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第一話・壊れた女
Side・松田 由布子・3
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あの顔を見るのが怖くて、それからはもう誘ってない。
セックスレスになって、もう何年になるんだろう。こんなに開いたら、誘い方も忘れてしまう。
辛くて堪らない。
女だって、性欲あるの。もうちょっとわかって欲しい。
好きな人に愛されたい、丸ごと抱かれて女になりたいって思う事は、そんなに蔑まれることなのかな?
このまま私、亜貴くんにはもう愛されずに、女枯れて終わっていくのかな。
亜貴くん以外の男の人なんて考えられないけれど、でも――・・・・
どうしていいのかわからなくて、泣き続けた日もあった。
でも、亜貴くんには絶対に言えない。
また、あんな顔で――私の事を色情魔の如く、蔑んだ目で見られるのは、凄く辛い。
だから今日、わざと困らせてやろうと思って、意地悪したの。
貴方が朝起きるのが苦手で、何時も私が決まった時間に起こすから、起こさなかったらどうなるだろうって思ったの。
どうせなら、会議が始まった時間に起こしてやればよかったかもしれないけど、会社に迷惑をかけるのは気が引けたから、タクシーで行けば間に合う時間に起こしたのよ。
ダメね、私。どうせやるなら、徹底してやればいいのに。
意地悪でさえ、中途半端にしかできない。
もう、離婚するしか無いのかな。
でも、たかがセックスが無いってだけで、離婚なんて出来るのかな。
私の我儘だけで、色んな人を振り回す事、出来るのかな。
私が色情魔だから、いけないのかな。
再び、涙があふれた。悲しくて、辛くて、涙は止まらなかった。
愛する夫に、もう女として見てもらえず、抱いてもらえないことが、こんなにも苦しくて辛い事だって、亜貴くん、貴方には絶対に解らないでしょうね。
離婚しようって言ったら、僕の何がいけなかったかな、直すから言ってよ、ってきっと貴方は言うわ。
セックスが無いからよって言ったら、亜貴くん、また私のコト蔑んだ目で見るんでしょうね。
――言えないっ! 言えないよぉっ!!
こんなに辛くて苦しい気持ち、誰にも恥ずかしくて相談も話もできない。
飼い殺しじゃない、こんなの。
私、イヤよ。このまま女枯れちゃうなんて。
貴方に、もう二度と女として抱いてもらえないなんて。
せめて子供がいたらって、亜貴くん以外に大切にできるものがあれば、って、何度思っただろう。
でも、そうするには、誘うしかない。でも、怖くて誘う事は出来ない。
バカみたいと思うけど、恥ずかしい通販サイトで、色々購入したこともある。
男性がムラムラするような、色香の香水とか、恥ずかしいスケスケのお洋服とか、色々試してみたけど、全くダメだった。亜貴くんには何も通用しなかった。
私はこんな地獄の日々を、もう何年も続けている。
何時か壊れる時が来ると思う。
でも、そんな日はまだもっと先だと思っていたけれど、違った。
この地獄から救ってくれる悪魔の足音は、知らず私の真後ろまで、もう迫って来ていたのだ。
セックスレスになって、もう何年になるんだろう。こんなに開いたら、誘い方も忘れてしまう。
辛くて堪らない。
女だって、性欲あるの。もうちょっとわかって欲しい。
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このまま私、亜貴くんにはもう愛されずに、女枯れて終わっていくのかな。
亜貴くん以外の男の人なんて考えられないけれど、でも――・・・・
どうしていいのかわからなくて、泣き続けた日もあった。
でも、亜貴くんには絶対に言えない。
また、あんな顔で――私の事を色情魔の如く、蔑んだ目で見られるのは、凄く辛い。
だから今日、わざと困らせてやろうと思って、意地悪したの。
貴方が朝起きるのが苦手で、何時も私が決まった時間に起こすから、起こさなかったらどうなるだろうって思ったの。
どうせなら、会議が始まった時間に起こしてやればよかったかもしれないけど、会社に迷惑をかけるのは気が引けたから、タクシーで行けば間に合う時間に起こしたのよ。
ダメね、私。どうせやるなら、徹底してやればいいのに。
意地悪でさえ、中途半端にしかできない。
もう、離婚するしか無いのかな。
でも、たかがセックスが無いってだけで、離婚なんて出来るのかな。
私の我儘だけで、色んな人を振り回す事、出来るのかな。
私が色情魔だから、いけないのかな。
再び、涙があふれた。悲しくて、辛くて、涙は止まらなかった。
愛する夫に、もう女として見てもらえず、抱いてもらえないことが、こんなにも苦しくて辛い事だって、亜貴くん、貴方には絶対に解らないでしょうね。
離婚しようって言ったら、僕の何がいけなかったかな、直すから言ってよ、ってきっと貴方は言うわ。
セックスが無いからよって言ったら、亜貴くん、また私のコト蔑んだ目で見るんでしょうね。
――言えないっ! 言えないよぉっ!!
こんなに辛くて苦しい気持ち、誰にも恥ずかしくて相談も話もできない。
飼い殺しじゃない、こんなの。
私、イヤよ。このまま女枯れちゃうなんて。
貴方に、もう二度と女として抱いてもらえないなんて。
せめて子供がいたらって、亜貴くん以外に大切にできるものがあれば、って、何度思っただろう。
でも、そうするには、誘うしかない。でも、怖くて誘う事は出来ない。
バカみたいと思うけど、恥ずかしい通販サイトで、色々購入したこともある。
男性がムラムラするような、色香の香水とか、恥ずかしいスケスケのお洋服とか、色々試してみたけど、全くダメだった。亜貴くんには何も通用しなかった。
私はこんな地獄の日々を、もう何年も続けている。
何時か壊れる時が来ると思う。
でも、そんな日はまだもっと先だと思っていたけれど、違った。
この地獄から救ってくれる悪魔の足音は、知らず私の真後ろまで、もう迫って来ていたのだ。
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