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第二章 しがない村民なのにお城とか
3.婚約者
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「お話し中失礼いたします」
そう言って淑女の礼をとったのは、ふわふわの髪の少女だった。
橙に近い金色の瞳は温かみがあり、ふわりと笑んだその顔はとろけるように甘くて。
お菓子みたいな女の子だなと思った。
年は十四か五というところだろうか。
あまりにかわいらしくてぼんやりと突っ立っていた私を見つけ、ぱっとその顔が明るんだ。
「私はリイナ=シュゼイストと申します。聖女ユリシア様、ずっとお会いしたいと思っておりましたの」
きらきらとした熱い瞳で見つめられると、なんだかぽっとしてしまう。女なのに。
ふわふわでかわいくて、どこか儚げで、守ってあげたくなるような女の子だった。
「リイナは公爵家の長女であり、私の婚約者だ」
ということは、幼い頃から王妃教育を受けてきたはずだ。
それらがすべて無駄になってしまうのだ。
腹立ちはいかばかりかとおそるおそるその顔を見上げれば、きらきらと潤む瞳があった。
――え、泣いて……?!
「ずっとあなたのような存在が現れないかと、神にお祈りしていたのです! どうか、私よりも殿下に相応しい方が現れますようにと」
「そんな、私はだって」
「いいえ! お話は殿下より聞いております。お優しい殿下を叱り、励まし、共に歩んでくださるユリシア様のような方こそ殿下には相応しいのです。私では心まで捧げることはできませんから」
そう言って、ぽっと頬を染めた。
これは、もしかして――。
目が合うと、照れたようにぱっとそらす。そんな仕草もかわいらしくてむぎゅっとしたくなった。
「殿下はご存じですが、どうか他の方には内緒にしてくださいませ。お察しの通り、私には他にお慕いする方がいるのです。敵わぬ想いだと、押し込めてまいりました。国王様と公爵である父とが決めた婚約でしたから、私に否やはありません。故意に失態をおかして殿下に嫌われるような真似をすれば、我が公爵家に恥を塗ることになります。どうにもならないことだと思いながらも、私よりも王太子妃としてふさわしい方があらわれてくれたらと、願わずにはいられなかったのです」
リイナは潤む瞳を拭うと顔の前で手を組み、きらきらとした瞳を向けた。
「ああ、神はいらっしゃったのですね! 心優しい殿下が心から想う最愛の人をつかわしてくださり、私も王太子妃の座はお譲りすることができました。本当に神に感謝してもしきれません」
聖女が神に愛された証だというのなら、確かに神のおかげと言えるだろう。
とっても複雑な心境だけれども。
「いえ、まだ教会に認められた身ではありませんが、お役に立てたのなら光栄です」
しどろもどろに答えれば、リイナは組んだ手を崩さないまま、一層瞳の輝きを増して私を見た。
「それでユリシア様は、雨に打たれ高い熱に苦しむ殿下をお助けになったとか。そこで生まれる愛、素晴らしいですわ! よろしければお二人のなれそめについてもっと詳しくお話を聞かせてくださいませんか?」
「え? いや、それが話の全てですけど……」
「え? 何かもっとこう、好きになった瞬間とか、初めてのキスとか」
「いえいえいえいえ!! そんな、もう、あの」
早い。話が早い。
とてもついていけなくて、赤くなったり青くなったりして手をぶんぶんと振り回せば、リヒャルトが後を引き取ってくれた。
「彼女はとても正直でね。私の着ている物を見ればそれなりの地位にあるものだとはわかっただろうに、へりくだるでもなく、そして横柄な態度を取って見せた私にも構わずあれこれと世話をしてくれたんだ」
リイナは、へえ、と相槌をうってはいるが、まだ感動ポイントはどこだろうかと探すような目をしている。
それで? というように続きを待つキラキラとした目に、この話、ちゃんとオチがつくのだろうかとハラハラする。
「私がユリシアのベッドを借りる間、彼女を床で寝かせることになってしまって随分と隣の部屋では文句を言っていたが、それを隠すことなく不機嫌なまま私の元に現れるんだ。普通は邪魔だと思っていることなんておくびにも出さないだろう?」
「ええ、そうですわね、普通は」
なかなか美談にならない。
けれどリヒャルトは強引にまとめ始めた。
「そういうところがいいんだよ。裏がない。だから信じられる。腹の探り合いばかりをしているこの城にいると、ユリシアのように人によって態度を変えない正直な人間は、私には本当に聖女に見えたよ」
『死か恥か選べ』とか言ったり、病人を寝かしつけるためにベッドに押し倒した女が聖女に見えるわけもない。
そもそもリヒャルトには正直ではないと言われているのに、そこを美点としてもってくるとはなかなかに高度なことをする。
他にもっとうまく言えなかったのかと恨みがましい目を向けたくなるけど、にこりと笑みを向けられれば曖昧な笑みを返すしかない。
先程の私の演技力を見た後だ。「おまえは黙っていろ」ということだろう。
しかしリイナは、で? というように続きをわくわくと待っている。
どうやらそれで惚れたようには聞こえなかったようだ。
するとリヒャルトは少しだけ間を置いて再び口を開いた。
「ユリシアは心根が正直ではあるが、いろんな感情を素直に見せてくれるわけではない。だが観察しているといろいろな面が見えてくる。それが楽しい。もっといろんな顔を見せてほしいと、もっと傍にいたいと思った。だからプロポーズしたんだ」
リヒャルトが優しく笑いながらそんなことを言うから、私まで少しどぎまぎしてしまった。
言ってる内容はよく聞くようなセリフだけど、その顔があまりにも、なんというか、その……。
リイナにも効果てきめんで、「まああぁぁ!」と喜色に顔を輝かせた。
「そうでしたのね! 殿下は本当にユリシア様にぞっこんですのね。その優しく垂れる瞳を拝見したらもうこれ以上の言葉など必要ありませんわね。殿下にこんな甘い顔をさせる方が現れるなんて、願ってはいても、本当に起こりうるとは思ってもいませんでしたわ。私もグランツ様とお話していると恥ずかしいくらい自分が自分ではなくなってしまいますの」
最後は結局自分の話になってしまいながらも、ぽっと頬を赤らめたリイナは恋する乙女そのもので。
素直に応援したくなった。
「リイナ様もお幸せなのでしたら、私も嬉しいです」
「ユリシア様のおかげですわ。これから仲良くしてくださいましね。私がこれまで王太子妃候補として学んできたこともいろいろと役に立つと思いますので」
「ありがとうございます、とても心強いです。その、女官長はちょっと苦手でして」
「あらそうなの? 私にはとてもよくしてもらってるけど」
きっと私が村娘なのが気に食わないんだろうとは言えない。
曖昧に笑うとそれを察したのか、気まずげな顔になった。
「では私が女官長に怒られないように、特訓を手伝ってくださいますか?」
そうお願いすると、リイナはぱあっと顔を明るませた。
「ええ、ええ、勿論! アレクシア様が王宮なんて嫌だ、帰りたい! だなんて思わないように、私、精一杯サポートさせていただきます!」
期間限定の契約結婚とは言え、その面倒臭い王太子妃の座におさまらなければならなくなった自分の身を思えば複雑だったけど。
誰よりも力強い味方を手に入れられたわけだ。
とかくこれでリイナを巻き込まなくて済んだ。
私達の企みはできるだけ人に知られるわけにはいかない。
あとで露見してしまったときに仲間だと疑われれば共に処罰されてしまいかねないからだ。
とくにリイナのように、これからという人間を巻き込みたくはなかった。
嬉しそうに好きな相手、グランツの話をするリイナを見つめるリヒャルトの目には、慈しむような温かみがあった。
そんなリヒャルトを見ていて思った。
リイナはグランツが好きでも、リヒャルトはリイナのことが好きだったのかもしれない。
だからこそ、自由にしてやりたいと思っていたのかもしれない。
さっきもリヒャルトはリイナを『解放してやりたい』と口にした。
リヒャルトにとって王太子妃というのは不自由の象徴なのかもしれない。
そうして次々とその役目に囚われた女たちを解放していって、最後にはリヒャルトの元には誰が残るのだろう。
そんなことを思った。
なんとなく胸の辺りがじりじりと焼けるような変な感じがしたのは、自分だけがそこから逃げ出してリヒャルトを置いてきぼりにしてしまう罪悪感か。
もしくは、みんなが当たり前のように誰かに恋をしていて、私だけがそれを知らないせいかもしれない。
そう言って淑女の礼をとったのは、ふわふわの髪の少女だった。
橙に近い金色の瞳は温かみがあり、ふわりと笑んだその顔はとろけるように甘くて。
お菓子みたいな女の子だなと思った。
年は十四か五というところだろうか。
あまりにかわいらしくてぼんやりと突っ立っていた私を見つけ、ぱっとその顔が明るんだ。
「私はリイナ=シュゼイストと申します。聖女ユリシア様、ずっとお会いしたいと思っておりましたの」
きらきらとした熱い瞳で見つめられると、なんだかぽっとしてしまう。女なのに。
ふわふわでかわいくて、どこか儚げで、守ってあげたくなるような女の子だった。
「リイナは公爵家の長女であり、私の婚約者だ」
ということは、幼い頃から王妃教育を受けてきたはずだ。
それらがすべて無駄になってしまうのだ。
腹立ちはいかばかりかとおそるおそるその顔を見上げれば、きらきらと潤む瞳があった。
――え、泣いて……?!
「ずっとあなたのような存在が現れないかと、神にお祈りしていたのです! どうか、私よりも殿下に相応しい方が現れますようにと」
「そんな、私はだって」
「いいえ! お話は殿下より聞いております。お優しい殿下を叱り、励まし、共に歩んでくださるユリシア様のような方こそ殿下には相応しいのです。私では心まで捧げることはできませんから」
そう言って、ぽっと頬を染めた。
これは、もしかして――。
目が合うと、照れたようにぱっとそらす。そんな仕草もかわいらしくてむぎゅっとしたくなった。
「殿下はご存じですが、どうか他の方には内緒にしてくださいませ。お察しの通り、私には他にお慕いする方がいるのです。敵わぬ想いだと、押し込めてまいりました。国王様と公爵である父とが決めた婚約でしたから、私に否やはありません。故意に失態をおかして殿下に嫌われるような真似をすれば、我が公爵家に恥を塗ることになります。どうにもならないことだと思いながらも、私よりも王太子妃としてふさわしい方があらわれてくれたらと、願わずにはいられなかったのです」
リイナは潤む瞳を拭うと顔の前で手を組み、きらきらとした瞳を向けた。
「ああ、神はいらっしゃったのですね! 心優しい殿下が心から想う最愛の人をつかわしてくださり、私も王太子妃の座はお譲りすることができました。本当に神に感謝してもしきれません」
聖女が神に愛された証だというのなら、確かに神のおかげと言えるだろう。
とっても複雑な心境だけれども。
「いえ、まだ教会に認められた身ではありませんが、お役に立てたのなら光栄です」
しどろもどろに答えれば、リイナは組んだ手を崩さないまま、一層瞳の輝きを増して私を見た。
「それでユリシア様は、雨に打たれ高い熱に苦しむ殿下をお助けになったとか。そこで生まれる愛、素晴らしいですわ! よろしければお二人のなれそめについてもっと詳しくお話を聞かせてくださいませんか?」
「え? いや、それが話の全てですけど……」
「え? 何かもっとこう、好きになった瞬間とか、初めてのキスとか」
「いえいえいえいえ!! そんな、もう、あの」
早い。話が早い。
とてもついていけなくて、赤くなったり青くなったりして手をぶんぶんと振り回せば、リヒャルトが後を引き取ってくれた。
「彼女はとても正直でね。私の着ている物を見ればそれなりの地位にあるものだとはわかっただろうに、へりくだるでもなく、そして横柄な態度を取って見せた私にも構わずあれこれと世話をしてくれたんだ」
リイナは、へえ、と相槌をうってはいるが、まだ感動ポイントはどこだろうかと探すような目をしている。
それで? というように続きを待つキラキラとした目に、この話、ちゃんとオチがつくのだろうかとハラハラする。
「私がユリシアのベッドを借りる間、彼女を床で寝かせることになってしまって随分と隣の部屋では文句を言っていたが、それを隠すことなく不機嫌なまま私の元に現れるんだ。普通は邪魔だと思っていることなんておくびにも出さないだろう?」
「ええ、そうですわね、普通は」
なかなか美談にならない。
けれどリヒャルトは強引にまとめ始めた。
「そういうところがいいんだよ。裏がない。だから信じられる。腹の探り合いばかりをしているこの城にいると、ユリシアのように人によって態度を変えない正直な人間は、私には本当に聖女に見えたよ」
『死か恥か選べ』とか言ったり、病人を寝かしつけるためにベッドに押し倒した女が聖女に見えるわけもない。
そもそもリヒャルトには正直ではないと言われているのに、そこを美点としてもってくるとはなかなかに高度なことをする。
他にもっとうまく言えなかったのかと恨みがましい目を向けたくなるけど、にこりと笑みを向けられれば曖昧な笑みを返すしかない。
先程の私の演技力を見た後だ。「おまえは黙っていろ」ということだろう。
しかしリイナは、で? というように続きをわくわくと待っている。
どうやらそれで惚れたようには聞こえなかったようだ。
するとリヒャルトは少しだけ間を置いて再び口を開いた。
「ユリシアは心根が正直ではあるが、いろんな感情を素直に見せてくれるわけではない。だが観察しているといろいろな面が見えてくる。それが楽しい。もっといろんな顔を見せてほしいと、もっと傍にいたいと思った。だからプロポーズしたんだ」
リヒャルトが優しく笑いながらそんなことを言うから、私まで少しどぎまぎしてしまった。
言ってる内容はよく聞くようなセリフだけど、その顔があまりにも、なんというか、その……。
リイナにも効果てきめんで、「まああぁぁ!」と喜色に顔を輝かせた。
「そうでしたのね! 殿下は本当にユリシア様にぞっこんですのね。その優しく垂れる瞳を拝見したらもうこれ以上の言葉など必要ありませんわね。殿下にこんな甘い顔をさせる方が現れるなんて、願ってはいても、本当に起こりうるとは思ってもいませんでしたわ。私もグランツ様とお話していると恥ずかしいくらい自分が自分ではなくなってしまいますの」
最後は結局自分の話になってしまいながらも、ぽっと頬を赤らめたリイナは恋する乙女そのもので。
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「あらそうなの? 私にはとてもよくしてもらってるけど」
きっと私が村娘なのが気に食わないんだろうとは言えない。
曖昧に笑うとそれを察したのか、気まずげな顔になった。
「では私が女官長に怒られないように、特訓を手伝ってくださいますか?」
そうお願いすると、リイナはぱあっと顔を明るませた。
「ええ、ええ、勿論! アレクシア様が王宮なんて嫌だ、帰りたい! だなんて思わないように、私、精一杯サポートさせていただきます!」
期間限定の契約結婚とは言え、その面倒臭い王太子妃の座におさまらなければならなくなった自分の身を思えば複雑だったけど。
誰よりも力強い味方を手に入れられたわけだ。
とかくこれでリイナを巻き込まなくて済んだ。
私達の企みはできるだけ人に知られるわけにはいかない。
あとで露見してしまったときに仲間だと疑われれば共に処罰されてしまいかねないからだ。
とくにリイナのように、これからという人間を巻き込みたくはなかった。
嬉しそうに好きな相手、グランツの話をするリイナを見つめるリヒャルトの目には、慈しむような温かみがあった。
そんなリヒャルトを見ていて思った。
リイナはグランツが好きでも、リヒャルトはリイナのことが好きだったのかもしれない。
だからこそ、自由にしてやりたいと思っていたのかもしれない。
さっきもリヒャルトはリイナを『解放してやりたい』と口にした。
リヒャルトにとって王太子妃というのは不自由の象徴なのかもしれない。
そうして次々とその役目に囚われた女たちを解放していって、最後にはリヒャルトの元には誰が残るのだろう。
そんなことを思った。
なんとなく胸の辺りがじりじりと焼けるような変な感じがしたのは、自分だけがそこから逃げ出してリヒャルトを置いてきぼりにしてしまう罪悪感か。
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