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スマイル36
決戦の時・4
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上手く行ったら、ハッカーの彼にはかなりの報酬を振り込む約束をしているから、相手の方がヘマをやったり、俺を裏切るということは無い。
更に一定の時間、万が一でも花井が取引をしたり、スマホで操作したりできないよう、回線の細工も抜かりない。株暴落の場面を、見せつけてやるんだ。
これは真秀が動いてくれた。花井の傍に居て、パソコンの機種を特定・ネット回線に細工、進んでやってくれた。真秀も花井を恨んでいるから、面白いくらい協力してくれたぜ。
まあ、真凛の事を解決してやった恩がデカイのかな。
言っておくがこれはド素人(作者)が考えた架空の話だから、そんなの現実問題無理あんだろーとか、辻褄あってねーよとか、そんな事不可能だろーとか思っても、そこは目をつぶってくれ。ツッコミは無しだ。
っつーワケで花井は、公文書偽造、インサイダー取引、とりあえずこの二件で何年かは刑務所に送り込めるようにした。
出所後は、ヤツに苦汁を飲ませられた人間たちに所在地を教え、後は勝手に始末してもらおうと思っている。俺が手を下すまでも無いだろう。
花井を殺したい程憎んでいるヤツ等は、山のようにいるからな。
それでもそいつらの目を潜り抜け、性懲りもなく美羽に近づいたら、今度こそ俺が息の根を止めてやるぜ。
まあでも、花井の執念には驚かされた。
調査の結果、色々な事が解ったんだ。
本当は司法書士になる為に勉学に励んでいた男が、突然不動産業者になったのは、横山の土地を奪い、横山の工場を潰そうとする為だったなんてな。
美幸が手に入らなかったから、美羽で手を打とうとする事にも驚きだが、もともと美幸を好いていた花井は、美幸と結婚した横山の工場で働いていた真崎久信(まさきひさのぶ)――美羽のオヤジを、ずっと恨んでいたんだ。
横山については、とんだとばっちりだ。美羽のオヤジを雇っていただけなのに、花井に恨まれることになっちまったんだからな。
まあ、マサキ施設の土地を美羽の両親に貸していた件もあるか。関係者的立ち位置と認識されていただろうな。
上手く稼働していた工場が徐々に傾いて仕事が減ったのも、救いの手を差し伸べる為にもかなりの高額で施設の土地を買い取り、その関係で施設への出入りはやめさせ、挙句、じわじわと真綿で首を絞めるように、横山の工場に新しい商品開発の為の機械を導入させ、あたかも救い神のように振る舞い、その裏で銀行に根回しをして、横山の工場を潰そうと計画していたんだからな――
おかしいと思ったんだ。横山の工場は、俺が見て来た中でもかなりいい工場だ。少し資金繰りが悪いってだけで潰すには、本当に惜しい工場だったから。
銀行が融資をしないなんて、どんな間抜けな行員が担当しているのかと思ったんだが、実は横山を恨んでいた花井が手を引いていたんだ。
花井が横山と同じ銀行と取引をしていたのは、偶然じゃなかった。
櫻井グループも取引のある地方銀行だったし、調査の為に俺が銀行の支店長に連絡して横山の事を尋ねたら、電話口で大慌てしやがったんだ。
今後立ち上げる俺の個人会社のメインバンク探してるんだけど、横山の事や花井の事、何か知ってるなら教えてくれよ、ここだけの話にしてやるから――みたいなことを言ったら、向こうから勝手に花井の事をベラベラ喋ってくれたんだ。お陰で、花井が裏で糸を引いていたカラクリが解った。
勿論、そんな卑怯な事をするような銀行に、俺の大事な個人資産は預けられない。
何時裏切られるか、わかんねーだろ。俺は敵も多いんだ。
礼だけ言って電話は切った。一言も契約するなんて言ってねーしな。
横山にこの事を話したら、本当に落胆していた。施設の土地も高額で買ってくれて、工場を助けてくれて、経営のアドバイスもしてくれた花井は良いヤツだと思っていたらしい。
施設に行かなかったのも、花井から言われた事もあったのだが、実際美羽に会わせる顔が無いと、彼なりに悩んだ結果だったらしい。
更に一定の時間、万が一でも花井が取引をしたり、スマホで操作したりできないよう、回線の細工も抜かりない。株暴落の場面を、見せつけてやるんだ。
これは真秀が動いてくれた。花井の傍に居て、パソコンの機種を特定・ネット回線に細工、進んでやってくれた。真秀も花井を恨んでいるから、面白いくらい協力してくれたぜ。
まあ、真凛の事を解決してやった恩がデカイのかな。
言っておくがこれはド素人(作者)が考えた架空の話だから、そんなの現実問題無理あんだろーとか、辻褄あってねーよとか、そんな事不可能だろーとか思っても、そこは目をつぶってくれ。ツッコミは無しだ。
っつーワケで花井は、公文書偽造、インサイダー取引、とりあえずこの二件で何年かは刑務所に送り込めるようにした。
出所後は、ヤツに苦汁を飲ませられた人間たちに所在地を教え、後は勝手に始末してもらおうと思っている。俺が手を下すまでも無いだろう。
花井を殺したい程憎んでいるヤツ等は、山のようにいるからな。
それでもそいつらの目を潜り抜け、性懲りもなく美羽に近づいたら、今度こそ俺が息の根を止めてやるぜ。
まあでも、花井の執念には驚かされた。
調査の結果、色々な事が解ったんだ。
本当は司法書士になる為に勉学に励んでいた男が、突然不動産業者になったのは、横山の土地を奪い、横山の工場を潰そうとする為だったなんてな。
美幸が手に入らなかったから、美羽で手を打とうとする事にも驚きだが、もともと美幸を好いていた花井は、美幸と結婚した横山の工場で働いていた真崎久信(まさきひさのぶ)――美羽のオヤジを、ずっと恨んでいたんだ。
横山については、とんだとばっちりだ。美羽のオヤジを雇っていただけなのに、花井に恨まれることになっちまったんだからな。
まあ、マサキ施設の土地を美羽の両親に貸していた件もあるか。関係者的立ち位置と認識されていただろうな。
上手く稼働していた工場が徐々に傾いて仕事が減ったのも、救いの手を差し伸べる為にもかなりの高額で施設の土地を買い取り、その関係で施設への出入りはやめさせ、挙句、じわじわと真綿で首を絞めるように、横山の工場に新しい商品開発の為の機械を導入させ、あたかも救い神のように振る舞い、その裏で銀行に根回しをして、横山の工場を潰そうと計画していたんだからな――
おかしいと思ったんだ。横山の工場は、俺が見て来た中でもかなりいい工場だ。少し資金繰りが悪いってだけで潰すには、本当に惜しい工場だったから。
銀行が融資をしないなんて、どんな間抜けな行員が担当しているのかと思ったんだが、実は横山を恨んでいた花井が手を引いていたんだ。
花井が横山と同じ銀行と取引をしていたのは、偶然じゃなかった。
櫻井グループも取引のある地方銀行だったし、調査の為に俺が銀行の支店長に連絡して横山の事を尋ねたら、電話口で大慌てしやがったんだ。
今後立ち上げる俺の個人会社のメインバンク探してるんだけど、横山の事や花井の事、何か知ってるなら教えてくれよ、ここだけの話にしてやるから――みたいなことを言ったら、向こうから勝手に花井の事をベラベラ喋ってくれたんだ。お陰で、花井が裏で糸を引いていたカラクリが解った。
勿論、そんな卑怯な事をするような銀行に、俺の大事な個人資産は預けられない。
何時裏切られるか、わかんねーだろ。俺は敵も多いんだ。
礼だけ言って電話は切った。一言も契約するなんて言ってねーしな。
横山にこの事を話したら、本当に落胆していた。施設の土地も高額で買ってくれて、工場を助けてくれて、経営のアドバイスもしてくれた花井は良いヤツだと思っていたらしい。
施設に行かなかったのも、花井から言われた事もあったのだが、実際美羽に会わせる顔が無いと、彼なりに悩んだ結果だったらしい。
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