コロッケスマイル

さぶれ@6作コミカライズ配信・原作家

文字の大きさ
上 下
147 / 150
ラストスマイル

世界一の男・7

しおりを挟む
 
「美羽さんのお陰で、私も新しいブランドを思い付いて、立ち上げる事にしたの。キングフェザー専属よ。ブランド名は、ビューティーフェザー。いい名前でしょう? 女性ドレス専門でやるの。あ、リトルフェザーも作ろうかしら。チイちゃんみたいな小さな女の子と、男の子にも着れるような、可愛いお洋服、デザインするの。普段着からフォーマルまで作って・・・・メンズ部門も楽しそうだから、ワクワクするわね! 言ったからには、しっかりプロデュースしてね。あ、売り上げの五パーセントは、王雅の機関に寄付するつもりよ」

「マジかよ!? いーじゃねーか! ガンガン稼いでくれよ。メンズ部門は、俺に任せておいてくれ。あ、オヤジも協力してくれよな!」


 ビューティーフェザーか。最高だな。
 オフクロもなかなか粋なコトやってくれんじゃねーか。
 早速メンズ部門でもしっかり売り上げ叩きだして、目いっぱい寄付してもらおーっと。


「もう既に、櫻井グループを私物化して勝手に色々とキングフェザーに使っているだろう。私が知らないとでも思っているのか、王雅」

「いーじゃねーか。ケチケチすんなよ。親のモンを子供が使って、何が悪いんだ。会社に大貢献してるんだし、取締役の特権だろ」

「誰よ、さっきは親じゃないとか言っておいて! 調子がいいわね。あなた、もう王雅には何も援助しなくてもいいわよ」

 俺とオヤジの会話に、オフクロが口を挟んできた。
 
「いやいや。孫と遊ばせてくれるというなら、もっと色々協力してもいいのだけれど? 今後もキングフェザーのビルテナント賃料、無料で手を打ってやろうじゃないか。今度港区の立地のいい場所にホテルとオフィスビル建設するから、そのビルのフロアも、キングフェザーのオフィスに利用するなら、ずっと無料で使わせてやるぞ。どうだ、王雅」

 オヤジがとんでもない事を言い出した。

「それとこれとは話が別だろーが! 孫を盾に取んなよ! 絶対ダメだっつーの!! でも、テナント賃料はタダにしてくれ。それは大いに助かる。オフィスもタダで使わせてくれ」


 っつーか、孫なんて、気がはえーな。まだ産まれてもいねーし。
 いや、俺も美羽との子供、欲しいけどさ。


 じゃあ、今まで以上に頑張るしかないのか!



 ふっふっふ。それは大いに任せておいてくれ。俺には持って来いの案件(プロジェクト)だ。
 

 誰だよ。俺みたいな子が産まれてそうとか考えてるヤツは。
 いーじゃねーか。俺みたいな男が産まれたら、世の中ハッピーになるぜ!
 しかも美羽と俺の子供だったら、愛情たっぷりで育つんだ。最高じゃねーか!

 女でもまあアリだ。

 まあ、そんときゃ、お前等と恋したいなっ。見かけたらヨロシクな。


「まっ! やっぱり王雅は可愛くないわ。いいわ、もう。美羽さんに頼みましょう、あなた」

「そうだな。そうしよう」

 二人で勝手に話をまとめだした。

「俺の許可なく、美羽に勝手に近寄んな。結婚式終わったら、さっさと帰れよ。仕事忙しーんだろ」

「今日は休みを取ったから大丈夫よ。美羽さんは、もう私達の娘なの。王雅だけのものじゃないのよ。そうだ! 王雅に意地悪されたら、ぜーんぶ美羽さんに言いつけようっと」

「バカ! ンな事したら俺が美羽に怒られんだろーが! 止めろよ!!」

「孫、抱かせてね?」

「チッ、勝手にしろっ!!」

 流石は俺の親だけあって、俺の弱点とか解ってるし、弁も立つ。
 美羽の後ろに隠れられた日にゃ、俺がたちまち立場弱くなっちまうの、解ってて言いやがるんだ。
 

「王雅―、そろそろ遊戯室の方に来てー! ミューちゃんの準備できたから! 皆さんも、遊戯室の方へ移動をお願いしまーす!」


 真凛が俺を呼んでくれた。広場にいた他の人間も、ゾロゾロと施設内に入って行った。


 そうそう。真秀と真凛の結婚式も、今度施設で挙げるんだ。
 とりあえず先に、俺と美羽を祝福してからだって。
 海外で挙式させてやりたかったんだけど、パスポートの関係でガキ共を連れて行くのが無理だからどうしようかと思っていたら、真秀や真凛も、俺等と同じく施設での結婚式をやりたいって言ったんだ。

 花井の件がカタついてから、用意していた礼に出生調査票渡してやったら、泣いて喜んでたな、アイツ等。


 俺の予想通り、真秀と真凛は本当の兄妹じゃなかったんだ。
 病院で取り違えがあったらしい。同じ日に産まれた、双子の兄妹。
 そんな偶然ってあるんだな。
 ま、アイツ等が別に本当に血がつながっていても、二人きりしかいないんだし、誰に迷惑をかけるわけじゃなし、別にそのままくっついてもいーんじゃねーかって俺は思うけど。

 でもそれはやっぱ、道徳的に無理か。

 真凛だって真秀との子供産みたいだろーし、本当の兄妹なら近親相姦になっちまうから、子供はきっと諦めただろーしな。本当の兄妹じゃなくて良かったな。変な話だけど。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

それは、ホントに不可抗力で。

樹沙都
恋愛
これ以上他人に振り回されるのはまっぴらごめんと一大決意。人生における全ての無駄を排除し、おひとりさまを謳歌する歩夢の前に、ひとりの男が立ちはだかった。 「まさか、夫の顔……を、忘れたとは言わないだろうな? 奥さん」 その婚姻は、天の啓示か、はたまた……ついうっかり、か。 恋に仕事に人間関係にと翻弄されるお人好しオンナ関口歩夢と腹黒大魔王小林尊の攻防戦。 まさにいま、開始のゴングが鳴った。 まあね、所詮、人生は不可抗力でできている。わけよ。とほほっ。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

ワケあり上司とヒミツの共有

咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。 でも、社内で有名な津田部長。 ハンサム&クールな出で立ちが、 女子社員のハートを鷲掴みにしている。 接点なんて、何もない。 社内の廊下で、2、3度すれ違った位。 だから、 私が津田部長のヒミツを知ったのは、 偶然。 社内の誰も気が付いていないヒミツを 私は知ってしまった。 「どどど、どうしよう……!!」 私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

処理中です...