奪ったのではありません、お姉様が捨てたのです
『ローラは私のものを奪ってばかり――もう私のものはすべてローラに譲ります。ここに私の居場所はない。どうか探さないでください』
ある日そう書かれた手紙を置いて義姉クリスティーナは消えた。
高い魔力を持ち、聖女となった義姉は王太子レガート殿下の婚約者となり、その立場から学院でも生徒会副会長を務めていた。
一見して清廉で有能、真面目に見える義姉。何も知らない人が手紙を読めば、元平民でふわふわにこにこのお花畑に見える私ローラがすべて奪ったのだと文字通りに受け止めるだろう。
だが実情は違う。『真面目』が必ずしも人々に恩恵を与えるものではなく、かつ、義姉のは真面目というよりも別の言葉のほうが正確に言い表せる。
だから。
国の守りを固めていた聖女がいなくなり、次期王太子妃がいなくなり、生徒会副会長がいなくなれば騒然となる――はずであるが、そうはならなかった。
義姉の本性をわかっていて備えないわけがないのだ。
この国は姉がいなくても揺らぐことなどない。
――こんなはずじゃなかった? いえいえ。当然の帰結ですわ、お義姉様。
あとはレガート殿下の婚約者だけれど、そこは私に手伝えることはない。
だから役割を終えたら平民に戻ろうと思っていたのに、レガート殿下は私よりもさらに万全に準備を整えていたようで――
私が王太子の婚約者?
いやいやそれはさすがに元平民には荷が重い。
しかし義姉がやらかした手前断ることもできず、王太子なのに鍛えすぎなレガート殿下は武骨ながらもやさしい寵愛を私に注いでくるように。
さらには母の形見の指輪をはめてからというもの、やけにリアルな夢を見るようになり、そこで会う殿下は野獣み溢れるほどに溺愛してくる。
武骨ってなんぞ?
甘すぎて耐えられる気がしないんですけど。
====================
小説家になろう様にも掲載しています。
※無断転載・複写はお断りいたします。
感想はありがたく読ませていただいておりますが、どう返したらいいか悩んでいるうちに返信が追い付かなくなってしまいました。
その分更新頑張りますので、ご承知おきいただければと思います。
ある日そう書かれた手紙を置いて義姉クリスティーナは消えた。
高い魔力を持ち、聖女となった義姉は王太子レガート殿下の婚約者となり、その立場から学院でも生徒会副会長を務めていた。
一見して清廉で有能、真面目に見える義姉。何も知らない人が手紙を読めば、元平民でふわふわにこにこのお花畑に見える私ローラがすべて奪ったのだと文字通りに受け止めるだろう。
だが実情は違う。『真面目』が必ずしも人々に恩恵を与えるものではなく、かつ、義姉のは真面目というよりも別の言葉のほうが正確に言い表せる。
だから。
国の守りを固めていた聖女がいなくなり、次期王太子妃がいなくなり、生徒会副会長がいなくなれば騒然となる――はずであるが、そうはならなかった。
義姉の本性をわかっていて備えないわけがないのだ。
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――こんなはずじゃなかった? いえいえ。当然の帰結ですわ、お義姉様。
あとはレガート殿下の婚約者だけれど、そこは私に手伝えることはない。
だから役割を終えたら平民に戻ろうと思っていたのに、レガート殿下は私よりもさらに万全に準備を整えていたようで――
私が王太子の婚約者?
いやいやそれはさすがに元平民には荷が重い。
しかし義姉がやらかした手前断ることもできず、王太子なのに鍛えすぎなレガート殿下は武骨ながらもやさしい寵愛を私に注いでくるように。
さらには母の形見の指輪をはめてからというもの、やけにリアルな夢を見るようになり、そこで会う殿下は野獣み溢れるほどに溺愛してくる。
武骨ってなんぞ?
甘すぎて耐えられる気がしないんですけど。
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感想はありがたく読ませていただいておりますが、どう返したらいいか悩んでいるうちに返信が追い付かなくなってしまいました。
その分更新頑張りますので、ご承知おきいただければと思います。
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失礼しました
佐崎様と著者名が似てたので、何が事情があってペンネームをわけて使い分けているのかと思いました。
最初に掲載されたのは佐崎様の作品の方でしたし、面白い設定で他では読んだ事がない内容だったので、とても面白いと思いました。
だから尚更、別の方が書いたのであれば、同じサイト内なので、もしかして下地部分は佐崎様の小説からとって、後半部分アレンジして掲載したのかと思い気持ちがモヤモヤしました。
たしかに沢山のサイトがあって、全ての作品内容を確認できるわけはないですし、たまたま似たような設定になる事もあるかもしれませんね。それに面白い設定の話がランキング上位にあると、後から似たような設定の話が沢山出るのも、他のサイトではよく見かける事ですし、大変失礼な質問をしてしまい申し訳ありませんでした。
佐崎様の小説がとても面白いので、新しい作品楽しみにしています。返信ありがとうございました。
言葉足らずで申し訳ありません。失礼ということはなく、気にかけていただいたことを大変ありがたく思っています。
著作権は知っていたかどうかは問わず問題になることですし、人気作の後追いのような作品も多く見られ、もやもやしたものを感じてきた身ではあるのですが、自分がこういったご連絡をいただくことが初めてで、どうしたらよいものかもわからず、内心でとても動揺しており、
結果として私は私として自分が知らないうちに他の方に迷惑をかけてしまわないよう気を付けよう、と自戒するに至り、あのような返信となりました。
事の是非については運営の方の判断になると思いますので、アルファポリス様にお問い合わせいただければと思います。(作品の表紙ページの左側に「このコンテンツについて報告する」というリンクがあるかと思います)
何より、面白いとお褒めいただき、とてもとても嬉しく、いただいた感想で胸があたたまり、次作の励みとなりました。
構想ができているものはいくつかありますので、またお目にかかれますよう頑張ります!
その際はまたお読みいただけると嬉しいです。
お気遣いいただき、ありがとうございました!
初めまして小説とても楽しく読ませていただきました。ありがとうございます。
佐崎様の後に掲載されてる小説が前半部分が似たような設定になってるのですが、著者が似てるのでもしかしてご本人でしたでしょうか?
佐崎様の小説設定が面白いので、似たような設定にされた別の方の小説でしょうか?
えっ「可愛いだけの無能な妹」って私のことですか?~自業自得で追放されたお姉様が戻ってきました。この人ぜんぜん反省してないんですけど~ 村咲
お読みいただき、感想もありがとうございます。
ご指摘いただいた方は私とは別の方です。
確かに設定など似たところはありましたが、私の作品を知っていたかどうかはわかりませんし、いずれにしても設定だけでは著作権には触れないようです。
拝見させていただいたところ、私が読者の方に指摘をいただいたようなところもうまく消化されていらっしゃいましたし、私などより何倍も上手な方だと思います。
私も他に同様の設定、テーマの作品がないか確認した上で作品を公開していますが、調べ切れていないだけで既に似たような作品があるかもしれません。
難しい問題ですが、自分が盗作を疑われないためにも、真似られてしまったり類似作に埋もれてしまったりしないためにも、自分にしか書けないものを書けるようになるしかないのだろうと思います。(とっても難しいことですが…)
一気に読み進めましたが面白かったです。
義姉は悪役令嬢というより、ただの迷惑令嬢ですね。
性根は悪人ではないけど、自分に甘く他人に厳しい、あとコミュ症かな?
最後は何か考え込んでいたので、幸せとは何か、気づけるといいなと思いました。
ああ 終わってしまった……
日々の楽しみが無くなってしまって、残念で仕方ないです
続編、番外編をぜひ!!
やっぱりおとなしくしてなかった…
最後の一文を読んでキターー!!!と叫んでしまった
やはり来たか…
ローラ(*∩ω∩)…「上手に弾いたらまずいわっ」
レガート(´・×・`)…(ローラの上手は下の下)
隣国主従組のやり取り良いですね!
他人の感情の機敏に疎い殿下と的確にツッコミいれる従者、中々に良いコンビなのと従者さん要領良いし人をきちんと見て義姉とローラの性格察してる所に頼もしさを感じます。
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ローラに好印象を受けた時が彼女自身無意識に好きな人が側に居た時だったので恋してる子は可愛いという証明にニヨニヨしてしまいました。
ほ、ほんとだ……! 慌てて見直しました。
ご指摘いただきありがとうございました。
つまりローラは殿下の事が好き!!
第三者からバラされどんな反応をするのか楽しみです。
つまり、完全に両想いということですね。
叔母さん、ナイス!
“好きな相手に勝手にはまる”、“思い合ってなければ”
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