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第3章 リークハルト侯爵家の秘密
第2話
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「さあ、入って」
まだ心許ない足取りをグレイが支え、寡黙な執事によって開かれたドアの向こうには、リークハルト侯爵家の使用人たちがずらりと並んでフリージアを待っていた。
「ようこそ、お待ちしておりましたフリージア様」
どの顔も、溢れんばかりの笑顔だった。
待っていたという言葉が、心からのものだと思える。
見ているだけで嬉しくなるくらいの、暖かい笑顔だった。
「僕の婚約者、フリージア=アシェント伯爵令嬢だよ。そして今日からフリージア=リークハルト侯爵夫人で、僕のお嫁さん」
その言葉に、フリージアは今更ながらに顔が熱くなってしまった。
そんなフリージアを、居並ぶ使用人たちがほほえましそうに見つめているのがまたなんともいたたまれない。
けれど半分ほど隣に向けられた視線は、遠慮がちながらも何故かにやにやとしていた。
視線を追い、隣のグレイを見れば、口元を片手で覆っていたのだが。
隠し切れない頬が、赤くなっていた。
「自分で言っておきながら自滅する。新しいスタイルですね」
端の方にいた料理人らしい白衣の男が、ふっと笑う。
口ひげがぴしりと整えられていて、その笑みも立ち居振る舞いも、どこか洒落ていた。
もしかしたら彼が裏庭でトマトを育てているというブライアンだろうか、とフリージアは勝手に親近感を覚えた。
「いや、これを言えるのは最初だけだし、ずっと言ってみたかったんだけど。少々照れるものだね」
「やめてくださいよ、見てる方までうつりますよ!」
フットマンらしき少年が呆れたような顔をしながら、赤くなった頬をごまかすように擦っている。
「純な男たちですねえ」
そう言って彼らを見回すようにした侍女三人組が、うんうんと頷く。ポニーテール、ボブ、おさげと髪型が違うだけで、三人の顔はとてもよく似ていた。
「さて、みんなのことも順に紹介したいところなんだけど、先にフリージアを休ませたい。部屋を――」
言いかけたグレイの腕を、フリージアは慌てて止めた。
「いえ! 早く、お義兄様が連れ戻しに来ないうちに私をグレイ様のお嫁さんにしてください!」
勢いこんだフリージアに、グレイは困ったように眉を下げながらも、安心させるようにそっと肩に触れた。
「大丈夫。フリージアのことはこの邸のみんなで必ず守るから。だから少しだけ休んで、式はそれからにしよう」
「その通りですわ、グレイ様。いくらフリージア様に言われた言葉が嬉しくても、頬を赤らめている場合ではないのです」
おそらく侍女頭なのだろう。
年嵩らしい、黒い髪をきっちりと結い上げた銀縁眼鏡の侍女が冷静に言えば、グレイは「ごめん」と苦笑しながら再び口元を手で覆った。耳まで真っ赤だった。
どうしたらいいのかわからなくなって、フリージアは出迎えてくれた使用人たちを見回すと、慌てて礼を述べた。
「みなさん、暖かく迎えてくれてありがとうございます。式の当日に私だけが準備もできていなくてごめんなさい」
「いいえ? 私たちはフリージア様のお手伝いができることを楽しみに待っていたのですから。ドレスも、グレイ様がフリージア様に似合うのはあーでもない、こーでもないと何日もかけて――」
侍女頭が滔々と話し始め、グレイは慌てて遮った。
「いや、ジュナ、その話はいいから!」
そんなやりとりに、フリージアは自然と微笑んでいた。
「あの、みなさん。これからよろしくお願いします」
あたたかくて。
嬉しくて。
何年分もの幸せをもらったような気持ちだった。
そんな満ち足りた気持ちで笑むフリージアを振り返ると、グレイはほっとしたように頬を緩めた。
「じゃあリッカ、フリージアのベッドの用意はできている?」
呼ばれた侍女はそっくりな三人組の隣で、必死に何度も頷きを返した。
「はい、準備は万全です!」
リッカ、という名前に、フリージアは嬉しくなって「まあ!」と顔の前で手を合わせた。
「あなたがリッカね! みんなのことはグレイ様からの手紙でよく読んでいたけれど、特に何度もあなたのことが書かれていて、どんな子かずっと会ってみたいと思っていたの」
会えた嬉しさに舞い上がり、フリージアがリッカと呼ばれた侍女の手を取れば、急なことに驚いたのか、リッカが「ふわあ!」と声をあげた。
それと同時に、その頭からぴょんと飛び出したものがあった。
もふっとした、先の尖った、獣の耳のような――
「ごめんなさいごめんなさい、触れられるのが嫌とかじゃなくて私は力が強いから、こんな細い指折ってしまいそうで私、あの、あの!」
「リッカ、耳!」
隣にいた三人組の侍女たちが、慌ててそれを隠そうとそれぞれに飛びつく。
「あ!」
「きゃあ!」
「ちょっと?!」
四人は折り重なるように倒れ込む。
はっとしたように息をのむフットマン、「あーあ」と腰に手を当てため息を吐くシェフ、予想していたかのように落ち着いているジュナ、そしてただひたすらにそれらを眺めている寡黙な執事。
「いたたた」
一番下になっていたリッカがぴょこんと顔を出すと、様々な視線が自分に集まっていることに気が付き、ぴゅっと肩をすくめる。
「ご、ごめんなさい……」
小さくなるリッカの傍で、三人の侍女たちもなんとか起き上がる。
その頭には、長く白い耳がぴよんと突き出ていた。
そのことに気が付き、三人ははっとしてその耳を両手で抑え込む。
呆気にとられて言葉を失ったフリージアに、グレイは少しだけ困ったように笑い、言った。
「ね? こういうこと。僕たちはみんな、人でなし――人じゃないんだ。半分ね」
まだ心許ない足取りをグレイが支え、寡黙な執事によって開かれたドアの向こうには、リークハルト侯爵家の使用人たちがずらりと並んでフリージアを待っていた。
「ようこそ、お待ちしておりましたフリージア様」
どの顔も、溢れんばかりの笑顔だった。
待っていたという言葉が、心からのものだと思える。
見ているだけで嬉しくなるくらいの、暖かい笑顔だった。
「僕の婚約者、フリージア=アシェント伯爵令嬢だよ。そして今日からフリージア=リークハルト侯爵夫人で、僕のお嫁さん」
その言葉に、フリージアは今更ながらに顔が熱くなってしまった。
そんなフリージアを、居並ぶ使用人たちがほほえましそうに見つめているのがまたなんともいたたまれない。
けれど半分ほど隣に向けられた視線は、遠慮がちながらも何故かにやにやとしていた。
視線を追い、隣のグレイを見れば、口元を片手で覆っていたのだが。
隠し切れない頬が、赤くなっていた。
「自分で言っておきながら自滅する。新しいスタイルですね」
端の方にいた料理人らしい白衣の男が、ふっと笑う。
口ひげがぴしりと整えられていて、その笑みも立ち居振る舞いも、どこか洒落ていた。
もしかしたら彼が裏庭でトマトを育てているというブライアンだろうか、とフリージアは勝手に親近感を覚えた。
「いや、これを言えるのは最初だけだし、ずっと言ってみたかったんだけど。少々照れるものだね」
「やめてくださいよ、見てる方までうつりますよ!」
フットマンらしき少年が呆れたような顔をしながら、赤くなった頬をごまかすように擦っている。
「純な男たちですねえ」
そう言って彼らを見回すようにした侍女三人組が、うんうんと頷く。ポニーテール、ボブ、おさげと髪型が違うだけで、三人の顔はとてもよく似ていた。
「さて、みんなのことも順に紹介したいところなんだけど、先にフリージアを休ませたい。部屋を――」
言いかけたグレイの腕を、フリージアは慌てて止めた。
「いえ! 早く、お義兄様が連れ戻しに来ないうちに私をグレイ様のお嫁さんにしてください!」
勢いこんだフリージアに、グレイは困ったように眉を下げながらも、安心させるようにそっと肩に触れた。
「大丈夫。フリージアのことはこの邸のみんなで必ず守るから。だから少しだけ休んで、式はそれからにしよう」
「その通りですわ、グレイ様。いくらフリージア様に言われた言葉が嬉しくても、頬を赤らめている場合ではないのです」
おそらく侍女頭なのだろう。
年嵩らしい、黒い髪をきっちりと結い上げた銀縁眼鏡の侍女が冷静に言えば、グレイは「ごめん」と苦笑しながら再び口元を手で覆った。耳まで真っ赤だった。
どうしたらいいのかわからなくなって、フリージアは出迎えてくれた使用人たちを見回すと、慌てて礼を述べた。
「みなさん、暖かく迎えてくれてありがとうございます。式の当日に私だけが準備もできていなくてごめんなさい」
「いいえ? 私たちはフリージア様のお手伝いができることを楽しみに待っていたのですから。ドレスも、グレイ様がフリージア様に似合うのはあーでもない、こーでもないと何日もかけて――」
侍女頭が滔々と話し始め、グレイは慌てて遮った。
「いや、ジュナ、その話はいいから!」
そんなやりとりに、フリージアは自然と微笑んでいた。
「あの、みなさん。これからよろしくお願いします」
あたたかくて。
嬉しくて。
何年分もの幸せをもらったような気持ちだった。
そんな満ち足りた気持ちで笑むフリージアを振り返ると、グレイはほっとしたように頬を緩めた。
「じゃあリッカ、フリージアのベッドの用意はできている?」
呼ばれた侍女はそっくりな三人組の隣で、必死に何度も頷きを返した。
「はい、準備は万全です!」
リッカ、という名前に、フリージアは嬉しくなって「まあ!」と顔の前で手を合わせた。
「あなたがリッカね! みんなのことはグレイ様からの手紙でよく読んでいたけれど、特に何度もあなたのことが書かれていて、どんな子かずっと会ってみたいと思っていたの」
会えた嬉しさに舞い上がり、フリージアがリッカと呼ばれた侍女の手を取れば、急なことに驚いたのか、リッカが「ふわあ!」と声をあげた。
それと同時に、その頭からぴょんと飛び出したものがあった。
もふっとした、先の尖った、獣の耳のような――
「ごめんなさいごめんなさい、触れられるのが嫌とかじゃなくて私は力が強いから、こんな細い指折ってしまいそうで私、あの、あの!」
「リッカ、耳!」
隣にいた三人組の侍女たちが、慌ててそれを隠そうとそれぞれに飛びつく。
「あ!」
「きゃあ!」
「ちょっと?!」
四人は折り重なるように倒れ込む。
はっとしたように息をのむフットマン、「あーあ」と腰に手を当てため息を吐くシェフ、予想していたかのように落ち着いているジュナ、そしてただひたすらにそれらを眺めている寡黙な執事。
「いたたた」
一番下になっていたリッカがぴょこんと顔を出すと、様々な視線が自分に集まっていることに気が付き、ぴゅっと肩をすくめる。
「ご、ごめんなさい……」
小さくなるリッカの傍で、三人の侍女たちもなんとか起き上がる。
その頭には、長く白い耳がぴよんと突き出ていた。
そのことに気が付き、三人ははっとしてその耳を両手で抑え込む。
呆気にとられて言葉を失ったフリージアに、グレイは少しだけ困ったように笑い、言った。
「ね? こういうこと。僕たちはみんな、人でなし――人じゃないんだ。半分ね」
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