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Office01・片思いはつらいよ
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しおりを挟む「そこで、君に改めてお願いがあるんだ」
「はいっ? 何でしょうか?」
こんな話の後に、一体何のお願いがあるというの?
「もうすぐ妻の誕生日なんだ。けど、僕はどんな風に今後彼女に接していいか、正直言って悩んでいるし、成り行き次第では、離婚も――考えていたりする」
「えっ、でも・・・・」
「久遠時君も大変な時期だし、お付き合いしている彼にも悪いだろうけど、一週間程、僕に時間をくれないか? 多少なりとも桃香の事を知っている君と、仕事抜きで色々と話したい。何を我儘言うんだ、と言われても仕方ないけど、こんな事頼めるのは君しか思いつかなくて・・・・恥をしのんでお願いしたい」
三輪さんに突然頭を下げられた。
「えっ、ヤダあの・・・・三輪さん、止めてください! 頭なんか下げないで!!」
慌てて彼の肩を掴んで引き上げると、目が合った。
うわっ!!
こんなドアップで三輪さんの端正なお顔を拝見できるなんて・・・・。
ドキドキ最高潮だよ!
もう心臓に悪いよ――――っ!!
「ダメかな?」
「あのっ、時間をくれって・・・・どういう意味ですか?」
おバカな私には、三輪さんのお願い事が良く解らなかった。
「お願いというのは、一週間程僕に付き合って欲しいんだ。それは例えば食事だったり、買い物だったり。あ、勿論下心は無いから安心して欲しい。どうやって桃香に接したらいいか何かヒントになったり、何か掴めたり、僕自身の答えも見つかるかと思って・・・・」
下心無いなんて、そんなハッキリ言わなくても・・・・。
私は別にあってもOK・・・・ナンてね、言えないケドね。
ていうかその提案、メチャメチャ嬉しい反面、私にとったらかなり過酷で生殺し状態じゃなくない?
そんな・・・・とても引き受けられないよぉ!!
困った顔をしていたからだろう。三輪さんの方が先に口を開いた。「君にこんな事を頼むなんて、僕もどうかしているな。ゴメン、今のは忘れて欲しい」
「あっ、あの!!」
考える前に、勝手に口が動いていた。「別にいいです! お付き合いしますよ!!」
なっ・・・・
何言っちゃってんの、私――――!!
相手は妻持ちの、既婚者なんだよっ!?
まがりなりにも・・・・不倫じゃないけど、何か他の人に見つかったらマズイような事に、どーしてクビ突っ込むのよぅ!!
言った瞬間自分自身が驚いて、そして後悔した。
「本当かい? 有難う久遠時君。君にお願いして良かった」
とかニッコリ笑顔を向けられたら、もう今更断れずに・・・・。
結局、私は三輪さんのお願いを引き受けることになり、一週間限定デート(多分違うな!)の約束をしたのだった。
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