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ガタン
「お前鬱陶しんだよ!!」
「なんでいんの?目障りだからさっさと消えてくれない?」
「臭いんだけど。ちゃんと髪洗ってるの?」
「近寄らないでくれる?匂い移ったりするのいやなんだよえ~。」
クスクス
ニヤニヤ
『はー、朝っぱらからよくやるよ。』
机を蹴る音の後に続いて降ってくる罵声。
視線を送れば数人の生徒が一人の女子生徒を囲んで遊んでいる。世間一般にはこれをいじめと言うが、こんなのはこの学校では日常茶飯事だ。私はその光景を話している友達の肩越しに見て内心ため息をこぼす。
ここは市立の中学校だ。一応「いじめ0」をかかげはしているが、実際は御覧の通りだ。
助けないのかだって?
冗談きついよ。そんなことするわけないじゃん。
そんなことするのは、よっぽどのバカかアホ。それか正義感が人一倍強いやつぐらいだよ。
一応言っておくけど、私は別に何もしないと言っているっわけじゃない。ましてやいじめられている奴が嫌いなわけでもないし、いじめに加担しようとかもおもっていない。ただ表立ってかばうことはしないと言っているんだ。
いじめの現場には、3つの立場がある。加害者、被害者、傍観者だ。加害者はいじめをする人。被害者はいじめられる人。傍観者はいじめを見て見ぬふりをする人だ。
被害者は、加害者と傍観者のどちらかから決まる。加害者からは、いじめをやめようと仲間に提案した時。傍観者からは、被害者をかばったり、いじめをやめるように加害者に注意した時。大人にいじめのことを話したり、加害者に目をつけられた時などに被害者になる。だから傍観者は誰もかばわない。
本当は教師に相談して、加害者を2度といじめをしないように徹底的に教育してもらうのが学校では1番手っ取り早くていいんだけど、世の中そんな簡単にはいかないんだよね。はぁ。教師陣は学校の印象?的なものを心配して口先だけのかっるーい注意しかしない。そのせいで加害者が逆切れしていじめが酷くなるんだよね・・・。
なんでこんなにくわしいかって?
何を隠そう、私は4歳のころから毎年欠かさずいじめられていた常連被害者なのである。えっへん!
こほん。まあそんなわけで、大抵の加害者や周りの行動パターンは大体わかるんだよね。
―――――
そんなこんなで授業が終わり、昇降口へ向かう。今日は明日の授業の準備のてつだいに先生につかまってしまい、いつもより学校を出るのが遅くなってしまった。
まったく、授業の係だったが仕方ないけどもっと早く解放してほしかった!今日帰ってすぐやりたいことあったのにー!!
内心先生に悪態をつきながら急ぎ足で校門を出ようとすると、どこかで聞いたことのある声が聞こえてきた。声のほうを見ると、そこには同じクラスの人たちがいた。
「ねぇ、あたしら今筋トレしてるんだけどー、3人だからやりずらいんだー。」
「だから手伝ってくれない?」
「あんた運動全くできないから少しはましになるんじゃない?」
「いえてる!」
あんたらまだっやてたの。よく飽きないよね。逆に感心するよ。あっ、そういえば帰る時廊下で・・・・
『よう!今帰りか?』
『あっ、先生。はい、明日の理科の授業の準備を頼まれてしまって。』
『理科っていうことはあの先生か!あの先生につかまるとながいんだよな。まっ、お疲れさん。そういやあの3人組知らないか?確か同じクラスだっただろ。』
『3人組って先生の部活のですか?同じクラスですけどどうしたんですか?』
『今日部活に来てなくてな、最近来てもさぼりが多いから1回しっかりせっきょ、いや話そうと思って探してたんだ。どっかで見かけたら俺が探して立っていっといてくれないか?』
『わかりました。』
てなことがあったな。てことはあんたらサボりかっ!あー声かけたくない。でも見つけたら声かけるって言っちゃったんだよなー。しかもここ校門のすぐそばだし。声かけなきゃだめだよなー。はぁ、・・・腹くくろ。
「ねぇねぇ、ちょっといい?」
「何?今楽しくお話し中なんだけど。」
よく言うよ!おっとここは我慢だ。
「ごめん。ちょっと急ぎで。顧問の先生が探してたよ。多分早く行ったほうがいいよ。」
「えっ、まじ」
一人が慌てだした。それにつられて他の二人も慌てだした。
「やばっ。サボってたのばれたのかな。」
「とにかく早くいかないとっ。あの先生の雷はまじ勘弁。」
と口々に言い、慌ててバタバタと校舎に向かって走っていった。
はぁ、知らせてやったんだから礼ぐらい言え礼ぐらい。
そんなことを思っていたら、
「あっあのっ!助けてくれて。あ、あ、あり、がと。」
今にも泣きだしそうな声でそう言われた。
あっこれはだめだ。これは私が次の加害者になるフラグが立ってしまった!急いでたたきおらねば!
なぜならこの状況はひっじょうにまずい状況なのだ!被害者はいじめからかばってくれて人のそばにいたがる傾向がある(※あくまで個人の意見です)。それにより被害者のそばにいる人が、新たな被害者になる可能性が高いのだ。
仕方ないこれは私の平和な日常のため。自分本位すぎな気もするが、背に腹は代えられない!心を鬼にせねばっ!
私はいまだに震えている彼女に、できるだけ冷たく淡々と言った。
「べつに助けようと思ってあいつらに声かけたんじゃないよ。それと学校ではあまり話しかけないでね。」
彼女は目に涙を浮かべ下を向いた。その姿にチクチクと罪悪感を感じながら続ける。
「でも、いじめに耐え切れなくなったら愚痴くらいは聞くから。」
と付け加えると、彼女はバッと顔を挙げた。その顔は私の言葉に驚いているように見えた。その後、笑って礼を言い帰っていった。
少しお節介な気もするが、まあいいと思う。
だって彼女はここ最近では見せなかった笑顔を浮かべていたから。きっと大丈夫。
― ・ ― ・ ・ ― ・ ― ・ ・ ― ・ ― ・ ・ ― ・ ― ・ ・ -
いじめは人の人格を変えてしまう時がある。
人を殺してしまう時がある。
そうなったら一生苦しみから抜け出せなくなる。
大人たちはいじめをしてはいけない。
この世からなくさなければいけないって言うけど、その大人が人種差別や宗教差別といういじめをしている。
子供を導く大人が、いじめをしている。
ねぇ、君はどう思う?
私たちはどうするべきだと思う?
私たちは何をするべきだと思う?
考え続けなきゃいけない。
ずっとっずと考え続けなくてはいけない。
ガタン
「お前鬱陶しんだよ!!」
「なんでいんの?目障りだからさっさと消えてくれない?」
「臭いんだけど。ちゃんと髪洗ってるの?」
「近寄らないでくれる?匂い移ったりするのいやなんだよえ~。」
クスクス
ニヤニヤ
『はー、朝っぱらからよくやるよ。』
机を蹴る音の後に続いて降ってくる罵声。
視線を送れば数人の生徒が一人の女子生徒を囲んで遊んでいる。世間一般にはこれをいじめと言うが、こんなのはこの学校では日常茶飯事だ。私はその光景を話している友達の肩越しに見て内心ため息をこぼす。
ここは市立の中学校だ。一応「いじめ0」をかかげはしているが、実際は御覧の通りだ。
助けないのかだって?
冗談きついよ。そんなことするわけないじゃん。
そんなことするのは、よっぽどのバカかアホ。それか正義感が人一倍強いやつぐらいだよ。
一応言っておくけど、私は別に何もしないと言っているっわけじゃない。ましてやいじめられている奴が嫌いなわけでもないし、いじめに加担しようとかもおもっていない。ただ表立ってかばうことはしないと言っているんだ。
いじめの現場には、3つの立場がある。加害者、被害者、傍観者だ。加害者はいじめをする人。被害者はいじめられる人。傍観者はいじめを見て見ぬふりをする人だ。
被害者は、加害者と傍観者のどちらかから決まる。加害者からは、いじめをやめようと仲間に提案した時。傍観者からは、被害者をかばったり、いじめをやめるように加害者に注意した時。大人にいじめのことを話したり、加害者に目をつけられた時などに被害者になる。だから傍観者は誰もかばわない。
本当は教師に相談して、加害者を2度といじめをしないように徹底的に教育してもらうのが学校では1番手っ取り早くていいんだけど、世の中そんな簡単にはいかないんだよね。はぁ。教師陣は学校の印象?的なものを心配して口先だけのかっるーい注意しかしない。そのせいで加害者が逆切れしていじめが酷くなるんだよね・・・。
なんでこんなにくわしいかって?
何を隠そう、私は4歳のころから毎年欠かさずいじめられていた常連被害者なのである。えっへん!
こほん。まあそんなわけで、大抵の加害者や周りの行動パターンは大体わかるんだよね。
―――――
そんなこんなで授業が終わり、昇降口へ向かう。今日は明日の授業の準備のてつだいに先生につかまってしまい、いつもより学校を出るのが遅くなってしまった。
まったく、授業の係だったが仕方ないけどもっと早く解放してほしかった!今日帰ってすぐやりたいことあったのにー!!
内心先生に悪態をつきながら急ぎ足で校門を出ようとすると、どこかで聞いたことのある声が聞こえてきた。声のほうを見ると、そこには同じクラスの人たちがいた。
「ねぇ、あたしら今筋トレしてるんだけどー、3人だからやりずらいんだー。」
「だから手伝ってくれない?」
「あんた運動全くできないから少しはましになるんじゃない?」
「いえてる!」
あんたらまだっやてたの。よく飽きないよね。逆に感心するよ。あっ、そういえば帰る時廊下で・・・・
『よう!今帰りか?』
『あっ、先生。はい、明日の理科の授業の準備を頼まれてしまって。』
『理科っていうことはあの先生か!あの先生につかまるとながいんだよな。まっ、お疲れさん。そういやあの3人組知らないか?確か同じクラスだっただろ。』
『3人組って先生の部活のですか?同じクラスですけどどうしたんですか?』
『今日部活に来てなくてな、最近来てもさぼりが多いから1回しっかりせっきょ、いや話そうと思って探してたんだ。どっかで見かけたら俺が探して立っていっといてくれないか?』
『わかりました。』
てなことがあったな。てことはあんたらサボりかっ!あー声かけたくない。でも見つけたら声かけるって言っちゃったんだよなー。しかもここ校門のすぐそばだし。声かけなきゃだめだよなー。はぁ、・・・腹くくろ。
「ねぇねぇ、ちょっといい?」
「何?今楽しくお話し中なんだけど。」
よく言うよ!おっとここは我慢だ。
「ごめん。ちょっと急ぎで。顧問の先生が探してたよ。多分早く行ったほうがいいよ。」
「えっ、まじ」
一人が慌てだした。それにつられて他の二人も慌てだした。
「やばっ。サボってたのばれたのかな。」
「とにかく早くいかないとっ。あの先生の雷はまじ勘弁。」
と口々に言い、慌ててバタバタと校舎に向かって走っていった。
はぁ、知らせてやったんだから礼ぐらい言え礼ぐらい。
そんなことを思っていたら、
「あっあのっ!助けてくれて。あ、あ、あり、がと。」
今にも泣きだしそうな声でそう言われた。
あっこれはだめだ。これは私が次の加害者になるフラグが立ってしまった!急いでたたきおらねば!
なぜならこの状況はひっじょうにまずい状況なのだ!被害者はいじめからかばってくれて人のそばにいたがる傾向がある(※あくまで個人の意見です)。それにより被害者のそばにいる人が、新たな被害者になる可能性が高いのだ。
仕方ないこれは私の平和な日常のため。自分本位すぎな気もするが、背に腹は代えられない!心を鬼にせねばっ!
私はいまだに震えている彼女に、できるだけ冷たく淡々と言った。
「べつに助けようと思ってあいつらに声かけたんじゃないよ。それと学校ではあまり話しかけないでね。」
彼女は目に涙を浮かべ下を向いた。その姿にチクチクと罪悪感を感じながら続ける。
「でも、いじめに耐え切れなくなったら愚痴くらいは聞くから。」
と付け加えると、彼女はバッと顔を挙げた。その顔は私の言葉に驚いているように見えた。その後、笑って礼を言い帰っていった。
少しお節介な気もするが、まあいいと思う。
だって彼女はここ最近では見せなかった笑顔を浮かべていたから。きっと大丈夫。
― ・ ― ・ ・ ― ・ ― ・ ・ ― ・ ― ・ ・ ― ・ ― ・ ・ -
いじめは人の人格を変えてしまう時がある。
人を殺してしまう時がある。
そうなったら一生苦しみから抜け出せなくなる。
大人たちはいじめをしてはいけない。
この世からなくさなければいけないって言うけど、その大人が人種差別や宗教差別といういじめをしている。
子供を導く大人が、いじめをしている。
ねぇ、君はどう思う?
私たちはどうするべきだと思う?
私たちは何をするべきだと思う?
考え続けなきゃいけない。
ずっとっずと考え続けなくてはいけない。
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