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第二章 しがない村民なのにお城とか
4.この国の神
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国王への挨拶は速やかに済んだ。
私は自分の名前を名乗ったくらいで、あとはリヒャルトが話してくれたから、ぼんやりしている間に「聖女としてこの国をよろしく」「王太子妃としてリヒャルトをよろしく」と二つの話が通ってしまった。
あらかじめリヒャルトから話は通してあったらしいけれど、あまりに簡単に話が進むので拍子抜けしてしまった。
特に後者がすんなり通るとは思わなかった。
国王よ、本当にいいのか? と思ったけれど、仮初めの婚約だと知っているから許してくれたのかもしれない。
私とリヒャルトはその仲を知らしめるため、時間があるときは二人揃って城内を歩くことにしていた。
まだリイナとの婚約が解消されたわけではないから、手を繋いだりとか露骨なことはしない。
水面下では婚約解消とリイナの新しい婚約に向けて話は進んでいたけど、私の聖女検証が済むまでは公にはしない。
私達は薄く微笑みを張り付けながら、互いにだけ聞こえるような小声でずっと会話を続けていた。
私は城のことやこの国の事をあまりよく知らない。
教わっておかなければならないことがたくさんあった。
勿論城にいる以上は最低限のマナーだとかの教育を受けてはいたが、どこの伯爵が教会派だとか、勢力図だとかは直接リヒャルトから聞くしかない。
ここにこのお散歩のもう一つの目的がある。
私につけられた侍女にスパイ疑惑があり、そういった話が室内ではできないからだ。
移動中は少し離れたところに護衛騎士が前後についているだけで、すぐ側で聞き耳を立てられる心配はない。
人の目も耳もある場所なのに、密談に持ってこいとはおかしな話だけど。
「そういうわけで、ライゼンスト伯爵は教会派のニールズ伯爵の不正を明かしたことによって、教会派の連中に貶められてしまったんだよ」
「それで領地に瘴気が満ちてるって聖女に言わせるなんて。悪徳ね。そんなこと言われたら作物はどれも値崩れするわ。領地の多くが農地でその収益で成り立っているのに」
「お告げを出すだけ出して噂を広めて、当の聖女は他に急ぎ祈祷しなければならないことがあると言ってなかなか対応しなかった。その間にもライゼンスト伯爵はあれこれ策を打ったが、誰もそんな作物は買いたがらない。聖女がその後瘴気が祓われたと再び告げたときには十分に噂は広がってしまっていた」
その後も値崩れは止まず、作物は売れなくなり、領地経営はたちいかなくなり、結局家は没落してしまった。
正しく生きる者がそんな目に遭うなんて、やっていられない。
結局作物は国が買い取る形となり、教会に寄付したり城内で消費したりしているらしい。
「聖女さまが瘴気を払ってくれたありがたい作物だ! って逆宣伝しちゃえばよかったのに」
「なるほど。こすいことを考えるものだな」
リヒャルトは失礼なことを言いつつ目を見開いて驚いたが、先に手を出してきたのはあちらだ。逆手にとって何が悪い、と思う。
「しかしライゼンスト伯爵は堅物でね。教会や聖女の威を借りるような真似はできなかったと思うよ」
「領民の暮らしを守るのが伯爵の仕事なんでしょ。自分の仕事をまっとうすることにプライドを持つべきじゃない?」
何を個人の意地など守っているのかと思う。
そんなもので飢え死んだら領民たちだってたまったものではない。
まあ、過去の話な上に、机上の空論なんて実際にうまくいったかどうかなんてわからないのだから、ここで話していても意味のないことだ。
ライゼンスト伯爵だって手を尽くしたと言っていたのだから、言うほど簡単なことではないんだろうし。
けれどリヒャルトはしばらく考えるようにして黙り込んでしまった。
邪魔してはいけないかなとは思ったけれど、沈黙が耐えがたくなってつい口を開いた。
「その……ライゼンスト伯爵はその後どうしてるの?」
「ああ。今は隣国にいる。守り切れず力不足を痛感しているが、この件がうまくいって教会の肥大化した権力を適正なものに戻せれば、彼を呼び戻すつもりだ。領地も国が預かっている。彼はとても優秀だったからな。その一本気なところが今回は仇になったわけだが、それは国のための力になる。と、思ったんだが。今、考え直す必要がありそうだなと思っていたところだ」
「え?! いやいや、うそうそ、あれよね、正統派とかどこまでも一本気な人って一人は必要よね! いろんな人がいていろんな意見があるから偏らない政治っていうのができるわけでしょ? そのライゼンスト伯爵も、きっと必要な人なんだよ」
私がロクに考えもせず反射で言っただけの言葉で、救われるはずだった人が救われなくなったら申し訳なさすぎる。
「ユリシアはいつも思わぬ言葉を返す。そのことに感心していただけだ。国を治めるには様々な視点から見ることが必要だからな」
リヒャルトの私を見る目が面白そうに細められていた。
「だが勿論、この件に関してはライゼンスト伯爵だけのせいでもなく、不当に貶められたということに変わりはない。そのままにしてはおけまい」
その言葉に、ほっとする。
何も知らないのに不用意に発言するのはやめようと肝に命じた。
しかし。
こうして話を聞くと怒りが沸いてくる。
歴代の聖女を否応もなく連れ去り、教会にほとんど監禁のようにしてひたすら祈らせているというのも腹が立つ。
何故一人が犠牲にならなければならないのか。
神に祈るなんて、やりたい人がやればいい。
信じている人たちがやればいいことだ。
それが国や国民を救うことにつながるのならまだしも、そうして足の引っ張り合いにしか使わないのであればなおさらだ。
何のために人生を束縛されたのかと思う。
それに、ゼレニウス教会の教えというのにも、あまりに無駄に思えることが多かった。
こうあらねばならない、そうせねばならない、という決まりごとが多いのだが、果たして神というものはそんなことを望んでいるのかと思ってしまう。
例えば、ミルーという赤い果実があるのだが、それは信者しか食べてはいけないことになっている。
だがそれは四十年ほど前に決まったことだという。
当時の聖女にそんな神のお告げがあったのだそうだが、何故神は四十年前に突然そんなことを言い出したのか。
それからクトニルという野菜を作るときはその畑の一列分を川に流さなければならないことになっている。
おかげで無駄に土地を使わねばならないし、何よりも川が汚れる。腐ったクトニルが大量に流れつく川下では、毎年その季節に魚の死骸がぷかぷかと浮くことになる。
そんなことを何故神が求めるのか。
意味がわからない。
むしろ勿体ないと豊穣の神とか大地の神だとかが怒るのではないかと思うのだが、それは農民たちが生活の一部として信仰する神であって、ゼレニウス教会が信仰する神とは怒るポイントが違うということだろうか。
ゼレニウス教会の教義は、どうにも人間くさい気がしてならない。
ライゼンスト伯爵の件だけではなく、教会が決めたいくつもの意味が分からない決め事のほとんどが、神ではなく、その手前で人間様がその人たちにだけ都合がいいように決めているようにしか思えない。
だから私はゼレニウス教会をうさんくさく思ってしまう。
だけどそうやって日頃私と一緒にぶつぶつと文句を言っている双子の姉が聖女だというのだから、案外その神は教会の勝手を怒っているのではないかなんて思った。
私は自分の名前を名乗ったくらいで、あとはリヒャルトが話してくれたから、ぼんやりしている間に「聖女としてこの国をよろしく」「王太子妃としてリヒャルトをよろしく」と二つの話が通ってしまった。
あらかじめリヒャルトから話は通してあったらしいけれど、あまりに簡単に話が進むので拍子抜けしてしまった。
特に後者がすんなり通るとは思わなかった。
国王よ、本当にいいのか? と思ったけれど、仮初めの婚約だと知っているから許してくれたのかもしれない。
私とリヒャルトはその仲を知らしめるため、時間があるときは二人揃って城内を歩くことにしていた。
まだリイナとの婚約が解消されたわけではないから、手を繋いだりとか露骨なことはしない。
水面下では婚約解消とリイナの新しい婚約に向けて話は進んでいたけど、私の聖女検証が済むまでは公にはしない。
私達は薄く微笑みを張り付けながら、互いにだけ聞こえるような小声でずっと会話を続けていた。
私は城のことやこの国の事をあまりよく知らない。
教わっておかなければならないことがたくさんあった。
勿論城にいる以上は最低限のマナーだとかの教育を受けてはいたが、どこの伯爵が教会派だとか、勢力図だとかは直接リヒャルトから聞くしかない。
ここにこのお散歩のもう一つの目的がある。
私につけられた侍女にスパイ疑惑があり、そういった話が室内ではできないからだ。
移動中は少し離れたところに護衛騎士が前後についているだけで、すぐ側で聞き耳を立てられる心配はない。
人の目も耳もある場所なのに、密談に持ってこいとはおかしな話だけど。
「そういうわけで、ライゼンスト伯爵は教会派のニールズ伯爵の不正を明かしたことによって、教会派の連中に貶められてしまったんだよ」
「それで領地に瘴気が満ちてるって聖女に言わせるなんて。悪徳ね。そんなこと言われたら作物はどれも値崩れするわ。領地の多くが農地でその収益で成り立っているのに」
「お告げを出すだけ出して噂を広めて、当の聖女は他に急ぎ祈祷しなければならないことがあると言ってなかなか対応しなかった。その間にもライゼンスト伯爵はあれこれ策を打ったが、誰もそんな作物は買いたがらない。聖女がその後瘴気が祓われたと再び告げたときには十分に噂は広がってしまっていた」
その後も値崩れは止まず、作物は売れなくなり、領地経営はたちいかなくなり、結局家は没落してしまった。
正しく生きる者がそんな目に遭うなんて、やっていられない。
結局作物は国が買い取る形となり、教会に寄付したり城内で消費したりしているらしい。
「聖女さまが瘴気を払ってくれたありがたい作物だ! って逆宣伝しちゃえばよかったのに」
「なるほど。こすいことを考えるものだな」
リヒャルトは失礼なことを言いつつ目を見開いて驚いたが、先に手を出してきたのはあちらだ。逆手にとって何が悪い、と思う。
「しかしライゼンスト伯爵は堅物でね。教会や聖女の威を借りるような真似はできなかったと思うよ」
「領民の暮らしを守るのが伯爵の仕事なんでしょ。自分の仕事をまっとうすることにプライドを持つべきじゃない?」
何を個人の意地など守っているのかと思う。
そんなもので飢え死んだら領民たちだってたまったものではない。
まあ、過去の話な上に、机上の空論なんて実際にうまくいったかどうかなんてわからないのだから、ここで話していても意味のないことだ。
ライゼンスト伯爵だって手を尽くしたと言っていたのだから、言うほど簡単なことではないんだろうし。
けれどリヒャルトはしばらく考えるようにして黙り込んでしまった。
邪魔してはいけないかなとは思ったけれど、沈黙が耐えがたくなってつい口を開いた。
「その……ライゼンスト伯爵はその後どうしてるの?」
「ああ。今は隣国にいる。守り切れず力不足を痛感しているが、この件がうまくいって教会の肥大化した権力を適正なものに戻せれば、彼を呼び戻すつもりだ。領地も国が預かっている。彼はとても優秀だったからな。その一本気なところが今回は仇になったわけだが、それは国のための力になる。と、思ったんだが。今、考え直す必要がありそうだなと思っていたところだ」
「え?! いやいや、うそうそ、あれよね、正統派とかどこまでも一本気な人って一人は必要よね! いろんな人がいていろんな意見があるから偏らない政治っていうのができるわけでしょ? そのライゼンスト伯爵も、きっと必要な人なんだよ」
私がロクに考えもせず反射で言っただけの言葉で、救われるはずだった人が救われなくなったら申し訳なさすぎる。
「ユリシアはいつも思わぬ言葉を返す。そのことに感心していただけだ。国を治めるには様々な視点から見ることが必要だからな」
リヒャルトの私を見る目が面白そうに細められていた。
「だが勿論、この件に関してはライゼンスト伯爵だけのせいでもなく、不当に貶められたということに変わりはない。そのままにしてはおけまい」
その言葉に、ほっとする。
何も知らないのに不用意に発言するのはやめようと肝に命じた。
しかし。
こうして話を聞くと怒りが沸いてくる。
歴代の聖女を否応もなく連れ去り、教会にほとんど監禁のようにしてひたすら祈らせているというのも腹が立つ。
何故一人が犠牲にならなければならないのか。
神に祈るなんて、やりたい人がやればいい。
信じている人たちがやればいいことだ。
それが国や国民を救うことにつながるのならまだしも、そうして足の引っ張り合いにしか使わないのであればなおさらだ。
何のために人生を束縛されたのかと思う。
それに、ゼレニウス教会の教えというのにも、あまりに無駄に思えることが多かった。
こうあらねばならない、そうせねばならない、という決まりごとが多いのだが、果たして神というものはそんなことを望んでいるのかと思ってしまう。
例えば、ミルーという赤い果実があるのだが、それは信者しか食べてはいけないことになっている。
だがそれは四十年ほど前に決まったことだという。
当時の聖女にそんな神のお告げがあったのだそうだが、何故神は四十年前に突然そんなことを言い出したのか。
それからクトニルという野菜を作るときはその畑の一列分を川に流さなければならないことになっている。
おかげで無駄に土地を使わねばならないし、何よりも川が汚れる。腐ったクトニルが大量に流れつく川下では、毎年その季節に魚の死骸がぷかぷかと浮くことになる。
そんなことを何故神が求めるのか。
意味がわからない。
むしろ勿体ないと豊穣の神とか大地の神だとかが怒るのではないかと思うのだが、それは農民たちが生活の一部として信仰する神であって、ゼレニウス教会が信仰する神とは怒るポイントが違うということだろうか。
ゼレニウス教会の教義は、どうにも人間くさい気がしてならない。
ライゼンスト伯爵の件だけではなく、教会が決めたいくつもの意味が分からない決め事のほとんどが、神ではなく、その手前で人間様がその人たちにだけ都合がいいように決めているようにしか思えない。
だから私はゼレニウス教会をうさんくさく思ってしまう。
だけどそうやって日頃私と一緒にぶつぶつと文句を言っている双子の姉が聖女だというのだから、案外その神は教会の勝手を怒っているのではないかなんて思った。
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