【R18】リバース!? ～美少女ヒーローに迫るのは、実はイケメンヒロインです～

第１１話 ～政海ちゃんと卓くん～

Side・斎賀政海/その７

　ため息を吐いていると、メイリーンに卓君がやって来た。

「お帰りなさいませ、ご主人様」

　この挨拶もだいぶ慣れた。

「おう、政海。今日も可愛いな」

「私もいるんだけど」

　
「お、すまんすまん。美乃梨も可愛いよ」

「なにその政海のおまけ的で雑な扱い。どうせ私はおまけですよー」

「いやいや、そんな事無いって」

　卓君が慌てて取り繕った。

「はい、やっつけー」

　本気じゃなくて、冗談ぽく笑って言う美乃梨ちゃんは可愛いと思う。
　あっ。今思ったんだけれど、美乃梨ちゃんと卓君って、とても仲が良くていい雰囲気に見える時があるんだよね。男女の仲良し友人が、実は失恋して急接近････っていう展開、オイシくない？

　わあ。いい！　いいよ、それ!!

　だって政人が美乃梨ちゃんと付き合う訳にはいかないし、卓君は琴里ちゃん狙いだからそっちはもっと無い。もしそんな展開になったら、リバースのコメ欄が大荒れだよ!!　僕も困る！


　大変っ。だから絶対・絶対、阻止しなきゃ！


　よーし。僕は卓君と美乃梨ちゃんをラブラブカップルにさせる作戦を立てるぞ。琴里ちゃんの事はさっさと諦めて貰って、美乃梨ちゃん推しで卓君に挑む！
　とりあえず今日、琴里ちゃんがいないことを知っていて卓君はここへ来た。だから、間違いなく琴里ちゃんの事で僕に相談があるのだろう。ううう････DS（どう　しよう）。


「美乃梨、悪いって。この通り」

　まだ問答が続いていた。

「いいよ。今度は私にも会いに来てね」

　美乃梨ちゃんが可愛く笑った。
　うん。それいい！　上手い切り返しだよ、美乃梨ちゃん！
　そして卓君。是非そうしよう！　それがいいよ!!
　僕は心の中で大絶賛拍手を行った。


「今日は、政海と喋りたいなって思ってさ。琴里さんの事を色々聞きたいんだ」


　キタ！
　僕と喋る為に、卓君はコの字のカウンターに着席した。

　メイリーンは男性チャージが千円、女性が五百円の、ワンドリンク、もしくはワンオーダー制。そのワンドリンクも五百円からで、リーズナブル。
　チャージ料金は夜の七時まで有効で、七時から十二時までの閉店まで、一時間毎にワンオーダー制。ラウンジやクラブみたいな飲みシステムと違って、昼間なら学生でも頑張れば通える価格設定なのが嬉しい。明朗会計で、一時間でも千五百円で済む。基本的に指名は出来ないけれど、お気に入りのメイドさんと乾杯ができるシステムもある。別途料金が必要だけれどね。手が空いていれば、お客様に呼ばれたら担当する事もできるんだ。

　安い料金で、可愛いメイドさんとお喋りもできて楽しいと、評判だ。