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第4話 ~琴里ちゃんと政海ちゃん~
Side・新庄海里/その4
しおりを挟む「男になって政人になるのか? それとも政海のままで男に戻るのか?」
「そんなっ。出来ないよ。僕はこのままで政海として生きていくから。あくまでも政人は架空の僕だし、美乃梨ちゃんの気持ちは嬉しいけど、付き合う訳にはいかないよ。できない」
あまりにハッキリ断言してくれたので、ホッとした。
言っても政海の身体は男なんだ。女の恰好をしていても、肉体的に女性を好きになる事だってあり得るだろう。なんか色々ややこしーな。リバースのリバース? ホント、どうなってるんだこのワケのわかんねー小説は!
「そんで美乃梨のヤツ、今度政海を連れて執事カフェに行くって言ってんぞ。どーすんだよ」
「ええええーっ・・・・僕が一緒に行ったら、政人はいないよぉ・・・・」
問題はそこか?
それより、政海が泣きそうな顔をしている。本当にバカだな。だからあれほど気を付けろって言ったのに!
「政海。お前、もう執事カフェのバイト辞めろよ。今なら『合わなかった』で辞められるだろ? 美乃梨に追いかけられなくて済むぞ」
「えー、イヤだよ。海里ちゃんと執事カフェ行くの、とっても楽しかったから、辞めない。上手くやるよ。大丈夫」
「ドジっ子のクセに、上手くできるのかよ」
「できるもん!」
「・・・・下手にバレて美乃梨を傷つけないようにしろよ? ったく、バカ政海」
コン、と軽く小突いた。はー。やれやれだ。大きなため息が出た。
「とりあえず、軽音の部室に美乃梨が来いってさ。政海、講義は?」
「無いから一緒に行く」
「よし。じゃ、行こう」
ぱっと手を取った。政海はドジでぼんやりしているから、大学内ですぐ迷子になるんだ。だから保護する名目で手を繋いだ。誰かに見られたら、ぱっと手を離せばいいし、万一見られて冷やかされても、政海のボディーガードだって事にしてのらりくらりかわすつもりだ。
はー。どれにしてもどうすっかなぁ。美乃梨に急に聞かれたものだから、何か色々ブッ飛んじゃったし。政人は政海の兄貴って設定にしようって言っていたのを完全に忘れてたし・・・・。こっぱずかしいから、親友だって事を言い出せなかったとか、苦しい言い訳かな?
どうしたらいいかな。
ちょっと考えてみたら、色々アイディアが浮かんではぐるぐると頭で回った。
とりあえず使えそうな設定を掘り起こし、次のようにまとめてみた。
無理がある部分は、この際仕方ない。目を瞑ってくれ。鋭いツッコミは無しで頼む。
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