なるほど、たしかに変な状態で骨がくっついている子がいるときに触れただけだったし、クリフトに関してもそうだったちょっとうかつだったか?
「ナット君……」
侯爵がこちらを見てきた。
「まぁいいじゃないですか、遅かれ早かれ正体を知る事になるんだったら変わらないじゃないですか」
「そうだが……」
「クリフトとサンディを連れてくればいいですか?」
シスターミランダが即座に間に入ってくれた。
「お願いします」
「お待ちください」
そう言ってシスターミランダが席を立った。
しばらくすると、シスターミランダが、クリフトとサンディを連れて戻ってきた。
クリフトと目が合ったと思ったらこっちに寄ってくるなり頭を下げた。
「ケガを治してくれた事感謝する。そしてサンディと話した。俺らはあんたの提案通り姿と名前を捨てて別人として生きる。」
「あぁ……」
「まってくれ、ナット君の提案とはなんだ?」
まぁ自分もこの場で回答貰うとは思っていなかった。侯爵に彼らにした提案を話した。
「クリフト君だったね、その話はまだ待ってもらえないだろうか?まずは君の記憶を見せてもらいたい」
「あぁ、シスターに聞いた、あの日の記憶だよな?それ位構わない」
そう言うと、自分の前にドカっと座った。
「だそうだ、ナット君どうするのかね?」
そうでした。
『ヒスイ君どうするのかね?』
ちょっと侯爵のマネをしながらヒスイに振ってみた。
『やり方は簡単だよ、君が記憶を見るときと同様相手に触れるでしょ、反対側の腕を見せたい相手に直接触れてもらうのさ、まぁ腕じゃなくても直接触れてもらえればどこでもいいんだけどね~相手に見せたいという気持ちも忘れずにね~』
大して難しい事ではなかった。ヒスイに言われた事をそのまま周囲に伝えると、それぞれがやりやすいように動いてくれた。
正面に座っているクリフトの右手首を右手掴み、左腕をグアーラと侯爵が触れ、いざ始めようとしたら。
「私も見て構いませんか?」
と、シスターミランダが質問してきた。クリフトは頷き、侯爵も頷いたので、シスターミランダも自分の左腕に触れてきた。
「じゃあいいですか?」
「あぁ」
クリフトの記憶の回想を始めた。
さて、このまま侯爵に会いに行くとするか。
『ヒスイ、侯爵たちが泊まってる部屋まで案内して』
『はいはい~』
いつものように、ふよふよっと目の前を飛びながら案内し、3階のとある扉の前まで来た。
『グアーラもいてお食事中かな~』
ならちょうどいいかもしれない、クリフトとサンディの件も含めて伝えるか、扉をノックししばらく待っていると、メイドさんが扉を開けてくれた。
「ナット様お待ちしておりました。」
待ってたのか、メイドに案内されるがままついて行くとヒスイの言ってた通り皆で食事をしていた。
「ずいぶん遅い帰りだな、なにかあったか?」
グアーラの問いに何かはあったなと思っていると。
「ナット君もすわりなさい、一緒に夕食をたべようじゃないか」
先ほど孤児院で少し食べてるけど、頂くか……
「ありがたく頂きます。」
メイドさんが椅子を引いてくれたのでそちらに座り一緒に食事を頂くことになった。
「遅かったが何かあったのかい?」
侯爵が質問してきたので孤児院であった事をすべて話した。グアーラもいるので、クリフトとサンディの件、鬼人族の誘拐事件があった事、それに対応した2人が殺人で冒険者ギルドに手配されていること等を話した。
5人が自分の話を静かに聞いていた。すると侯爵から応えがあった。
「その事件は知っている。報告書には、1か月ほど前冒険者の2人が8人の一般市民を殺害したと書かれていた。それに孤児院に居る子どもに関する報告も受けているが、一度も鬼人族の子どもが預けられていると報告は受けていない」
なんか一気にきな臭くなってきたぞ、一般市民って……、やはりだれかが裏で糸を引いているって事だろうか?
「いえ、それはあり得ません全員が武装していました。」
「君は現場に居たのかい?」
「いえ、お嬢さんを治した力の一部で記憶を見ることができます。クリフトの記憶を見ました。」
「ふむ、もし可能であれば私にもその記憶を見せてもらう事ができるかな?」
ヒスイに見せるのは可能ということを知っているが……
『出来るよ、私の時と同じようにやればいいけど、記憶を持つ本人が居ないと無理じゃないかな』
「ヒスイ曰く、可能だそうです。ただし、記憶を持つ本人が居る必要があるそうです。」
「ふむ、ならこの後、孤児院に行くとしようか、リーアとミーナは留守番で頼む。」
「わかりました」「はい」
リーアとミーナはそれぞれ返事をした。
「クライ、俺も行っていいか?」
「あぁ、構わないよ」
その後、さっさと食事を終わらせ、3人で歩いて孤児院に向かった。
孤児院に着くと、ランタンに照らし出される侯爵が懐かしいものを見るような表情だった。
「ここに来るのは久しぶりだな」
「来たことあるんですか?」
「あぁ、シスターミランダは私と同じ学園に通っていたからね、ミランダがここで働き始めた頃何度か足を運んだことがある」
「そうなんですか」
侯爵とシスターミランダの関係には多少なり驚いた。その後侯爵自身が孤児院の扉をノックし、しばらくすると夕方に自分を案内した男の子がでてきて侯爵とグアーラの顔を見た後自分を見た。
「なんだ、またあんたかよ、今度は何の用だ?」
少年の問いに対して、侯爵自身が答えた。
「こんばんは、ミランダを呼んでくれないだろうか?」
「また院長先生かよ、待ってなすぐに呼んできてやるよ。」
侯爵の顔をしらないんだろうな、とか思っていると。
「おかしい、補助金を多く出しているはずなんだがこの寂れようは何だ?ナット君が先程夕食が一切れのパンとスープと言っていたが……」
「事実ですよ。」
「そうか……」
侯爵は、しばらく何かを考える素振りを見せていた。
奥からシスターミランダがきた。
「ミランダ、久しぶりだね」
「クライかい?今はクライ様かね?」
「よせ、私とお前の仲じゃないか、昔のように接してくれ」
「そうだね、まぁ中に入りな、ナット様も一緒なんだね」
様付けで呼ばれてる事に対して不思議に思ったのか、侯爵とグアーラが2人そろってこっちを見た。
「なに?」
「「いや……」」
シスターミランダについて行くと、夕食を食べたところに通された。自分ら3人と向かい合うように、シスターミランダが座った。
「クライ今夜はどうしたんだい?」
「あぁ、実は……」
侯爵は、自分から聞かされた話をシスターミランダに話した。
「あの時の記憶を見るですか……、本当にそんなことが?」
「わからん、ナット君、君の事を話しても?」
侯爵が同意を求めてきたので、一瞬何のことをと思ったが、おそらくは使徒であること話してもいいかという事だと思った。
「いいですよ」
「ミランダは信じないかもしれんが、彼は使徒なのだ」
侯爵の打ち明けに対して、シスターミランダの反応は意外なものだった。
「やっぱりそうでしたか」
やっぱり?
「やっぱりとは?」
意外な反応に対して侯爵が不思議に思ったのか直ぐに質問していた。
「いえね、ナット様は精霊と共に行動をしていますよね、それに子たちの健康状態をチェックされていましたよね」
「しましたね」
「あの時、昔の怪我で普通に歩けなかった子が居ました。ナット様のチェックを受けた後普通に歩けるようになっていましたし、走る事も可能になっていました。それに、クリフトの件も同様です。普通の人は触れただけで相手を治す事なんてできないんですよ。それらを踏まえて考えられる答えは、ネア様の使いであること」
なるほど、たしかに変な状態で骨がくっついている子がいるときに触れただけだったし、クリフトに関してもそうだったちょっとうかつだったか?
「ナット君……」
侯爵がこちらを見てきた。
「まぁいいじゃないですか、遅かれ早かれ正体を知る事になるんだったら変わらないじゃないですか」
「そうだが……」
「クリフトとサンディを連れてくればいいですか?」
シスターミランダが即座に間に入ってくれた。
「お願いします」
「お待ちください」
そう言ってシスターミランダが席を立った。
しばらくすると、シスターミランダが、クリフトとサンディを連れて戻ってきた。
クリフトと目が合ったと思ったらこっちに寄ってくるなり頭を下げた。
「ケガを治してくれた事感謝する。そしてサンディと話した。俺らはあんたの提案通り姿と名前を捨てて別人として生きる。」
「あぁ……」
「まってくれ、ナット君の提案とはなんだ?」
まぁ自分もこの場で回答貰うとは思っていなかった。侯爵に彼らにした提案を話した。
「クリフト君だったね、その話はまだ待ってもらえないだろうか?まずは君の記憶を見せてもらいたい」
「あぁ、シスターに聞いた、あの日の記憶だよな?それ位構わない」
そう言うと、自分の前にドカっと座った。
「だそうだ、ナット君どうするのかね?」
そうでした。
『ヒスイ君どうするのかね?』
ちょっと侯爵のマネをしながらヒスイに振ってみた。
『やり方は簡単だよ、君が記憶を見るときと同様相手に触れるでしょ、反対側の腕を見せたい相手に直接触れてもらうのさ、まぁ腕じゃなくても直接触れてもらえればどこでもいいんだけどね~相手に見せたいという気持ちも忘れずにね~』
大して難しい事ではなかった。ヒスイに言われた事をそのまま周囲に伝えると、それぞれがやりやすいように動いてくれた。
正面に座っているクリフトの右手首を右手掴み、左腕をグアーラと侯爵が触れ、いざ始めようとしたら。
「私も見て構いませんか?」
と、シスターミランダが質問してきた。クリフトは頷き、侯爵も頷いたので、シスターミランダも自分の左腕に触れてきた。
「じゃあいいですか?」
「あぁ」
クリフトの記憶の回想を始めた。
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