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スマイル39・王様の両親に挨拶
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しおりを挟む「横山さんだけじゃなくて、恭ちゃんも助けてくれていたのね。それに、真秀君や真凛ちゃんの事も、色々二人から聞いたわ。力になってくれて本当にありがとう、王雅」
二人は、本当の兄妹じゃ無かったって、王雅が調べて教えてくれたって、真凛ちゃんや真秀君が教えてくれたのよね。同じ病院で生まれた双子の取違があったんだって。だから、二人は全然似ていなかったのね。似ていないから、わざと同じ色の髪にして似せたりしていたんだって、その時気が付いた。
良かったね、って二人には伝えたわ。戸籍の取り直しなんかは出来るのかしら。
王雅に頼めば、何でもやってくれそうね。とりあえず二人が幸せになれるなら、これ以上に嬉しい事は無い。
「お前の大事なヤツは、俺にとっても大切だからな。ガキ共の事もそうだ。全部俺様が守ってやる。だから、お前は安心して俺の傍にいたらいいんだ。俺は絶対、お前の傍に帰って来るから」
「うん、信じてる」
だって、決めたもの。貴方を信じるって。
貴方だけは、絶対に私を裏切ったりしないって。
「やっと俺の事信じてくれるようになったな。良かったぜ」
繋いだ手を、王雅がしっかり握り返してくれた。
「じゃあ、行きましょ」
「行くってドコへ? 施設に帰るんじゃねーのかよ」怪訝そうな顔で聞き返された。
「役所に決まってるでしょ。何よ、結婚はもうどうでもいいの?」
結婚しようって自分で言い出したクセに。
ご両親の了承は得てないけど、後から取得するからまあいいでしょう。
絶対、イヤって言わせないから!
不敵に笑っていると、王雅が黙って深刻な顔をしてしまった。
「行くの、行かないの、どっち?」
これで止めるとか言い出さないわよね?
「あっ、行く! 行きますっ!! じゃ、役所で書類出したらその後、指輪見に行こうぜ! 美羽の一番気に入ったヤツ、お揃いで買おう! もうネックレスなんかに付けて隠したりしねーで、すぐ薬指にはめてくれよ」
指輪って・・・・。この前貰った指輪で充分なのに。
女性はどうして婚約指輪に結婚指輪、二つも貰うのかしら。ひとつでいいのに。
でも、ここで貧乏風を吹かせても、さっきみたいに食い下がられるわ、きっと。ここは私が折れる事にした。
「はいはい。じゃあ、選んだら王雅がはめてくれる?」
モメたくないから、同調しておいた。
「いいぜ。幾らでもはめてやるよ」
頼もしいわね。王雅だったら、欲しいって言えば何でも買ってくれそうね。
まあ、私は貴方が傍にいてくれたら、それだけで十分だけどね。
お金で買える豪華なものは、私には必要無い。スーパーの特売で一円でも安くいい食材を買う事に、命を懸けるような女だから。
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