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スマイル40

世界一の女・4

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「なんなの、あれっ!!」



 俺の車に乗り込んだ美羽が、突然俺にキレてきた。「ご両親、ちょっとおかしいわよ! 私みたいな素性不明の女と話もせずに、大事な一人息子との結婚許可する? フツーじゃないわ! 王雅は未来の櫻井グループを背負う大事な男なのよっ! どうして結婚に反対しないのかしら!?」

「何でお前が怒ってんだ。面白い女だな。自分で自分をそんな卑下すんなよ。反対されたかったのかよ?」

「そうじゃないけど・・・・大事な結婚を、王雅の勝手に好きにしろなんて・・・・私の事よく知りもしないのに、納得できないわ!」

「反対されるよりずっといーじゃねーか。俺はアイツ等にとっちゃ、こんな扱いなんだ。今に始まった事じゃねーよ。ま、結婚の事は家が絡むから流石に反対するかと思ったけど、想像以上の返しだったな。それよりさ、俺の事幸せにしてくれるっつって、アイツ等に言ってくれてマジで嬉しかった! ありがとう、美羽」

「だって、あんな風に言われて悔しかったんだもん!! 貧乏人と結婚するのよ? ご両親、ちゃんと解ってんのかしら。もう一回説明に行った方がいいんじゃない?」

 美羽がまだ憤慨している。
 
「そんなのもうどーでもいーよ。アイツ等は俺よりも自分の城――仕事の方が大切なんだ。ずっとそうなんだ」

「私は違うわよ! 王雅が一番大切だからねっ!! だからご両親の言う事なんて、気にしちゃダメよ!」

 興奮してるから、何時もは照れて絶対言ってくれないような事、さらっと言ってくれた。


 コイツは本当にカワイイ。マジで最高の女だ。


 俺には勿体ないくらいの、世界一イイ女だ。

「なあ、美羽」

「なによっ」

 美羽はまだ興奮しているから、若干怒りが尾を引いている。

「今すぐお前を抱きたい。スゲー、愛したい」

「はあっ!? アンタ、朝から一体何回するのよっ! 私、昨日まで経験ほぼゼロだって言ってるじゃない! 殺す気!?」

「しょーがねーだろ。お前が俺を幸せにするとか、一番大切にするとか言うから、嬉しくて仕方ねーんだよ! 俺、今まで誰からも愛されなかった分、美羽が俺の事、愛してくれんだろ?」

「王雅・・・・」

「もっと俺の傍に来てくれよ」

 抱き寄せて口づけた。

 
「俺だってお前のコト、メチャクチャ愛して幸せにしてやるから! 絶対、後悔なんかさせない。だから一生俺について来い!」

「しょうがないわね、もう。ついていってあげるわ」

 苦笑された。ちょっと顔を傾けて言う何時ものクセ。お前の全部が愛おしい。

「絶対だぞ! 約束破ったら、ハリセンボン飲ましてやるからなっ!!」

 真顔で言うと、プッ、と噴き出された。

「何がおかしいんだよ。ミイが何時も指切りする時に言うだろーが」

「こんな場面でハリセンボンとか言う? もう、王雅って本当に面白いわね」


 美羽が満面のコロッケスマイルを見せてくれた。
 俺の心をぎゅっと鷲掴みにして、離さないその笑顔。


 ああ、好きだな。
 俺はお前のコロッケスマイルが、世界で一番好きだ。それを見ている時、心の底から本当に幸せだと思えるから――



「美羽、愛してる」



 彼女の耳元で愛を囁いて、深く口づけた。



 
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