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第2話  ~海里くんと政海ちゃん~

Side・新庄海里/その5

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 イカン。政海が私の名を呼びながらぐちゃぐちゃに乱れる姿を想像したら、めちゃくちゃ興奮した。
 自分のナカが濡れているのが解る。女の身体であることがもどかしい。ああこんな時、本物の男だったら立派な象徴がムクムクと勃つんだろうなぁ。いいなあ。アレ、欲しい。

 政海と身体が取り換えられたらいいのに。なんてバカなことを思ってしまう。

 本物の男性だったら、きっとその象徴を使って、政海をいっぱい泣かせて、限界まで抱き潰しちゃうんだろう。


 はー、それ、絶対無理だし。身体が女だから。
 恋仲になったら、政海をどうやって可愛がろうかなって、そういう欲望しか頭に浮かばない。私は相当変態のようだ。困った。

「ねえ、海里ちゃん。僕も働きたい所があるんだ。アルバイト、一緒に行こうよ」

「は? バイトは執事カフェだけでいいだろ」

「ダメだよ。僕、アルバイトするならメイドカフェがいいなって思っていたんだから」

「MCE(メイド カフェ ええええ↑)?」

 あまりの衝撃に、ええええ(声上がり↑)ってなった。

 
「政海は行けるけど、私は無理じゃないか! どうやって行くんだよ!」

「前から思っていたんだよねー」

 政海はおもむろに立ち上がって、自分の部屋に消えて行った。ちなみに私達がくつろいでいるのは、小さなリビングダイニング。小さなテーブルを挟んで向き合っているのだ。
 少し待っていると、政海が黒いロン毛のウィッグを持ってこちらへ戻ってきた。


「ちょっとごめんね」


 私にウィッグをかぶせる為に、政海が近づいた。目の前に政海の顔がアップに差し迫り、ドキドキした。キスしてやろうかと思うが、泣かれると困るので必死に堪えた。

「ホラ、びじーんっ」

 用意した手鏡を見せられた。前髪パッツンの美人が鏡に映っている。まあ私、自分で言うのもなんだけど、元が美人だからね。昔は男がしょっちゅう寄って来たから。でも今は男の恰好をしているから、誰も寄ってこない。当たり前だけど。

 
「これでメイドカフェで働けるよ!」

「は? 何を言い出すんだ政海・・・・」

「これでずっと一緒にいれるね、海里ちゃん! あ、もし学校の誰かに見つかったら困るから、双子の兄妹がお互いにいる事にすればいいよ。執事カフェに行く僕はお兄ちゃんの『政人(まさと)』が、メイドカフェに行く海里ちゃんは妹の『琴里(ことり)』ちゃんって事にしておけば、バレても困らないよっ」

「いやちょっと待て、政海・・・・」

「ダメ?(きゃるきゃるんっ)」




 DID(ダメって 言えない だろーが)あああああ――――っ!!




 結果。政海のきゃるきゃるにノックアウトされた。
 こうして私は政海と一緒に軽音サークルに入り、空いた日に政海と一緒に執事カフェとメイドカフェで働く事を約束させられたのだった。
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