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第二章
第9話
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ラグート邸に戻り、手当てを終えたスフィーナを前に、グレイグは他に怪我はないかと全身くまなく確認し、それからほっと息を吐いた。
だが、顔を上げたときにはその目は厳しいものになっていた。
「何故あんな無茶をした」
「心配かけてごめんなさい。だけど確証が持てなければいつまでも埒が明かないと思ったのよ。たくさんの人がいる中だから、あとからでも確認できる目印があった方がわかりやすいし」
怪我をした男三人とイザベラは、両腕に怪我を負っていた。
それはダスティンがあたりをつけていたのと同じ顔触れだ。ゲイツをけしかけたのは彼らに違いなかった。
スフィーナは、サナの無念の分も、せっかく加護を与えてくれた女神に報いるためにも、やられてからやり返すだけではなく、その指輪の効果を最大限に利用したかったのだ。
「スフィーナを狙おうとする動きは既に察知しているからあたりはつけられたとアンリーク伯爵も言っていただろう! 何もその身に怪我まで負うことはない!」
「あのお義母さまのことだもの。また陽動も含まれていたかもしれないじゃない。二重に確認できた方が確かでしょう。何の関係もない人に冤罪を着せるわけにはいかないわ」
「だとしても……。俺はスフィーナに怪我を負わせたくはなかった。その気持ちもわかってくれ」
グレイグはスフィーナの包帯の巻かれた左腕に視線を落とし、苦しげに眉を顰めた。
馬車に乗っている間も、ラグート邸に戻ってからもずっと怒っていたグレイグのそんな姿に、スフィーナは「ごめんなさい」と声を落とした。
相談もせずに独断で行動したことは申し訳ないと思っている。
だが相談したところで、却下されただろうことは目に見えている。
グレイグも、ダスティンも、スフィーナを守るためにしていることであって、スフィーナを危険にさらすつもりはないとわかっていたから。
それはとても嬉しいし、ありがたいことだ。
だが自分のことなのに、いつも傷つかずに守られているばかりなのは嫌だったのだ。
「勝手なことをしたとはわかっているわ。でもそのために護身術も教えてもらってたし、想定される攻撃に対する身のかわしかたは何度もグレイグと練習していたし」
「その通りだ。かわすために、無事であるために必死で教えこんだんだ。狙われたという事実それだけでじゅうぶんだったんだからな」
スフィーナは言い返そうと口を開き、痛ましげに顔を曇らせるグレイグの顔を目の当たりにして口を閉じた。
「――心配をかけてごめんなさい」
しゅん、と言葉尻をすぼめれば、グレイグは腹の底から吐き出すように、肩ではあと息を吐いた。
「いや、いい。謝ってほしいわけじゃない。ただ、もっと自分を大事にしてほしいだけだ」
「ありがとう。だけど私だって、グレイグやお父様のことが大事なの。これ以上二人を危険にさらしたりしたくはなかったの。そう思う気持ちはグレイグと同じでしょう?」
そっと見上げれば、グレイグがやれやれと頬を緩めたのがわかった。
「もうわかったよ。とにかくスフィーナが無事でよかった。だけど頼むから、もう危険なことはしないでくれ。スフィーナを失ったら、俺もアンリーク伯爵も何のためにここまで頑張ってきたのかわからなくなるから」
「うん。ごめんね。ありがとう」
グレイグはそっとスフィーナを抱きしめた。
背中に回された手は震えていた。
グレイグも派兵を知った時のスフィーナと同じ。
スフィーナを失うことを恐れていたのだとわかった。
「ごめんね」
何度もそう言って、スフィーナはきつくグレイグを抱きしめ返した。
・・・◆・・・◇・・・◆・・・
その後。ダスティンは怪我を負ったイザベラや、母親に怪我を負わせてしまい動揺していたミリーを邸まで連れ帰り、様々な事後処理を終えた夜中にラグート邸へとやってきた。
勿論スフィーナはひどく怒られた。
「だがまあ大きな怪我にならずに済んでよかった」
「グレイグと訓練したもの」
「慢心は油断を生むぞ。まだ油断はできん。ミリーが相当荒れておったからな」
グレイグとスフィーナは顔を見合わせた。
「最初はスフィーナを悪女とのたまったゲイツに便乗するように、あれこれとスフィーナが何をやらかしただのと吹聴しておったのだが。しばらくしてヘイムート公爵が会場に戻ってきてな」
ヘイムート公爵は会場に残った人々に向かって騒がせたことを謝罪し、事の次第を話した。
ゲイツを辺境の地ガルシアに送り込んだのはヘイムート公爵自身であること。
ゲイツが派兵されたことにスフィーナは全くの無関係であること。
「アホ息子のやらかしたことの収拾をつけるのは当然のことだな。ヘイムート公爵がまだまともな人間でよかった」
「まあ、公爵の大きすぎる抑圧がああいった息子が育ってしまった一つの要因ではあると思うがな。私も人のことは言えまい。イザベラが罪をおかしたとて、その子であるミリーには罪はないと、スフィーナと分け隔てなく育てたつもりだったが、あれはどんどん思わぬ方向にばかり歪んでいき、結局は空虚ばかりを胸に抱えた寂しい人間になってしまった」
ヘイムート公爵が事の次第を話しに戻る前から、会場にはゲイツを唆したのはミリーなのではないかとあちこちで囁かれていたのだという。
ヘイムート公爵を唆したのは、スフィーナではなくミリーなのではないか。
グレイグよりも自分の婚約者であるゲイツが優れていると知らしめたかったのではないか。
それがうまくいかなかったから、今度はゲイツを唆して腹いせにスフィーナを害そうとしたのではないか。
そう考えた方が彼らにとって自然だったのだ。
何故なら学院に通う子息子女はミリーが普段スフィーナを貶めるために、ありもしない悪行を吹聴して回っていることを知っているからだ。
これまでミリーは口で貶めるだけだったから周囲も聞き流していたが、さすがに今回のことは行き過ぎであり、ミリーがアンリーク家の次期当主となったとしても付き合いは控えたいとまで聞こえてきたそうだ。
「ミリーも躍起になって声を張り上げていたがな。イザベラの手当の方が先だと宥めて、なんとか家に連れ帰った。馬車の中でいろいろと話をしたが、もう聞く耳は持たなかった。サナの願いでもあったから、ここまで見捨てずに来たつもりだったが。あれはもう、来るところまで来てしまったかもしれんな」
ダスティンは組んだ手の上に視線を落とした。
スフィーナは何と言っていいのかわからなくなったが、ダスティンはすぐに顔を上げた。
「まあ、無謀なスフィーナのおかげでやっとあちらの片は付きそうだ」
ダスティンが名を挙げたのは、三人。
やはりスフィーナが会場で顔を確認した男たちだった。
ロクに話したこともない。挨拶すら交わしたことがあるかも定かではなかった。
そんな人たちに、他人の領地であるのに欲し、勝手に疎ましがられ、害されようとしていたのかと思うと腹が立った。
「明日、それぞれに不正の疑いで国の手が入ることになっている。勿論国王了承の元だ。いずれも黒いものばかり隠しこんでいる輩でよかったというべきか。牢に入ればそれまでだ」
「国王? まさか、そんなところまで絡んでいたとは」
グレイグが呆気にとられたように呟いたが、スフィーナの驚きはそれ以上だった。
「お父様、いつ陛下とそんな親しい仲に?」
「不断の努力で、というのは半ば冗談だが。モルント鉱山を外交に利用してもらう」
「外交に?」
「売るのは情報だよ。他国から観光と称して、『良質なダイヤモンドやピンクダイヤモンドが採れた歴史的な鉱山』がどんなところか、地質やら何やら採掘できそうな条件を探りに来る。一般の国民にとってはただの観光だが、山も土地もたくさん持っている国は、自国のどこかに採れる可能性が高い場所がないか、知りたいのさ」
なるほど、とスフィーナは頷いた。
舌を巻くと言うのはこういうことを言うのだろう。
「国が関わるなら、もうモルント鉱山が一貴族に狙われることはなくなるのね」
「ああ。イザベラに繋がりがある者たちを排除したところで、モルント鉱山を狙う者は後を絶たない。だから根本的に対応しなければならなかった。おかげでここまで時間がかかってしまったが、それも明日で終わりだ」
あと少し。
明日になれば、全て片が付く。
ダスティンの言葉は心強くはあったが、スフィーナは一人ベッドに横になってもなかなか寝付けなかった。
あの義母が、ミリーが、大人しくされたままにしているだろうか。
スフィーナには、このまま終わるとは思えなかった。
だが、顔を上げたときにはその目は厳しいものになっていた。
「何故あんな無茶をした」
「心配かけてごめんなさい。だけど確証が持てなければいつまでも埒が明かないと思ったのよ。たくさんの人がいる中だから、あとからでも確認できる目印があった方がわかりやすいし」
怪我をした男三人とイザベラは、両腕に怪我を負っていた。
それはダスティンがあたりをつけていたのと同じ顔触れだ。ゲイツをけしかけたのは彼らに違いなかった。
スフィーナは、サナの無念の分も、せっかく加護を与えてくれた女神に報いるためにも、やられてからやり返すだけではなく、その指輪の効果を最大限に利用したかったのだ。
「スフィーナを狙おうとする動きは既に察知しているからあたりはつけられたとアンリーク伯爵も言っていただろう! 何もその身に怪我まで負うことはない!」
「あのお義母さまのことだもの。また陽動も含まれていたかもしれないじゃない。二重に確認できた方が確かでしょう。何の関係もない人に冤罪を着せるわけにはいかないわ」
「だとしても……。俺はスフィーナに怪我を負わせたくはなかった。その気持ちもわかってくれ」
グレイグはスフィーナの包帯の巻かれた左腕に視線を落とし、苦しげに眉を顰めた。
馬車に乗っている間も、ラグート邸に戻ってからもずっと怒っていたグレイグのそんな姿に、スフィーナは「ごめんなさい」と声を落とした。
相談もせずに独断で行動したことは申し訳ないと思っている。
だが相談したところで、却下されただろうことは目に見えている。
グレイグも、ダスティンも、スフィーナを守るためにしていることであって、スフィーナを危険にさらすつもりはないとわかっていたから。
それはとても嬉しいし、ありがたいことだ。
だが自分のことなのに、いつも傷つかずに守られているばかりなのは嫌だったのだ。
「勝手なことをしたとはわかっているわ。でもそのために護身術も教えてもらってたし、想定される攻撃に対する身のかわしかたは何度もグレイグと練習していたし」
「その通りだ。かわすために、無事であるために必死で教えこんだんだ。狙われたという事実それだけでじゅうぶんだったんだからな」
スフィーナは言い返そうと口を開き、痛ましげに顔を曇らせるグレイグの顔を目の当たりにして口を閉じた。
「――心配をかけてごめんなさい」
しゅん、と言葉尻をすぼめれば、グレイグは腹の底から吐き出すように、肩ではあと息を吐いた。
「いや、いい。謝ってほしいわけじゃない。ただ、もっと自分を大事にしてほしいだけだ」
「ありがとう。だけど私だって、グレイグやお父様のことが大事なの。これ以上二人を危険にさらしたりしたくはなかったの。そう思う気持ちはグレイグと同じでしょう?」
そっと見上げれば、グレイグがやれやれと頬を緩めたのがわかった。
「もうわかったよ。とにかくスフィーナが無事でよかった。だけど頼むから、もう危険なことはしないでくれ。スフィーナを失ったら、俺もアンリーク伯爵も何のためにここまで頑張ってきたのかわからなくなるから」
「うん。ごめんね。ありがとう」
グレイグはそっとスフィーナを抱きしめた。
背中に回された手は震えていた。
グレイグも派兵を知った時のスフィーナと同じ。
スフィーナを失うことを恐れていたのだとわかった。
「ごめんね」
何度もそう言って、スフィーナはきつくグレイグを抱きしめ返した。
・・・◆・・・◇・・・◆・・・
その後。ダスティンは怪我を負ったイザベラや、母親に怪我を負わせてしまい動揺していたミリーを邸まで連れ帰り、様々な事後処理を終えた夜中にラグート邸へとやってきた。
勿論スフィーナはひどく怒られた。
「だがまあ大きな怪我にならずに済んでよかった」
「グレイグと訓練したもの」
「慢心は油断を生むぞ。まだ油断はできん。ミリーが相当荒れておったからな」
グレイグとスフィーナは顔を見合わせた。
「最初はスフィーナを悪女とのたまったゲイツに便乗するように、あれこれとスフィーナが何をやらかしただのと吹聴しておったのだが。しばらくしてヘイムート公爵が会場に戻ってきてな」
ヘイムート公爵は会場に残った人々に向かって騒がせたことを謝罪し、事の次第を話した。
ゲイツを辺境の地ガルシアに送り込んだのはヘイムート公爵自身であること。
ゲイツが派兵されたことにスフィーナは全くの無関係であること。
「アホ息子のやらかしたことの収拾をつけるのは当然のことだな。ヘイムート公爵がまだまともな人間でよかった」
「まあ、公爵の大きすぎる抑圧がああいった息子が育ってしまった一つの要因ではあると思うがな。私も人のことは言えまい。イザベラが罪をおかしたとて、その子であるミリーには罪はないと、スフィーナと分け隔てなく育てたつもりだったが、あれはどんどん思わぬ方向にばかり歪んでいき、結局は空虚ばかりを胸に抱えた寂しい人間になってしまった」
ヘイムート公爵が事の次第を話しに戻る前から、会場にはゲイツを唆したのはミリーなのではないかとあちこちで囁かれていたのだという。
ヘイムート公爵を唆したのは、スフィーナではなくミリーなのではないか。
グレイグよりも自分の婚約者であるゲイツが優れていると知らしめたかったのではないか。
それがうまくいかなかったから、今度はゲイツを唆して腹いせにスフィーナを害そうとしたのではないか。
そう考えた方が彼らにとって自然だったのだ。
何故なら学院に通う子息子女はミリーが普段スフィーナを貶めるために、ありもしない悪行を吹聴して回っていることを知っているからだ。
これまでミリーは口で貶めるだけだったから周囲も聞き流していたが、さすがに今回のことは行き過ぎであり、ミリーがアンリーク家の次期当主となったとしても付き合いは控えたいとまで聞こえてきたそうだ。
「ミリーも躍起になって声を張り上げていたがな。イザベラの手当の方が先だと宥めて、なんとか家に連れ帰った。馬車の中でいろいろと話をしたが、もう聞く耳は持たなかった。サナの願いでもあったから、ここまで見捨てずに来たつもりだったが。あれはもう、来るところまで来てしまったかもしれんな」
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ダスティンが名を挙げたのは、三人。
やはりスフィーナが会場で顔を確認した男たちだった。
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そんな人たちに、他人の領地であるのに欲し、勝手に疎ましがられ、害されようとしていたのかと思うと腹が立った。
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「国王? まさか、そんなところまで絡んでいたとは」
グレイグが呆気にとられたように呟いたが、スフィーナの驚きはそれ以上だった。
「お父様、いつ陛下とそんな親しい仲に?」
「不断の努力で、というのは半ば冗談だが。モルント鉱山を外交に利用してもらう」
「外交に?」
「売るのは情報だよ。他国から観光と称して、『良質なダイヤモンドやピンクダイヤモンドが採れた歴史的な鉱山』がどんなところか、地質やら何やら採掘できそうな条件を探りに来る。一般の国民にとってはただの観光だが、山も土地もたくさん持っている国は、自国のどこかに採れる可能性が高い場所がないか、知りたいのさ」
なるほど、とスフィーナは頷いた。
舌を巻くと言うのはこういうことを言うのだろう。
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「ああ。イザベラに繋がりがある者たちを排除したところで、モルント鉱山を狙う者は後を絶たない。だから根本的に対応しなければならなかった。おかげでここまで時間がかかってしまったが、それも明日で終わりだ」
あと少し。
明日になれば、全て片が付く。
ダスティンの言葉は心強くはあったが、スフィーナは一人ベッドに横になってもなかなか寝付けなかった。
あの義母が、ミリーが、大人しくされたままにしているだろうか。
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