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第14話 ~海里くんと美羽先生~
Side・新庄海里/その8
しおりを挟む「参加者のお二人と、先生たちの頑張りのお陰で、美味しいカレーが全員で食べられます。はい、拍手」
食堂に集まった子供たちが、一斉に拍手してくれた。
わ。なんか照れ臭いな。凄くむず痒いけれど、嬉しい気分になった。
「じゃあ、みんなでいただきましょうか。カレー、足りない人はいないかしら?」
全員分、ちゃんと手元にある。私達のルーは大人向けで中辛だ。美羽先生が作ったものはもっと量が多く、全て子供用に甘口のルーになっている。サラダも全員分行き渡った。
「それでは、合掌します。楽しく生きている事と、美味しいご飯が食べられる事に感謝して・・・・いただきます」
「いただきまーす!!」
食堂内にみんなの声が響いた。
わいわいがやがやとする中での食事。こんなに大勢でひとつの食事を摂るのは久しぶりだから、楽しい気分になる。
夏野菜カレーを一口食べてみた。
「わ。美味しい!」
思わず口をついて出た。うん。そんなに辛くないけれど、好みで入れた香辛料がすごくいい味出している。炒めた野菜も新鮮でどれも美味しい。カレーに良く合う。
ガス釜で炊いているからご飯も美味しい。なんか、全部美味しい!
サラダも食べてみた。上に乗ったパリパリの触感のやつ、めちゃくちゃ美味しい。程よい塩加減が野菜とドレッシングにマッチしていて、幾らでも食べられそうだ。これは一体、何だろう。
「びっくりするほどこのカレー美味しいね、海里ちゃん!」
海里ちゃんって言うな。ジロリと睨んだが、政海は全然気が付いていない。
「わー。このサラダも超美味しいー。先生、このサラダの上に乗っているパリパリのやつ、何ですか?」
政海が早速美羽先生に尋ねた。
よし。私もメモるぞ。
「ああ、これ? これは、ポテトチップスよ。子供達のおやつの残りが湿気る前に、サラダのトッピングにしちゃうの」
「えーっ。こんな食べ方があるんですか! すごーい」
おおお。このサラダの上にかかっている塩味がよく効いたトッピングの正体は、ただのポテトチップスだったのか!
早速サラダのレシピをメモった。
「カリカリのものって美味しいわよね。ちりめんじゃことかカリカリに揚げたら美味しいわよ。古くて冷蔵庫に眠っているようなものが、再利用できちゃうから便利なのよ」
おおお・・・・またも古い食材の再利用。主婦の知恵が炸裂だ。
再びメモった。揚げ物はまだ全然やった事が無いから、ひとまずから揚げ辺りからチャレンジしてみたいな。美羽先生の料理教室、いっぱい通いたい。
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