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スマイル37・王様のプロポーズ
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しおりを挟む「私が実際寄付を行った時、ある機関に振り込むだけで寄付としては終了でございました。寄付金の行き先が不明瞭なのが納得できませんでしたので、私が専用の機関を立ち上げさせていただきました。こちらについては、何時、どのように、どれだけの金額が何に使われたか、ホームページを開設しておりますので、そちらに全て明確に提示致します。ご賛同頂ける方には、是非ご協力をお願いしたいと思います。続いて、ホテルコンセプトに移ります。次の資料をご覧下さい」
ホテルコンセプトについての資料が、前のスクリーンに映し出された。
「充実のサービスだけでなく、様々なニーズに応えるホテル経営を目指します。また、近隣の個人商店等とも様々な契約を結び、地元に貢献するパイプを作ります。特に問題のあるシャッター通りになりつつある商店街と協力して、街を盛り立てて行きたいと思っております。例えばホテルの調理食材は、地元で採れた新鮮な野菜を利用する等、全てが活性化するような仕組みを打ち立てて参ります」
ああ、それで王雅がセントラル商店街と先ずは契約を打ち立てて、みんなの生活を保障してくれていたのね。だから、施設の買い物もツケというか、お金は要らないって言われたんだ。
水面下で動いてくれていた王雅の事、改めて凄いと思った。
次に簡単な製品紹介をするため、今度は王雅に紹介された横山さんが壇上に立った。
横山さんも、王雅のプロジェクトに参加、協力していたのね。
ああ、そうか。だから、横山工業に投資したんだ。投資するだけじゃなく、今後の工場の稼働にも一役買って出たんだわ。
王雅――ありがとう。これならきっと、横山工業も安泰ね。
これで貧乏に怯え、倒産を苦にすることもなくなるわ。
横山さんたら、ガチガチに緊張していて、焦っている様子が伺える。しどろもどろに自己紹介から語り出した。
何でも今回横山さんは、王雅の打ち立てたホテル事業サービスの一環である、お子様の面倒を見てくれる『子守ロボット』を開発されたそうなの。
安全な室内でしっかり管理し、システム開発した専用アプリと連携して、スマーフォンを通じ、横山さんが開発した子守ロボットが室内で面倒を見ている間は、離れたところからでも、親が子供の様子を安心して見る事ができるんですって!
子守ロボットを利用しているその間は、買い物やデートを短時間楽しめるサービスだそうよ。
本当に凄い。
横山さんは必死に製品の説明を行っていた。彼の熱い気持ちが、製品に対する情熱が伝わってきた。
話終わるころには、緊張も多少はほぐれてやりきった満足感の漂う顔になっていた。頬を紅潮させたまま、横山さんは頭を下げて壇上を下りた。
そして次の王雅の言葉を聞き、耳を疑った。
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