10 / 47
第一話・壊れた女
Side・松田 由布子・10
しおりを挟む
途端にドキン、と心臓が跳ねて、全身が、かあっ、と熱くなった。
突然の事過ぎて、拒むことも忘れてしまった。
唇が離されたから、目を開いて壮くんを見つめた。
どうして? ドキドキしている。どうしよう。
衝撃で、言葉が出てこない。
「ゆっちゃん、君は誰よりも綺麗だ。こんなイイ女、手も出さずに放っておいて、何年も辛い思いさせた挙句、裏切るなんて、俺、絶対に亜貴を赦せない!! 亜貴が君のこと要らないっていうなら、俺がもらう」
今度は、激しく口づけされた。舌が押し入ってきた。
「ん、んんっ・・・・そう・・・・くっ、ん・・・・っ!」
口づけされたまま軽々と抱き上げられ、傍のシングルベッドに押し倒された。
弾みで、握りしめていた写真が宙に舞い、ヒラヒラと舞い落ちていった。
その時、落ちていく写真に写った亜貴くんと、目が合った気がした。
――亜貴くんは、どんな思いで私を裏切って、どんな風に壮くんの奥さんを抱いたの?
考えようと思ったけれど、再び壮くんの唇が下りて来た。
何度も何度も壮くんに口づけされて、舌と舌が絡まって、くぐもった吐息が漏れた。
離れようと思っても、出来なかった。何度も唇を求められ、ゾクゾクと快感が全身を襲う。
こんなに激しく求められたのは、初めてだった。
「ゆっちゃん・・・・めちゃくちゃ可愛い。ごめん・・・・俺もう、止められない。今日、君を見て思った。やっぱり俺は、今でも、ゆっちゃんが好きだ――・・・・」
私は、さっきの衝撃でおかしくなってしまったのだろう。
辛すぎて、逃げたくて、頭が麻痺しているのだろう。
壮くんとこんな事をしているというのに、嫌だと叫んで拒むこともせず、亜貴くんの事も考えられずに、ただ、壮くんを受け入れて、気持ちいいって感じてしまうなんて――
「あっ・・・・そうくっ・・・・んっ、あっ・・・・」
キスだけで凄く感じてしまって、喘ぎを含んだ甘い嬌声になる。
「ゆっちゃん・・・・はっ・・・・凄い、可愛い」
背中に手を回され、着衣していたドレスワンピースのファスナーを一気に下ろされた。
「あっ、ダメ! もうっ・・・・それ以上・・・・っ」
鋭い瞳をした男の壮くんに見つめられて、私はドキドキした。
どうしてドキドキなんかするの?
私、今、凄くショック受けて、亜貴くんに裏切られたって知って、泣き叫んで発狂してた筈でしょう?
ああ、そっか。
もう、壊れちゃったんだ。思考回路。
だったら、何も、考えなくて、いいのね?
もしかしたらこれは、わるいゆめなのかもしれない・・・・
「じゃあ、このまま亜貴にも抱いてもらえず、一生、亜貴に飼い殺しにされて、一人で淋しく過ごすのかよ? そんなの、我慢できないだろ。全部、俺のせいにしていいから。俺が勝手に、君を求めたんだ。それに、亜貴は好き勝手にやってんだから、罪悪感なんか感じる必要無いぜ。悪いのは、全部俺のせいにして、ラクにして? 俺はもう、自分のキモチに嘘は付けない。亜貴からゆっちゃんを返してもらう。先に裏切ったのは向こうの二人だ。俺等を責めたりできないだろ。俺は君を必ず、亜貴から取り返して、手に入れる」
好きな人に求められず、淋しくひとりぼっちで何年も放っておかれた私にとって、壮くんの言葉は凄く嬉しかった。
でも、色々ありすぎて、今、この現状も受け入れる事ができない。
どうして、壮くんとこんなイケナイ事してるのか。
私達どちらも、大切な伴侶がいる筈なのに。
裏切られて、傷つけられて、それで残った者同士で抱き合うの?
間違ってるとは思う。
頭と体がバラバラで、上手くついていけないの。
でも、いいよね。
どうせ壊れたんなら、もっと壊れてしまっても、別に構わないわよね。
壊れてしまったものは、二度と元には戻せないのだから。
「あっ・・・・壮くんっ! だめっ・・・・」
下着ごとドレスワンピースをずり下げられ、乱れた衣類から覗く敏感な胸の突起の左側を熱い舌で転がされた。
空いた右胸は優しく揉まれ、刺激された。
「んあっ・・・・はあっ、ぁあっ・・・・」
こんなに身体が熱くなる愛撫、初めてだ。
何年も愛する夫に抱いてもらえず、枯れかけた身体には、壮くんの与えてくれる刺激は麻薬のようだった。
拒むことなんて、出来なかった。
頭の芯から痺れて、真っ白になりそう。
気持ちよくて、壮くんを何度も甘い声で呼んだ。
壮くんも、私の名前を何度も呼んで、何度も深く口づけを交わした。
舌が絡まって、唾液が零れて、随分卑猥なキスだったけど、気持ちよかった。
私、亜貴くんにこんな事、された事無い。
初めてだった。
激しく求められて、女としてまだ終わってないんだって、乱れてもいいんだって、嬉しくて涙が溢れた。
突然の事過ぎて、拒むことも忘れてしまった。
唇が離されたから、目を開いて壮くんを見つめた。
どうして? ドキドキしている。どうしよう。
衝撃で、言葉が出てこない。
「ゆっちゃん、君は誰よりも綺麗だ。こんなイイ女、手も出さずに放っておいて、何年も辛い思いさせた挙句、裏切るなんて、俺、絶対に亜貴を赦せない!! 亜貴が君のこと要らないっていうなら、俺がもらう」
今度は、激しく口づけされた。舌が押し入ってきた。
「ん、んんっ・・・・そう・・・・くっ、ん・・・・っ!」
口づけされたまま軽々と抱き上げられ、傍のシングルベッドに押し倒された。
弾みで、握りしめていた写真が宙に舞い、ヒラヒラと舞い落ちていった。
その時、落ちていく写真に写った亜貴くんと、目が合った気がした。
――亜貴くんは、どんな思いで私を裏切って、どんな風に壮くんの奥さんを抱いたの?
考えようと思ったけれど、再び壮くんの唇が下りて来た。
何度も何度も壮くんに口づけされて、舌と舌が絡まって、くぐもった吐息が漏れた。
離れようと思っても、出来なかった。何度も唇を求められ、ゾクゾクと快感が全身を襲う。
こんなに激しく求められたのは、初めてだった。
「ゆっちゃん・・・・めちゃくちゃ可愛い。ごめん・・・・俺もう、止められない。今日、君を見て思った。やっぱり俺は、今でも、ゆっちゃんが好きだ――・・・・」
私は、さっきの衝撃でおかしくなってしまったのだろう。
辛すぎて、逃げたくて、頭が麻痺しているのだろう。
壮くんとこんな事をしているというのに、嫌だと叫んで拒むこともせず、亜貴くんの事も考えられずに、ただ、壮くんを受け入れて、気持ちいいって感じてしまうなんて――
「あっ・・・・そうくっ・・・・んっ、あっ・・・・」
キスだけで凄く感じてしまって、喘ぎを含んだ甘い嬌声になる。
「ゆっちゃん・・・・はっ・・・・凄い、可愛い」
背中に手を回され、着衣していたドレスワンピースのファスナーを一気に下ろされた。
「あっ、ダメ! もうっ・・・・それ以上・・・・っ」
鋭い瞳をした男の壮くんに見つめられて、私はドキドキした。
どうしてドキドキなんかするの?
私、今、凄くショック受けて、亜貴くんに裏切られたって知って、泣き叫んで発狂してた筈でしょう?
ああ、そっか。
もう、壊れちゃったんだ。思考回路。
だったら、何も、考えなくて、いいのね?
もしかしたらこれは、わるいゆめなのかもしれない・・・・
「じゃあ、このまま亜貴にも抱いてもらえず、一生、亜貴に飼い殺しにされて、一人で淋しく過ごすのかよ? そんなの、我慢できないだろ。全部、俺のせいにしていいから。俺が勝手に、君を求めたんだ。それに、亜貴は好き勝手にやってんだから、罪悪感なんか感じる必要無いぜ。悪いのは、全部俺のせいにして、ラクにして? 俺はもう、自分のキモチに嘘は付けない。亜貴からゆっちゃんを返してもらう。先に裏切ったのは向こうの二人だ。俺等を責めたりできないだろ。俺は君を必ず、亜貴から取り返して、手に入れる」
好きな人に求められず、淋しくひとりぼっちで何年も放っておかれた私にとって、壮くんの言葉は凄く嬉しかった。
でも、色々ありすぎて、今、この現状も受け入れる事ができない。
どうして、壮くんとこんなイケナイ事してるのか。
私達どちらも、大切な伴侶がいる筈なのに。
裏切られて、傷つけられて、それで残った者同士で抱き合うの?
間違ってるとは思う。
頭と体がバラバラで、上手くついていけないの。
でも、いいよね。
どうせ壊れたんなら、もっと壊れてしまっても、別に構わないわよね。
壊れてしまったものは、二度と元には戻せないのだから。
「あっ・・・・壮くんっ! だめっ・・・・」
下着ごとドレスワンピースをずり下げられ、乱れた衣類から覗く敏感な胸の突起の左側を熱い舌で転がされた。
空いた右胸は優しく揉まれ、刺激された。
「んあっ・・・・はあっ、ぁあっ・・・・」
こんなに身体が熱くなる愛撫、初めてだ。
何年も愛する夫に抱いてもらえず、枯れかけた身体には、壮くんの与えてくれる刺激は麻薬のようだった。
拒むことなんて、出来なかった。
頭の芯から痺れて、真っ白になりそう。
気持ちよくて、壮くんを何度も甘い声で呼んだ。
壮くんも、私の名前を何度も呼んで、何度も深く口づけを交わした。
舌が絡まって、唾液が零れて、随分卑猥なキスだったけど、気持ちよかった。
私、亜貴くんにこんな事、された事無い。
初めてだった。
激しく求められて、女としてまだ終わってないんだって、乱れてもいいんだって、嬉しくて涙が溢れた。
1
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R18】今夜、私は義父に抱かれる
umi
恋愛
封じられた初恋が、時を経て三人の男女の運命を狂わせる。メリバ好きさんにおくる、禁断のエロスファンタジー。
一章 初夜:幸せな若妻に迫る義父の魔手。夫が留守のある夜、とうとう義父が牙を剥き──。悲劇の始まりの、ある夜のお話。
二章 接吻:悪夢の一夜が明け、義父は嫁を手元に囲った。が、事の最中に戻ったかに思われた娘の幼少時代の記憶は、夜が明けるとまた元通りに封じられていた。若妻の心が夫に戻ってしまったことを知って絶望した義父は、再び力づくで娘を手に入れようと──。
【共通】
*中世欧州風ファンタジー。
*立派なお屋敷に使用人が何人もいるようなおうちです。旦那様、奥様、若旦那様、若奥様、みたいな。国、服装、髪や目の色などは、お好きな設定で読んでください。
*女性向け。女の子至上主義の切ないエロスを目指してます。
*一章、二章とも、途中で無理矢理→溺愛→に豹変します。二章はその後闇落ち展開。思ってたのとちがう(スン)…な場合はそっ閉じでスルーいただけると幸いです。
*ムーンライトノベルズ様にも旧バージョンで投稿しています。
※同タイトルの過去作『今夜、私は義父に抱かれる』を改編しました。2021/12/25
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18 大人女性向け】会社の飲み会帰りに年下イケメンにお持ち帰りされちゃいました
utsugi
恋愛
職場のイケメン後輩に飲み会帰りにお持ち帰りされちゃうお話です。
がっつりR18です。18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください。
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる