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ラストスマイル
世界一の男・7
しおりを挟む「美羽さんのお陰で、私も新しいブランドを思い付いて、立ち上げる事にしたの。キングフェザー専属よ。ブランド名は、ビューティーフェザー。いい名前でしょう? 女性ドレス専門でやるの。あ、リトルフェザーも作ろうかしら。チイちゃんみたいな小さな女の子と、男の子にも着れるような、可愛いお洋服、デザインするの。普段着からフォーマルまで作って・・・・メンズ部門も楽しそうだから、ワクワクするわね! 言ったからには、しっかりプロデュースしてね。あ、売り上げの五パーセントは、王雅の機関に寄付するつもりよ」
「マジかよ!? いーじゃねーか! ガンガン稼いでくれよ。メンズ部門は、俺に任せておいてくれ。あ、オヤジも協力してくれよな!」
ビューティーフェザーか。最高だな。
オフクロもなかなか粋なコトやってくれんじゃねーか。
早速メンズ部門でもしっかり売り上げ叩きだして、目いっぱい寄付してもらおーっと。
「もう既に、櫻井グループを私物化して勝手に色々とキングフェザーに使っているだろう。私が知らないとでも思っているのか、王雅」
「いーじゃねーか。ケチケチすんなよ。親のモンを子供が使って、何が悪いんだ。会社に大貢献してるんだし、取締役の特権だろ」
「誰よ、さっきは親じゃないとか言っておいて! 調子がいいわね。あなた、もう王雅には何も援助しなくてもいいわよ」
俺とオヤジの会話に、オフクロが口を挟んできた。
「いやいや。孫と遊ばせてくれるというなら、もっと色々協力してもいいのだけれど? 今後もキングフェザーのビルテナント賃料、無料で手を打ってやろうじゃないか。今度港区の立地のいい場所にホテルとオフィスビル建設するから、そのビルのフロアも、キングフェザーのオフィスに利用するなら、ずっと無料で使わせてやるぞ。どうだ、王雅」
オヤジがとんでもない事を言い出した。
「それとこれとは話が別だろーが! 孫を盾に取んなよ! 絶対ダメだっつーの!! でも、テナント賃料はタダにしてくれ。それは大いに助かる。オフィスもタダで使わせてくれ」
っつーか、孫なんて、気がはえーな。まだ産まれてもいねーし。
いや、俺も美羽との子供、欲しいけどさ。
じゃあ、今まで以上に頑張るしかないのか!
ふっふっふ。それは大いに任せておいてくれ。俺には持って来いの案件(プロジェクト)だ。
誰だよ。俺みたいな子が産まれてそうとか考えてるヤツは。
いーじゃねーか。俺みたいな男が産まれたら、世の中ハッピーになるぜ!
しかも美羽と俺の子供だったら、愛情たっぷりで育つんだ。最高じゃねーか!
女でもまあアリだ。
まあ、そんときゃ、お前等と恋したいなっ。見かけたらヨロシクな。
「まっ! やっぱり王雅は可愛くないわ。いいわ、もう。美羽さんに頼みましょう、あなた」
「そうだな。そうしよう」
二人で勝手に話をまとめだした。
「俺の許可なく、美羽に勝手に近寄んな。結婚式終わったら、さっさと帰れよ。仕事忙しーんだろ」
「今日は休みを取ったから大丈夫よ。美羽さんは、もう私達の娘なの。王雅だけのものじゃないのよ。そうだ! 王雅に意地悪されたら、ぜーんぶ美羽さんに言いつけようっと」
「バカ! ンな事したら俺が美羽に怒られんだろーが! 止めろよ!!」
「孫、抱かせてね?」
「チッ、勝手にしろっ!!」
流石は俺の親だけあって、俺の弱点とか解ってるし、弁も立つ。
美羽の後ろに隠れられた日にゃ、俺がたちまち立場弱くなっちまうの、解ってて言いやがるんだ。
「王雅―、そろそろ遊戯室の方に来てー! ミューちゃんの準備できたから! 皆さんも、遊戯室の方へ移動をお願いしまーす!」
真凛が俺を呼んでくれた。広場にいた他の人間も、ゾロゾロと施設内に入って行った。
そうそう。真秀と真凛の結婚式も、今度施設で挙げるんだ。
とりあえず先に、俺と美羽を祝福してからだって。
海外で挙式させてやりたかったんだけど、パスポートの関係でガキ共を連れて行くのが無理だからどうしようかと思っていたら、真秀や真凛も、俺等と同じく施設での結婚式をやりたいって言ったんだ。
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俺の予想通り、真秀と真凛は本当の兄妹じゃなかったんだ。
病院で取り違えがあったらしい。同じ日に産まれた、双子の兄妹。
そんな偶然ってあるんだな。
ま、アイツ等が別に本当に血がつながっていても、二人きりしかいないんだし、誰に迷惑をかけるわけじゃなし、別にそのままくっついてもいーんじゃねーかって俺は思うけど。
でもそれはやっぱ、道徳的に無理か。
真凛だって真秀との子供産みたいだろーし、本当の兄妹なら近親相姦になっちまうから、子供はきっと諦めただろーしな。本当の兄妹じゃなくて良かったな。変な話だけど。
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