50 / 53
第5章 フリージア=リークハルトの道先
第8話
しおりを挟む
リークハルト侯爵家には日常が戻っていた。
勿論全く今まで通りというわけにはいかない。
町の人たちにはまだ戸惑いや恐れが見え、明らかに距離を取るものもいた。
だが混血だと明かした者たちはどこかすっきりとした顔をしていた。
「もうびくびくしなくていいわけですしね。グレイ様には感謝してます」
「何かあったらグレイ様に守ってもらえばいいし、この国を出ればいいんだし。そう思ったら気持ちが軽くなりました。今の場所にしがみつかなきゃと思ってたから息苦しかったんです、きっと」
そう笑った者もいた。
「もちろん、僕がみんなを守るよ。だから困っている人がいたら助けてあげてほしい。みんなで助け合っていこう。混血も、そうじゃない者も、みんなで」
グレイが言えば、安心したように、けれど決意を込めた目で誰もが頷いてくれた。
「フリージア様が竜の姿のグレイ様を愛しそうに見つめていらっしゃる姿を見て、勇気が出たんです。魔物の姿でも受け入れてくれる人はいる。そう思えて」
「それに、フリージア様が他に隠れ住んでる混血のことを気遣ってこの国を出て行こうとしてるってことがわかったから。グレイ様たちだけ犠牲にするわけにはいかないって」
そんな言葉に、フリージアは驚いて目を見開いた。
「あなたたちにも心の声が聞こえていたの?」
「いえいえ、まさか。でも、フリージア様が強くて優しい気持ちを持ってあの場に立っていらしたことはわかりました。力が強いわけでもないフリージア様までオレたちを守ろうとしてくれてるって思ったら、なんか、今動かなきゃいつ動くんだって思って」
力があろうがなかろうが、強い想いは届くのだ。
姿が違うとか。
特別な力があるとか。
目に見える違いも、目に見えない違いも人それぞれにある。
けれどその違いが意味を持たないこともあれば、人と人の間を繋ぐこともある。
違いがあるのは悪いことだと思わされてきたフリージアであったが、リークハルト侯爵家に来てからというもの、こうした人とのつながりによって、ありのままの自分を受け入れられるようになっていた。
それは邸の中に閉じこめられたままではわからなかったことだ。
連れ出してくれたグレイにも、受け入れてくれた人たちにも改めて感謝が湧いた。
それからリークハルト侯爵家の顔ぶれにも変化があった。
新たにアニーとその家族が雇われることになったのだ。
「混血の人がこんなに集まっている場所があったなんて、知りませんでした」
誰もが家族以外には知られないようにしていたから、他に混血がいることは知りようがなかった。
「リッカお姉ちゃん、こんにちはー! はいこれー!」
そういって手に何かを抱え走ってきたのはジェフリーだ。
「お母さんが、野菜持ってけって」
「まあ、ありがとうございます」
ジェフリーとその家族は、リークハルト侯爵家が危険ではないことを周囲に示すように、こうして遊びに来てくれる。
距離を置いてしまった人たちも、また少しずつ歩み寄ってくれればいいとフリージアは思う。
それからもう一人、この邸に滞在人が増えた。
リディだ。
「うっま。なにここの料理、めっちゃおいしいんですけど。いやアシェント伯爵家もおいしかったけどさ、なんていうか、ジャンルが違うっていうか」
リークハルト侯爵家では素材の味をいかした料理が多い。
自ら野菜を育てるブライアンなりのこだわりがあるのだろう。
シンプルでありながら考え抜かれ、手のかけられた料理は頬にしみるほどにおいしいとフリージアも思う。
だがリディがこの邸に居座るのはそれだけが理由ではないはずだ。
「リディ、帰らなくていいの?」
「ん? たんまりとお金はもらってるからしばらく働かなくてもいいし、もともとは私はこの家に嫁ぐ予定だったんだから、なんも問題ないわよ。別に、あたし一人がいなくたって――」
「そんなことはないわ。リディがいたら家の人も喜ぶでしょう。兄弟だっているんでしょう?」
そう返せば、リディが少々面食らった顔になった。
まるで、実家ではないどこかに帰ることを念頭に話していたと気づいたように。
リディは罰が悪そうにふいっとそっぽを向いた。
「今は帰りたくないの」
珍しくむくれたような顔のリディに、フリージアは小さく笑った。
アシェント伯爵家にいる時は、敵ではないながらもお互いに譲れぬものがあったから、心を許し合うことはなかった。
だからそんな素直な表情を見たことがなかったのだ。
「リディがアシェント伯爵家にずっといてくれたこと、私、感謝しているの。お義兄様のこと、あれこれと世話を焼いてくれたとアニーから聞いたわ」
「別に、気が向いてそうしてただけだし、お礼を言われることじゃないわ」
微妙な沈黙が落ちた。
だがリディが先にぽつりと口を開いた。
「もうあいつには愛想がつきた。ちょっとかわいそうかなと思って、とにかくご飯だけは食べさせなきゃって、なんか義務感に駆られてたけど。別に頼まれたことじゃないしね。恩に着せたいわけでもないし。それでもさー、誰かを基準に偽物だって言われてもね。私は『私』っていう本物だっつうの」
カーティスにそう言われたのだろう。
フリージアは思わず目を伏せた。
リディの人生を狂わせてしまった。それはフリージアに無関係ではない。
そう思ったのがわかったのだろう。
リディはすぐに言い足した。
「ああ、あんたが気に病まなくていいから。あたしのことはあいつが勝手に連れてきたんだし。ま、あいつの思い通りにいかなくてせいせいしてるわ」
そう言ってリディはからっと笑った。
けれどそれはすぐに静かな笑みに変わり、その目は遠く窓の外を見ていた。
まるで自分が欲しいものはここにはないことをわかっていて、それでも動けずにいるように。
フリージアのように誰かに捕われているわけでもないのに、そんなリディはとても不自由そうに見えた。
勿論全く今まで通りというわけにはいかない。
町の人たちにはまだ戸惑いや恐れが見え、明らかに距離を取るものもいた。
だが混血だと明かした者たちはどこかすっきりとした顔をしていた。
「もうびくびくしなくていいわけですしね。グレイ様には感謝してます」
「何かあったらグレイ様に守ってもらえばいいし、この国を出ればいいんだし。そう思ったら気持ちが軽くなりました。今の場所にしがみつかなきゃと思ってたから息苦しかったんです、きっと」
そう笑った者もいた。
「もちろん、僕がみんなを守るよ。だから困っている人がいたら助けてあげてほしい。みんなで助け合っていこう。混血も、そうじゃない者も、みんなで」
グレイが言えば、安心したように、けれど決意を込めた目で誰もが頷いてくれた。
「フリージア様が竜の姿のグレイ様を愛しそうに見つめていらっしゃる姿を見て、勇気が出たんです。魔物の姿でも受け入れてくれる人はいる。そう思えて」
「それに、フリージア様が他に隠れ住んでる混血のことを気遣ってこの国を出て行こうとしてるってことがわかったから。グレイ様たちだけ犠牲にするわけにはいかないって」
そんな言葉に、フリージアは驚いて目を見開いた。
「あなたたちにも心の声が聞こえていたの?」
「いえいえ、まさか。でも、フリージア様が強くて優しい気持ちを持ってあの場に立っていらしたことはわかりました。力が強いわけでもないフリージア様までオレたちを守ろうとしてくれてるって思ったら、なんか、今動かなきゃいつ動くんだって思って」
力があろうがなかろうが、強い想いは届くのだ。
姿が違うとか。
特別な力があるとか。
目に見える違いも、目に見えない違いも人それぞれにある。
けれどその違いが意味を持たないこともあれば、人と人の間を繋ぐこともある。
違いがあるのは悪いことだと思わされてきたフリージアであったが、リークハルト侯爵家に来てからというもの、こうした人とのつながりによって、ありのままの自分を受け入れられるようになっていた。
それは邸の中に閉じこめられたままではわからなかったことだ。
連れ出してくれたグレイにも、受け入れてくれた人たちにも改めて感謝が湧いた。
それからリークハルト侯爵家の顔ぶれにも変化があった。
新たにアニーとその家族が雇われることになったのだ。
「混血の人がこんなに集まっている場所があったなんて、知りませんでした」
誰もが家族以外には知られないようにしていたから、他に混血がいることは知りようがなかった。
「リッカお姉ちゃん、こんにちはー! はいこれー!」
そういって手に何かを抱え走ってきたのはジェフリーだ。
「お母さんが、野菜持ってけって」
「まあ、ありがとうございます」
ジェフリーとその家族は、リークハルト侯爵家が危険ではないことを周囲に示すように、こうして遊びに来てくれる。
距離を置いてしまった人たちも、また少しずつ歩み寄ってくれればいいとフリージアは思う。
それからもう一人、この邸に滞在人が増えた。
リディだ。
「うっま。なにここの料理、めっちゃおいしいんですけど。いやアシェント伯爵家もおいしかったけどさ、なんていうか、ジャンルが違うっていうか」
リークハルト侯爵家では素材の味をいかした料理が多い。
自ら野菜を育てるブライアンなりのこだわりがあるのだろう。
シンプルでありながら考え抜かれ、手のかけられた料理は頬にしみるほどにおいしいとフリージアも思う。
だがリディがこの邸に居座るのはそれだけが理由ではないはずだ。
「リディ、帰らなくていいの?」
「ん? たんまりとお金はもらってるからしばらく働かなくてもいいし、もともとは私はこの家に嫁ぐ予定だったんだから、なんも問題ないわよ。別に、あたし一人がいなくたって――」
「そんなことはないわ。リディがいたら家の人も喜ぶでしょう。兄弟だっているんでしょう?」
そう返せば、リディが少々面食らった顔になった。
まるで、実家ではないどこかに帰ることを念頭に話していたと気づいたように。
リディは罰が悪そうにふいっとそっぽを向いた。
「今は帰りたくないの」
珍しくむくれたような顔のリディに、フリージアは小さく笑った。
アシェント伯爵家にいる時は、敵ではないながらもお互いに譲れぬものがあったから、心を許し合うことはなかった。
だからそんな素直な表情を見たことがなかったのだ。
「リディがアシェント伯爵家にずっといてくれたこと、私、感謝しているの。お義兄様のこと、あれこれと世話を焼いてくれたとアニーから聞いたわ」
「別に、気が向いてそうしてただけだし、お礼を言われることじゃないわ」
微妙な沈黙が落ちた。
だがリディが先にぽつりと口を開いた。
「もうあいつには愛想がつきた。ちょっとかわいそうかなと思って、とにかくご飯だけは食べさせなきゃって、なんか義務感に駆られてたけど。別に頼まれたことじゃないしね。恩に着せたいわけでもないし。それでもさー、誰かを基準に偽物だって言われてもね。私は『私』っていう本物だっつうの」
カーティスにそう言われたのだろう。
フリージアは思わず目を伏せた。
リディの人生を狂わせてしまった。それはフリージアに無関係ではない。
そう思ったのがわかったのだろう。
リディはすぐに言い足した。
「ああ、あんたが気に病まなくていいから。あたしのことはあいつが勝手に連れてきたんだし。ま、あいつの思い通りにいかなくてせいせいしてるわ」
そう言ってリディはからっと笑った。
けれどそれはすぐに静かな笑みに変わり、その目は遠く窓の外を見ていた。
まるで自分が欲しいものはここにはないことをわかっていて、それでも動けずにいるように。
フリージアのように誰かに捕われているわけでもないのに、そんなリディはとても不自由そうに見えた。
15
あなたにおすすめの小説
死に戻りの元王妃なので婚約破棄して穏やかな生活を――って、なぜか帝国の第二王子に求愛されています!?
神崎 ルナ
恋愛
アレクシアはこの一国の王妃である。だが伴侶であるはずの王には執務を全て押し付けられ、王妃としてのパーティ参加もほとんど側妃のオリビアに任されていた。
(私って一体何なの)
朝から食事を摂っていないアレクシアが厨房へ向かおうとした昼下がり、その日の内に起きた革命に巻き込まれ、『王政を傾けた怠け者の王妃』として処刑されてしまう。
そして――
「ここにいたのか」
目の前には記憶より若い伴侶の姿。
(……もしかして巻き戻った?)
今度こそ間違えません!! 私は王妃にはなりませんからっ!!
だが二度目の生では不可思議なことばかりが起きる。
学生時代に戻ったが、そこにはまだ会うはずのないオリビアが生徒として在籍していた。
そして居るはずのない人物がもう一人。
……帝国の第二王子殿下?
彼とは外交で数回顔を会わせたくらいなのになぜか親し気に話しかけて来る。
一体何が起こっているの!?
夫が愛人を離れに囲っているようなので、私も念願の猫様をお迎えいたします
葉柚
恋愛
ユフィリア・マーマレード伯爵令嬢は、婚約者であるルードヴィッヒ・コンフィチュール辺境伯と無事に結婚式を挙げ、コンフィチュール伯爵夫人となったはずであった。
しかし、ユフィリアの夫となったルードヴィッヒはユフィリアと結婚する前から離れの屋敷に愛人を住まわせていたことが使用人たちの口から知らされた。
ルードヴィッヒはユフィリアには目もくれず、離れの屋敷で毎日過ごすばかり。結婚したというのにユフィリアはルードヴィッヒと簡単な挨拶は交わしてもちゃんとした言葉を交わすことはなかった。
ユフィリアは決意するのであった。
ルードヴィッヒが愛人を離れに囲うなら、自分は前々からお迎えしたかった猫様を自室に迎えて愛でると。
だが、ユフィリアの決意をルードヴィッヒに伝えると思いもよらぬ事態に……。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
東雲の空を行け ~皇妃候補から外れた公爵令嬢の再生~
くる ひなた
恋愛
「あなたは皇妃となり、国母となるのよ」
幼い頃からそう母に言い聞かされて育ったロートリアス公爵家の令嬢ソフィリアは、自分こそが同い年の皇帝ルドヴィークの妻になるのだと信じて疑わなかった。父は長く皇帝家に仕える忠臣中の忠臣。皇帝の母の覚えもめでたく、彼女は名実ともに皇妃最有力候補だったのだ。
ところがその驕りによって、とある少女に対して暴挙に及んだことを理由に、ソフィリアは皇妃候補から外れることになる。
それから八年。母が敷いた軌道から外れて人生を見つめ直したソフィリアは、豪奢なドレスから質素な文官の制服に着替え、皇妃ではなく補佐官として皇帝ルドヴィークの側にいた。
上司と部下として、友人として、さらには密かな思いを互いに抱き始めた頃、隣国から退っ引きならない事情を抱えた公爵令嬢がやってくる。
「ルドヴィーク様、私と結婚してくださいませ」
彼女が執拗にルドヴィークに求婚し始めたことで、ソフィリアも彼との関係に変化を強いられることになっていく……
『蔦王』より八年後を舞台に、元悪役令嬢ソフィリアと、皇帝家の三男坊である皇帝ルドヴィークの恋の行方を描きます。
勘違い令嬢の離縁大作戦!~旦那様、愛する人(♂)とどうかお幸せに~
藤 ゆみ子
恋愛
グラーツ公爵家に嫁いたティアは、夫のシオンとは白い結婚を貫いてきた。
それは、シオンには幼馴染で騎士団長であるクラウドという愛する人がいるから。
二人の尊い関係を眺めることが生きがいになっていたティアは、この結婚生活に満足していた。
けれど、シオンの父が亡くなり、公爵家を継いだことをきっかけに離縁することを決意する。
親に決められた好きでもない相手ではなく、愛する人と一緒になったほうがいいと。
だが、それはティアの大きな勘違いだった。
シオンは、ティアを溺愛していた。
溺愛するあまり、手を出すこともできず、距離があった。
そしてシオンもまた、勘違いをしていた。
ティアは、自分ではなくクラウドが好きなのだと。
絶対に振り向かせると決意しながらも、好きになってもらうまでは手を出さないと決めている。
紳士的に振舞おうとするあまり、ティアの勘違いを助長させていた。
そして、ティアの離縁大作戦によって、二人の関係は少しずつ変化していく。
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
【完結】悪役令嬢はご病弱!溺愛されても断罪後は引き篭もりますわよ?
鏑木 うりこ
恋愛
アリシアは6歳でどハマりした乙女ゲームの悪役令嬢になったことに気がついた。
楽しみながらゆるっと断罪、ゆるっと領地で引き篭もりを目標に邁進するも一家揃って病弱設定だった。
皆、寝込んでるから入学式も来れなかったんだー納得!
ゲームの裏設定に一々納得しながら進んで行くも攻略対象者が仲間になりたそうにこちらを見ている……。
聖女はあちらでしてよ!皆様!
「地味で無能」と捨てられた令嬢は、冷酷な【年上イケオジ公爵】に嫁ぎました〜今更私の価値に気づいた元王太子が後悔で顔面蒼白になっても今更遅い
腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢クラウディアは、婚約者のアルバート王太子と妹リリアンに「地味で無能」と断罪され、公衆の面前で婚約破棄される。
お飾りの厄介払いとして押し付けられた嫁ぎ先は、「氷壁公爵」と恐れられる年上の冷酷な辺境伯アレクシス・グレイヴナー公爵だった。
当初は冷徹だった公爵は、クラウディアの才能と、過去の傷を癒やす温もりに触れ、その愛を「二度と失わない」と固く誓う。
彼の愛は、包容力と同時に、狂気的な独占欲を伴った「大人の愛」へと昇華していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる