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第三章
第4話
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グレイグと共にスフィーナがアンリーク邸へと戻ると、既にアンナとリンがラグート邸から戻ってきていた。
「スフィーナ様! よかった、先に馬車で出たはずがいらっしゃらないので何かあったの……かと……スフィーナ様……? 全然無事じゃないじゃありませんか!! 全然よくなかった!!」
言葉の途中でスフィーナの様子に気が付き、リンは大騒ぎした。
アンナもぼろぼろになったスフィーナの姿を認めると、「きゃああ?!」と悲鳴をあげた。
「リン、アンナ、落ち着いて。私は大丈夫だから。それよりもミリーは? どこで暴れているの?」
「いえ、無事ってだってスフィーナ様、手はぼろぼろですしっていうか、爪!! 爪が!!」
「アンナ! それよりもミリーよ。みんなが危ないわ、早く止めないと」
「あ。それなんですが……」
リンとアンナが何とも言えないように顔を見合わせるので、スフィーナは訝った。
「どうしたの?」
「はい。実は、あの後ラグート伯爵夫人から事の次第をお聞きして、私達も慌ててアンリーク邸へと帰ってきたんです。そうしたら、お邸は既にいつも通りになっていまして……」
「お父様が戻ってこられたのね」
「いえ、それが」
なんとも言いにくそうに濁したのにはわけがあった。
ナイフを持ち暴れていたミリーを取り押さえたのは、使用人たちだったのだ。
『主人になんてことをするの?! 無礼者!』
そう罵ったミリーに、使用人たちは告げた。
『主人の乱心をお諫めするのも使用人の務めです』
凶器をちらつかせ、脅すミリーにほとほと嫌気がさしたのだろう。
そして腹が立ったのだろう。
ミリーはぐるぐるに縛り上げられ、ベッドに寝かされていた。
ついでに口も塞がれていた。
そうでなければうるさすぎて、使用人たちの気が狂っていたことだろう。
ミリーの部屋でその姿を目の当たりにしたスフィーナは、さるぐつわを噛まされて、んーんー唸るミリーに、ぽかんとしてしまった。
それからつい笑いが漏れてしまった。
「そりゃあそうよね。使用人に向かってナイフを振り回している主人など、狂っている以外にないものね」
「んーんー!!」
ミリーはギッとスフィーナを睨みつけ、力の限り体をくねらせ精一杯の抗議を見せていた。
スフィーナがさるぐつわを外した瞬間、ミリーは「ふざっけんじゃありませんわ!!!」と叫んだ。
「お母様はお姉さまが次期当主に決まったとか言い出すし、使用人たちはこんな無礼を働くし!! 一体我が家はどうなっていると言うの?!」
なるほど。
ミリーを暴れさせるには最適な一言だ。
しかしそれに乗ってしまうミリーもミリーだ。
自分の頭で考え、自らの足で歩くことをしないから振り回され続けているのだということに、いまだに気付いていない。
「ミリー。ジード様との婚約が決まりかけていたのに、あなたはまたこんなことをして。もっと自分の人生を大切に生きた方がいいわ」
まっすぐに見つめても、ミリーは何を言っているのかと馬鹿にするような顔を浮かべるだけだった。
「私は誰よりも私が大切ですわ。ですからこうして私のものを守ろうとしてるんじゃありませんの」
「本当に? あなたはあなたの手の中に今何があるか、きちんと見えている?」
「またそうやって煙に巻こうというのでしょう? お姉さまとお話しするのは本当に疲れますわ。だから嫌なのよ」
「あなたはもう他人に踊らされずに、自分の生き方を見つめなおすべきよ」
「目障りなお姉さまが消えてくれたらね。人の邪魔ばかりしておいて、よく言えたものですわ」
やはり、言葉を尽くしても、駄目なのかもしれない。
スフィーナは無力感に苛まれながら、くるりと背を向けた。
「ちょ! ちょっと! この縄をほどきなさいよ!」
「解いたら私を殺そうとするのでしょう? お義母様みたいに」
「はああ?」
「悪いけど、お父様が帰っていらっしゃるまでそのままでいて」
「ふざけないでよ!! こんなことが許されるわけがない! 訴えてやるわ! 使用人たちもみんなみんな、揃いも揃って……嫌いよ! みんな大嫌いよ! みんな私の目の前から消えていなくなればいいんだわ!」
「そうですか……」
不意に低い男の声が聞こえて、ミリーはぴたりと動きを止めた。
はっと扉を振り向けば、そこにはスフィーナと入れ違いに婚約者候補であったジードの姿があった。
「昨夜、ミリー嬢の心が乱れているようでしたからね。様子をお伺いしようと先触れを出したら、お邸がとんでもないことになっていると聞き、慌てて駆け付けたのですが」
「ジード様、見てください! この邸の使用人たちはみんな私にこんなひどいことをするんですのよ? こんな、私を縄で縛ったりなんて……!」
さっきまで罵詈雑言を浴びせていたとは思えないほどに、途端に態度を変え目を潤ませたミリーを、ジードは痛ましげに見ていた。
「ええ。お話は伺いました。ですが私にはわかりません。婚約者であるあなた一人を信じるべきなのか、この邸の使用人、ラグート伯爵子息、私が先触れを頼んだ使用人、それら多くの人たちの一貫した話を信じるべきなのか」
「そんなの、使用人の話なんて聞く価値もありませんわ。たとえお姉さまが何を仰ってもそれは私を貶めるための意図しかありませんし、グレイグなんてその手駒にすぎませんもの。ジード様の婚約者は私ですわ。婚約者なのですから、信じるのは当たり前でしょう?」
「そうですね。でもそれは、互いに互いの未来を背負うのだという覚悟を持って、信頼関係を築こうとするからこそ、信じるのですよね。あなたには私と一生を歩む覚悟はあるのですか? 私の未来を背負う覚悟はあるのですか?」
「それはどういうことです? 何かジード様には隠していることでもあるのですか? 例えば借金がおありだとか」
露骨に眉を顰めたミリーに、ジードはおかしそうに笑った。
「いえ。そうではありませんよ。でもこの先何があるかなんて、誰にもわかりません。仰るように、借金を負うこともあるかもしれません。そうなったときに、共に立ち向かう覚悟はあるのかとお聞きしたかったのですよ」
ミリーはしばらく黙り込んだ。
そして言った。
「それは無能というのではありませんの? そんな心配などさせない、どんな不幸にも遭わせない、それが結婚する相手に対する誠実な誓いなんじゃありませんの?」
その目はジードを値踏みするように見ていた。
ジードは笑みを浮かべながら首を傾げた。
「あなたを幸せにして私に何のメリットがあるのです? あなたは何をしてくれるのですか?」
そう言うとミリーはあぐあぐと口を閉じたり開いたりした。
「愛する人のためならば労力は惜しみません。絶対に幸せにしてみせると誓います。ですがあなたにその価値は見いだせないのですよ。私も貴族の端くれですから、あなたを愛せなくとも、せめてどんな未来になっても共に支え合い、歩んで行こうと思えるのならば、なんとか義務を果たせるかと思ったのですが」
ジードは、残念そうにミリーを見下ろした。
「あなたはご自分しか愛せない方のようですから、私には荷が重いようです。他にも婚約者候補はいらっしゃるようですから、他の方とのお話を進めてください。それでは、失礼いたします」
「あっ……! ちょ、ちょっと待って、私をこのままにして行かれるのですか? 見捨てるのですか? 女性のこんな姿を見て痛ましいとはお思いになりませんの?」
「申し訳ありません。私はあなたの今のその姿よりも、あなたの心こそを痛ましく思っております。私は婚約者候補でも何でもありませんので、この邸のことには関わるべきではありません。あなたのお望み通り、私も消えますよ」
そう言って一つ礼をすると、ジードは部屋から歩き去った。
残されたミリーは、怒りに頬をぷるぷると震わせた。
「ふっざけんじゃないわよーー!!」
邸中にミリーの大声がこだました。
その声に応える者は誰もいなかった。
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「あ。それなんですが……」
リンとアンナが何とも言えないように顔を見合わせるので、スフィーナは訝った。
「どうしたの?」
「はい。実は、あの後ラグート伯爵夫人から事の次第をお聞きして、私達も慌ててアンリーク邸へと帰ってきたんです。そうしたら、お邸は既にいつも通りになっていまして……」
「お父様が戻ってこられたのね」
「いえ、それが」
なんとも言いにくそうに濁したのにはわけがあった。
ナイフを持ち暴れていたミリーを取り押さえたのは、使用人たちだったのだ。
『主人になんてことをするの?! 無礼者!』
そう罵ったミリーに、使用人たちは告げた。
『主人の乱心をお諫めするのも使用人の務めです』
凶器をちらつかせ、脅すミリーにほとほと嫌気がさしたのだろう。
そして腹が立ったのだろう。
ミリーはぐるぐるに縛り上げられ、ベッドに寝かされていた。
ついでに口も塞がれていた。
そうでなければうるさすぎて、使用人たちの気が狂っていたことだろう。
ミリーの部屋でその姿を目の当たりにしたスフィーナは、さるぐつわを噛まされて、んーんー唸るミリーに、ぽかんとしてしまった。
それからつい笑いが漏れてしまった。
「そりゃあそうよね。使用人に向かってナイフを振り回している主人など、狂っている以外にないものね」
「んーんー!!」
ミリーはギッとスフィーナを睨みつけ、力の限り体をくねらせ精一杯の抗議を見せていた。
スフィーナがさるぐつわを外した瞬間、ミリーは「ふざっけんじゃありませんわ!!!」と叫んだ。
「お母様はお姉さまが次期当主に決まったとか言い出すし、使用人たちはこんな無礼を働くし!! 一体我が家はどうなっていると言うの?!」
なるほど。
ミリーを暴れさせるには最適な一言だ。
しかしそれに乗ってしまうミリーもミリーだ。
自分の頭で考え、自らの足で歩くことをしないから振り回され続けているのだということに、いまだに気付いていない。
「ミリー。ジード様との婚約が決まりかけていたのに、あなたはまたこんなことをして。もっと自分の人生を大切に生きた方がいいわ」
まっすぐに見つめても、ミリーは何を言っているのかと馬鹿にするような顔を浮かべるだけだった。
「私は誰よりも私が大切ですわ。ですからこうして私のものを守ろうとしてるんじゃありませんの」
「本当に? あなたはあなたの手の中に今何があるか、きちんと見えている?」
「またそうやって煙に巻こうというのでしょう? お姉さまとお話しするのは本当に疲れますわ。だから嫌なのよ」
「あなたはもう他人に踊らされずに、自分の生き方を見つめなおすべきよ」
「目障りなお姉さまが消えてくれたらね。人の邪魔ばかりしておいて、よく言えたものですわ」
やはり、言葉を尽くしても、駄目なのかもしれない。
スフィーナは無力感に苛まれながら、くるりと背を向けた。
「ちょ! ちょっと! この縄をほどきなさいよ!」
「解いたら私を殺そうとするのでしょう? お義母様みたいに」
「はああ?」
「悪いけど、お父様が帰っていらっしゃるまでそのままでいて」
「ふざけないでよ!! こんなことが許されるわけがない! 訴えてやるわ! 使用人たちもみんなみんな、揃いも揃って……嫌いよ! みんな大嫌いよ! みんな私の目の前から消えていなくなればいいんだわ!」
「そうですか……」
不意に低い男の声が聞こえて、ミリーはぴたりと動きを止めた。
はっと扉を振り向けば、そこにはスフィーナと入れ違いに婚約者候補であったジードの姿があった。
「昨夜、ミリー嬢の心が乱れているようでしたからね。様子をお伺いしようと先触れを出したら、お邸がとんでもないことになっていると聞き、慌てて駆け付けたのですが」
「ジード様、見てください! この邸の使用人たちはみんな私にこんなひどいことをするんですのよ? こんな、私を縄で縛ったりなんて……!」
さっきまで罵詈雑言を浴びせていたとは思えないほどに、途端に態度を変え目を潤ませたミリーを、ジードは痛ましげに見ていた。
「ええ。お話は伺いました。ですが私にはわかりません。婚約者であるあなた一人を信じるべきなのか、この邸の使用人、ラグート伯爵子息、私が先触れを頼んだ使用人、それら多くの人たちの一貫した話を信じるべきなのか」
「そんなの、使用人の話なんて聞く価値もありませんわ。たとえお姉さまが何を仰ってもそれは私を貶めるための意図しかありませんし、グレイグなんてその手駒にすぎませんもの。ジード様の婚約者は私ですわ。婚約者なのですから、信じるのは当たり前でしょう?」
「そうですね。でもそれは、互いに互いの未来を背負うのだという覚悟を持って、信頼関係を築こうとするからこそ、信じるのですよね。あなたには私と一生を歩む覚悟はあるのですか? 私の未来を背負う覚悟はあるのですか?」
「それはどういうことです? 何かジード様には隠していることでもあるのですか? 例えば借金がおありだとか」
露骨に眉を顰めたミリーに、ジードはおかしそうに笑った。
「いえ。そうではありませんよ。でもこの先何があるかなんて、誰にもわかりません。仰るように、借金を負うこともあるかもしれません。そうなったときに、共に立ち向かう覚悟はあるのかとお聞きしたかったのですよ」
ミリーはしばらく黙り込んだ。
そして言った。
「それは無能というのではありませんの? そんな心配などさせない、どんな不幸にも遭わせない、それが結婚する相手に対する誠実な誓いなんじゃありませんの?」
その目はジードを値踏みするように見ていた。
ジードは笑みを浮かべながら首を傾げた。
「あなたを幸せにして私に何のメリットがあるのです? あなたは何をしてくれるのですか?」
そう言うとミリーはあぐあぐと口を閉じたり開いたりした。
「愛する人のためならば労力は惜しみません。絶対に幸せにしてみせると誓います。ですがあなたにその価値は見いだせないのですよ。私も貴族の端くれですから、あなたを愛せなくとも、せめてどんな未来になっても共に支え合い、歩んで行こうと思えるのならば、なんとか義務を果たせるかと思ったのですが」
ジードは、残念そうにミリーを見下ろした。
「あなたはご自分しか愛せない方のようですから、私には荷が重いようです。他にも婚約者候補はいらっしゃるようですから、他の方とのお話を進めてください。それでは、失礼いたします」
「あっ……! ちょ、ちょっと待って、私をこのままにして行かれるのですか? 見捨てるのですか? 女性のこんな姿を見て痛ましいとはお思いになりませんの?」
「申し訳ありません。私はあなたの今のその姿よりも、あなたの心こそを痛ましく思っております。私は婚約者候補でも何でもありませんので、この邸のことには関わるべきではありません。あなたのお望み通り、私も消えますよ」
そう言って一つ礼をすると、ジードは部屋から歩き去った。
残されたミリーは、怒りに頬をぷるぷると震わせた。
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