141 / 150
ラストスマイル
世界一の男・1
しおりを挟む
あれから暫く月日は流れた。
季節は、もうすぐ春になろうとしていた。
今日は、美羽との結婚式を行う日だ。
本当はもっと早く式を挙げたかったんだけど、キングフェザーが驚異的な忙しさを発揮してしまい、ゆっくり休みを取ることが出来なかったんだ。
新婚旅行もまだ行けていない。だから、結婚式が終わったら、明日から全員で新婚旅行に出発するんだ。
そうそう。ガックンやリカは、この春でマサキ施設から巣立って別の施設へ行くことになっていたが、俺の猛反対に合い、結局サトルと同じく学童扱いにすることになり、学校へ行ったらマサキ施設に帰って来るという流れになった。
俺が美羽に懇願したのが効いたのか、マサキ施設には春から人手を増やすとかで、現状そのままガキ共が施設を出ない限り、ずっと預かれるようにするんだとか。
何時かは別れが来ると思う。でも、それはできるだけ先がいい。
二人には、入学祝いにスーツとランドセルをプレゼントした。
ガックンは本革のカッコイイ黒色のランドセルを、リカには同じく本革の洒落た赤色のランドセルを贈った。二人のリクエストの色だ。きっと似合うだろう。
二人はもう、俺様の子供みたいなモンだ。入学式は絶対ビデオカメラ持って行って、保護者として参列しようと思ってる。来年は内藤と一緒に、サトルの入学式にも行くつもりだ。勿論他のガキ共の入学式にも行くぞ。全員の入学式に参列するからな。
仕事は入れない。何が何でも、絶対に休む。
ウエスティンのタヌキ社長が、合同経営発表の仕事より娘の食事優先させた気持ち、スゲーよく解る。子供との時間は大切だからな。
俺は美羽と出逢って、血のつながりというのは本物の親には敵わないけど、大切な子供を、本物の親以上に愛情をかけて育てる事はできるという事を知った。
だって、美羽がそうだから。
真崎夫婦が育てた美羽は、世界一立派な娘だと思う。
そんな世界一の女と、俺は今日、結婚式を挙げるんだ。
サイコーに幸せだ。
そうそう。施設での生活は、とても充実している。
仕事がメチャクチャ忙しいから、施設に帰るのは午前様になる事が多いけど、美羽は必ず起きて待っていてくれるから、どんなに仕事が遅くなっても、俺も必ず美羽の元に帰っている。
朝はガキ共と一緒に美羽の美味い飯食って、全員のいってらっしゃいで送り出してもらえるんだ。
こんな幸せな事ってねーぞ。
俺は一生、この幸せな生活を続けるんだ。
ああ、でも、思い起こせば美羽とは、クラブ雅で水ぶっかけられて、ビンタされたトコから始まったんだよな。
あん時美羽に出逢ってなけりゃ、今俺はここに居ないんだな。
うすら寒いあの城みたいな自分の家だった場所に、今でもまだ住んでいたんだろーな。
適当に侍らせた女も飽きたらポイ捨てして、きっと最低な男街道を進んでいたと思う。
美羽が俺を、まともな人間に矯正してくれたんだな。
最近思うんだ。
俺のオヤジやオフクロは、もしかしたらこんな温かい世界を知らないのかもなって。
たっぷりの愛情で包んで貰った事、一度も無いのかもなって。
誰か教えてやれるヤツがいたら、二人も変わるのかもしんねーなって。
まあ、親のコトは別にもういいんだ。
櫻井家は、本当に俺の中でどーでもいい存在だし。
家は出たけど、給料欲しいからとりあえず櫻井グループの取締役として君臨はしているけど、そのうち手を引きたいな。
あんなクソオヤジでも、あそこまでの会社を経営できてんだ。その上を行く会社を、俺はこれから作っていきたい。
まあ、人間としてはどうかと思うが、経営手腕は流石に素晴らしい。だからこそ、こんなに資産を築けたんだ。
ま、櫻井グループが飛躍的に伸びたのは、俺の功績もデカイと思うけどな。俺が抜けた穴はそうそう埋まんねーと思うけど、まあ後は頑張ってくれ。俺はもう知らん。
俺にはキングフェザーがあるから、櫻井グループを辞めても問題は無い。政治家になる為の勉強も頑張っているんだ。
そのうち政党立ち上げて立候補するから、見かけたらヨロシクな。
季節は、もうすぐ春になろうとしていた。
今日は、美羽との結婚式を行う日だ。
本当はもっと早く式を挙げたかったんだけど、キングフェザーが驚異的な忙しさを発揮してしまい、ゆっくり休みを取ることが出来なかったんだ。
新婚旅行もまだ行けていない。だから、結婚式が終わったら、明日から全員で新婚旅行に出発するんだ。
そうそう。ガックンやリカは、この春でマサキ施設から巣立って別の施設へ行くことになっていたが、俺の猛反対に合い、結局サトルと同じく学童扱いにすることになり、学校へ行ったらマサキ施設に帰って来るという流れになった。
俺が美羽に懇願したのが効いたのか、マサキ施設には春から人手を増やすとかで、現状そのままガキ共が施設を出ない限り、ずっと預かれるようにするんだとか。
何時かは別れが来ると思う。でも、それはできるだけ先がいい。
二人には、入学祝いにスーツとランドセルをプレゼントした。
ガックンは本革のカッコイイ黒色のランドセルを、リカには同じく本革の洒落た赤色のランドセルを贈った。二人のリクエストの色だ。きっと似合うだろう。
二人はもう、俺様の子供みたいなモンだ。入学式は絶対ビデオカメラ持って行って、保護者として参列しようと思ってる。来年は内藤と一緒に、サトルの入学式にも行くつもりだ。勿論他のガキ共の入学式にも行くぞ。全員の入学式に参列するからな。
仕事は入れない。何が何でも、絶対に休む。
ウエスティンのタヌキ社長が、合同経営発表の仕事より娘の食事優先させた気持ち、スゲーよく解る。子供との時間は大切だからな。
俺は美羽と出逢って、血のつながりというのは本物の親には敵わないけど、大切な子供を、本物の親以上に愛情をかけて育てる事はできるという事を知った。
だって、美羽がそうだから。
真崎夫婦が育てた美羽は、世界一立派な娘だと思う。
そんな世界一の女と、俺は今日、結婚式を挙げるんだ。
サイコーに幸せだ。
そうそう。施設での生活は、とても充実している。
仕事がメチャクチャ忙しいから、施設に帰るのは午前様になる事が多いけど、美羽は必ず起きて待っていてくれるから、どんなに仕事が遅くなっても、俺も必ず美羽の元に帰っている。
朝はガキ共と一緒に美羽の美味い飯食って、全員のいってらっしゃいで送り出してもらえるんだ。
こんな幸せな事ってねーぞ。
俺は一生、この幸せな生活を続けるんだ。
ああ、でも、思い起こせば美羽とは、クラブ雅で水ぶっかけられて、ビンタされたトコから始まったんだよな。
あん時美羽に出逢ってなけりゃ、今俺はここに居ないんだな。
うすら寒いあの城みたいな自分の家だった場所に、今でもまだ住んでいたんだろーな。
適当に侍らせた女も飽きたらポイ捨てして、きっと最低な男街道を進んでいたと思う。
美羽が俺を、まともな人間に矯正してくれたんだな。
最近思うんだ。
俺のオヤジやオフクロは、もしかしたらこんな温かい世界を知らないのかもなって。
たっぷりの愛情で包んで貰った事、一度も無いのかもなって。
誰か教えてやれるヤツがいたら、二人も変わるのかもしんねーなって。
まあ、親のコトは別にもういいんだ。
櫻井家は、本当に俺の中でどーでもいい存在だし。
家は出たけど、給料欲しいからとりあえず櫻井グループの取締役として君臨はしているけど、そのうち手を引きたいな。
あんなクソオヤジでも、あそこまでの会社を経営できてんだ。その上を行く会社を、俺はこれから作っていきたい。
まあ、人間としてはどうかと思うが、経営手腕は流石に素晴らしい。だからこそ、こんなに資産を築けたんだ。
ま、櫻井グループが飛躍的に伸びたのは、俺の功績もデカイと思うけどな。俺が抜けた穴はそうそう埋まんねーと思うけど、まあ後は頑張ってくれ。俺はもう知らん。
俺にはキングフェザーがあるから、櫻井グループを辞めても問題は無い。政治家になる為の勉強も頑張っているんだ。
そのうち政党立ち上げて立候補するから、見かけたらヨロシクな。
0
お気に入りに追加
204
あなたにおすすめの小説
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
わたしは夫のことを、愛していないのかもしれない
鈴宮(すずみや)
恋愛
孤児院出身のアルマは、一年前、幼馴染のヴェルナーと夫婦になった。明るくて優しいヴェルナーは、日々アルマに愛を囁き、彼女のことをとても大事にしている。
しかしアルマは、ある日を境に、ヴェルナーから甘ったるい香りが漂うことに気づく。
その香りは、彼女が勤める診療所の、とある患者と同じもので――――?
【完結】双子の伯爵令嬢とその許婚たちの物語
ひかり芽衣
恋愛
伯爵令嬢のリリカとキャサリンは二卵性双生児。生まれつき病弱でどんどん母似の美女へ成長するキャサリンを母は溺愛し、そんな母に父は何も言えない……。そんな家庭で育った父似のリリカは、とにかく自分に自信がない。幼い頃からの許婚である伯爵家長男ウィリアムが心の支えだ。しかしある日、ウィリアムに許婚の話をなかったことにして欲しいと言われ……
リリカとキャサリン、ウィリアム、キャサリンの許婚である公爵家次男のスターリン……彼らの物語を一緒に見守って下さると嬉しいです。
⭐︎2023.4.24完結⭐︎
※2024.2.8~追加・修正作業のため、2話以降を一旦非公開にしていました。
→2024.3.4再投稿。大幅に追加&修正をしたので、もしよければ読んでみて下さい(^^)
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

あなたが居なくなった後
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの専業主婦。
まだ生後1か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。
朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。
乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。
会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願う宏樹。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる