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スマイル21・王様とお寿司パーティー
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当然のことながら、全部は持ちきれないから宅配を頼んだ。エコバッグで持ち帰るどころの騒ぎじゃない。
それより、王雅がとっても驚いていた。支払いする時、こんなに買って数万円もしないのかよ、ってビックリしているの!
セレブは、こんな庶民のスーパーでお買い物なんかした事ないんだわ。
でも、私だってこんな量のお買い物したのは初めてだけどね。
それから施設に帰るまで、ガッチリ手をつないで離されなかった。沢山買ってもらったから、イヤとは言えなかった。やっぱり借りは作るもんじゃないわ。
「買い物楽しかったな。また行こうぜ!」
「そうね」
私は色々焦ったけど。まあ、王雅が楽しかったのならいいか。
施設の門の横に設置してある呼び鈴を押すと、私達の姿を確認したガックンがすぐ飛んで出て来てくれて、門のカギを開けてくれた。
「ミュー先生、お兄さん、お帰りなさい! お買い物、ご苦労様でした!!」
「ガックン、何時もお留守番ありがとう。頼りになるから、先生とっても助かるわ」
「僕が一番の年上ですから、ミュー先生のお手伝いをするのは当然です!」
ああ、ガックンって何ていい子なのかしら!
優しいし、頼りになるし、本当に助かるわ。
「ガックン、今から寿司パーティーやんぞ。近所に声掛けて来てくれ。準備忙しいぞ。手伝ってくれよ?」
「ええ――っ!? それはスゴイですね!! 早くみんなにも知らせましょう!!」
王雅の手を引っ張って、ガックンが大急ぎで施設の中に入って行った。「みんなー、今からお寿司パーティーするってー!!」
ドタドタと子供たちが玄関に走って来る音が聞こえて来た。「おすしーっ!? マグロ食べれるぅー?」
「ヤッター、パーティー、イエーイ!!」
「準備準備―」
「キャッホー!!」
「パー、パー!!」
玄関で大騒ぎになった。
「はーい、みんなただいま。王雅お兄さんがお魚いっぱい買ってくれたから、みんなでお礼を言って、パーティーの準備しましょう!」
「ヤッター!! お兄さん、ありがとうございまーす!!」
子供たちの大歓声が上がった。王雅は満足そうに王様スマイルを浮かべている。
「いいって、お安い御用だ。さあさあ、準備しようぜ、準備! 美羽、何からやったらいい? そーだお前等、先にパーティーの招待客呼ばなきゃいけねーだろ。近所中に声掛けてこい」
「はーいっ!!」
子供たちは一目散に施設の外へ出て行った。早速ご近所中に声を掛けて回っている。
「王雅、言ったからには大変よ。私はお米の準備するから、食堂のテーブルとか物置のテーブルを外に設置してくれる? お願いね。任せるわよ」
「解った。設置したらキッチン行って他の事手伝うから。声掛けるな」
「忙しくなるわよ。頑張ってね」
「任せとけ」
急いでキッチンに戻った。
釜一杯にお米を炊く準備をして、早速仕掛けた。海苔だけは軽いし持てるから、全部持って帰って来たのよね。とりあえずこれ切って、今施設にあるお酢とお砂糖で合わせ酢作っておこう。そのうち片山精米店やスーパーから、買った荷物が届くわ。
準備をしていると、王雅が段ボールを抱えてキッチンにやって来た。続いて片山のおじさんも一緒に入ってきて、隅の方に二人で段ボールを置いて、何やら喋っている。
「王雅君、ありがとうね。助かるよ」
「オヤジは無理すんなって。俺が運んでやるから。重いんだろ、米」
「本当に門の所まででいいのかい?」
「いいって。こう見えても俺、結構力あるんだぜ。それより、おっかさんが心配してたぜ。オヤジがこの前ギックリ腰した所だからって。無理すんなよ。客でも使え」
「かかあはお喋りだなぁ。初対面の王雅君に、もうそんな事まで喋ったのか」
「お喋り、いーじゃねーか。いいおっかさんだな。大事にしてやれよ」
「ああ、ありがとう」
そんな会話をしながら二人がキッチンを出て行った。
王雅も優しい所あるのね。
それより、王雅がとっても驚いていた。支払いする時、こんなに買って数万円もしないのかよ、ってビックリしているの!
セレブは、こんな庶民のスーパーでお買い物なんかした事ないんだわ。
でも、私だってこんな量のお買い物したのは初めてだけどね。
それから施設に帰るまで、ガッチリ手をつないで離されなかった。沢山買ってもらったから、イヤとは言えなかった。やっぱり借りは作るもんじゃないわ。
「買い物楽しかったな。また行こうぜ!」
「そうね」
私は色々焦ったけど。まあ、王雅が楽しかったのならいいか。
施設の門の横に設置してある呼び鈴を押すと、私達の姿を確認したガックンがすぐ飛んで出て来てくれて、門のカギを開けてくれた。
「ミュー先生、お兄さん、お帰りなさい! お買い物、ご苦労様でした!!」
「ガックン、何時もお留守番ありがとう。頼りになるから、先生とっても助かるわ」
「僕が一番の年上ですから、ミュー先生のお手伝いをするのは当然です!」
ああ、ガックンって何ていい子なのかしら!
優しいし、頼りになるし、本当に助かるわ。
「ガックン、今から寿司パーティーやんぞ。近所に声掛けて来てくれ。準備忙しいぞ。手伝ってくれよ?」
「ええ――っ!? それはスゴイですね!! 早くみんなにも知らせましょう!!」
王雅の手を引っ張って、ガックンが大急ぎで施設の中に入って行った。「みんなー、今からお寿司パーティーするってー!!」
ドタドタと子供たちが玄関に走って来る音が聞こえて来た。「おすしーっ!? マグロ食べれるぅー?」
「ヤッター、パーティー、イエーイ!!」
「準備準備―」
「キャッホー!!」
「パー、パー!!」
玄関で大騒ぎになった。
「はーい、みんなただいま。王雅お兄さんがお魚いっぱい買ってくれたから、みんなでお礼を言って、パーティーの準備しましょう!」
「ヤッター!! お兄さん、ありがとうございまーす!!」
子供たちの大歓声が上がった。王雅は満足そうに王様スマイルを浮かべている。
「いいって、お安い御用だ。さあさあ、準備しようぜ、準備! 美羽、何からやったらいい? そーだお前等、先にパーティーの招待客呼ばなきゃいけねーだろ。近所中に声掛けてこい」
「はーいっ!!」
子供たちは一目散に施設の外へ出て行った。早速ご近所中に声を掛けて回っている。
「王雅、言ったからには大変よ。私はお米の準備するから、食堂のテーブルとか物置のテーブルを外に設置してくれる? お願いね。任せるわよ」
「解った。設置したらキッチン行って他の事手伝うから。声掛けるな」
「忙しくなるわよ。頑張ってね」
「任せとけ」
急いでキッチンに戻った。
釜一杯にお米を炊く準備をして、早速仕掛けた。海苔だけは軽いし持てるから、全部持って帰って来たのよね。とりあえずこれ切って、今施設にあるお酢とお砂糖で合わせ酢作っておこう。そのうち片山精米店やスーパーから、買った荷物が届くわ。
準備をしていると、王雅が段ボールを抱えてキッチンにやって来た。続いて片山のおじさんも一緒に入ってきて、隅の方に二人で段ボールを置いて、何やら喋っている。
「王雅君、ありがとうね。助かるよ」
「オヤジは無理すんなって。俺が運んでやるから。重いんだろ、米」
「本当に門の所まででいいのかい?」
「いいって。こう見えても俺、結構力あるんだぜ。それより、おっかさんが心配してたぜ。オヤジがこの前ギックリ腰した所だからって。無理すんなよ。客でも使え」
「かかあはお喋りだなぁ。初対面の王雅君に、もうそんな事まで喋ったのか」
「お喋り、いーじゃねーか。いいおっかさんだな。大事にしてやれよ」
「ああ、ありがとう」
そんな会話をしながら二人がキッチンを出て行った。
王雅も優しい所あるのね。
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