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エピローグ ~海里と政海~
Side・新庄海里/その1
しおりを挟む「ようこそ、聖青大学際へ! 私たちが、リバースだっ!!」
ガーン、と大きな爆音と共に、政海と私の声がアンプを通じて響いた。
今日は学祭当日。あれから練習に練習を重ね、SERIOUSのコピー曲と、みんなで必死に作ったオリジナル曲を披露する事になっている。
みんなで作った初めての曲。そして大舞台での演奏。
何もかもが初めての経験で、刺激的だった。
実は今日、面白い演出をする。
コピー(SERIOUS)演奏中の間は、政海がまりな姫に扮し、私は健二に扮する。SERIOUSのメンバー全員のコスプレをして、歌って演奏するのだ。
バンド自体に相当な人気があるものだから、コピーの素人バンドにも関わらず、ステージ前は人だかりができていて、沢山のお客様でにぎわった。
「いえーいっ! もっと もーっと盛り上げて行こう――!」
梅香のセクシーで張りのある声に、会場は大声援。手拍子、一曲の演奏終わりには、必ず大きな拍手で盛り上げてくれた。
それからSERIOUSのコピーを数曲披露すると、会場が割れんばかりに盛り上がった。やっぱSERIOUSの人気や曲はスゲーな。演奏していて気持ち良かった。下手なのは、まあ、素人だからこの際目をつぶってくれ。
そうこうしているうちに、あっという間に持ち時間が無くなった。残り五分となった。予定通り、残すはオリジナル曲のみ。準備があるから少し待っていてねー、と大声援を背にしながら一旦舞台裏に戻り、大急ぎで政海は政人のような小悪魔イケメンに、私は琴里のような美人な女性に大変身!
私と政海だけでやっちゃうとおかしなことになるから、琉斗は琉子(りゅうこ)に、美乃梨は美乃瑠(みのる)に、卓は卓李(すぐり)に、梅香は梅都(うめと)に変身したのだ。
私たちバンドメンバー全員で、男女逆転のリバース!
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