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スマイル38
会見・2
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本当は会社勤めでプレゼン慣れしている和歌子から振りたかったんだが、順番的にどー考えても横山だろう。仕方ないから頑張ってもらう事にした。
事前の打ち合わせもきっちりやったし、俺が台本的な資料も全部用意してやったから、後は横山次第だ。
「あ、あのっ・・・・横山工業株式会社の代表取締役、横山一志と申します。この様な場は不慣れなため、失言もあるかと思いますが、えー、あのー、何卒目を瞑ってやって頂きますよう、お願い致します。えー・・・・先ずは・・・・弊社が今回のホテル事業で生かした製品の、ご、ご説明をさせて頂きます」
しどろもどろ感は拭えなかったが、製品を説明仕出したら、彼の情熱が伝わってきた。
彼には、今回ホテル事業サービスの一環である、子供の面倒を見させる『子守ロボット』を開発して貰った。
勿論、安全な室内でしっかり管理し、システム開発した専用アプリと連携して、スマーフォンを通じ、横山が開発した子守ロボットが室内で面倒を見ている間は、離れたところからでも、何時だって親が子供の様子を安心して見る事ができるんだ。子守ロボットを利用しているその間は、買い物やデートを短時間楽しめるサービスだ。
これは、子供だけじゃなくペットにも同様利用ができる。
宿泊したいけど預け先が無くて困っている利用者の、問題解決に一役買えるんだ。
更にもっと長時間となった場合、保育施設も充実させるから、そこも安心できる。
そしてこのシステムは、キングフェザーにも導入する。
キングフェザーでは俺の所で働いてくれるワケだから料金は不要だが、ホテル宿泊や休息利用の場合、オプションサービスだから、勿論料金はしっかり貰う。
多少高くても、ニーズはあるから勝算はある。
料金を貰うから、従業員への行き届いたサービスが実現する。給料が見合っていれば、頑張って働こうという気にもなるだろう。人件費に充てられる。
商品開発にも結構な金額がかかってんだ。ここも回収しなきゃ、俺だけじゃなくて横山が儲からねえだろ? それは困るんだ。
しっかりした料金設定も利益を出す為には必要で、経営手腕の一つだ。
あ、そうそう。横山工業の株、この会見後に多分相当跳ねあがると思う。
俺様は筆頭株主だし、また追加で買っておいた。ここでも自動的に儲かる。
勿論、高田製菓の株も、ヒロイホールディングスの株も、俺が企画打ち出す前の早い段階で、相当数購入してあるからな。
ある意味、インサイダー取引だな、コレ。バレるとちょっとマズいかもしんねーな。
ま、それは言わないでくれよ。
「――以上となります。ご清聴ありがとうございました」
熱弁を揮った横山は、紅潮した頬をしていた。そして、満足そうに笑った。
「続いて、この企画の為に異色のコラボレーションを打ち立てました、高田製菓株式会社の真崎恭一郎からこの企画の為に開発した商品について、説明をさせて頂きます」
恭一郎に振った。まあ、恭一郎もしっかりしているから、大して心配はしていない。
きちんとした紹介をしてくれるだろう。
心配だった横山が問題なく終わったから、後は静観するだけだ。
「皆様、本日はお忙しい中、お集まり頂き誠にありがとうございます。ご相伴に預かりました、私、高田製菓株式会社の真崎恭一郎で御座います。頑なに和菓子一本伝統を守り続けて来た弊社でございますが、櫻井に口説かれまして、この企画に協力させていただく運びとなりました。今回弊社が開発したのは、和洋菓子でございます。和菓子の伝統を守りつつ、新しい洋風の色を取り入れた沢山の商品をご用意させていただきました。全面的にホテル宿泊者様にご満足いただける、和洋菓子バイキングを発足致します。お手元に資料がありますので、是非ご覧下さいませ。これは百貨店や弊社実店舗では一切販売せず、ホテルご利用者様のみがお楽しみ頂けるものとなります」
これについては、高田製菓と独占契約を結んだ。
ホテルにとっちゃ昼の時間帯の売り上げ獲得に苦労する。だから独占的に面白い企画を打ち出したんだ。高田の方も経営難に陥りかけていたから、この企画はすぐ賛成されたから、話進めやすかった。
ま、恭一郎が動いてくれたのがデカいと思うけど。
高田の和菓子は有名だし、固定客も多い。そこに目をつけた。
前にチイの親父が土産で持ってきたのが、まさにそれだ。何処へ持って行っても、大抵喜ばれる。土産ならこれ定番、みたいなヤツだ。
勿論今まで通りのファン層の事も考慮し、人気の売れ筋和菓子もバイキングで食えるようにしてある。その上、新しく開発した商品はバイキング利用客、もしくは宿泊者しか食えない。惜しいが、土産には一切しない方針だ。
事前の打ち合わせもきっちりやったし、俺が台本的な資料も全部用意してやったから、後は横山次第だ。
「あ、あのっ・・・・横山工業株式会社の代表取締役、横山一志と申します。この様な場は不慣れなため、失言もあるかと思いますが、えー、あのー、何卒目を瞑ってやって頂きますよう、お願い致します。えー・・・・先ずは・・・・弊社が今回のホテル事業で生かした製品の、ご、ご説明をさせて頂きます」
しどろもどろ感は拭えなかったが、製品を説明仕出したら、彼の情熱が伝わってきた。
彼には、今回ホテル事業サービスの一環である、子供の面倒を見させる『子守ロボット』を開発して貰った。
勿論、安全な室内でしっかり管理し、システム開発した専用アプリと連携して、スマーフォンを通じ、横山が開発した子守ロボットが室内で面倒を見ている間は、離れたところからでも、何時だって親が子供の様子を安心して見る事ができるんだ。子守ロボットを利用しているその間は、買い物やデートを短時間楽しめるサービスだ。
これは、子供だけじゃなくペットにも同様利用ができる。
宿泊したいけど預け先が無くて困っている利用者の、問題解決に一役買えるんだ。
更にもっと長時間となった場合、保育施設も充実させるから、そこも安心できる。
そしてこのシステムは、キングフェザーにも導入する。
キングフェザーでは俺の所で働いてくれるワケだから料金は不要だが、ホテル宿泊や休息利用の場合、オプションサービスだから、勿論料金はしっかり貰う。
多少高くても、ニーズはあるから勝算はある。
料金を貰うから、従業員への行き届いたサービスが実現する。給料が見合っていれば、頑張って働こうという気にもなるだろう。人件費に充てられる。
商品開発にも結構な金額がかかってんだ。ここも回収しなきゃ、俺だけじゃなくて横山が儲からねえだろ? それは困るんだ。
しっかりした料金設定も利益を出す為には必要で、経営手腕の一つだ。
あ、そうそう。横山工業の株、この会見後に多分相当跳ねあがると思う。
俺様は筆頭株主だし、また追加で買っておいた。ここでも自動的に儲かる。
勿論、高田製菓の株も、ヒロイホールディングスの株も、俺が企画打ち出す前の早い段階で、相当数購入してあるからな。
ある意味、インサイダー取引だな、コレ。バレるとちょっとマズいかもしんねーな。
ま、それは言わないでくれよ。
「――以上となります。ご清聴ありがとうございました」
熱弁を揮った横山は、紅潮した頬をしていた。そして、満足そうに笑った。
「続いて、この企画の為に異色のコラボレーションを打ち立てました、高田製菓株式会社の真崎恭一郎からこの企画の為に開発した商品について、説明をさせて頂きます」
恭一郎に振った。まあ、恭一郎もしっかりしているから、大して心配はしていない。
きちんとした紹介をしてくれるだろう。
心配だった横山が問題なく終わったから、後は静観するだけだ。
「皆様、本日はお忙しい中、お集まり頂き誠にありがとうございます。ご相伴に預かりました、私、高田製菓株式会社の真崎恭一郎で御座います。頑なに和菓子一本伝統を守り続けて来た弊社でございますが、櫻井に口説かれまして、この企画に協力させていただく運びとなりました。今回弊社が開発したのは、和洋菓子でございます。和菓子の伝統を守りつつ、新しい洋風の色を取り入れた沢山の商品をご用意させていただきました。全面的にホテル宿泊者様にご満足いただける、和洋菓子バイキングを発足致します。お手元に資料がありますので、是非ご覧下さいませ。これは百貨店や弊社実店舗では一切販売せず、ホテルご利用者様のみがお楽しみ頂けるものとなります」
これについては、高田製菓と独占契約を結んだ。
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ま、恭一郎が動いてくれたのがデカいと思うけど。
高田の和菓子は有名だし、固定客も多い。そこに目をつけた。
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勿論今まで通りのファン層の事も考慮し、人気の売れ筋和菓子もバイキングで食えるようにしてある。その上、新しく開発した商品はバイキング利用客、もしくは宿泊者しか食えない。惜しいが、土産には一切しない方針だ。
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